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○刃に伏すやいばにふす🔗🔉

○刃に伏すやいばにふす (刃の上に身をふせる意から)自害する。 ⇒やい‐ば【刃】 やい‐ばり焼鍼】 ヤキバリの音便。 やいば‐わたし刃渡し】 刀屋が拵えあげた刀剣を注文主に引き渡すこと。 ⇒やい‐ば【刃】 やい‐ひ焼火】 (ヤキヒの音便)灸きゅう。やいと。〈日葡辞書〉 ⇒やいひ‐ぞめ【焼火初】 やいひ‐ぞめ焼火初】 新年に初めて灸をすえること。 ⇒やい‐ひ【焼火】 やい‐やい [一]〔感〕 呼びかける声。おいおい。狂言、貰聟「―それは何事をいふぞ」 [二]〔副〕 ものをせがんだり催促したりするさま。やいのやいの。「―とせがむ」 や‐いれ矢入れ】 戦闘の始めに敵陣に矢を射込むこと。やあわせ。 や‐いろ矢色】 放たれた矢の勢い。太平記12「切つて放したる―・弦音つるおと・弓倒し」 やいろ‐ちょう八色鳥‥テウ スズメ目ヤイロチョウ科の鳥。ツグミ大で尾が短い。特異な体形を持ち、色彩はきわめて複雑で美しく、頭は焦茶、背と翼は暗緑で青色に光り、胸は淡黄褐色、腹の中央は紅色、尾は黒く、先端空色。アジア南東部の森林にすみ、日本では九州・四国の一部で夏鳥として繁殖。ヤイロツグミ。 ヤイロチョウ 撮影:小宮輝之 や‐いん夜陰】 夜のくらやみ。よる。夜分。「―に乗じて脱出する」 や‐うけ家請】 家を借りるときの請人うけにん。家賃支払の保証人。いえうけ。浄瑠璃、博多小女郎波枕「惣七殿には口合くちあい―もある仁」 ヤウスHans Robert Jauss】 ドイツの文学理論家。コンスタンツ大学教授。文学批評における「受容美学」を提唱。著「美的経験と文学的解釈学」。(1921〜1997) や‐うち家内】 ①家のうち。かない。家族。日葡辞書「ヤウチ。即ち、イエノウチ」 ②親類。 ⇒やうち‐がこ【家内水夫】 やうち‐がこ家内水夫】 (佐渡などで)一族だけで漁業する組織。 ⇒や‐うち【家内】 や‐うつり家移り・屋移り】 引越。転宅。いえうつり。 ⇒やうつり‐がゆ【屋移り粥】 やうつり‐がゆ屋移り粥】 引越の時、手伝い人などに供する粥。やわたりがゆ。→屋粥やがい申そう ⇒や‐うつり【家移り・屋移り】 や‐うら八占・弥占】 さまざまに占うこと。多くの占い。万葉集11「百石ももさかの船漕ぐ浦の―さし母は問ふともその名は告らじ」 や‐うれ 〔感〕 呼びかけの語。やい、お前。おいおい。やおれ。宇治拾遺物語11「―、御前の辺にて、見て来ヤウンデYaoundé】 アフリカ中部、カメルーン共和国の首都。同国中部に位置する。人口129万3千(1998)。 や‐え八重‥ヘ ①八つ重なっていること。数多く重なっていること。また、そのもの。天智紀「臣おみの子の―の紐解く」 ②花弁が幾片も重なっていること。また、その花。重弁じゅうべんやえ‐あめ八重雨ヤヘ‥ 降りしきる雨。 や‐えい夜営】 夜間に陣営を張ること。また、その陣営。 や‐えい野営】 ①野外に陣営を設けること。また、その陣営。露営。「―地」 ②野外にテントなどを張って泊まること。 やえ‐おり八重織ヤヘ‥ 地を厚く織ること。また、その織物。 やえ‐がき八重垣ヤヘ‥ 幾重にも作った垣。古事記「やくもたつ出雲―妻ごみに―作るその―を」 やえがき‐ひめ八重垣姫ヤヘ‥ 浄瑠璃「本朝廿四孝」中の人物。長尾(上杉)謙信の息女で、武田勝頼の許婚。