
上・登

ある所を通って下方から上方へ移動する。また、移動して上方に至る。
「階段[山道]を━」
「川を━」
「屋根に━」
「山[演壇]に
登る」

「上がる」に比べて、

移動する場所

(〜ヲ)に注目する度合いが強い。「坂道[はしご]を上がる」は不自然な言い方で、「階段を

上
のぼる/上がる」では前者が一般的。→
上がる

上

地方から都へ行く。上洛
じょうらくする。上京する。
「都[京・江戸]

に/へ━」

多く昔の事象にいう。「東京に━」は今ではやや古い言い方。

上

〔古い言い方で〕宮中に参上する。参内
さんだいする。参殿する。上がる。
「宮中に━」

上・登・昇

高い地位につく。昇進する。
「左大臣の位に━」

昇・上

太陽・月などが空に高く現れる。
「東の空に朝日が━」
⇔
沈む

昇・上

煙・気球などが空中を移動して上方に至る。
「一筋の煙が煙突から━」
「エレベーターがかなりの速度で━・ってゆく」
「ほめられて天にも━心地だ」

上

《「頭に血が━」「気が━」の形で》のぼせる。逆上する。
「ののしられて頭に血が━」

上

あるものが相当の数量に達する。
「利用者は百万人に━」
「被災総額は五〇億円に━」

上

話題や議題として取り上げられて公の場に出される。
「選挙のことが話題に━」
「その名が優勝候補に━」

上

ある事柄が意識に現れたり脳裏に浮かんだりする。
「心の底に潜んでいた不安の塊が意識に━・って


外

」

上

料理として出される。供される。
「山海の珍味が食卓に━」
◆順々にたどって上の方へ移動する意。


⇔
下くだる

「上」は広く一般に使う。「登」は急ながけや坂を移動する意で「がけ[急坂・滝]を登る」などと、「登壇・登城・登板」などをふまえて「演壇[城・マウンド]に登る」などと好まれる。また、「太閤
たいこうの位に登る」のように、段々と登り詰めて位を得る意に転用する。「昇」は空中移動に使う(

)ほか、「宰相位に昇る」のように、勢いよく出世する意に転用する。
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
上下‖じょうげ
大分類‖仕事‖しごと
中分類‖
昇進‖しょうしん
のま・す【飲ます】


他五


→
飲ませる
「うそついたら針千本━」
「敵に煮え湯を━・される(=ひどい目に遭わされる)」
関連語
大分類‖飲食‖いんしょく
中分類‖
飲む‖のむ