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格助
《下に他動詞を伴って、動作・作用の担い手を表す「〜が」とともに使って》その動作・作用の成立に必要な物事(=動作・作用の対象)を表す。
働きかけを受ける物事を対象として示す(対象目的語)。
「石を投げる」
「肩をたたく」
「本を読む」
「芋を掘る」
「荷物を棚に載せる」
「ロープを川の向こう岸に渡す」
「インターネットで部屋を探す」
「弓で矢を放つ」
「リンゴの皮をむく」「彼の肩をたたく」「エースの球を打つ」などのように直接働きかけを受ける部分を対象とするほか、その全体や所有者を「リンゴをむく」「彼をたたく」「エースを打つ」のように対象とすることもできる(換喩法)。
働きかけに用いる道具や手段となる物事を対象として示す(道具目的語)。
「鉄砲を撃つ」
「弓を放つ」
「ワープロを打つ」
「望遠鏡をのぞく」
「壁にペンキを塗る」
「辞書を引く」
「鉄砲で鳥を撃つ」「矢を放つ」「単語を引く」などの「を」は
。
動作・作用の及ぶ場所を対象として示す(場所目的語)。
「裏山を掘る」
「庭を掃く」
「〔物捜しで〕部屋の中を捜す」
「黒板を消す」
「壁をペンキで塗る」
「裏山で山芋を掘る」「庭の落ち葉を掃く」「なくした財布を捜す」「壁にペンキを塗る」などの「を」は
。
《下に生産・発生・消滅などを表す動詞を伴って》変化する前の物事(原物や材料)を対象として示す(対象目的語)。
「卵をかえす」
「水を沸かす」
「木を炭に焼く」
「毛糸を手袋に編む」
「丸太をいかだに組む」
「黒板の字を消す」
「大金を費やす」
《下に生産や発生を表す動詞を伴って》動作・作用の及ぼされた後の物事(=生産物や変化の結果)を対象として示す(結果目的語)。
「紙でツルを折る」
「卵からひなをかえす」
「炭を焼く」
「湯を沸かす」
「ご飯を炊く」
「家を建てる」
「地面に穴を掘る」
「字を書く」
「ホームランを打つ」
「企画を立てる」
「浴衣ゆかたを縫う」
「毛糸のセーターを編む」
「やぐらを組む」
「向こう岸に橋を渡す」
「事件を引き起こす」
「災害をもたらす」

は、しばしば「おいしいパンを焼く≒パンをおいしく焼く」のように結果の状態を表す修飾語が連体でも連用でも同じ意味になる。また、「パンを焼く」のように、同じ表現でも意味が異なる場合がある。パン種を焼いてパンを作るときは
、すでにあるパンをトーストにするときは
。「お茶をいれる」も急須きゅうすに入っているお茶を湯飲みに注ぎ入れる場合は
、飲み物の「お茶」を作る一連の動作の場合は
。「穴を掘る」も、新たに作る場合は「深い穴を掘る=穴を深く掘る」のように、
の意になるが、すでにある「穴」については、「この穴を深く掘る≠この深い穴を掘る」のように
にはならない。
《下に知覚や思考を表す動詞を伴って》知覚や思考の及ぶ物事を対象として示す(対象目的語)。
「望遠鏡で星を見る」
「クラシックを聞く」
「国家の行く末を考える」
「結果を知る」
《下に判断や認定を表す動詞や動詞「する」を伴って、「…を…と(して)」「…を…に(して)」の形で》評価や見立てがなされるものを対象として示す(対象目的語)。
「彼を犯人と見なす」
「報告を事実だと断定する」
「彼女を弟子として遇する」
「本を枕まくらにして眠る」
「伯父を頼りにして上京する」
「学生を対象にした雑誌」
「…にして」の「して」が省略されて、「地図を頼りに駅まで行く」「千店を目標に全国展開を図る」「これを元手に一勝負する」のように、「…を…に」の形で付帯的な状況を表す連用修飾語になる場合がある。
動作や作用を行う立場や役割を対象として示す(役割目的語)。…の立場で。…として。
「委員長を務める」
「議長をつかさどる」
「調停役をこなす」
「四番を打つ」
「ハムレットを演じる」
「カルメンを歌う」
