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な・い【無い(亡い)】🔗🔉

な・い【無い(亡い)】 〔「ある」の対〕 《人・動物以外の物体を主語にして》ものが存在しない。 「この部屋にはテレビが━」 「捜しても財布が━」 人・動物の場合は「いる」の打ち消し形「いない」を使う。 《人や動物など意思を持つものを主語にして》 《存在の有無を問題にして》特徴づけられた人・動物が存在しない。いない。 「彼にかなう者は━」 「賛同者は全く━・かった」 「この世には神も仏も━のだろうか」 「いない」よりも、やや文章語的。 人が死んでもうこの世にいない。生存していない。 「彼死して既に━」 「今は亡き師」のように文語形を使うことも多い。 「亡い」と書く。 《抽象的な事柄を主語にして》 事柄や状態、関係などが存在しない。 「芸術に理解が━」 「言動にそつが━」 「痛み[記憶・落ち着き]が━」 「この件とは[この件には]関係が━」 「際限も━」 行為や出来事、現象などが起こらない。 「留守中に電話は━・かったか?」 「今日は学校[授業]が━」 「変化が━」 「一か月も雨が━」 方法や選択肢が存在せず行えない。 「手の施しようが━」 「彼に頼むほか━」 所有されたり含まれたりする状態で存在しない。持っていない。 「私には兄弟が━」 「貧乏暮らしで私には金も時間も━」 「彼にはまったくくったくが━」 でも、その持ち主や起こる場所に焦点が当たると、この用法になる。「この市は空港[美術館]が━」 《「…に━」の形で状況や場面を表す語を受けて》特定の状態や段階に置かれていない。 「人口は増加の傾向には━」 「忠告できる立場に━」 「柄にも━・く照れている」 《「…も[と]━」の形で数値を受けて》その数量に及ばない意を表す。…に達しない。 「歩いて一〇分も━距離」 「二つと━宝」 《「…しか━」の形で数値を受けて》数量がわずかにそれだけである意を表す。 「ツアーの参加者は三人しか━」 《「…と━・く」の形で疑問詞や疑問詞を含む文を受けて》それと特定できないが。 「誰と━・く話し出した」 「何度と━・く繰り返される」 《「…とも━・く」の形で文を受けて》特にそうしようと意識せずに。 「誰に聞かすとも━・くつぶやいている」 《「…ことが━」の形で》→ことがない 《「…ことは━」の形で》→ことはない 《「…なくは━」「…ないことは━」「…ないでは━」などの形で》二重否定を表す。 「数学の勉強はつまらなくは━」 「勧められたら読まないでは━」 →ないことはない 《「…はずが━」「…わけが━」の形で》可能性がない。 「彼が来るはずが━」 「そんな説明で納得するわけ━だろう」 《「━・くして」の形で、名詞を受けて》それを欠いた状態で。 「彼の協力━・くしてこの事業の完成はあり得ない」 「信じること━・くして生きられようか」 →なしに 名詞に付いて形容詞や副詞を作る。「頼り━・心━・だらし━・しかた━・相違━」「何[どこ・それ]と━・く」 「はてし」「詮せん」「たわい」「いとま」「跡形あとかた」「余念」「絶え間」「意気地」「すべ」などは、「…が[も]ない」「…が[も]ありません」の形で使うことが多く、「…がある」の形はあまり使われない。 補形 《主に形容(動)詞型の活用語の連用形に付いて》打ち消しの意を表す。 「評判ほどには面白く━」 「ベテランらしく━失敗だ」 「もう子供では━のだから」 「穏やかで━話だなあ」 《「…で━」の形で、動詞の連体形を受けて》禁止を表す。 「断じてくじけるで━ぞ」 「つべこべお言いで━よ」 ◇古い言い方。 ◆「ない」のコラム はかな書きが多い。「亡」はもっぱらで使う。はかな書きが一般的。 文語形「無し」を使うことも多い。「何の報告も無し」「成算我に無し」などのほか、「良くも無し、悪くも無し、まあ十人並というところでしょう岡本綺堂」のように、連用形「なく」と同じように使う場合もある。 ‐げ/‐さ 関連語 大分類‖無い‖ない 中分類‖‖む

明鏡国語辞典 ページ 4530 での無い(亡い)単語。