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いん‐あく【隠悪・陰悪】🔗🔉

いん‐あく【隠悪・陰悪】 [名・形動]表面に現れない悪事や悪心。また、それがあるさま。「此一家は―な空気に閉ざされて居る」〈左千夫・告げびと〉

いん‐いつ【隠逸】🔗🔉

いん‐いつ【隠逸】 俗世間から逃れて、隠れ住むこと。また、その人。隠遁(いんとん)

いんいつ‐か【隠逸花】‐クワ🔗🔉

いんいつ‐か【隠逸花】‐クワ 《周敦頤(しゆうとんい)「愛蓮説」から》菊のこと。

いん‐いん【隠隠】🔗🔉

いん‐いん【隠隠】 [ト・タル][形動タリ]かすかではっきりしないさま。「―として黯澹(ほのぐら)い中に」〈紅葉・多情多恨〉音が遠く響くさま。「雷霆(いかずち)の音は次第に遠く―又霆霆(ろうろう)」〈魯庵・社会百面相〉

いんか‐しょくぶつ【隠花植物】インクワ‐🔗🔉

いんか‐しょくぶつ【隠花植物】インクワ‐ 花をつけないで胞子で繁殖する植物。シダ類・コケ類・菌類・藻類など、種子植物以外のすべての植物。胞子植物。顕花植物。

いん‐きょ【隠居】🔗🔉

いん‐きょ【隠居】 [名]スル官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと。また、その人。民法旧規定では、戸主が生前に家督を相続人に譲ることをいう。「社長のポストを譲って―する」「御―さん」俗世を離れて、山野に隠れ住むこと。また、その人。江戸時代の刑罰の一。公家・武家で、不行跡などを理由に当主の地位を退かせ、俸禄をその子孫に譲渡させた。

いんきょ‐しごと【隠居仕事】🔗🔉

いんきょ‐しごと【隠居仕事】 老人が勤めをやめてからする、生計に直接かかわりのない仕事。

おき【隠岐】🔗🔉

おき【隠岐】 旧国名の一。現在の島根県隠岐諸島にあたる。隠州(いんしゆう)

おき‐しょとう【隠岐諸島】‐シヨタウ🔗🔉

おき‐しょとう【隠岐諸島】‐シヨタウ 島根県北東部、日本海にある諸島。島前(どうぜん)(知夫里(ちぶり)島・西ノ島・中ノ島)と島後(どうご)、およびその他の小島からなる。後鳥羽上皇・後醍醐天皇などの配流の地。おきのしま。

おき‐の‐いん【隠岐院】‐ヰン🔗🔉

おき‐の‐いん【隠岐院】‐ヰン 《承久の乱で隠岐に流されたところから》後鳥羽上皇の通称。

おき‐の‐しま【隠岐島】🔗🔉

おき‐の‐しま【隠岐島】 隠岐諸島(おきしよとう)

かくさう【隠さふ】かくさふ🔗🔉

かくさう【隠さふ】かくさふ 〔連語〕《動詞「かく(隠)す」の未然形+反復継続の助動詞「ふ」。上代語》隠しつづける。繰り返し隠す。「沖つ藻を―ふ波の五百重波(いほへなみ)千重にしくしく恋ひわたるかも」〈万・二四三七〉

かくし【隠し】🔗🔉

かくし【隠し】 隠すこと。隠してあること。「―財産」衣服に縫いつけた、物を入れる袋。ポケット。外敵などからの守りとなるもの。また、守る人。「是を中区(うちつくに)の―となせ」〈成務紀〉

かくし‐あじ【隠し味】‐あぢ🔗🔉

かくし‐あじ【隠し味】‐あぢ 料理の味を引き立てるために、少量の酒・塩・醤油などの調味料を加えること。また、その調味料。

かくし‐いしょう【隠し衣装】‐イシヤウ🔗🔉

かくし‐いしょう【隠し衣装】‐イシヤウ 表は質素に、裏はぜいたくに仕立てた衣装。江戸時代、天和三年(一六八三)の衣装法度が出てからの風(ふう)で、隠し紋・隠し裏などがある。遊里に行くときなどに、よそに預けておいて途中で着替える衣装。「恋の中の中の中宿より―の物好き」〈浮・俗つれづれ〉