《下に感情や感覚を表す動詞を伴って》情意をもたらす原因を対象として示す(対象目的語)。
「報復を恐れる」
「戦争を憎む」
「幽霊を怖がる」
「合格を喜ぶ」
「彼の死を悼む」
「やりすぎを反省する」
「日光をまぶしがる」
動作・作用の向かう先や方向を対象として示す。
「この家は南を向いている」
「勝利を目指す」
「磁針が北西を指す」
「『山』という語が『山』という対象物を指示する」
《「…をする」の形で、動作・作用などを表す名詞を受けて》「する」によって生み出される動作性を帯びた物事を対象として示す。
「レストランで食事をする」
「数学の勉強をする」
「東北地方に旅行をする」
「一億円も損をする」
「着替えをする」
「待ち合わせをする」
「あくびをする」
「食事[旅行・勉強・損]する」のように、「を」を言わない場合も多い。
《「…をする」の形で、状態や職業を表す名詞を受けて》「する」によって生み出される状態性を帯びた物事を対象として示す。
「汚い格好をしている」
「面白い形をした家」
「教師をしている」
「時計をしている」「マスクをする」のように一時的な状態や動作を表す場合もある。
《動詞と同じ内容を表す名詞を伴って》その動作の結果として作り出されるものを対象として示す(同族目的語)。
「民謡を歌う」
「ワルツを踊る」
「選挙戦を戦う」
「マラソンを走る」
「幸福な生涯を生きる」「苦い笑いを笑う」など、翻訳臭のある表現も多い。
《自動詞+使役の助動詞「(さ)せる」の形で》使役を受けるものを対象として示す。
「子供を待たせる」
「犬を闘わせる」
「親を困らせる」
「子供を死なせる」
「子供
を/に
待たせる」では、「を」の方が対象の意向を無視して一方的な働きかけをなす傾向が強い。
《下に移動や時間の経過を表す表現を伴って》移動にかかわる場所や動きにつれて過ぎゆく時間を表す(以下の用法をもつ動詞は自動詞)。
《下に継続的な移動を表す動詞を伴って》移動の経路を表す。
「道を歩く」
「グランドを走る」
「トンネルを抜ける」
「我が道を行く」
「先頭を走る」「トップを行く」のように、移動の相対的位置を表す言い方もある。
《下に移動の開始や経路の変更などを表す動詞を伴って》起点・離脱点・回避点などを表す。…から。
「門を出る」
「席を離れる」
「訪問先を辞する」
「四つ角を曲がる」
「脇道を入る」
「コースをそれる」
「水たまりを避ける」
「攻撃をかわす」
「十数年故郷を離れている」「三日間家を出ている」「昨年大学を出た」「会社を辞める」「現役を退く」「理事長の職を辞する」など、実際の移動ではなく、主体の状態や経歴を表すのにも使う。この場合は「から」に置き換えられないものが多い。
《下に通過を表す動詞を伴って》通過や経由する場所を表す。
「川を渡る」
「山を越す」
《下に、ある段階に至ることで動きの展開を特徴づける動詞を伴って》動きの展開の基準となる点を表す。
「土俵を割る」
「一線を越える」
「百人を割る」
「一〇秒を切る」
「平均を上回る」
「株価が千円を割り込む」
《下に時間の経過を表す動詞を伴って》経過した期間や時点を表す。
「混沌こんとんの時代を生きぬく」
「不惑の年を越える」
「三時を過ぎる」
「今をときめく」
《下に時間の経過を表す動詞を伴って》ある状態で過ごされる時間を表す。
「不遇の一生を送る」
「年月を経る」
《下に不在を表す動詞を伴って》不在の場所や不参加の催しなどを表す。
が転じた言い方で、離脱した場所に注目していう。
「学校を休む」
「初場所を休場する」
「会議を欠席する」
「授業をさぼる」
動作・作用が行われる周りの状況を表す。
「雨の中を横断歩道を駆け抜ける」
「吹雪の中を捜索を続行する」
《「何を」+動詞+「か」などの形で》→なに

接助
文語
逆接の確定条件を表す。…のに。
「大雨の折にも車の贅はやられぬ身成しを、一念発起して帽子も靴も取って捨て
一葉
」
「のに」に比べて、論理関係を述べる力が弱く、詠嘆の趣がある。

