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○物がわかるものがわかる🔗⭐🔉
○物がわかるものがわかる
物事の道理や人情がよくわかっている。「物のわかる人」
⇒もの【物】
もの‐ぎ【物着】
①衣服を着ること。
②能楽で、演技者が退場せずに舞台で扮装を変えること。
⇒ものぎ‐の‐あいかた【物着の合方】
もの‐ぎき【物聞き】
様子を探り聞くこと。また、その人。遠聞き。しのび。探偵。枕草子25「―に宵より寒がりわななきをりける下衆げす男」
もの‐きこ・ゆ【物聞ゆ】
〔自下二〕
(「きこゆ」は「言う」の謙譲語)お話しする。伊勢物語「人の御もとに忍びて―・えて」
もの‐ぎせ【物着せ】
能および狂言の演技者に装束を着せる人。江戸時代には専門の者がいたが、今は後見が担当する。
もの‐ぎたな・し【物穢し】
〔形ク〕
何となくきたない。なんとなく卑しい。源氏物語東屋「上達部かんだちめの筋にてなからひも―・き人ならず」
ものぎ‐の‐あいかた【物着の合方】‥アヒ‥
歌舞伎下座音楽の一つ。時代物で着物を舞台で着替える時につなぎに弾く三味線。多く小太鼓を入れる。別称、鎧三重よろいさんじゅう。
⇒もの‐ぎ【物着】
ものき‐ぼし【物着星】
爪にできた白い点。女は衣服を得る前兆として喜ぶ。誹風柳多留23「―かたみをもらうなさけなさ」
もの‐きょうじ【物興じ】
物事に興じること。面白がること。栄華物語耀く藤壺「あまり―する程に」
もの‐きよ・し【物清し】
〔形ク〕
何となくきよい。源氏物語総角「まことに―・く推し量りきこゆる人も侍らじ」
もの‐きらぎら・し【物端正し】
〔形シク〕
目立ってはっきりしている。源氏物語常夏「いと―・しくかひある所つき給へる人にて」
もの‐きれ【物切れ】
①(モノギレとも)品物のきれてなくなること。しなぎれ。洒落本、当世繁栄通宝「はけ方がたくさん故…―だのとことわりを言ひ」
②切れ味のよい刃物。狂言、武悪「是は―ぢや程に心安思うてどこからなり共きれ」
もの‐ぎわ【物際】‥ギハ
①行うべき物事のまぎわ。せとぎわ。三河物語「はやりて鑓を入れば―にて精が抜けて鑓が弱きものなり」
②盆・正月などの前の多忙な時。節季前。傾城禁短気「―に肴屋呼びつけ」
もの‐ぐさ【懶・物臭】
(古くは清音)
①無精ぶしょうなこと。また、その性質の人。徳和歌後万載集雑「人とはぬ庭も我が身もあかつきて苔むしけりな―の庵」。「―な男」
②懶草履の略。一遍上人語録「―といふものを四十八作りて」
⇒ものぐさ‐ぞうり【懶草履】
⇒ものぐさ‐どうしん【懶道心】
もの‐ぐさ【物種】
もののたねとなるべきもの。物の材料。拾遺和歌集雑春「なき―は思はざらまし」
もの‐ぐさ・い【懶い】
〔形〕[文]ものぐさ・し(ク)
(古くは清音)
①物事をするのがいやで気が進まない。無精ぶしょうである。おっくうである。
②気分がすぐれない。からだの工合が悪い。〈日葡辞書〉
③うさんくさい。疑わしい。浄瑠璃、碁盤太平記「この内は―・し。さがせやさがせ」
④とるに足りない。幸若舞曲、高館「今はむかふかたきのあらざれば、ええ―・い戦かな」
もの‐ぐさし【懶】
(古くは清音)物ぐさ者。無精者ぶしょうもの。御伽草子、物くさ太郎「国にならびなき程の―なり」
ものぐさ‐ぞうり【懶草履】‥ザウ‥
短くて、かかとのない、普通の半分ぐらいの草履。足半あしなか。尻切れ草履。御伽草子、物くさ太郎「―のやぶれたるをはき」
⇒もの‐ぐさ【懶・物臭】
ものくさたろう【物くさ太郎】‥ラウ