かくし‐え【隠し絵】‐ヱ🔗🔉

かくし‐え【隠し絵】‐ヱ 絵の中に、よく注意して見なければわからないように工夫して、他の絵を描き込んであるもの。さがし絵。

かくし‐おとこ【隠し男】‐をとこ🔗🔉

かくし‐おとこ【隠し男】‐をとこ 女がひそかに関係している男。隠し夫(づま)。情夫。「男女の、忍びて物言ふ気色しけり。さればよ、―来にけり、と思ひて」〈宇治拾遺・二〉

かくし‐おんな【隠し女】‐をんな🔗🔉

かくし‐おんな【隠し女】‐をんな 男がひそかに囲っている女。隠し妻。情婦。

かくし‐がね【隠し金】🔗🔉

かくし‐がね【隠し金】 隠し持っている金銭。「重き物を軽う見せたるは、―にきはまるところ」〈浮・胸算用・四〉

かくし‐きしょう【隠し起△請】‐キシヤウ🔗🔉

かくし‐きしょう【隠し起請】‐キシヤウ 《室町時代、犯人を探すときなどに、住民に起請文つきの無記名投票を行わせたところから》入れ札。投票。

かくし‐くぎ【隠し×釘】🔗🔉

かくし‐くぎ【隠し×釘】 外から見えないように打った釘。忍び釘。

かくし‐げい【隠し芸】🔗🔉

かくし‐げい【隠し芸】 人に知られず身につけていて、宴会の席などの余興として見せる、素人の芸。「―を披露する」

かくし‐ご【隠し子】🔗🔉

かくし‐ご【隠し子】 正妻以外の女に産ませた子。世間に隠している子。

かくし‐ごと【隠し事】🔗🔉

かくし‐ごと【隠し事】 他人に知られないようにしている事柄。秘事。「親に―をする」

かくし‐ことば【隠し言葉・隠し△詞】🔗🔉

かくし‐ことば【隠し言葉・隠し詞】 特定の社会の中で仲間うちだけで使う言葉。隠語(いんご)

かくし‐しつけ【隠し×躾】🔗🔉

かくし‐しつけ【隠し×躾】(きせ)をおさえるしつけ。布と同色の縫い糸で表にごく小さな針目を出して縫う。着用時にも抜かない。隠し針。

かくし‐だ【隠し田】🔗🔉

かくし‐だ【隠し田】 おんでん(隠田)

かくし‐だい【隠し題】🔗🔉

かくし‐だい【隠し題】 和歌・連歌・俳諧で、題の詞(ことば)を表面に出さないで句の中に詠み込むこと。例えば、「きりぎりす」という題を、「秋は霧霧すぎぬれば雪降りて晴るるまもなき深山辺の里」〈千載・雑下〉とよみこむ類。物名(もののな)(ぶつめい)。籠(こ)め題。

