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くま【隈・曲・阿】🔗🔉

くま隈・曲・阿】 ①道や川などの湾曲して入り込んだ所。万葉集13「道の―八十―ごとになげきつつ」 ②奥まって隠れた所。すみ。源氏物語明石「かの浦に静やかに隠らふべき―侍りなむや」 ③色と色とが相接する所。光と陰との接する所。ぼかし。陰翳いんえい。暈うん。陰。くもり。源氏物語賢木「月の少し―ある」。「目の―」 ④秘めているところ。隠していること。後撰和歌集「秋の夜の月の光は清けれど人の心の―は照らさず」 ⑤かたすみ。へんぴなところ。源氏物語常夏「さる田舎の―にて」 ⑥欠点。源氏物語浮舟「そのことぞとおぼゆる―なく」 ⑦歌舞伎で役者の顔に施す色どり。くまどり。 隈

くまぐま・し【隈隈し】🔗🔉

くまぐま・し隈隈し】 〔形シク〕 ①ひどく薄暗い。くまが多くて隠れて見えない。出雲風土記「いと―・しき谷なりとのたまふ」 ②うしろぐらいようだ。秘密があるようだ。源氏物語梅枝「深く隠し給ふと怨みて…―・しくおぼしなすこそ苦しけれ」

くま‐ざさ【隈笹・熊笹】🔗🔉

くま‐ざさ隈笹・熊笹】 ササの一種。山林中に自生し、観賞用に広く栽培。高さ約1メートル。幹は細くて強靱。新葉は緑色だが、秋、縁辺が枯れて白変するのを隈に見たてていう。葉は料理・菓子の装飾用。 クマザサ 撮影:関戸 勇

くま‐じ【隈路】‥ヂ🔗🔉

くま‐じ隈路‥ヂ 曲りかどの多いみち。

くま‐で【隈手】🔗🔉

くま‐で隈手】 曲がりくねって見えないところ。冥界。神代紀「八十隈やそくまでに隠去かくれなむ」

くま‐と【隈所】🔗🔉

くま‐と隈所】 くまになっているところ。物かげ。万葉集20「葦垣の―に立ちてわぎもこが」

くま‐どり【隈取り・暈取り】🔗🔉

くま‐どり隈取り・暈取り】 ①くまどること。彩色を加え、ぼかすこと。 ②絵画で、遠近・高低・凹凸などを表現するため、墨や彩色の濃淡によってぼかしを加えること。 ③歌舞伎や中国の京劇などにおける特殊な化粧法。正義・悪・超人的な力などをもつ役柄を強調するため、紅・青・墨などの絵具で一定の型に顔面を彩色すること。→隈くま(図)⇒くまどり‐ふで【隈取り筆】

くまどり‐ふで【隈取り筆】🔗🔉

くまどり‐ふで隈取り筆】 ぼかしをするのに用いる画筆。柔毛で製し、穂の形は円く短い。くまふで。 ⇒くま‐どり【隈取り・暈取り】

くま‐ど・る【隈取る・暈取る】🔗🔉

くま‐ど・る隈取る・暈取る】 〔他五〕 ①彩色で濃淡をつける。境目をぼかす。為兼集「雲の色は―・る墨の移し絵に」 ②顔を紅・墨などでいろどる。特に、俳優が顔の隈取りをする。浄瑠璃、源平布引滝「つらを―・り隠せしは」

くま‐なく【隈無く】🔗🔉

くま‐なく隈無く】 〔副〕 (形容詞クマナシの連用形から)行き届かぬ所なく。何事にも通じて。「―探す」

くま‐な・し【隈無し】🔗🔉

くま‐な・し隈無し】 〔形ク〕 ①隠れる所がない。陰がない。源氏物語夕顔「八月十五夜、―・き月かげ」 ②心にかくす所がない。へだて心がない。源氏物語夢浮橋「聖といふ中にもあまり―・く物し給へば」 ③行き届かない所がない。ぬかりがない。何事にも通じている。源氏物語帚木「―・き物言ひも定めかねて」

くま‐ふで【隈筆】🔗🔉

くま‐ふで隈筆(→)「隈取り筆」に同じ。

くま‐み【隈回】🔗🔉

くま‐み隈回】 くまのあるめぐり。曲り角。くまわ。万葉集2「道の―に標しめ結へわが背」

わいはん‐ないかく【隈板内閣】🔗🔉

わいはん‐ないかく隈板内閣】 1898年(明治31)6〜11月の、憲政党内閣の俗称。大隈おおくま重信が首相兼外相、板垣退助が内相だったからいう。政党内閣の端緒となったが、旧自由・進歩両党系の内部対立で崩壊。

[漢]隈🔗🔉

 字形 〔阝(左)部9画/12画/2308・3728〕 〔音〕ワイ(漢) 〔訓〕くま [意味] 山や川の曲がって入りこんだ所。くま。すみ。「界隈」

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