勝頼に危急を知らせるため、狐の姿となって氷の諏訪湖を渡る。 やえ‐がすみ八重霞ヤヘ‥ 幾重にもたちこめる霞。〈[季]春〉。新後撰和歌集「難波潟かり葺く葦の―」 やえ‐ぎり八重霧ヤヘ‥ 幾重にも立つ霧。永久百首「彦星は天のおしでの―に」 やえ‐くも八重雲ヤヘ‥ 幾重にも重なっている雲。万葉集2「天雲の―別きて」 やえごろも八重衣ヤヘ‥ 地歌・箏曲。京風手事物てごとものの大曲。石川勾当作曲。八重崎検校箏手付。歌詞は小倉百人一首から衣に因む歌を5首えらんで四季に従って並べたもの。 やえ‐ざき八重咲きヤヘ‥ 八重、すなわち重弁の花が咲くこと。また、その花。 やえざき八重崎ヤヘ‥ 姓氏の一つ。 ⇒やえざき‐けんぎょう【八重崎検校】 やえざき‐けんぎょう八重崎検校ヤヘ‥ゲウ 江戸後期の箏曲家。京都で活躍。松浦・菊岡・光崎諸検校作曲の地歌を箏の曲に編曲し、京風手事物を隆盛に導く。(1776?〜1848) ⇒やえざき【八重崎】 やえ‐ざくら八重桜ヤヘ‥ ①重弁の花の咲く、サトザクラの品種群。他の桜におくれて開花。花色は淡紅・紅・淡黄色などを呈し、濃艶。ボタンザクラ。金葉和歌集「九重に久しくにほへ―のどけき春のかぜと知らずや」 ②五衣いつつぎぬに用いる桜色。栄華物語若水「御装束は―をえもいはず匂はせ給へり」 やえ‐じゅうもんじ八重十文字ヤヘジフ‥ 紐などを、たてよこ幾重にも縛ること。 やえす八重洲ヤヘス 東京都中央区の西端、JR東京駅の東側の商業地区。古くは「やよす」とよむ。→ヤン=ヨーステン やえ‐す八重簀ヤヘ‥ 湖・川または遠浅の内海などで、竹の簀を立てまわして魚をとらえる仕掛け。→簀立て1 やえ‐だたみ八重畳ヤヘ‥ [一]〔名〕 幾重にも敷物をかさねて敷くこと。また、そのもの。神代紀「海神是ここに―を舗設きて」 [二]〔枕〕 「へ(重)」から「へぐり(平群)」にかかる。万葉集16「その皮を畳に刺し―平群の山に」 やえ‐た・つ八重立つヤヘ‥ 〔自四〕 幾重にも重なり立つ。後拾遺和歌集「吉野山―・つ峰の白雲に」 やえ‐たなぐも八重棚雲ヤヘ‥ 幾重にも重なってたなびく雲。古事記「天の―を押し分けて」 八重棚雲 撮影:高橋健司 やえ‐なみ八重浪ヤヘ‥ 幾重にもたつ浪。万葉集19「朝よひに満ちくるしほの―に」 やえ‐なり八重生りヤヘ‥ ①一本の草木に実が多く重なって生ること。また、その草木。 ②〔植〕(→)リョクトウ(緑豆)の別称。 やえ‐の‐おち八重の遠‥ヘ‥ヲチ ずっと遠いあちらの方。永久百首「白雲の―なる国人も」 やえ‐の‐しおかぜ八重の潮風‥ヘ‥シホ‥ はるかな潮路を吹いてくる風。 やえ‐の‐しおじ八重の潮路‥ヘ‥シホヂ はるかな潮路。非常に長い海路。やしおじ。後拾遺和歌集「―におく網を」 やえ‐の‐やまじ八重の山路‥ヘ‥ヂ 非常に長い山路。八重山にある道。玉葉集「かぎりあれば―をへだつとも」 やえ‐ば八重歯ヤヘ‥ 歯のわきに重なったように生える歯。添歯そいばやえ‐はたぐも八重旗雲ヤヘ‥ 幾重にも重なって旗のようにたなびいている雲。謡曲、弓八幡「八幡宮とあらはれ、―をしるべにて」 やえ‐ひとえ八重一重ヤヘ‥ヘ 桜の一品種。花梗長く、淡紅色で八重を主とするが、一重の花のまじるもの。桐ヶ谷きりがやつやえ‐ぶき八重葺きヤヘ‥ 屋根を幾重にもあつく葺くこと。また、その屋根。後拾遺和歌集「―のひまだにあらば」 やえ‐むぐら八重葎ヤヘ‥ ①繁茂しているむぐら。雑多に生えている蔓草。