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でる【出る】🔗🔉

でる【出る】 自下一〔中にあって見えなかったものが外から見えるようになる意〕 一定の範囲内から外に移る。 「部屋から━」 「寝床を━」 「毎日五時に事務所を━」 「改札口をて商店街に向かう」 「裏口から通りに━」 ⇔はい 乗り物が発進する。 「連絡船は八時に博多港を━」 「今送迎バスが━ところだ」 生活の基盤としてきた所を離れる。 「一八歳のときに郷里をた」 「アパートをてマンションに移る」 「大学を━」 「刑務所を━」 「言い争いの果てに家を━」 一定の範囲を超える。 「足が土俵の外に━」 「腹がてきた」 「壁面に釘くぎていて危険だ」 「シャツの下から下着がている」 「忘年会は予算をない範囲で上げよう」 「怒るとすぐに手が━」 「はみ━・抜きん━」 《「…に━」の形で、動作性名詞を受けて》ある目的のために特定のところに行く。…しに行く。向かう。 「勤め[パート]に━」 「旅に━」 「研修[奉公]に━」 《「…に/へ━」の形で、場所を表す名詞を受けて》到達点としての、その場所に行く。 「縁側にて夕涼みを楽しむ」 「座敷へて挨拶あいさつをする」 「今日は休日出勤で会社にています」 「勉学のために都会に━」 緊急事態に対して、軍隊や警察隊が出動する。 「自衛隊がて救助に当たる」 「捜索隊が━」 「救急車[パトカー]が━」 《「…に/へ━」の形で、多く経過を表す句を受けて》道筋をたどってその場所に行き着く。 「角を曲がると駅に━」 「まっすぐ行って大通りへ━」 前に進んで、自らを他と区別される位置におく。進み出る。 「異議ある者は一歩前によ」 「並ぶや否や一気に追い抜いて前に━」 「先頭に━」 「ピアノでは彼の右に━者はいない(=彼が一番だ)」 《「電話に━」の形で》電話で応答する。 「三回目の呼び出し音で電話に━」 「部長、電話におになりますか?」 特定の場に臨む。特に、人目の立つ所に現れる。 「会議に━」 「結婚式[試合]に━」 「映画[テレビ]に━」 「人前に━」 「届け━・名乗り━」 ある分野に乗り出す。特に、選挙に立候補する。 「社会[政界]に━」 「市長選に━」 〔好ましくないものについて言って〕普段はひそんでいるものが人前に現れる。 「柳の下に幽霊が━」 「お化けが━」 「里にクマが━」 「夜ごとにつじぎりが━」 「台所にゴキブリが━」 気持ち・考え・特徴などが表面に表れる。 「喜びが顔に━」 「彼は歌に表現力がてきた」 「真相が明るみに━」 ある事柄がマスコミや言語作品の中に登場する。 「新聞に名前が━」 「掲示板に夏祭りの案内が━」 「『津田』とは『明暗』にてくる主人公の名前だ」 「話に━」 料理などが人前に置かれる。供される。 「昼食にそばが━」 「全員に食事が━」 「おしぼりが━」 製品や芸術作品などが作られて公の場に送り出される。 「A社から新製品[文学全集]が━」 「巨匠の新作が展覧会にている」 問題・解答・意見・結論などが提示される。 「記述式の問題が━」 「講師の発言をめぐって質問が━」 「審議会から答申が━」 「消費者から苦情が━」 「役所から許可が━」 「最高裁の判決が━」 特定の場所に掲げられたり並べられたりする。掲出されたり陳列されたりする。 「入り口に看板[表札]がている」 「新製品が店頭に━」 「屋台[夜店]が━」 資金などが提供される。また、報酬や手当が支払われる。 「受賞者には賞金が━」 「給料[ボーナス]が━」 信号の類が発信されたり相手に送り届けられたりする。 「パルサーから強力な電波が━」 「監督から打者にサインが━」 内にあったものや隠れていたものが外に現れる。姿を現す。 「山の端に月がた」 「蛇口からは温水が━」 「殻を破ってひなが━」 「袖そでをまくると白い腕が━」 「隠してもぼろが━」 「今後も破産する銀行が━」 体に吹き出物や角などが生じる。 「顔ににきびが━」 「じんましんが━」 「牛の頭に角が━」 植物に芽や葉が生じる。 「種から芽が━」 「穂[葉]が━」 自然の現象が新たに生じる。発生する。起こる。 「風[霧・虹にじ]が━」 「煙突から煙が━」 「大水が━」 「この笛は澄んだ音が━」 「わき水が━」 「削ればくずが━」 「たたけば埃ほこりが━」 生理的な現象が新たに生じる。発生する。 「目から涙が━」 「額ひたいに汗が━」 「あくび[ため息・よだれ・声・熱・疲れ]が━」 その状態や性質が新たに生じる。〔好ましいものにもそうでないものにもいう〕 「仕事に意欲が━」 「生活に張りが━」 「作品に深みが━」 「実力に差が━」 「元気[つや]が━」 「貫禄[人気・記録]が━」 「悪い癖[被害]が━」 効果的な技などが作り出される。 「本塁打[得意技]が━」 《「…から━」の形で》隠れていたものやなくしたものが発見される。 「床下から小判がた」 「こんなところから指輪がてきた」 《「…から━」の形で》天然資源が産出する。また、作物が生産出荷される。 「この山からは金が━」 「ここからは良質の木材が━」 《「…から━」の形で》物事がそれを起点として成立する。〜に由来する。〜を出自しゅつじとする。 「このことわざは大衆の知恵からたものだ」 《多く「…から━」の形で》地域や集団から人材が輩出する。また、組織などを抜ける者が現れる。 「一〇年に一人━かないかという逸材」 「組織から裏切り者が━」 博打ばくちやくじ引きで、当たりの目ができたり特定の札で役ができたりする。 「ぞろ目が━」 「おみくじは吉とた」 「札をめくると坊主がた」 「競馬で大穴がた」 《多く上に程度を表す副詞句を伴って》商品が売れる。 「これが今一番よくています」 「高級品となるとちっともない」 《上に様態を表す副詞句の類を伴って》その態度をとる。 「ずいぶん大きくたものだ」 「強硬な態度に━」 「下手したてに━」 「反撃に━」 ◆文語下二段動詞「出づ」の連体形「いづる」が終止形に居座り、「づる」に転じて下一段化したもの。 可能形は「出られる」。「出れる」「出れない」はら抜き言葉。→ら抜き言葉 (下二) 関連語 大分類‖移動‖いどう 中分類‖出る‖でる 大分類‖移動‖いどう 中分類‖出発‖しゅっぱつ 大分類‖現れる‖あらわれる 中分類‖現れる‖あらわれる

明鏡国語辞典 ページ 4232 での出る単語。