【野猪】 ヤチョ ＝野豬。いのしし。『野豕ヤシ』

【野渡】 ヤト いなかのわたし場。「野渡無人、舟自横＝野渡人無ク、舟オノヅカラ横タハル」〔→韋応物〕

【野飯】 ヤハン 野外でとる食事。「野飯何店炊＝野飯イヅコノ店ニカ炊グ」〔→陸游〕粗末な食事。

【野蛮】 ヤバン 文化の開けていないこと。未開。教養がなくて礼儀を知らず、荒々しいこと。

【野遊】 ヤユウ 野原に出て狩りや摘み草などをして楽しむこと。のあそび。ピクニック。

【野煙】 ヤエン 野原にたちこめるもや。野原にたつ煙。「万戸傷心、生野煙＝万戸傷心、野煙生ズ」〔→王維〕

【野禽】 ヤキン 野原や山にすむ、野生の鳥。『野鳥ヤチョウ』

【野戦】 ヤセン 野原や平地で行われる戦闘。普通の戦法によらない戦い方。

【野鼠】 ヤソ 野原にすむねずみ。「掘野鼠去屮（＝草）実而食之＝野鼠ノ去セシトコロノ草実ヲ掘リテ食ラフ」〔→漢書〕

【野嫗】 ヤウ いなかのおばあさん。

【野歌】 ヤカ いなかの人のうたう、ひなびた歌。〈類義語〉里歌。

【野語】 ヤゴ いなかのことば。『野言ヤゲン』〈類義語〉里語。

【野態】 ヤタイ ひなびた素朴なようす。『野姿ヤシ』

【野暮】 ヤボ〔国〕遊里の事情に詳しくないこと。気がきかなくて不粋なこと。風雅でないこと。

【野無遺賢】 ヤニイケンナシ〈故事〉賢者がすべて任用されていて、民間にかくれた人材がいない。〔→書経〕

【野趣】 ヤシュ 山野・田園の素朴な趣。『野情ヤジョウ』「頗怪朝参懶、応耽野趣長＝頗ル怪シム朝参ノ懶キヲ、マサニ野趣ノ長キニ耽ルナルベシ」〔→杜甫〕

【野諺】 ヤゲン 民間で用いられていることわざ。〈類義語〉里諺・俚諺リゲン。「野諺曰、前事之不忘、後事之師也＝野諺ニ曰ハク、前事ノ忘レザルハ、後事ノ師ナリト」〔→史記〕