御伽草子23編の一つ。1冊。成立は室町時代か。信濃国の物臭太郎という無精者ぶしょうものが歌才によって宮中に召され、貴族の出身で善光寺如来の申子もうしごとわかって出世するという筋。「おたがの本地」ともいう。
→文献資料[物くさ太郎]
ものぐさ‐どうしん【懶道心】‥ダウ‥
生活の苦労を厭って出家した僧。
⇒もの‐ぐさ【懶・物臭】
もの‐ぐねり【物ぐねり】
意地悪をすること。また、すねること。愚痴。松の葉1「ともすれば何ぞよそなたの―」
もの‐ぐら・し【物暗し】
〔形ク〕
何となく暗い。うすぐらい。能因本枕草子物くらうなりて「―・うなりて文字も書かれずなりにたり」
モノグラフ【monograph】
一つの特定の問題を詳細に取り扱った研究論文。モノグラフィー。
モノグラフィー【monographie フランス】
⇒モノグラフ
モノグラム【monogram】
2個以上の文字を1字状に図案化したもの。組字。合一文字。
モノクル【monocle】
片眼鏡かためがね。単眼鏡。
もの‐ぐるい【物狂い】‥グルヒ
①何かの原因で正常な判断ができなくなること。乱心。また、その人。枕草子267「誰てふ―か我人にさ思はれんとは思はん」
②神の乗り移った者。平家物語2「此の―走りまはつて」
③能楽で、悲嘆のあまり心の正常さを失って舞い歌いなどする人物。また、その芸。
もの‐ぐるおし・い【物狂おしい】‥グルホシイ
〔形〕[文]ものぐるほ・し(シク)
心が異常な状態に陥りそうである。ものぐるわしい。枕草子142「ものにあたるばかりさわぐも、いといと―・し」
もの‐ぐるわし・い【物狂わしい】‥グルハシイ
〔形〕
(→)「ものぐるおしい」に同じ。
モノクロ
モノクロームの略。
モノクローナル‐こうたい【モノクローナル抗体】‥カウ‥
〔生〕(monoclonal antibody)(→)単一クローン抗体に同じ。
モノクローム【monochrome】
①単色画。単彩画。
②白黒の写真や映画。モノクロ。
もの‐けざやか【物けざやか】
はっきりしているさま。栄華物語日蔭のかづら「更衣ころもがえなどの有様も―に」
もの‐けたまわる【物承る】‥ケタマハル
(モノウケタマワルの約。物を伺いますの意)人に物を言う最初の語。もしもし。源氏物語帚木「―、いづくにおはしますぞ」
ものげ‐な・し【物気無し】
〔形ク〕
それと認めるほどの事もない。あまり目立たない。源氏物語帚木「―・き程を見すぐして」
もの‐ごい【物乞い】‥ゴヒ
①物を乞いもとめること。
②こじき。
ものご・い
〔形〕
(福井県で)つらい。悲しい。
もの‐こい・し【物恋し】‥コヒシ
〔形シク〕
何となく恋しい。玉葉集恋「―・しらにさ夜ぞふけ行く」
もの‐こお・し【物恋ほし】‥コホシ
〔形シク〕
何となく恋しい。万葉集3「旅にして―・しきに」
モノコード【monochord】
古代ギリシアから伝わる1弦の楽器・器具。共鳴箱の上に一本の弦を張り、駒を動かしてさまざまな音を得る。音の高さの研究・教育、弦に関する実験に19世紀末まで使用。
モノコード
もの‐ごころ【物心】
人情・世態などを理解する心。「―がつく」
もの‐こころづきな・し【物心付きなし】
〔形シク〕
何となく気に入らない。源氏物語真木柱「―・き御けしき絶えず」
もの‐こころぼそ・し【物心細し】
〔形ク〕
何となく心細い。源氏物語明石「重くならせ給ひて―・く思されければ」
も‐の‐こし【裳の腰】
裳の腰帯。源氏物語宿木「三重がさねの唐衣、―もみなけぢめあるべし」
もの‐ごし【物越し】
(几帳・すだれなど)物を隔てていること。伊勢物語「―に対面して」
もの‐ごし【物腰】
①物のいいぶり。ことばつき。好色一代女1「―程かはいらしきはなし」
