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5.3  ここでふれる余裕はないが, 印欧語の母音についても, 子音より複雑な形ではあるが, 音韻対応が明らかにされている. これによって我々は, 比較言🔗🔉

5.3  ここでふれる余裕はないが, 印欧語の母音についても, 子音より複雑な形ではあるが, 音韻対応が明らかにされている. これによって我々は, 比較言語学の輝かしい成果である音韻対応によって, ある語の語源が正しいか否かをチェックし, また表面的には類似の認め難い語の間にも語源的関係を見出すことが可能となったのである.

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 例えば, 意味・形態上一見類似性が明らかと思われる英語の day とラテン語の dis が, 実は語源上無関係であることは, 英語(ゲルマン語)の d とラテン語(印欧語)の d が対応しないこと🔗🔉

 例えば, 意味・形態上一見類似性が明らかと思われる英語の day とラテン語の dis が, 実は語源上無関係であることは, 英語(ゲルマン語)の d とラテン語(印欧語)の d が対応しないことから明らかであろう. 正しくは, day が Gmc dagaz (語頭の d- は不詳) さらに IE agher- '一日'に由来するのに対して, dis のほうは IE dy-, dei- '輝く, 照る'に遡ると推定されている. また前に Dr. Johnson の辞典から引用した have の語源記述が正しくないことも, 本辞典の次の語源記述から窺えるはずである.

研究社新英和大辞典 ページ 168238