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はい・る【入る(▼
入る)】ハヒル🔗⭐🔉
はい・る【入る(▼
入る)】ハヒル

自五
外から一定の枠の中にすっぽりと移り動く。〔意志的な行為にもそうでないものにもいう〕
「書斎に━」
「木陰に━」
「バスが市街地に━」
「船が港に━」
「玄関を━と受付がある」
「温泉に━」
「迷路に━」
「トイレに━」
⇔出る
対応する他動詞は「入いれる」。
文語的な古い言い方では「入いる」。
雨風・光などが外から内に移り動く。
「窓から雨が━・ってくる」
「木々のすきまを通して月明かりが━・ってくる」
「二階は西日が━」
物陰に移り動いて見えなくなる。隠れる。
「船が島陰に━」
「月が山の端に━」
物が移り動いて一定の範囲内に収まる。
「打球が左翼席に━」
「ボールがバスケットに━」
「外角ぎりぎりにストライクが━」「顔面にパンチが━」のように、〜ガに
結果
をとる言い方もある。「入る」
ことによって、ある効果的な状態が作り出される意。
体外にあったものが体内に移り動く。
「ほこりが目に━」
「耳に水が━」
「傷口から黴菌ばいきんが━」
外から内に文物がもたらされる。
「海産物は隣の県から━・ってくる」
「仏教は六世紀に日本に━・った」
ものがある物の中に収まる。
「かばんに傘が━・っている」
「押し入れに布団が━・っている」
「会場には満員の観客が━・っている」
「ウイスキーはもう少ししか━・っていない」
「水の━・ったバケツ」
言い切りは「━・っている」の形で使う。
《「実が━」「身が━」などの形で》外皮や殻に包まれたままで中身が大きくなる。実[身]がつく。詰まる。
「今年の稲はずっしりと実が━・っている」
中に収め入れることができる。
「この瓶には一リットルの液体が━」
「詰め込めば一〇〇人は━(=入はいれる)」
「もっと物が━(=入いれられる)物置がほしい」
可能動詞「入はいれる」は
人
の場合。
物
の場合は「入いれられる」を使う。
特定の環境に身を移して、集団や組織の一員になる。
「○○校に━」
「仏門に━」
「芸能界に━」
「傘下[支配下]に━」
「仲間に━」
ある制度のもとに一員として加わる。加入する。
「健康保険に━」
「生命保険に━」
中にあるもの(特に、異質のもの)が加えられる。
「コーヒーにミルクが━・っている」
「井戸水に毒物が━・っている」
「麻に合成繊維が━・っている」
「雑音[じゃま]が━」
《「━・っている」の形で》ある物の中に含まれる形である物が付け加えられている。
「豚肉にはビタミンBが━・っている」
「この布には花模様が━・っている」
文書などに訂正が加えられる。
「報告書に部長の訂正が━」
「校正紙に筆者の赤字が━」
時間の流れや空間の中にあるもの(特に、異質なもの)が挿入される。
「演説の最中に質問が━」
「幕間まくあいに二〇分の休憩が━」
「『奇』と『怪』の間に『っ』が━」
「今夜はあいにく会議が━・っている」
模様などが付け加えられたり新たにできたりする。
「千円札には透かしが━・っている」
「陶器にひび[亀裂きれつ]が━」
お金が収入として懐ふところにおさまる。自分の物となる。
「月末には給料が━」
「印税が━」
物が移し運ばれて一定の所に収まる。特に、事務所などに設備が備え付けられる。
「書店に新刊書が━」
「事務所に冷暖房設備が━」
《「…が手に━」の形で》…が自分の所有物となる。〜を手に入れる。〜を入手する。
「大金[交渉権]が手に━」
「もっと安く手に━方法はないか」
機械や器具に電流や火が通(ってその機能が発揮され)る。
「パソコンに電源が━」
「提灯ちょうちんに火が━」
「部屋に冷房が━・って涼しくなった」
作業や式典の始まりを表すものとして、ある物に鋭利な刃物が刺し入れられる。
「魚に包丁が━」
「腹部に執刀医のメスが━」
「テープカットで鋏はさみが━」
「植樹祭で鍬くわが━」
電話や無線による連絡が特定の所に届く。来る。
「本社から支社にファックスが━」
「メールで注文が━」
「田中さん、電話が━・っています」
電波を受信して音や画像を表示することができる。受信できる。受かる。
「このラジオはFM放送が━」
「このマンションは衛星放送が━」
アルコール飲料が体内に取り入れられる。
「酒が━と陽気になる」
「もうかなり━・っている(=飲んでいる)」
お茶・コーヒーなど、お湯を注ぎ入れて作る飲料が用意される。
「お茶が━・りました(=お茶をどうぞ)」
他動詞表現は「お茶を入れる」だが、一般に人に勧めるときは慎み深い表現として「お茶が入る」の形が使われる。
〔慣用句的に〕物事が知覚されたり理解されたりする。
「美しい景色が目に━・ってくる」
「うわさが耳に━」
「読んでいることが頭に━・らない」
〔慣用句的に〕物事に気持ちや力が傾注される。
「仕事に身が━・らない」
「気合いが━」
「力の━・った一番」
「魂の━・った一撃」
ある範囲内に収まる。含まれる。
「南九州が暴風圏に━」
「一〇〇メートル競走で二位に━」
「標的が射程距離に━」
「その件は予定に━・っていない」
物事があるクラスに分類される。所属する。属する。含まれる。
「ヒトもゴリラも霊長類に━」
「この程度では失敗のうちに━・らない」
《動作性名詞+「に━」の形で》ある目的(特に、盗みの目的)をもって他人の建物の中に入る。
「山間部に方言調査に━」
「係官が立入検査に━」
「盗みに━」
「銀行に強盗に━」
「銀行に強盗が━」など、〜ガに
人
をとる言い方は
の意。
「○○産業に強制捜査が━」など、〜ガに
結果
をとる言い方もできる。「入る」
ことによって、そのことが行われる意。
工事人などがある場所に入って、そこを占有している状態にある。
「大工が━・って改築工事をしている」
「庭には庭師が━・っている」
争いの間に割り込んだり仲裁人として間に立ったりする。
「両者の間に━・って仲を取り持つ」
「もめごとの調停に━」
時が移って、ある時期・期間に達する。
「四月[梅雨つゆ]に━」
「夜に━と急に涼しくなる」
「夏休みに━」
「ロスタイムに━」
次第に高じて、ある高い状態に移る。
「物語が佳境に━」
「審議が大詰めに━」
「興奮状態に━」
「そろそろ本題に━・ろう」
「決裂すればストライキに━」
◆「はいいる」の転。
はいれる(→はいる
)
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖入はいる‖はいる































































明鏡国語辞典 ページ 4888 での【入る(入る)】単語。