②身のこなし方。態度。好色一代男3「色白く髪うるはしく―やさしく」。「品のよい―」
もの‐ごと【物事】
物と事。一切の事柄。事物。「―には限度がある」「―を苦にしない」
もの‐ごと‐に【物毎に】
それぞれの物に。物のあるたびごとに。ことごとに。中務内侍日記「―面白きこと限りなし」
もの‐ごのみ【物好み】
ある種の物事をえりごのみすること。源氏物語梅枝「―し艶えんがりおはするみこにて」
もの‐ごり【物懲り】
物事にこりること。源氏物語夕顔「危かりし―に」
もの‐ごわ・し【物強し】‥ゴハシ
〔形ク〕
かたくるしいさまである。うちとけないさまである。源氏物語若紫「―・きさまし給へれば」
もの‐さし【物差し・物指し】
物の長さを差しはかる道具。直尺・曲尺・巻尺など。直尺は竹・鉄・セルロイド・プラスチックなどで細長く作り、長さの単位の目盛を付けたもの。さし。尺しゃく。転じて、物の価値をはかる基準。「かの人物たるや、世間一般の―でははかれない」
もの‐さた【物沙汰】
訴訟などを受理して裁くこと。
もの‐さだめ【物定め】
物事のよしあしを判定すること。しなさだめ。源氏物語帚木「馬の頭、―の博士になりて」
もの‐ざね【物実】
(→)物種ものだねに同じ。古事記上「三柱の女子は―汝が物に因りて成れり」
もの‐さびし・い【物淋しい】
〔形〕[文]ものさび・し(シク)
何となく淋しい。うらさびしい。源氏物語橋姫「宮のうち―・しくのみなりまさる」
もの‐さ・びる【物寂びる】
〔自上一〕[文]ものさ・ぶ(上二)
①どことなくすさび衰える。謡曲、夜討曾我「われら兄弟が幕の内ほど―・びたるは候はじ」
②古びて趣がある。十訓抄「いと―・びたる家のすのこの下に遣水の音たえだえ聞えて」
もの‐さわがし・い【物騒がしい】
〔形〕[文]ものさわが・し(シク)
①物音がして騒がしい。源氏物語末摘花「遊びののしり給ふに、―・しけれど」
②世の中が穏やかでない。物騒である。太平記3「―・しく候ふ間、夜討や忍び入り候はんずらん」。「―・い世相」
③気が早い。せっかちである。平家物語2「入道腹の立ちのままに―・しき事し給ひては」
もの‐さわ‐に【物多に】‥サハニ
〔枕〕
物が多い意で、「大宅おおやけ」にかかる。武烈紀「―大宅過ぎ」
もの‐し【物仕・物師】
①物事をよく心得てする人。巧者な人。落窪物語1「いみじき―ぞ、まろは」
②物事を手早く整える人。世事に馴れた人。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「長者もさすが―にて」
③裁縫女。世間胸算用2「内義に腰元・中居女・―を添へて」
もの・し【物し】
〔形シク〕
物々しく厭わしい。気障りである。不愉快だ。大和物語「人もなしと思ひつるに―・しきさまをみえぬることとおもひて」
もの‐しずか【物静か】‥シヅカ
①何となくしずかなさま。「―な夜」
②言語・動作などのおちついて穏やかなさま。「―な態度」「―に語る」
もの‐じたい【物自体】
〔哲〕(Ding an sich ドイツ)カントの哲学で、認識主観に現れた現象としての物ではなくて、認識主観とは独立にそれ自体として存在すると考えられた物。経験の彼方にありながら、現象の究極原因・真実在と考えられるもの。感官を触発することによって認識の素材としての感覚を生み出す。物自体は、考えることはできても認識することはできない。↔現象
もの‐しらず【物知らず】
物事を知らないこと。物の道理をわきまえないこと。また、その人。わからず屋。浄瑠璃、山崎与次兵衛寿の門松「―と縁を組み」
もの‐しり【物知り・物識り】
①ひろく物事を知っていること。博識。また、その人。