かくし‐だて【隠し立て】🔗🔉

かくし‐だて【隠し立て】 [名]スル自分のした事・知っている事などを、人に知らせないようにすること。「ことさらに―する」

かくし‐だま【隠し球】🔗🔉

かくし‐だま【隠し球】 野球で、野手が投げたとみせかけて、球を隠しておき、走者が塁を離れたときにタッチアウトにしようとするトリックプレー。

かくし‐づま【隠し△夫】🔗🔉

かくし‐づま【隠し夫】隠し男」に同じ。

かくし‐づま【隠し妻】🔗🔉

かくし‐づま【隠し妻】隠し女」に同じ。

かくし‐どころ【隠し所】🔗🔉

かくし‐どころ【隠し所】 物を隠しておく場所。秘密の場所。陰部。「はだかなる法師の―も打ち出だして」〈今物語〉

かくし‐どり【隠し撮り】🔗🔉

かくし‐どり【隠し撮り】 [名]スル被写体になる人物に気づかれないようにこっそり撮影すること。盗み撮り。

かくし‐な【隠し名】🔗🔉

かくし‐な【隠し名】 本名を避けて使う別の名前。変名・筆名など。

かくし‐ぬい【隠し縫い】‐ぬひ🔗🔉

かくし‐ぬい【隠し縫い】‐ぬひ 縫い目が外から見えないように縫うこと。

かくし‐ねんぶつ【隠し念仏】🔗🔉

かくし‐ねんぶつ【隠し念仏】 東北地方一帯に古くから行われてきた秘事法門の一種。浄土真宗の異安心(いあんじん)で、土蔵などに隠れて特殊な法義を伝授するもの。土蔵秘事。御庫(おくら)法門。秘事法門。

かくし‐ばいじょ【隠し売女】‐バイヂヨ🔗🔉

かくし‐ばいじょ【隠し売女】‐バイヂヨ 江戸時代、公許の遊郭以外で売春した女。夜鷹(よたか)・比丘尼(びくに)など。私娼(ししよう)。かくしばいた。

かくし‐ぶみ【隠し文】🔗🔉

かくし‐ぶみ【隠し文】 第三者に知られないよう相手に渡す秘密の手紙。密書。匿名の手紙。

かくし‐ぼうちょう【隠し包丁】‐バウチヤウ🔗🔉

かくし‐ぼうちょう【隠し包丁】‐バウチヤウ 料理で、食べやすいように、また、早く火が通るよう、材料の裏側に包丁で切れ目を入れること。しのび包丁。

かくし‐ボタン【隠しボタン】🔗🔉

かくし‐ボタン【隠しボタン】 表面から見えないようにボタンを付けること。

かくし‐マイク【隠しマイク】🔗🔉

かくし‐マイク【隠しマイク】 相手に気づかれないようにして使用するマイク。

かくし‐まち【隠し町】🔗🔉

かくし‐まち【隠し町】 私娼(ししよう)の住む一郭。寺の門前などに多くあった。私娼窟(ししようくつ)。「墓桶を下げて見とれる―」〈柳多留・初〉

かくし‐まど【隠し窓】🔗🔉

かくし‐まど【隠し窓】 細い桟をたくさんつけるなどして、外部から室内が見えないように作ってある窓。

かくし‐むすび【隠し結び】🔗🔉

かくし‐むすび【隠し結び】 髪を結うのに、元結(もとゆい)を外から見えないように内側で結ぶこと。「―の浮世髻(もとゆひ)」〈浮・一代女・一〉

かくし‐めつけ【隠し目付】🔗🔉

かくし‐めつけ【隠し目付】 江戸幕府の職名。徒目付(かちめつけ)・小人目付(こびとめつけ)の中から臨時に任命されて、ひそかに諸藩・大名の動きを調べた。こっそり他人の行動を見張る役。「姑の―を勤めて、嫁の挙動は細大洩さず密告する」〈紅葉・二人女房〉

かくし‐もん【隠し紋】🔗🔉

かくし‐もん【隠し紋】 正式の家紋ではない、しゃれた替え紋。一説に、衣服の裏につけ、表からかすかに見えるようにした紋ともいう。「三つ重ねたる小袖、皆黒羽二重に裾取りの紅裏(もみうら)、金の―」〈浮・五人女・三〉

