くつ-ばみ 【轡】 〔口食(ハ)みの意〕 くつわ。

くつわ [0] 【轡・・銜】 〔口輪の意〕 （１）馬に手綱(タヅナ)をつけるため，馬の口にくわえさせる金具。くつばみ。くくみ。「―を取る」 （２）家紋の一。{（１）}にかたどったもの。丸の中に十字形のあるものと，杏葉(ギヨウヨウ)形のものとある。 （３）遊女のいる家。また，遊女屋の主人。くつわ屋。「―の通り者や何かが/洒落本・遊子方言」 轡（１） [図] 轡（２） [図]

――を並・べる 馬の首を一線に並べる。転じて，同じ目的で集まった人がずらりとそろう。轡を揃(ソロ)える。「一流選手が―・べて優勝をねらう」

――をは・める 〔馬に轡をくわえさせる意から〕 利益を与えて，口をふさぐ。「金の―・める」

くつわ-がかり [4] 【轡掛(か)り】 馬の口のさけめ。口脇(クチワキ)をいう。

くつわ-がた [0] 【轡形】 円の中に十文字を描いた形。

くつわ-ごうし ―ガウ― [4] 【轡格子】 轡の形をつなぎあわせたような格子。書院の障子などに用いる。

くつわ-じょろう ―ヂヨラウ 【轡女郎】 京都島原の遊女のうち最下級の女郎。

くつわ-だすけ [4] 【轡助け】 轡に添える装飾。先端は房になって馬の口の両脇に垂れる。たすけ。

くつわ-むし [3] 【轡虫】 キリギリス科の昆虫。頭からはねの先まで約6センチメートル。キリギリスに似るが大形。体色は褐色または緑で，前ばねの幅が広く，触角は糸状で長い。雄ははねをすり合わせてガチャガチャとにぎやかに鳴く。関東から九州まで分布。ガチャガチャ。[季]秋。 轡虫 [図]

くつわ-や 【轡屋】 遊女屋。「―・揚屋・茶屋/浄瑠璃・反魂香」

くつわ【轡】 a bit.→英和 〜をはませる bridle.→英和 〜を並べてabreast.→英和

くつわむし【轡虫】 a noisy cricket.