万葉集11「―おほへる庭に珠敷かましを」 ②アカネ科の蔓性越年草で雑草。茎は四角く、逆向きの小さいとげがあり、細長い葉を8個輪生。夏、黄緑色の小花を開く。漢名、拉々藤。枕草子66「草は…さしも草。―」 ヤエムグラ 撮影:関戸 勇 (→)カナムグラの別称。 やえ‐むじん八重無尽ヤヘ‥ 幾重にも縛りつけるさま。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「足手を取つて―にからげ付け」 やえ‐やえ八重八重ヤヘヤヘ 幾重にも重なること。大鏡良相「―の御おととにて超えたてまつり給ひける御あやまちにや」 やえ‐やま八重山ヤヘ‥ 幾重にも重なっている山。万葉集10「朝霞―越えて」 やえやまごい八重山語彙ヤヘ‥ヰ 方言集。宮良当壮みやながまさもり著。1930年刊。八重山諸島の語約1万5000の発音・意味を記した甲篇と、標準語約7000と八重山語との対応を示した乙篇とから成る。 やえやま‐しょとう八重山諸島ヤヘ‥タウ 沖縄県南西部、先島さきしま諸島西部の諸島。石垣・西表いりおもての2島のほか、幾つかの小島を含む。八重山列島。 やえやま‐ひるぎ八重山蛭木ヤヘ‥ 南西諸島の海岸マングローブを構成するヒルギ科の常緑高木。オヒルギ・メヒルギなどと混生。 やえ‐やまぶき八重山吹ヤヘ‥ 花弁の幾重にも重なった花をもつ山吹。〈[季]春〉 や‐えん夜宴】 夜、宴会をすること。また、その宴会。 や‐えん野猿‥ヱン 野生の猿。また、猿。狩人は「猿」が「去る」に通じるとして忌んで「野猿」という。 や‐お八百ヤホ はっぴゃく。また、数のきわめて多いこと。 やお八尾‥ヲ 大阪市南東部に隣接する市。東本願寺別院の寺内町として発展。八尾地蔵(常光寺)・八尾御坊(大信寺)などがある。大阪市の衛星都市。人口27万3千。 常光寺 撮影:的場 啓 八尾御坊(大信寺) 撮影:的場 啓 やお八尾‥ヲ 狂言。閻魔えんまが六道の辻で亡者を待ち受け、地獄へ責め落とそうとするが、八尾地蔵からの依頼の文を読んで、しかたなく極楽へ送りとどける。 やお‐あい八百会ヤホアヒ 多くのものが集まり出会うこと。また、その所。特に八重の潮路の集まりあう所。祝詞、大祓詞「八塩道やしおじの塩の―に座す」 や‐おう野翁‥ヲウ いなかのおやじ。野叟やそう。村老。 やお‐え八百重ヤホヘ 幾重にも重なり合っていること。また、非常に隔たっていること。神代紀「滄海原あおうなはらの潮の―」 やお‐か八百日ヤホ‥ きわめて多くの日数。万葉集4「―ゆく浜の沙まなごも」 やお‐かい八百穎ヤホカヒ きわめて多くの稲の穂。祝詞、祈年祭「初穂をば千穎ちかい―に奉り置きて」 や‐おくり矢送り】 戦場で、敵から射て来た矢を敵方に射かえすこと。矢のとどいたことを敵方に返答するものだという。(甲陽軍鑑7) やお‐じ八百路ヤホヂ きわめて多くの道。また、遠い道。祝詞、大祓詞「荒塩の塩の―の」 やお‐しね八百稲ヤホ‥ きわめて多くの稲。祝詞、竜田風神祭「―千稲ちしねに引き居ゑ置きて」 ヤオ‐ぞくヤオ族】 (Yao)中国南部から東南アジア北部の山地に住む民族の中国における呼称。林業・狩猟・採集、焼畑耕作による陸稲・トウモロコシ・イモ類の栽培などを行う。言語はシナ‐チベット語族のミャオ‐ヤオ語派に属する。瑶族。 やお‐たで八穂蓼ヤホ‥ きわめて穂の多い蓼。 ⇒やおたで‐を【八穂蓼を】 やおたで‐を八穂蓼をヤホ‥ 〔枕〕 八穂蓼の穂を摘むという意から、同音の「穂積ほづみ」にかかる。