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との【殿】🔗🔉

との [1] 【殿】 (1)貴人を敬っていう語。「―の御機嫌がよい」 (2)女が男を敬っていう語。 (3)妻が夫を敬っていう語。「―はおなじ心にもおぼさぬにや/宇治拾遺 6」 (4)摂政または関白を敬っていう語。「―(=摂政藤原伊尹),そこに堂をたてん…,と/宇治拾遺 6」 (5)貴人の住む大きな建物。邸宅。「―より使ひひまなくたまはせて/竹取」 〔(5)が原義。のちそこに住む人をもいうようになった〕

との🔗🔉

との (接頭) 〔接頭語「たな」の転〕 動詞に付いて,一面に,すっかりの意を表す。「―ぐもる」「―びく」

と-の🔗🔉

と-の (連語) 〔格助詞「と」に格助詞「の」の付いたもの〕 (1)「という」の意を表す。「お元気―こと」「近々おめでた―お話」 (2)動作・作用の相手・対象を表す。「彼女―交際」「内閣と国会―関係」

との-あぶら【殿油】🔗🔉

との-あぶら 【殿油】 ⇒大殿油(オオトノアブラ)

との-い【宿直】🔗🔉

との-い [0] 【宿直】 〔殿居(トノイ)の意〕 (1)職務により,宮中または役所に宿泊して警戒に当たること。「常つ御門と―するかも/万葉 174」 (2)夜間,貴人に近侍して警固すること。「いと御人少なに侍るに,御―つかうまつるべしとて/とはずがたり 3」 (3)夜間,女性が貴人の寝所で奉侍すること。夜伽(ヨトギ)。

とのい-ぎぬ【宿直衣】🔗🔉

とのい-ぎぬ― 【宿直衣】 「宿直装束(トノイソウゾク)」に同じ。「柚(ユ)の葉の如くなる―の袖の上に/枕草子 87」

とのい-すがた【宿直姿】🔗🔉

とのい-すがた― 【宿直姿】 宿直装束を着た姿。宿直のときの身じたく。「さまざまの衵(アコメ)みだれ着,帯しどけなき―,なまめいたるに/源氏(朝顔)」

とのい-そうぞく【宿直装束】🔗🔉

とのい-そうぞくサウ― 【宿直装束】 官人が宮中で宿直するときの装束。表向きでない姿。朝臣は衣冠あるいは直衣(ノウシ),女房は小袿(コウチキ)と袴。とのいぎぬ。「大将…―しかへて,召しあれば参り給ひぬ/宇津保(蔵開中)」 →昼(ヒ)の装束

とのい-どころ【宿直所】🔗🔉

とのい-どころ― 【宿直所】 摂政・関白・大臣・大納言などが宿直したり休息したりする部屋。直廬(チヨクロ)。「この大臣(オトド)の御―は,昔の淑景舎(シゲイサ)なり/源氏(澪標)」

とのい-の-そう【宿直の僧】🔗🔉

とのい-の-そう― 【宿直の僧】 内裏の二間に居て,一晩じゅう加持祈祷(カジキトウ)をする僧。護持僧。とのいそう。

とのい-ひきめ【宿直蟇目】🔗🔉

とのい-ひきめ― 【宿直蟇目】 昔,宿直の人が夜中警戒のため,蟇目を射て,鳴る音を立てること。

とのい-びと【宿直人】🔗🔉

とのい-びと― 【宿直人】 宿直をする人。泊まり番の人。とのいのひと。「―もみなみな起きぬなりとて急ぎいでぬ/源氏(浮舟)」

とのい-ぶくろ【宿直袋】🔗🔉

とのい-ぶくろ― 【宿直袋】 ⇒宿直物(トノイモノ)の袋(フクロ)

とのい-もうし【宿直奏し】🔗🔉

とのい-もうしマウシ 【宿直奏し】 宮中に宿直する者が,夜警をして,毎夜一定の時刻に,滝口の陣の所で姓名を奏上したこと。「右近のつかさの―の声聞ゆるは/源氏(桐壺)」 →名対面(ナダイメン)