かくし‐よね【隠し×娼】🔗🔉

かくし‐よね【隠し×娼】隠し売女(ばいじよ)」に同じ。「清水町の―、百で酒肴もてなし」〈浮・置土産・四〉

かくし‐らっかん【隠し落款】‐ラククワン🔗🔉

かくし‐らっかん【隠し落款】‐ラククワン 画中などに、人目につかないように筆者の名や号を記すこと。また、その署名。

かく・す【隠す】🔗🔉

かく・す【隠す】 [動サ五(四)]人の目に触れないようにする。物で覆ったり、しまい込んだりする。「姿を―・す」「両手で顔を―・す」「押し入れに―・す」物事を人に知られないようにする。秘密にする。「身分を―・す」「―・さずに事実を話す」「当惑の表情を―・さない」死者を葬る。「畝傍山の東北(うしとら)のすみの陵(みささき)に―・しまつる」〈神武紀〉→覆(おお)[用法] [可能]かくせる [下接句]頭隠して尻(しり)隠さず・跡を隠す・色の白いは七難隠す・髪の長きは七難隠す・上手(じようず)の猫が爪(つめ)を隠す・爪を隠す・能ある鷹(たか)は爪を隠す

隠すより現る🔗🔉

隠すより現る 隠そうとすると目立って、かえって外へ知れやすい。

かくらう【隠らふ】かくらふ🔗🔉

かくらう【隠らふ】かくらふ 〔連語〕《動詞「かく(隠)る」(四段)の未然形+反復継続の助動詞「ふ」。上代語》隠れつづける。かくろう。「天の原ふりさけ見れば渡る日の影も―ひ」〈万・三一七〉

かくら‐く【隠らく】🔗🔉

かくら‐く【隠らく】 《動詞「かく(隠)る」(四段)のク語法》隠れること。「あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の―惜しも」〈万・一六九〉

かくり‐よ【隠り世】🔗🔉

かくり‐よ【隠り世】 死者が行く世。あの世。「墓地は現(うつつ)の露の原、また、―の苔の土」〈白秋・墓地〉

かく・る【隠る】🔗🔉

かく・る【隠る】 [動ラ四]《上代語。下二段活用よりも古い》隠れる。「山高み夕日―・りぬ浅茅原後見むために標(しめ)結はましを」〈万・一三四二〉[動ラ下二]「かくれる」の文語形。

かくれ【隠れ】🔗🔉

かくれ【隠れ】 人に知られないでいること。「遂には―あるまじければ」〈平家・一〇〉ほかから見えない所。物陰。「物の―よりしばし見ゐたるに」〈徒然・三二〉尻。「―に在るをば黒雷(くろいかづち)といふ」〈神代紀・上〉

隠れもな・い🔗🔉

隠れもな・い 広く世間に知れ渡っている。有名である。「法を侵しているのは―・い事実」

かくれ‐あそび【隠れ遊び】🔗🔉

かくれ‐あそび【隠れ遊び】 人に隠れて遊興すること。「おとといから廓(なか)へ引けこんで―をしているということを」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉隠れん坊」に同じ。「昔せし―になりなばや片隅もとに寄り伏せりつつ」〈聞書集〉

かくれ‐いわ【隠れ岩】‐いは🔗🔉

かくれ‐いわ【隠れ岩】‐いは 水中に隠れていて、見えない岩。暗礁。

かくれ‐うお【隠れ魚】‐うを🔗🔉

かくれ‐うお【隠れ魚】‐うを タラ目カクレウオ科の海水魚。全長約一五センチ、体は細長くて側扁し、尾端はとがる。うろこ・腹びれを欠き、肛門はのどの部分に開く。体色は淡灰色。フジナマコや大形のヒトデの腸内に隠れすむ習性がある。本州中部以南に分布。

かくれ‐おに【隠れ鬼】🔗🔉

かくれ‐おに【隠れ鬼】隠れん坊」に同じ。

かくれ‐が【隠れ家・隠れ△処】🔗🔉

かくれ‐が【隠れ家・隠れ処】 人目を避けて隠れている場所。また、隠れ住む家。(隠れ処)表立たない所。陰にあって見えない所。かげ。「御方は―の御後見にて」〈源・若菜下〉

