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くま【×隈・△曲・×阿】🔗🔉

くま【×隈・曲・×阿】 曲がって入り込んだ所。また、奥まった所。もののすみ。片隅。「川の―」「光到らぬ―もなし」〈樗牛・滝口入道〉物陰になっている暗がり。陰になった所。「停車場(ステーシヨン)前の夜の―に、四五台朦朧と寂しく並んだ車」〈鏡花・歌行灯〉(「暈」とも書く)色の濃い部分と淡い部分、あるいは、光と陰とが接する部分。また、色の濃い部分。「目の下に―ができる」「夕暮れの空の濃い―をいろどっている天王寺のあたりを」〈田村俊子・木乃伊の口紅〉隠していること。心に秘めた考え。秘密。「人の心の―は映すべき鏡なければ」〈樗牛・滝口入道〉「隈取り」の略。十分でない部分。欠点。「その事ぞとおぼゆる―なく」〈源・浮舟〉へんぴな所。片田舎。「山里めいたる―などに」〈源・橋姫〉

くま‐ぐま【×隈×隈】🔗🔉

くま‐ぐま【××隈】 あちこちのすみ。すみずみ。「―まで探し求める」

くまぐま・し【×隈×隈し】🔗🔉

くまぐま・し【××隈し】 [形シク]物の陰に隠れてよく見えない。薄暗くて見えにくい。「火はほのかにまたたきて、…ここかしこの、―・しくおぼえ給ふに」〈源・夕顔〉樹木がこんもりと茂り、陰がある。「この前栽の、いとおもしろく、―・しき見るなり」〈平中・一七〉隠しだてが多い。心に秘密を持っているようだ。「何事かは侍らむ。―・しくおぼしたるこそ苦しけれ」〈源・梅枝〉

くま‐ざさ【×隈×笹・×熊×笹】🔗🔉

くま‐ざさ【××笹・××笹】 イネ科の植物。山地に自生。葉は幅の広い長楕円形で、冬に縁が枯れて白色にくま取られる。

くま‐と【×隈△所・×隈△処】🔗🔉

くま‐と【×所・×処】 折れ曲がって入り組んだ所。奥まった所。物陰。「蘆垣(あしがき)の―に立ちて吾妹子(わぎもこ)が袖もしほほに泣きしそ思(も)はゆ」〈万・四三五七〉

くま‐どり【×隈取り・×暈取り】🔗🔉

くま‐どり【×隈取り・×暈取り】 [名]スル陰影や濃淡などで境目をつけること。また、そのもの。東洋画で、輪郭に沿って、水墨や彩色をぼかして描くこと。立体感などを表す効果がある。暈(うんせん)歌舞伎で、人物の性格や表情などを強調するために施す化粧法。赤・青・黒色などの線で顔面を彩ること。また、その模様。

くまどり‐ふで【×隈取り筆】🔗🔉

くまどり‐ふで【×隈取り筆】 日本画で、ぼかしをするときに用いる筆。穂の形が丸く短い。くまふで。

くま‐ど・る【×隈取る・×暈取る】🔗🔉

くま‐ど・る【×隈取る・×暈取る】 [動ラ五(四)]陰影や濃淡などで境目をつける。「疲労の色に―・られた顔」日本画で、立体感を表すために隈取りをする。歌舞伎役者が顔の隈取りをする。

くま‐なく【×隈無く】🔗🔉

くま‐なく【×隈無く】 [副]《形容詞「くまなし」の連用形から》隅々まで行き届いて、余すところのないさま。隅から隅まで。「家中を―捜す」影や曇りがないさま。「月光が―照らす」

くま‐な・し【×隈無し】🔗🔉

くま‐な・し【×隈無し】 [形ク]影や曇りがない。隠れるところがない。「月は―・きをのみ見るものかは」〈徒然・一三七〉隠し隔てがない。わだかまりがない。「好色事(すきごと)ども、かたみに―・く言ひ表し給ふ」〈源・葵〉行き届かないところがない。抜かりがない。万事に通じている。「おのれも―・き好き心にて、いみじく謀(たばか)り」〈源・夕顔〉

くま‐ふで【×隈筆】🔗🔉

くま‐ふで【×隈筆】 隈取(くまど)り筆

くま‐み【×隈×廻・×隈△回】🔗🔉

くま‐み【××廻・×回】 《「み」は動詞「み(廻)る」の連用形から。曲がりめぐること、また、そのようになっている地形をいう》道の曲がりかど。くまわ。「玉桙(たまほこ)の道の―に草手折(たを)り」〈万・八八六〉

わいはん‐ないかく【隈板内閣】🔗🔉

わいはん‐ないかく【隈板内閣】 日本最初の政党内閣である第一次大隈内閣の通称。明治三一年(一八九八)自由党・進歩党が合同して成立した憲政党が中心となって組閣、大隈重信が首相兼外相、板垣退助が内相に就任したため、この名がある。まもなく党が内分裂して瓦解。

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[音]ワイ    エ [訓]くま    すみ [部首]阜 [総画数]12 [コード]区点    2308      JIS   3728      S‐JIS 8C47 [難読語] →かわくま‐つづら【川隈葛】くま‐と【隈所・隈処】くま‐み【隈廻・隈回】なまず‐ぐま【鯰隈】ひのくま‐がわ【檜隈川】もも‐くま【百隈】

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