とのい-もの【宿直物】🔗🔉

とのい-もの― 【宿直物】 宿直の時に用いた,衣服・夜具など。「女御の君おはしまして,―・寝装束などは奉れ給ふ/宇津保(国譲上)」

とのい-もの-の-ふくろ【宿直物の袋】🔗🔉

とのい-もの-の-ふくろ― 【宿直物の袋】 宿直の夜具を入れる袋。とのいぶくろ。「侍に―をさをさ見えず/源氏(賢木)」

と-の-え【外の重】🔗🔉

と-の-え ―ヘ 【外の重】 〔九重(ココノエ)(=宮城)の外の意〕 宮城の外郭の外。また,そこを守る陣。左・右衛門の陣。「もののふと言はるる人は天皇(スメロキ)の神の御門に―に立ち候(サモラ)ひ内の重に仕へ奉りて/万葉 443」 →内の重 →中の重

との-がた【殿方】🔗🔉

との-がた [0][2] 【殿方】 主に女性が,男性一般をさしていう上品な言い方。「―はこちらの席へどうぞ」

とのくすり-の-つかさ【外薬寮】🔗🔉

とのくすり-の-つかさ 【外薬寮】 大宝令制定以前の官制の一。律令制における典薬寮の前身。

との-ぐもり【との曇(り)】🔗🔉

との-ぐもり [3] 【との曇(り)】 空が一面に曇ること。たなぐもり。

との-ぐも・る【との曇る】🔗🔉

との-ぐも・る 【との曇る】 (動ラ四) 〔「との」は「たな」の転〕 空一面に曇る。たなぐもる。「この見ゆる雲ほびこりて―・り雨も降らぬか/万葉 4123」

と-の-こ【砥粉】🔗🔉

と-の-こ [0][3] 【砥粉】 粘土(黄土)を焼いて粉にしたもの。また,砥石を山から切り出す時に出る石の粉末。刀剣を磨いたり,木材の色付け・塗装下地・目止めに用いたり,漆器の漆下地の原料として用いる。

との-ご【殿御】🔗🔉

との-ご [2][0][1] 【殿御】 女性から男性を敬っていう語。殿方。

とのご-はじめ【殿御初め】🔗🔉

とのご-はじめ 【殿御初め】 初めて男と共寝すること。殿初め。

とのご-ぶり【殿御振り】🔗🔉

とのご-ぶり [0] 【殿御振り】 男まえ。男ぶり。

との-ごも・る【殿隠る】🔗🔉

との-ごも・る 【殿隠る】 (動ラ四) (1)貴人が寝る意の尊敬語。おやすみになる。おおとのごもる。「夜はこなたに―・れ/宇津保(国譲上)」 (2)〔御殿に隠る意から〕 死ぬの意の尊敬語。おかくれになる。「つれもなき城上(キノエ)の宮に大殿を仕へ奉りて―・り隠(コモ)りいませば/万葉 3326」

との-さま【殿様】🔗🔉

との-さま [0] 【殿様】 (1)主君または貴人を敬っていう語。「―のお出ましじゃ」 (2)江戸時代,大名または旗本を敬っていう語。「紀州の―」 (3)生活にゆとりがあり,鷹揚(オウヨウ)で世事に疎い人。「―暮らし」

とのさま-おどり【殿様踊り】🔗🔉

とのさま-おどり ―ヲドリ [5] 【殿様踊り】 殿様の面前,または殿様の上意で催される踊り。上様踊り。上覧踊り。

とのさま-がえる【殿様蛙】🔗🔉

とのさま-がえる ―ガヘル [5] 【殿様蛙】 無尾目の両生類。体長6〜9センチメートル。雄の背面は黄褐色,雌は灰白色で,それぞれ不規則な黒斑がある。後肢に水かきが発達している。日本・中国・朝鮮に分布し,日本では低地の水辺で普通に見られる。金線蛙。