かくれ‐がに【隠れ×蟹】🔗🔉

かくれ‐がに【隠れ×蟹】 十脚目カクレガニ科のカニの総称。甲はほぼ円形で、雌は甲幅約一センチ、雄はその半分以下。体は乳白色で柔らかい。ハマグリ・カキなど二枚貝の外套腔(がいとうこう)内に寄生する。オオシロピンノ・クロピンノ・カギツメピンノなど。《季 夏》

かくれ‐キリシタン【隠れキリシタン】🔗🔉

かくれ‐キリシタン【隠れキリシタン】 江戸幕府のキリシタン禁令下でキリスト教信仰を続けた信者。現在もなお、長崎県の五島・浦上などに潜伏時代の信仰習俗を保っている。

かくれ‐ご【隠れ子】🔗🔉

かくれ‐ご【隠れ子】隠れん坊」に同じ。〈日葡〉

かくれ‐ごと【隠れ事】🔗🔉

かくれ‐ごと【隠れ事】 人に気づかれないように、こっそりする物事。かくしごと。隠れん坊」に同じ。

かくれ‐ざと【隠れ里】🔗🔉

かくれ‐ざと【隠れ里】 人目を避けた人たちがひそかに住む村里。人里遠く離れた所にあるという理想郷。江戸時代、公認されない遊里。岡場所。

かくれ‐づま【隠れ△夫】🔗🔉

かくれ‐づま【隠れ夫】 人に知られないようにもつ夫。みそかお。「をとめごがあはせ衣の―薄き契りに恨みわびつつ」〈夫木・三五〉

かくれ‐づま【隠れ妻】🔗🔉

かくれ‐づま【隠れ妻】 人に知られないようにもつ妻。かくしづま。「色に出でて恋ひば人みて知りぬべみ心の内の―はも」〈古今六帖・五〉

かくれ‐どころ【隠れ所】🔗🔉

かくれ‐どころ【隠れ所】 隠れひそむ所。かくれが。「―の山といへども、さながら花の都なれば」〈謡・西行桜〉陰部。かくしどころ。「水をうけて―をなん洗ひ給ふ事」〈撰集抄・三〉

かくれ‐な・い【隠れ無い】🔗🔉

かくれ‐な・い【隠れ無い】 [形]かくれな・し[ク]隠しようがなく表れている。それとはっきり分かっている。「真(しん)から飛んだ事を云ってしまったとの後悔が、―・く顔にあらわれる」〈左千夫・隣の嫁〉残らず表れている。残すところがない。「所のさま、おぼつかなき浦々磯の、―・く描きあらはし給へり」〈源・絵合〉世間に知れ渡っている。有名である。かくれもない。「忍ぶとも、世にあること―・くて」〈源・夕顔〉

かくれ‐ぬ【隠れ△沼】🔗🔉

かくれ‐ぬ【隠れ沼】 《隠(こも)り沼(ぬ)を誤読して出来た語か》草などに覆われてよく見えない沼。こもりぬ。「人づてにしらせてしがな―のみごもりにのみ恋ひやわたらむ」〈新古今・恋一〉

かくれ‐ば【隠れ場】🔗🔉

かくれ‐ば【隠れ場】 隠れる場所。隠れ場所。

かくれ‐みの【隠れ×蓑】🔗🔉

かくれ‐みの【隠れ×蓑】 着ると姿を隠すことができるという蓑。鬼や天狗の持ち物とされる。実体を隠すための手段。「税金逃れの―に別名義の会社を作る」ウコギ科の常緑小高木。沿岸地に自生。葉は互生し、厚く光沢があり、卵形で若木では五つに裂けているものが多い。夏、淡黄色の小花をつけ、実は黒く熟す。関東以南に分布。樹液を黄漆といい、家具塗料に用いる。