万葉集16「―穂積の朝臣あそが腋草わきくさを刈れ」 ⇒やお‐たで【八穂蓼】 やお‐ちょう八百長ヤホチヤウ (明治初年、通称八百長という八百屋が、相撲の年寄某との碁の手合せで、常に1勝1敗になるようにあしらっていたことに起こるという) ①相撲や各種の競技などで、一方が前もって負ける約束をしておいて、うわべだけの勝負を争うこと。なれあい勝負。「―試合」 ②転じて、内々示しあわせておいて、なれあいで事を運ぶこと。「質疑応答で―をする」 や‐おと矢音】 矢が飛んでゆく音。 や‐おとめ八少女‥ヲトメ ①8人の少女。近江風土記逸文「天の―倶ともに白鳥となりて」 ②大嘗祭・新嘗祭・神今食じんごんじきなど皇室の神事に、神饌を献って奉仕する采女うねめ。 ③神に奉仕し、神楽などを舞う少女。拾遺和歌集神楽歌「めづらしき今日の春日の―を」 やおに‐よし八百によしヤホ‥ 〔枕〕 「きづき」にかかる。古事記「―い杵築きづきの宮」 や‐おも八面】 八方の方面。あらゆる方面。 や‐おもて矢面】 ①敵の矢が飛んで来る正面。陣頭。平家物語11「―の雑人ぞうにんばらそこのき候へ」 ②転じて、質問・非難などの集中する立場。「追及の―に立つ」 や‐おもて家表】 家屋の表の方。 やお‐や八百屋ヤホ‥ ①野菜類を売る商家。また、その人。青物屋。 ②学問・技芸・趣味などの雑駁ざっぱくなこと。どんなことにも多少の趣味をもって手を出すこと。また、その人。 ⇒やおや‐ぼうふう【八百屋防風】 やおや‐おしち八百屋お七ヤホ‥ 江戸本郷追分の八百屋太郎兵衛の娘。天和2年(1682)12月の大火で焼け出されて駒込の正仙寺(一説に円乗寺)に避難した際、寺小姓の生田庄之助(一説に左兵衛)と情を通じ、恋慕のあまり、火事になれば会えるものと放火。捕らえられて鈴ヶ森で火刑に処せられたと伝える。資料により所伝は相異。この巷説は西鶴の「好色五人女」や歌祭文うたざいもんで流布し、相手を小姓吉三(吉三郎)として浄瑠璃や歌舞伎に脚色された。浄瑠璃「八百屋お七」(紀海音作)・「伊達娘恋緋鹿子」(菅専助ほか合作)、歌舞伎「お七歌祭文」などが知られる。(1666?〜1683) →文献資料[八百屋お七] やおや‐ぼうふう八百屋防風ヤホ‥バウ‥ 〔植〕(→)ハマボウフウの別称。 ⇒やお‐や【八百屋】 やお‐よろず八百万ヤホヨロヅ 数がきわめて多いこと。ちよろず。古事記「―の神」 やおらヤヲラ 〔副〕 そろそろ。おもむろに。しずかに。やわら。源氏物語空蝉「―起き出でて」。「―立ち上がる」 や‐おれ 〔感〕 (→)「やうれ」に同じ。 やか】 (屋処やかの意)いえ。家宅。やけ。源氏物語東屋「―の辰巳の隅のくづれ、いと危し」 や‐か駅家】 (ヤクカの約)(→)「うまや(駅)」のこと。〈伊呂波字類抄〉 や‐か夜火‥クワ 夜の火。夜燃える火。 や‐か野火‥クワ ①野を焼く火。のび。〈日葡辞書〉 ②野を飛ぶ怪火。浄瑠璃、栬狩剣本地「月ともなく星ともなく一団の―あらはれいで」 や‐か野花‥クワ 野に咲く花。野の花。野生の花。 やか 〔接尾〕 状態を表す体言を形づくる語。いかにも…である感じ。いかにも…らしいさま。「しめ―」「はな―」「こま―」 や‐が夜蛾】 ヤガ科のガの総称。一般にくすんだ色や斑紋を持ち、保護色となるものが多い。大半は中形種。チョウ目の中で最も種類が多く、2万種以上が世界中に広く分布。日本には約1000種。