とのさま-げい【殿様芸】🔗🔉

とのさま-げい [4] 【殿様芸】 殿様育ちの人や金持ちなどが,慰みにする芸。大名芸。旦那芸。「金のかかった―」

とのさま-しごと【殿様仕事】🔗🔉

とのさま-しごと [5] 【殿様仕事】 時間も費用もかまわずに,気長にする仕事。

とのさま-しょうばい【殿様商売】🔗🔉

とのさま-しょうばい ―シヤウ― [5] 【殿様商売】 鷹揚(オウヨウ)に構えて商売上の工夫などもせず,利益にあまりこだわらない商売のやり方を軽蔑していう語。

とのさま-そだち【殿様育ち】🔗🔉

とのさま-そだち [5] 【殿様育ち】 多くの人にかしずかれて,何の苦労もなくのんびりと成長すること。

とのさま-ばった【殿様蝗虫】🔗🔉

とのさま-ばった [5] 【殿様蝗虫】 バッタの一種。体長は雄が35ミリメートル,雌が50ミリメートルほど。体は円筒形で頭が丸い。体色は緑色ないし褐色。前ばねに細かい黒斑がある。イネ科の植物の葉を好んで食べる。中国などで大発生して飛蝗(ヒコウ)となり,農作物に大害を与える。世界各地に分布。ダイミョウバッタ。 殿様蝗虫 [図]

とのしょう【土庄】🔗🔉

とのしょう トノシヤウ 【土庄】 香川県北東部,小豆(シヨウズ)郡の町。小豆島(シヨウドシマ)の北西部と豊島(トシマ),小豊島からなる。小豆島観光の表玄関。肥土山では農村歌舞伎が行われる。

との-たち【殿達】🔗🔉

との-たち 【殿達】 (1)殿方たち。殿原(トノバラ)。「今時威勢をめさるる―をたのましめ/狂言・比丘貞」 (2)遊女・遣(ヤ)り手・揚屋から客をさす言葉。「―,傾城(ケイセイ)・遣女(ケンジヨ)・挙屋等より客を指していふ詞なり/評判記・色道大鏡」

と-の-ちゃ【礪茶】🔗🔉

と-の-ちゃ [2][0] 【礪茶】 江戸時代の染め色の名。赤黒い色の勝った茶色。

とのちゃ-こもん【礪茶小紋】🔗🔉

とのちゃ-こもん [4][5] 【礪茶小紋】 礪茶染めの地に小紋を染め出したもの。

との-づけ【殿付け】🔗🔉

との-づけ [0] 【殿付け】 〔「どのづけ」とも〕 殿の敬称を付けること。殿の敬称を付けて敬うこと。

との-な【殿名】🔗🔉

との-な 【殿名】 昔,宮中の女房の呼び名の一。大宮殿・三条殿・坊門殿などと,殿を付けたもの。

との-の-うえ【殿の上】🔗🔉

との-の-うえ ―ウヘ 【殿の上】 貴人の妻の敬称。「左兵衛督は,―の御兄弟(ハラカラ)ぞかし/源氏(藤袴)」

との-ばら【殿原】🔗🔉

との-ばら 【殿原】 〔「はら」は複数を示す接尾語〕 身分の高い人々や男子を敬っていう語。殿達。「さてここより―・宮ばらにも其の方につかはれて行かん/今昔 17」

との-びと【殿人】🔗🔉

との-びと 【殿人】 貴人に仕える人。高貴な家の家人(ケニン)。「おのれも,―にて,参り仕うまつれども/源氏(蜻蛉)」

との-ぶり【殿振り】🔗🔉

との-ぶり [0] 【殿振り】 男ぶり。殿御(トノゴ)ぶり。

との-べ【殿部】🔗🔉

との-べ 【殿部】 律令制で,主殿寮(トノモリヨウ)に属し,宮中の掃除・灯火の設営などを行なった下級官人。

との-まくら【殿枕】🔗🔉

との-まくら [3] 【殿枕】 婚礼のとき,新婦の持ってゆく枕。籐枕(トウマクラ)。

とのむら【外村】🔗🔉

とのむら 【外村】 姓氏の一。

とのむら-しげる【外村繁】🔗🔉

とのむら-しげる 【外村繁】 (1902-1961) 小説家。滋賀県生まれ。本名,茂。東大卒。「草筏」連作で江州商人の家系を探る。晩年,病妻との生活を描く「落日の光景」,自身の性欲史「澪標」などの私小説がある。

