【人天】 ジンテン 人と天。また人道と天道。食べ物。▽天と同じように、人になくてはならないものの意。君主。ニンテン〔仏〕人間界と天上界。

【人外】 ジンガイ 俗世の外。出家の境地のこと。ニンガイ〔国〕人の道理にはずれる行いをする者。

【人気】 ジンキ 人の心。人々の考え・気持ちのこと。〔→荘子〕ニンキ〔国〕その地方の気風。世間での評判。ヒトケ〔国〕人のいるけはい。

【人我】 ジンガ 他人と自分。〔→荘子〕ニンガ〔仏〕法我に対して、人間に常住不変の本体（＝我）があるとすること。

【人寿】 ジンジュ・ニンジュ 人間の寿命。

【人足】 ニンソク〔国〕雇われて力仕事をする労働者。

【人非人】 ニンピニン〔国〕人間らしい心のない、人並み以下の人。ひとでなし。

【人界】 ジンカイ・ニンガイ〔仏〕人間の住む世界・人間界。▽仏教では、迷いから悟りにいたる段階を六にわけ、人間界はその五界めに当たる。

【人皇】 ジンコウ 中国太古の伝統上の皇帝。三代めの皇帝とされる。ニンノウ〔国〕神武天皇以後の天皇のこと。▽神代と区別していう。

【人情】 ニンジョウ 人としての思いやりの心。情け。〔→礼記〕世間一般の人々の考え・気持ち。心付け。

【人間】 ジンカン 人が住む世。世間。「天上人間会相見＝天上人間会ズ相ヒ見エン」〔→白居易〕ニンゲン〔国〕人。人類。▽仏典では、人界に住むものの意で使われる。「間」は、仲間。

【人間万事塞翁馬】 ニンゲンバンジサイオウガウマ・ジンカンバンジサイオウガウマ〈故事〉人の運・不運は予測できないものだというたとえ。〔→淮南子〕→「塞翁馬」

【人道】 ジンドウ 「人倫」と同じ。人として備えている品性。車道に対して、道路の両側などを人が歩くために仕切った部分。ニンドウ〔仏〕人間界。▽仏教では、迷いから悟りにいたる段階を六つにわけ、人道はその五番めに当たる。

【人頭】 ジントウ・ニントウ 人の頭。人の数。

【任人】 ニンジン・ジンジン 心のねじけた人。〔→書経〕常にその任務についている人。〔→書経〕

【任子】 ニンシ・ジンシ 父が高い官位にあるため、官に任ぜられた人。

【任他】 ニンタ 他にゆだねてなるままにまかせる。さもあらばあれ。

【任地】 ニンチ 役目を務めるためにいる土地。『任所ニンショ』

【任那】 ニンナ・ミマナ 四〜六世紀、朝鮮半島南部にあった金海加羅国の別名。また加羅諸国を指すこともある。五六二年、新羅シンラ・シラギに滅ぼされた。

【任委】 ニンイ まかせゆだねる。委任。

【任使】 ニンシ 職務につけて用いること。『任用ニンヨウ』

【任重而道遠】 ニンオモクシテミチトオシ〈故事〉背負う荷物は重くて、その道のりは長い。任務は重く、その期間は長いことのたとえ。「士不可以不弘毅、任重而道遠＝士ハ以テ弘毅ナラザル可カラズ、任重クシテ道遠シ」〔→論語〕

【任侠】 ニンキョウ・ジンキョウ ＝仁侠。強い者をくじき弱い者を助ける気性が強いこと。

【任負】 ニンフ 背負う。荷物など、重い物を車に載せる。〔→荀子〕

【任達】 ニンタツ 気ままで礼法を守らない。

【任意】 ニンイ・イニマカス 思うままに行う。「任意交属所歓＝意ニ任セテコモゴモ歓ブ所ニ属グ」〔→曹植〕

【任縦】 ニンショウ 気ままで行動に締まりがない。放縦。

【任憑】 ニンピョウ 各自の考えにまかせる。〔俗〕たとえ、どんなに…であっても。

【刃傷】 ジンショウ・ニンジョウ 刃物で人に傷をおわせる。

【妊娠】 ニンシン 胎内に子どもができること。はらむこと。懐妊。『妊孕ニンヨウ』

【妊婦】 ニンプ 妊娠している女性。

【忍人】 ニンジン 普通の人情ではできないむごいことを平気でする人。残酷な人。〔→左伝〕

【忍土】 ニンド〔仏〕この世。娑婆シャバ。

【忍心】 ニンシン むごいことを平気でする心。残忍な心。「維彼忍心、是顧是復＝コレカノ忍心ハ、コレ顧ミコレ復ス」〔→詩経〕

【忍冬】 ニンドウ 植物の名。夏、はじめ白く、のち、黄色になるかおりのよい花をつける。干した葉・花・茎は漢方薬として使われる。すいかずら。

【忍耐】 ニンタイ つらさ・苦しさなどをじっとがまんすること。

【忍従】 ニンジュウ〔国〕がまんして悪い条件の境遇に服従する。

【忍辱】 ニンジョク 恥を忍ぶ。ニンニク〔仏〕六波羅蜜ロクハラミツの一。恥や苦しみをがまんして、うらみの心をおこさないこと。

【忍愛】 ニンアイ こらえ忍んで愛情をあからさまに出さない。

【背任】 ハイニン・ニンニソムク まかされた任務にそむいて、正しく事を処理しないこと。

【認可】 ニンカ これならよろしいとみとめて許す。『認許ニンキョ・認容ニンヨウ』

【認知】 ニンチ 上位にあって監督、指導する人や役所が、下位からの申請などをみとめて許す。〔国〕私生児を、父または母が届け出て、自分の子であるとみとめること。

【認真】 ニンシン よしあしを見わけて、まじめに物事を行う。〔俗〕まじめなさま。まじめに。

【認得】 ニントク〔俗〕わかる。見知っている。

【認証】 ニンショウ〔国〕文書の内容・成りたちが正しいことを、公の機関が公式に証明すること。天皇が内閣や内閣の職権に属する行為を、公に証明すること。

【認諾】 ニンダク 上位者がよいとみとめて承知する。裁判で、相手のいうことを正当とみとめる。

【認識】 ニンシキ いちいち確かめて知る。物を知り、その意義などをはっきりと理解すること。心理学で、対象を知覚し、記憶・思惟シイする意識の働き。〔俗〕見知っている。〔国〕了解のしかたや見通し。「認識があまい」

【赴任】 フニン・ニンニオモムク 任地にいく。▽もと、急いで任地にはせつけるの意。