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【詩経】🔗🔉

【詩経】 シキョウ〈書物〉中国最古の詩集。西周から東周にかけて(前九世紀〜前七世紀)の歌謡三〇五編を収める。伝承によると孔子が編集して教養の書とし、のち「魯ロ詩」「韓カン詩」「斉セイ詩」など三家のテキストを生じたが、とくに漢初の毛亨モウコウ・毛萇モウチョウの伝えた『毛詩』が主となった。全体の構成は「風」「雅」「頌ショウ」の三部に分かれる。「風」とは民風(お国ぶり)または、諷(ことばで人の心を動かす)という意味で、周南・召南・鄭風テイフウ以下一五国の民謡や恋歌一六〇編を収める。「雅」とはかどのとれたことばや姿との意味で、周の王朝や都の歌一〇五編を含む。「大雅」と「小雅」に分かれ「大雅」には宴会や祭礼の歌が多く、「小雅」には末世の流亡をうたった詩が多い。「頌」とは誦ショウ(終わりまで通して唱える)という意味で、周頌・魯頌・商頌の計四〇編を収め、祭礼の楽歌や神楽が多い。一般に「国風」には短い叙情詩が多いが、雅や頌の中には「文王」「緜メン」「生民」「玄鳥」など、民族伝説をのべた長編の叙事詩もある。詩の形式は、四言で一句、四句で一章となるのが基本の形で、韻のふみ方は連続したり、句を隔てたり、変化に富んでいる。『詩経』は春秋時代にすでに士人の必読の教養の書となり、『論語』『孟子モウシ』『墨子』などにも多く引用されている。五経の一つ。十三経の一つ。

漢字源 ページ 4099 での詩経単語。