との-も【主殿】🔗🔉

との-も 【主殿】 「とのもり(主殿)」の略。「―の女官/枕草子 278」

とのも-づかさ【殿司・主殿寮・主殿司】🔗🔉

とのも-づかさ 【殿司・主殿寮・主殿司】 (1)「でんし(殿司)」に同じ。「―こそ,なほをかしきものはあれ/枕草子 47」 (2)「とのもりりょう(主殿寮)」に同じ。「刀をば…,―を召して預けおきてぞ出られける/平家 1」

とのも-の-かみ【主殿頭】🔗🔉

とのも-の-かみ 【主殿頭】 「とのもりづかさ(殿司・主殿寮・主殿署)」の長官。

とのも-りょう【主殿寮】🔗🔉

とのも-りょう ―レウ [3] 【主殿寮】 (1)「とのもりりょう(主殿寮)」に同じ。 (2)旧宮内省の一寮。宮殿および庁舎の監守・警察をつかさどった。のち宮内庁管理部。

と-の-も【外の面】🔗🔉

と-の-も [1] 【外の面】 家の外。戸外。

との-もり【主殿・殿守】🔗🔉

との-もり 【主殿・殿守】 「とのもりづかさ」に同じ。

とのもり-づかさ【殿司・主殿寮・主殿署】🔗🔉

とのもり-づかさ 【殿司・主殿寮・主殿署】 (1)「でんし(殿司)」に同じ。「―・女官などのゆきちがひたるこそをかしけれ/枕草子 3」 (2)「とのもりりょう(主殿寮)」に同じ。「女の装束かづきながら帰り参りて,殿上口に落とし捨つ。―ぞ取るならひなりける/増鏡(さしぐし)」 (3)(「主殿署」と書く)律令制で,春宮(トウグウ)坊に置かれた役所。東宮の湯浴み・灯火・掃除などのことをつかさどった。とのもりつかさ。みこのみやのとのもりつかさ。しゅでんしょ。

とのもり-の-かんにん【殿守官人】🔗🔉

とのもり-の-かんにん ―クワンニン 【殿守官人】 主殿寮(トノモリリヨウ)の役人。庭園の清掃,節会(セチエ)の松明(タイマツ)・庭火などをつかさどる。「―,長き松をたかくともして/枕草子 77」

とのもり-の-とものみやつこ【殿守伴御奴】🔗🔉

とのもり-の-とものみやつこ 【殿守伴御奴】 主殿寮(トノモリリヨウ)の下役人。宮中の灯火・清掃のことにあたった。「―よそにしてはらはぬ庭に花ぞ散りしく/徒然 27」

とのもり-べ【殿部】🔗🔉

とのもり-べ [4] 【殿部】 主殿寮(トノモリリヨウ)に属して宮中の食事・灯火・清掃などの雑役に従った下役人。

とのもり-りょう【主殿寮】🔗🔉

とのもり-りょう ―レウ [4] 【主殿寮】 律令制で,宮内省に属して,行幸の際の諸施設,および宮中の殿舎・調度の維持管理をつかさどった役所。また,その職員。とのもづかさ。とのもりょう。とのもりづかさ。

との【殿】(和英)🔗🔉

との【殿】 [主君]one's lord.⇒殿様.

とのがた【殿方】(和英)🔗🔉

とのがた【殿方】 men;→英和 gentlemen.

とのこ【砥の粉】(和英)🔗🔉

とのこ【砥の粉】 polishing powder.

とのさま【殿様】(和英)🔗🔉

とのさま【殿様】 a (feudal) lord;my lord (呼びかけ).殿様蛙 a leopard frog.

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