かく・れる【隠れる】🔗🔉

かく・れる【隠れる】 [動ラ下一]かく・る[ラ下二]物の陰になったり、さえぎられたりして見えなくなる。「月が雲間に―・れる」身を人目につかないようにする。「物陰に―・れる」「親に―・れてたばこを吸う」表面・外部から見えないところに存在する。ひそむ。「事件の裏に―・れた謎がある」(ふつう、「隠れた」の形で)世間に名前や力が知られないでいる。また、官職につかないで民間にいる。「―・れた人材を発掘する」「―・れた功績」世をのがれて、ひそむ。隠遁(いんとん)する。「山に―・れる」高貴な人が死ぬ。現代ではふつう「お隠れになる」の形を使う。「後二条関白殿…御年三十八にて遂に―・れさせ給ひぬ」〈平家・一〉→おかくれ [類語](まぎ)れる・没する/(ひそ)む・忍(しの)ぶ・伏(ふ)す・潜(もぐ)る・紛(まぎ)れる・紛れ込む・逃げ込む・潜伏(せんぷく)する・隠伏する・韜晦(とうかい)する・身を隠す・身を潜(ひそ)める・人目を盗む/(ひそ)む・伏在する・潜在する

隠れたるより見(あらわ)るるはなし🔗🔉

隠れたるより見(あらわ)るるはなし 《「礼記」中庸から》人に隠れて悪事をして、だれも知らないと思うのは誤りで、自分が知っているのだから、これ以上明らかなことはない。秘密はかえって世間に知られやすい。隠すより現る。

隠れての信は顕(あらわ)れての徳🔗🔉

隠れての信は顕(あらわ)れての徳 心の中に秘めた信仰にも、利益(りやく)が必ずあらわれてくる。また、人に知られない善行にも、必ずよい報いがある。隠れたる信あらば顕れたる験(しるし)

かくれん‐ぼう【隠れん坊】‐バウ🔗🔉

かくれん‐ぼう【隠れん坊】‐バウ 子供の遊びで、鬼を一人定め、他の者が物陰に隠れているのを鬼が捜し出し、最初に見つけられたものを次回の鬼とするもの。隠れ鬼。かくれんぼ。

かくろ・う【隠ろふ】かくろふ🔗🔉

かくろ・う【隠ろふ】かくろふ 《連語「かくらう」の音変化》[動ハ四]隠れている。「昨日今日雲のたちまひ―・ふは花の林を憂しとなりけり」〈伊勢・六七〉[動ハ下二]に同じ。「いとどうち忍び―・へ給ひしほど」〈夜の寝覚・五〉表立たないでいる。「さだ過ぎぬるを功にてぞ―・ふる」〈紫式部日記〉

かくろえ【隠ろへ】かくろへ🔗🔉

かくろえ【隠ろへ】かくろへ 《動詞「かくろう」(下二)の連用形から》隠れるのに適したものかげ。「年ごろだに、何の頼もしげある木のもとの―も侍らざりき」〈源・総角〉外からはわからない事柄。秘密。「内のこと思ひやらるる御文かな。何事の―あるにか。深く隠し給ふ」〈源・梅枝〉

かくろえ‐ごと【隠ろへ事】かくろへ‐🔗🔉

かくろえ‐ごと【隠ろへ事】かくろへ‐ 隠し事。秘密。「忍び給ひける―をさへ、語り伝へけむ、人のもの言ひさがなさよ」〈源・帚木〉

こもり【×籠もり・△隠り】🔗🔉

こもり【×籠もり・隠り】 中に入って出ないこと。隠れて現れないこと。また、その状態。「冬―」「巣―」社寺に祈願のため参籠(さんろう)すること。おこもり。

こもり‐え【△隠り江】🔗🔉

こもり‐え【隠り江】 アシなどが茂っていたり、岬などに囲まれたりして、隠れて見えない入り江。「―に思ふ心をいかでかは舟さす棹のさして知るべき」〈伊勢・三三〉

こもりえ‐の【△隠り江の】🔗🔉

こもりえ‐の【隠り江の】 〔枕〕「泊瀬(はつせ)」にかかる。中世以後に、「こもりくの」が誤り伝えられたもの。「―泊瀬の山は色づきぬ」〈続古今・秋下〉

こもりく‐の【△隠りくの】🔗🔉

こもりく‐の【隠りくの】 〔枕〕《「く」は所》大和の泊瀬(はつせ)は山に囲まれた所の意から、「泊瀬」にかかる。「―泊瀬の川の上つ瀬に」〈万・三二六三〉

こもり‐ず【△隠り△処・△隠り△所】‐づ🔗🔉

こもり‐ず【隠り処・隠り所】‐づ 草木などに覆われて、他から見えない場所。また一説に、水草に覆われて見えない沼や沢。「―の沢たつみなる岩根ゆも通りて思ふ君に逢はまくは」〈万・二七九四〉