ヨトウガ・アケビコノハ・ベニシタバなど。 や‐かい夜会‥クワイ ①夜間に行う会合。特に西洋風の社交会合。広津柳浪、女子参政蜃中楼「―に行くのに馬車なしも妙なものだ」 ②(→)「夜会結び」の略。 ⇒やかい‐そう【夜会草】 ⇒やかい‐ふく【夜会服】 ⇒やかい‐まき【夜会巻】 ⇒やかい‐むすび【夜会結び】 や‐がい屋粥】 (ヤガユの転)新築移転の際の祝いに炊く粥。 ⇒やがい‐もうそう【屋粥申そう】 や‐がい野外‥グワイ ①のはら。郊外。 ②屋外。 ⇒やがい‐げき【野外劇】 やがい‐げき野外劇‥グワイ‥ 野外で、自然を背景として行う演劇。ページェント。 ⇒や‐がい【野外】 やかい‐そう夜会草‥クワイサウ 〔植〕(→)ヨルガオの別称。 ⇒や‐かい【夜会】 やかい‐ふく夜会服‥クワイ‥ 夜会に着る衣服。男性用は燕尾服またはタキシード、女性用はイブニング‐ドレス。 ⇒や‐かい【夜会】 やかい‐まき夜会巻‥クワイ‥ (→)「夜会結び」に同じ。 ⇒や‐かい【夜会】 やかい‐むすび夜会結び‥クワイ‥ 束髪の一種。髱たぼからねじり上げて左右に輪を作り、銀杏返しを押しつぶしたようにしたもの。明治・大正期に流行。夜会巻。尾崎紅葉、金色夜叉「重げに戴ける―に淡紫のリボン飾して」 夜会結び ⇒や‐かい【夜会】 やがい‐もうそう屋粥申そう‥マウサウ 新築の家に移り住む際、粥を煮て祝う式。屋粥啜り。屋移り粥。 ⇒や‐がい【屋粥】 や‐がえし矢反し‥ガヘシ しかえし。返報。(俚言集覧) や‐がかり矢懸り】 射る矢がとどく所。太平記12「目に見ゆる程の鳥にて―ならんずるに」 や‐かく夜鶴】 ①夜、すごもりする鶴。また、夜鳴く鶴。 ②[白居易、五絃弾「夜鶴子を憶おもいて籠中に鳴く」]親が子を思う愛情の深いたとえ。夜の鶴。 や‐かく野客】 野に住む人。また、仕官しない人。 や‐かく野鶴】 野にいる鶴。仕官しないで民間にいる人のたとえにもいう。「閑雲―」 や‐がく夜学】 ①夜、学問をすること。〈[季]秋〉 ②(→)夜学校の略。「―に通う」「―生」 や‐かげ家陰】 家のためにものかげになった所。いえのかげ。徒然草「北の―に消え残りたる雪の」 やか‐す舎屋】 (宅栖やかすの意)いえ。家屋。大唐西域記長寛点「庭宇ヤカス荒涼として」 や‐かず矢数】 ①矢の数。 ②矢を射て、的に当たった数。 ③通矢とおしやなどの時、射手が競って力のつづく限り多くの矢を射ること。→大矢数おおやかず⇒やかず‐はいかい【矢数俳諧】 や‐かず家数】 家いえの数。戸数。 やかず‐はいかい矢数俳諧】 俳諧形式の一つ。弓術の大矢数にならって、一夜一日もしくは一日の内に独吟で早く多数の句を作り続けて吟じ、句数を競う俳諧。 ⇒や‐かず【矢数】 や‐がすり矢絣・矢飛白】 絣柄で、文様を矢羽根の形にあらわしたもの。 や‐かぜ矢風】 射た矢が飛んで行くために起こる風。 や‐かた屋形・館】 ①船・牛車などに設けた、屋根の形をしたもの。また、それをそなえた船。屋形船。枕草子306「船、…―といふもののかたにておす」→牛車(図)。 ②かりに構えた家。かりの宿所。かりや。寓居。宇津保物語初秋「みづからは―に住むとも」 ③貴人や豪族の宿所または邸宅。たち。との。太平記11「探題の―へ攻め入り」 ④貴人の敬称。また、中世の大名の敬称。