格助
《下に他動詞を伴って、動作・作用の担い手を表す「〜が」とともに使って》その動作・作用の成立に必要な物事(=動作・作用の対象)を表す。
働きかけを受ける物事を対象として示す(対象目的語)。
「石を投げる」
「肩をたたく」
「本を読む」
「芋を掘る」
「荷物を棚に載せる」
「ロープを川の向こう岸に渡す」
「インターネットで部屋を探す」
「弓で矢を放つ」
「リンゴの皮をむく」「彼の肩をたたく」「エースの球を打つ」などのように直接働きかけを受ける部分を対象とするほか、その全体や所有者を「リンゴをむく」「彼をたたく」「エースを打つ」のように対象とすることもできる(換喩法)。
働きかけに用いる道具や手段となる物事を対象として示す(道具目的語)。
「鉄砲を撃つ」
「弓を放つ」
「ワープロを打つ」
「望遠鏡をのぞく」
「壁にペンキを塗る」
「辞書を引く」
「鉄砲で鳥を撃つ」「矢を放つ」「単語を引く」などの「を」は
。
動作・作用の及ぶ場所を対象として示す(場所目的語)。
「裏山を掘る」
「庭を掃く」
「〔物捜しで〕部屋の中を捜す」
「黒板を消す」
「壁をペンキで塗る」
「裏山で山芋を掘る」「庭の落ち葉を掃く」「なくした財布を捜す」「壁にペンキを塗る」などの「を」は
。
《下に生産・発生・消滅などを表す動詞を伴って》変化する前の物事(原物や材料)を対象として示す(対象目的語)。
「卵をかえす」
「水を沸かす」
「木を炭に焼く」
「毛糸を手袋に編む」
「丸太をいかだに組む」
「黒板の字を消す」
「大金を費やす」
《下に生産や発生を表す動詞を伴って》動作・作用の及ぼされた後の物事(=生産物や変化の結果)を対象として示す(結果目的語)。
「紙でツルを折る」
「卵からひなをかえす」
「炭を焼く」
「湯を沸かす」
「ご飯を炊く」
「家を建てる」
「地面に穴を掘る」
「字を書く」
「ホームランを打つ」
「企画を立てる」
「浴衣ゆかたを縫う」
「毛糸のセーターを編む」
「やぐらを組む」
「向こう岸に橋を渡す」
「事件を引き起こす」
「災害をもたらす」

は、しばしば「おいしいパンを焼く≒パンをおいしく焼く」のように結果の状態を表す修飾語が連体でも連用でも同じ意味になる。また、「パンを焼く」のように、同じ表現でも意味が異なる場合がある。パン種を焼いてパンを作るときは
、すでにあるパンをトーストにするときは
。「お茶をいれる」も急須きゅうすに入っているお茶を湯飲みに注ぎ入れる場合は
、飲み物の「お茶」を作る一連の動作の場合は
。「穴を掘る」も、新たに作る場合は「深い穴を掘る=穴を深く掘る」のように、
の意になるが、すでにある「穴」については、「この穴を深く掘る≠この深い穴を掘る」のように
にはならない。
《下に知覚や思考を表す動詞を伴って》知覚や思考の及ぶ物事を対象として示す(対象目的語)。
「望遠鏡で星を見る」
「クラシックを聞く」
「国家の行く末を考える」
「結果を知る」
《下に判断や認定を表す動詞や動詞「する」を伴って、「…を…と(して)」「…を…に(して)」の形で》評価や見立てがなされるものを対象として示す(対象目的語)。
「彼を犯人と見なす」
「報告を事実だと断定する」
「彼女を弟子として遇する」
「本を枕まくらにして眠る」
「伯父を頼りにして上京する」
「学生を対象にした雑誌」
「…にして」の「して」が省略されて、「地図を頼りに駅まで行く」「千店を目標に全国展開を図る」「これを元手に一勝負する」のように、「…を…に」の形で付帯的な状況を表す連用修飾語になる場合がある。
動作や作用を行う立場や役割を対象として示す(役割目的語)。…の立場で。…として。
「委員長を務める」
「議長をつかさどる」
「調停役をこなす」
「四番を打つ」
「ハムレットを演じる」
「カルメンを歌う」
《下に感情や感覚を表す動詞を伴って》情意をもたらす原因を対象として示す(対象目的語)。
「報復を恐れる」
「戦争を憎む」
「幽霊を怖がる」