こもりず‐の【△隠り△処の】こもりづ‐🔗🔉

こもりず‐の【隠り処の】こもりづ‐ 〔枕〕隠れて見えない場所の意から、「下」にかかる。「―下よ延(は)へつつ行くは誰が夫(つま)」〈記・下・歌謡〉

こもり‐づま【△隠り妻】🔗🔉

こもり‐づま【隠り妻】 人目を忍ぶ関係にある妻。かくしづま。「恋ひしくもしるくも逢へる―かも」〈万・三二六六〉

こもり‐ど【△隠り△処】🔗🔉

こもり‐ど【隠り処】 隠れて人目につきにくい所。「―の沢泉なる岩根をも通してそ思ふ我(あ)が恋ふらくは」〈万・二四四三〉

こもり‐ぬ【△隠り△沼】🔗🔉

こもり‐ぬ【隠り沼】 草の茂みなどに覆われて外からは見えない沼。一説に、水の流れ出ない沼。「埴安(はにやす)の池の堤の―の行方を知らに舎人(とねり)は惑(まと)ふ」〈万・二〇一〉

こもりぬ‐の【△隠り△沼の】🔗🔉

こもりぬ‐の【隠り沼の】 〔枕〕隠れて見えない沼の意から、「下」にかかる。「―下に恋ふれば飽き足(だ)らず」〈万・二七一九〉

こも・る【×籠もる・△隠る】🔗🔉

こも・る【×籠もる・隠る】 [動ラ五(四)]中に入ったまま外に出ないでいる。引きこもる。「山に―・る」「書斎に―・って執筆する」外とのつながりを断って、中に深く入り込む。閉じこもる。「自分の殻に―・る」「陰(いん)に―・る」祈念するために社寺に泊まり込む。おこもりをする。「寺に―・る」城などに入って敵から防ぎ守る。立てこもる。「城に―・る」音や声が中に閉じこめられた状態で、外にはっきり伝わらない。くぐもる。「声が―・ってよく聞こえない」気体などが外に出ないで、いっぱいに満ちる。充満する。「臭いが―・る」「会場に人の熱気が―・る」力やある感情などが、そこにいっぱいに含まれる。「力の―・った演技」「熱の―・った言葉」「心の―・った贈り物」「怒りの―・った声」包まれる。囲まれる。「畳(たた)なづく青垣山―・れる大和しうるはし」〈記・中・歌謡〉入って隠れる。「二上(ふたかみ)の山に―・れるほととぎす今も鳴かぬか君に聞かせむ」〈万・四〇六七〉 [可能]こもれる

なま・る【△隠る】🔗🔉

なま・る【隠る】 [動ラ四]《「なばる」の音変化》隠れる。「難波の小江(をえ)に廬(いほ)作り―・りて居る葦蟹(あしがに)を」〈万・三八八六〉

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[音]イン    オン [訓]かく‐す    かく‐れる    こも‐る    こも‐り    いた‐む    よ‐る [部首]阜 [総画数]14 [コード]区点    1703      JIS   3123      S‐JIS 8942 [分類]常用漢字 [難読語] →あおば‐ありがたはねかくし【青翅蟻形隠翅虫】おき【隠岐】おん‐ぎょう【隠形】おん‐しゅう【隠州】せんち【雪隠】とがくし【戸隠】はね‐かくし【隠翅虫・羽隠虫】

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