甲陽軍鑑2「あれほど強―のしかも御年いまだ三十にも足り給はぬに」 ⇒やかた‐ぐるま【屋形車】 ⇒やかた‐ごう【屋形号】 ⇒やかた‐ごし【屋形輿】 ⇒やかた‐じろ【館城】 ⇒やかた‐ちりめん【屋形縮緬】 ⇒やかた‐ぶね【屋形船】 ⇒やかた‐まち【屋形町】 ⇒やかた‐もの【屋形者】 やかた‐お矢形尾‥ヲ 鷹の尾羽の模様の一種。山形の模様のあるもの。矢羽の形に似るからとも、屋形に似るからともいう。万葉集17「―の鷹を手に据ゑ」 やかた‐ぐるま屋形車】 車箱に屋根の設けてある牛車。南海寄帰内法伝平安後期点「棚車ヤカタクルマに像を輿せて」 ⇒や‐かた【屋形・館】 やかた‐ごう屋形号‥ガウ 室町時代、特に許されて大名などの称した「屋形」という称号。この称号を得なければ、家臣に烏帽子えぼし・直垂ひたたれ・素襖すおうなどを着せることができなかった。 ⇒や‐かた【屋形・館】 やかた‐ごし屋形輿】 屋形1の設けてある輿。 ⇒や‐かた【屋形・館】 や‐かた・し弥堅し】 〔形ク〕 (イヤカタシの約)いよいよ堅い。ますますしっかりしている。古事記「下堅したがたく―・く取らせ」 やかた‐じろ館城】 館で城を兼ねたもの。 ⇒や‐かた【屋形・館】 やかた‐ちりめん屋形縮緬】 昔、舶来の縮緬の名。ちぢみが細かく、最上とされた。八形縮緬。 ⇒や‐かた【屋形・館】 やかた‐ぶね屋形船】 屋形1を設けた船。貴人が乗る船で、多くは遊山用。江戸時代以降、川遊びなどに賃貸しするものが現れた。 ⇒や‐かた【屋形・館】 やかた‐まち屋形町】 貴人または武家の屋敷の立ちつづいた町なみ。屋敷町。 ⇒や‐かた【屋形・館】 や‐がため屋固め】 新築する家の柱立ての祝い。また、移徙わたましの祝い。 やかた‐もの屋形者】 ①侍屋敷に住み、または、奉公する者。屋敷者。 ②特に江戸の遊里で、侍屋敷から来る、勤番侍の客をいう。 ⇒や‐かた【屋形・館】 やか‐つ‐かみ宅つ神】 家を守護する神。また、かまどがみ。為忠百首「山がつの垣根にいはふ―卯の花咲ける岡に見ゆかと」 や‐がっこう夜学校‥ガクカウ 夜間、授業を行う学校。夜学。 やか‐つ‐べ宅つ部】 上代の家人けにん・奴婢ぬひやがて軈て】 〔副〕 ①本来は、間に介在するもののないさまをいう。 ㋐とりもなおさず。すなわち。枕草子90「今二人は女院、淑景舎の人、―はらからどちなり」 ㋑時を移さず。すぐさま。ただちに。宇津保物語蔵開中「一日まかで侍りしままに、―まうでて侍りしに」 ㋒そのまま。徒然草「筆にも書きとどめぬれば、―定まりぬ」 ②おっつけ。まもなく。ほどなく。そのうちに。早晩。今に。「―来るでしょう」「―そうなる」「雲が出て―雨になった」 やが‐はえ弥栄】 草木の枝の弥いやが上に生い出たもの。弥木栄やぐはえ。古事記「打ち渡す―なす来入り参まい来れ」 やか‐ばら焼腹】 ヤケバラの訛。 やか‐べ家部・宅部】 大化前代、家々で使役した隷属民。664年民部かきべとともに公認。一説に、律令制の家人けにんに当たるもの。 やかまし・い喧しい】 〔形〕[文]やかま・し(シク) ①騒がしい。静かでない。そうぞうしい。狂言、宗論「ああ―・しい、何事ぢや」。「―・い表通り」 ②煩わしい。めんどうである。浄瑠璃、ひぢりめん卯月紅葉「あれへ見ゆるは父親ぢやないか…逢うて―・し爰ここ御免と神子の門々にぞ隠れける」。「―・い手続」 ③小言が多く、聞いてうるさく感じる。気むずかしい。「―・い親父だ」 ④好みがむずかしい。「食べ物に―・い」 ⑤きびしい。「しつけが―・い」「―・い検査」 ⑥世間で評判が高い。うるさくいわれている。