「合格を喜ぶ」
「彼の死を悼む」
「やりすぎを反省する」
「日光をまぶしがる」
動作・作用の向かう先や方向を対象として示す。
「この家は南を向いている」
「勝利を目指す」
「磁針が北西を指す」
「『山』という語が『山』という対象物を指示する」
《「…をする」の形で、動作・作用などを表す名詞を受けて》「する」によって生み出される動作性を帯びた物事を対象として示す。
「レストランで食事をする」
「数学の勉強をする」
「東北地方に旅行をする」
「一億円も損をする」
「着替えをする」
「待ち合わせをする」
「あくびをする」
「食事[旅行・勉強・損]する」のように、「を」を言わない場合も多い。
《「…をする」の形で、状態や職業を表す名詞を受けて》「する」によって生み出される状態性を帯びた物事を対象として示す。
「汚い格好をしている」
「面白い形をした家」
「教師をしている」
「時計をしている」「マスクをする」のように一時的な状態や動作を表す場合もある。
《動詞と同じ内容を表す名詞を伴って》その動作の結果として作り出されるものを対象として示す(同族目的語)。
「民謡を歌う」
「ワルツを踊る」
「選挙戦を戦う」
「マラソンを走る」
「幸福な生涯を生きる」「苦い笑いを笑う」など、翻訳臭のある表現も多い。
《自動詞+使役の助動詞「(さ)せる」の形で》使役を受けるものを対象として示す。
「子供を待たせる」
「犬を闘わせる」
「親を困らせる」
「子供を死なせる」
「子供
を/に
待たせる」では、「を」の方が対象の意向を無視して一方的な働きかけをなす傾向が強い。
《下に移動や時間の経過を表す表現を伴って》移動にかかわる場所や動きにつれて過ぎゆく時間を表す(以下の用法をもつ動詞は自動詞)。
《下に継続的な移動を表す動詞を伴って》移動の経路を表す。
「道を歩く」
「グランドを走る」
「トンネルを抜ける」
「我が道を行く」
「先頭を走る」「トップを行く」のように、移動の相対的位置を表す言い方もある。
《下に移動の開始や経路の変更などを表す動詞を伴って》起点・離脱点・回避点などを表す。…から。
「門を出る」
「席を離れる」
「訪問先を辞する」
「四つ角を曲がる」
「脇道を入る」
「コースをそれる」
「水たまりを避ける」
「攻撃をかわす」
「十数年故郷を離れている」「三日間家を出ている」「昨年大学を出た」「会社を辞める」「現役を退く」「理事長の職を辞する」など、実際の移動ではなく、主体の状態や経歴を表すのにも使う。この場合は「から」に置き換えられないものが多い。
《下に通過を表す動詞を伴って》通過や経由する場所を表す。
「川を渡る」
「山を越す」
《下に、ある段階に至ることで動きの展開を特徴づける動詞を伴って》動きの展開の基準となる点を表す。
「土俵を割る」
「一線を越える」
「百人を割る」
「一〇秒を切る」
「平均を上回る」
「株価が千円を割り込む」
《下に時間の経過を表す動詞を伴って》経過した期間や時点を表す。
「混沌こんとんの時代を生きぬく」
「不惑の年を越える」
「三時を過ぎる」
「今をときめく」
《下に時間の経過を表す動詞を伴って》ある状態で過ごされる時間を表す。
「不遇の一生を送る」
「年月を経る」
《下に不在を表す動詞を伴って》不在の場所や不参加の催しなどを表す。
が転じた言い方で、離脱した場所に注目していう。
「学校を休む」
「初場所を休場する」
「会議を欠席する」
「授業をさぼる」
動作・作用が行われる周りの状況を表す。
「雨の中を横断歩道を駆け抜ける」
「吹雪の中を捜索を続行する」
《「何を」+動詞+「か」などの形で》→なに

接助
文語
逆接の確定条件を表す。…のに。
「大雨の折にも車の贅はやられぬ身成しを、一念発起して帽子も靴も取って捨て
一葉
」
「のに」に比べて、論理関係を述べる力が弱く、詠嘆の趣がある。
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