【野性】 ヤセイ いなか者の洗練されていない粗野な性質。自然のままの洗練されていない荒々しい性質。自然を愛する素朴な気持ち。

【野店】 ヤテン 野中にあるはたごや、茶店。「小橋野店依山前＝小橋野店山前ニ依ル」〔→蘇軾〕

【野服】 ヤフク いなかの人の着る衣服。〔→礼記〕官位についていない、民間の人の着る衣服。

【野客】 ヤカク 仕官せずに民間にいる人。野ヤにいる人。薔薇バラのこと。

【野点】 ノダテ〔国〕野外で抹茶マッチャをたてること。

【野衲】 ヤノウ いなかの僧侶ソウリョ。僧侶が、へりくだって自分のことをいうことば。愚僧。『野僧ヤソウ』

【野卑｛鄙｝】 ヤヒ 卑しくて下品なこと。『野陋ヤロウ』

【野郎】 ヤロウ〔国〕男子をののしっていうことば。江戸時代、男の髪型の一つ。野郎頭ヤロウアタマ。野郎頭の俳優。若い男。男色を売る男。

【野航】 ヤコウ いなかのわたし舟。

【野哭】 ヤコク 葬式のとき、野原の墓地で死者の遺族たちが大声で泣くこと。「行歌野哭両堪悲＝行歌野哭両ツナガラ悲シムニ堪ヘタリ」〔→蘇軾〕

【野晒】 ノザラシ・ノザレ〔国〕戸外にさらすこと。風雨にさらされて、肉の落ちた頭骨。されこうべ。

【野蚕】 ヤサン 野生のかいこ。やまかいこ。〈対語〉家蚕。

【野党】 ヤトウ 与党に対して、現在内閣を組織していない政党。

【野馬】 ヤバ 馬の一種。普通の馬より小さい。かげろう。遊気。陽炎。「野馬也、塵埃也、生物之以息相吹也＝野馬ト、塵埃トハ、生物ノ息ヲモッテ相ヒ吹クナリ」〔→荘子〕

【野陰】 ヤイン 日のあたらなくなった野原のけしき。

【野宿】 ヤシュク 旅などで山野に寝て夜をすごすこと。のじゅく。

【野盗】 ヤトウ 山賊。おいはぎ。

【野望】 ヤボウ 野原の眺望チョウボウ。また、けしきを楽しみ野原をながめること。「坦腹江亭暖、長吟野望時＝坦腹スレバ江亭暖カニ、長吟野望ノ時ナリ」〔→杜甫〕「野心」と同じ。