②(秋田県や奄美諸島・沖縄で)祈祷や占いを職とする者。
⇒ものしり‐がお【物知り顔】
⇒ものしり‐だて【物識り立て】
ものしり‐がお【物知り顔】‥ガホ
物事を知っているような顔つき。
⇒もの‐しり【物知り・物識り】
ものしり‐だて【物識り立て】
物識りの風をすること。知ったかぶり。狂言、右流左止うるさし「いらぬ―をいうて」
⇒もの‐しり【物知り・物識り】
もの‐しろ【物代】
物のもととなるもの。材料。物実ものざね。物種ものだね。〈崇神紀訓注〉
もの・す【物す】
[一]〔自サ変〕
「居る」「行く」などの動作を婉曲えんきょくにいう語。源氏物語夕顔「そこに―・する程ならば此処に来べき由」
[二]〔他サ変〕
⇒ものする(サ変)
もの‐ずき【物好き・物数奇】
①特殊の物事を好むこと。また、その性質・人。狂言、棒縛「それはわごりよの―にさしめ」。「世の中には―もいる」「―な趣味」
②好奇心が強く、新奇なことを好むこと。また、その人。ものごのみ。好事こうず。狂言、察化「お―をなさるる体じやが」。「―にもわざわざ見に行く」
⇒ものずき‐しゃ【物好者】
ものずき‐しゃ【物好者】
好事家こうずか。狂言、萩大名「亭主は―と見えた」
⇒もの‐ずき【物好き・物数奇】
もの‐すご・い【物凄い】
〔形〕[文]ものすご・し(ク)
①何となく気味がわるい。また、何となくさびしい。好色一代男1「次第に月さへ―・く、『一羽の声はつまなし鳥か』となほ淋しく」
②非常におそろしい。「―・い形相ぎょうそう」
③非常に際立っている。はなはだしい。「―・い人出」「―・く腹が立つ」
もの‐すさま・じ【物凄じ】
〔形シク〕
物事に興味も感じられない。なんとなくさびしい。荒涼とした心境である。源氏物語賢木「今よりはかくこそはと思ひやられて―・じくなむ」
もの・する【物する】
〔他サ変〕[文]もの・す(サ変)
ある動作をする。ある物事を行う。「言う」「食べる」「書く」など種々の動作を婉曲にいう語。源氏物語桐壺「宮仕への本意深く―・したりしよろこびは」。「俳句を―・する」
モノ‐セックス
(和製語mono sex)風俗や生活において男女の区別がないこと。ユニセックス。
もの‐ぞ
(形式名詞モノに助詞ゾの付いたもの。古くは清音)
①断定の意を表す。…ものだ。万葉集12「紫は灰さすものそ」
②強意を表す。…にちがいない。万葉集11「秋風の立ち来る時に物思ふものそ」
もの‐ぞこない【物損い】‥ゾコナヒ
物事をきずつけ、そこなうこと。興をさますこと。枕草子83「袿姿うちきすがたにてゐたるこそ―にて口惜しけれ」
モノタイプ【Monotype】
キーボード・文字盤の操作によって1字ずつの活字を自動的に鋳造植字する機械。商品名。
もの‐だくみ【物工・物匠】
物を作ることを職とする人。工匠。
もの‐たしなみ【物嗜み】
物事に嗜みのあること。狂言、岡太夫「―な人ぢや程にさうもあらう」
もの‐たち【物断ち】
神仏に願がんをかけるなどで、ある飲食物を断ってとらないこと。断物たちものをすること。
もの‐たち【物裁ち】
①布帛を裁つこと。転じて、裁縫。源氏物語野分「―などするねび御達ごたち」
②「ものたちがたな」の略。
⇒ものたち‐がたな【物裁ち刀】
ものたち‐がたな【物裁ち刀】
(→)裁物庖丁たちものぼうちょうに同じ。〈倭名類聚鈔14〉
⇒もの‐たち【物裁ち】
もの‐だね【物種】
①物のもととなるもの。材料。ものざね。ものしろ。狂言、武悪「命が―ぢや」。「命あっての―」
②草木の種。特に野菜・草花の種。たねもの。〈[季]春〉。「―の袋ぬらしつ春の雨」(蕪村)
⇒物種は盗まれず
⇒物種蒔く

広辞苑 ページ 19562 での【○物がわかる】単語。