「―・い時事問題」 やかまし‐や喧し屋】 うるさく小言や理屈をいう人。 やがみ‐ひめ八上比売】 古事記神話で、大穴牟遅神おおなむちのかみとその兄弟の八十神やそがみとに求婚され、大穴牟遅神の妻になった神。 やから】 ①一家一門。うからやから。大唐西域記長寛点「王は屈支の種ヤカラなり」 ②(「輩」とも書く)ともがら。なかま。党類。多く卑しめていう。宇津保物語蔵開中「盗人の―」。「不逞ふていの―」 ③不平を言い、また、口論をしかける者。日葡辞書「ヤカラ、また、ヤカラモノ」 や‐がら矢柄・矢幹・簳】 ①矢の幹。多く篠竹でつくる。箆。矢箆やの。矢竹やだけ。今昔物語集27「―をば抜きて」 ②(→)「矢柄投げ」の略。 ③〔動〕ヤガラ科・ヘラヤガラ科の海産硬骨魚類の総称。体は非常に細長く、とくに吻部が筒状で長い。本州中部以南の沿岸に産。フエフキ。 ④〔植〕(→)ミクリの別称。 ⇒やがら‐ぜめ【矢柄責め】 ⇒やがら‐なげ【矢柄投げ】 やから‐がねやから鉦】 中世・近世の大道芸。若衆が、多くの叩鉦たたきがねに紐をつけて首から下げ、これを打ち鳴らしながら、首のところを中心に風車のように振り回した。初めは歌念仏の一種で、念仏を唱えながら踊ったもの。やつからかね。八打鉦はっちょうがね。 やから鉦 やがら‐ぜめ矢柄責め】 拷問の一種。矢柄で打ち叩いて責めさいなむもの。 ⇒や‐がら【矢柄・矢幹・簳】 やがら‐なげ矢柄投げ】 古相撲の手の一つ。相手が押して来る力を利用し、上手うわてで相手の後ろまわしを取り、差し手をそえて吊り上げ、大きく振り回して投げ飛ばすもの。矢柄。 ⇒や‐がら【矢柄・矢幹・簳】 やがる 〔助動〕 (活用は五段型)動詞型活用の語の連用形に付け、相手や他人の動作をぞんざいに言ったり、ののしりいやしめたりする意に用いる。やあがる。あがる。歌舞伎、男伊達初買曾我「ヤイ手許を見やがつたか」。浮世風呂「何をうかうかしやアがる」。「とっとと失せやがれ」「ふざけやがって、この野郎」 や‐がわり矢代り‥ガハリ 他人の身代りとなって矢に射られること。 や‐かん夜間】 日没から日の出までの間。夜の間。よる。「―の冷えこみ」「―営業」 ⇒やかん‐じんこう【夜間人口】 ⇒やかん‐ちゅうがっこう【夜間中学校】 や‐かん射干・野干】 ①狐の異称。また、中国で狐に似て小さく、よく木に登り、夜啼く声が狼に似ているという獣。日本霊異記「―と成りて籬の上に登りて居り」 ②〔植〕(→)ヒオウギの別称。〈伊呂波字類抄〉 ③奥州・松前で、私娼の称。(物類称呼) や‐かん薬缶‥クワン (ヤッカンの約。もと薬を煎じるのに用いたのでいう) ①銅・アルマイトなどで鉄瓶の形に造った容器。湯沸し。茶瓶。去来抄「うづくまる―の下の寒さかな」(丈艸) ②薬缶頭の略。 ⇒やかん‐あたま【薬缶頭】 ⇒薬缶で茹でた蛸のよう やかん‐あたま薬缶頭‥クワン‥ 毛が抜けきって薬缶の尻のように滑らかな頭。はげあたま。 ⇒や‐かん【薬缶】 やかん‐じんこう夜間人口】 その土地に居住している人の数。昼間の通勤・通学者を除いた人口。常住人口。 ⇒や‐かん【夜間】 やかん‐ちゅうがっこう夜間中学校‥ガクカウ 夜間に授業を行う中学校。1950年前後から貧困・勤労などによる中学校不就学者や長期欠席者を対象に中学校併設学級・独立夜間中学などの形で開設。90年代以降は不登校や外国籍の子供の通学が増えている。 ⇒や‐かん【夜間】

広辞苑 ページ 19680 での○刃に伏す単語。