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○沖を越えるおきをこえる🔗🔉

○沖を越えるおきをこえる (「辺」をヘタということから、下手へたに対して「沖」を上手とみて)技芸などがとびはなれてすぐれている。 ⇒おき【沖・澳】 おく】 ①内へ深く入った所。外面から遠い方。「穴の―」「山―」↔口。 ②物事の秘密。深遠で知りにくい所。心の中。万葉集3「あきづ羽の袖振る妹を玉くしげ―に思ふを」。「芸の―をきわめる」 ③大切にすること。万葉集17「吾が―妻」 ④行く末。将来。万葉集14「―をな兼ねそ現在まさかし良かば」 ⑤物のはて。末尾。最後。源氏物語明石「御文こまやかに書き給ひて、―に」↔はし。 ⑥左。万葉集9「吾が―の手に」 ⑦家の内の後方。妻や家族の起き臥しする所。居間。「客を―へ通す」「―女中」↔表。 ⑧貴人の居室。 ⑨貴人の妻の称。好色一代女1「この―の姿を見るに」 ⑩奥州おうしゅう。みちのく。「―攻め」 ⑪晩稲おくて⇒奥を聞こうより口聞け おく】 姓氏の一つ。 ⇒おく‐むめお【奥むめお】 おくヲク やね。「屋下に―を架す」 おく】 ①数の名。 ㋐万の1万倍。10の8乗。 ㋑古くは万の10倍。 ②非常に多くの数。「―万長者」 お・く招くヲク 〔他四〕 (オグとも)招き寄せる。おびきよせる。万葉集17「―・くよしのそこに無ければ」 お・く起く】 〔自上二〕 ⇒おきる(上一) お・く置く・措く・擱く】 [一]〔他五〕 あるがままその位置にとどめる意。 ➊すでに存在する事物をそのままにする。 ①手を触れずにいる。手を加えることをしない。万葉集1「黄葉もみちをば取りてそしのふ青きをば―・きてそ嘆く」 ②そのままの状態で残す。保存する。土佐日記「便りあらばやらんとて―・かれぬめり」 ③《措》さしおく。除く。万葉集5「我を―・きて人はあらじと」。源氏物語匂宮「春宮をばさるやむごとなきものに―・きて奉り給ひて」。「感激―・く能わず」「何を―・いてもやらねばならない」 ④見捨てる。ほったらかす。万葉集20「泣く子らを―・きてそ来ぬや母おもなしにして」。万葉集1「天そらにみつ大和を―・きて」。伊勢物語「女をば草むらの中に―・きて逃げにけり」 ⑤途中でやめる。中止する。中断する。狂言、悪太郎「重ねて意見は―・いてもらひませう」。「箸を―・く」「筆を―・く」 ⑥(「…ねば―・かぬ」の形で)必ずそのことをやり通す決意を表す。「…しないでは済まさない」の意。浄瑠璃、心中二枚絵草紙「どうでもかうでも聞かにや―・かぬ」 ➋ある位置を占めさせる。 ①人や物などをある所にとどめる。人をある位置にいさせる。古事記「をとめの床の辺に我が―・きし剣の大刀」。万葉集18「針袋取り上げ前に―・きかへさへば」。宇津保物語吹上上「この節会に佩き給ふ御佩刀みはかしを質しちに―・かむ」。伊勢物語「男の形見とて―・きたるものどもを見て」。「机の上に本を―・く」「社会福祉に重きを―・く」「困難な状況に―・かれる」「支配下に―・く」「下宿人を―・く」 ②埋葬する。葬る。万葉集2「引出ひきでの山に妹を―・きて」 ③設ける。設置する。万葉集3「あらかじめ妹を留めむ関も―・かましを」。大鏡後一条「太政大臣はこの帝の御代にたはやすく―・かせたまはざりけり」。「市内に図書館を―・く」「専門委員会を―・く」 ④蒔絵まきえや箔を作りつける。細工をほどこす。大鏡伊尹「箱の漆つき、蒔絵のさま、くち―・かれたりしやうなど」。「ふすまに金箔を―・く」 ⑤(主に「心―・く」の形で使われ、不信・疑い・遠慮などの気持をそこにとどめる意)心を隔てる。警戒する。気がねする。伊勢物語「心―・くべきこともおぼえぬを」。源氏物語帚木「すきたわめらむ女に心―・かせ給へ」。徒然草「朝夕へだてなくなれたる人のともある時我に心―・きひきつくろへるさまに」 ⑥(算木などを置き並べて)占い・計算をする。万葉集13「行きし君何時来まさむと卜うら―・きていはひ渡るに」。ひさご「そろばん―・けば物知りといふ」 ⑦(時間・距離などを介在させる意)へだてる。万葉集15「ほととぎす間しまし―・け」。平家物語11「扇のかなめぎは一寸ばかり―・いて、ひいふつとぞ射切つたる」。「時を―・かずに」「3軒―・いた隣」 ➌(動詞の連用形、または、それに助詞「て」の付いた形に続けて)用意・放置の意をそえる。話し言葉では、「ておく」は「とく」となることもある。 ①あらかじめ、ある動作をする。前もって…する。万葉集11「あしひきの山桜戸を開け―・きてわが待つ君を」。徒然草「草を揉みてつけぬれば則ち癒ゆとなむ、見知りて―・くべし」。「耳に入れて―・く」 ②そのままにする。そのまま受け入れる。浮世床「山王さまはおれが贔屓ひいきだから、おれが宗旨にして―・かア」。「一応聞いて―・く」「言わせて―・けばつけあがる」「ほっといてくれ」 [二]〔自五〕 《置》露や霜などが地上におりる。万葉集4「ひさかたの天あまの露霜―・きにけり」。日葡辞書「ツユ、また、シモガヲク」 ◇広く一般には「置」。➊3・6には「措」、5には「擱」を使うことが多い。 ⇒置かぬ棚を探す おく‐い奥意】 ①心の奥底。 ②(→)奥義おうぎに同じ。 おく‐いし奥医師】 江戸幕府に仕え、将軍や奥向きの者の診療をつかさどる医官。近習医師。御側医師。 お‐くいぞめ御食い初め‥クヒ‥ 「食い初め」を丁寧にいう語。 おくいり奥入】 源氏物語の注釈書。藤原定家著。1巻。所持本の奥に記した勘物かんもつを主体とし、これに世尊寺伊行これゆきの「源氏釈」その他を加えて増補整理し、本文と離して別に1巻としたもの。 おく‐いん奥印】 官公署または個人が書類の終りに押す印。奥判。 ⇒おくいん‐きん【奥印金】 おくいん‐きん奥印金】 江戸時代、札差ふださしが旗本・御家人から金融を頼まれ、現金のない場合に、依頼者の借用証に奥印を押し保証人となって他の金主から借りて渡した金銭。架空の人物を金主に仕立てて、札差が高利を貪ることもあった。 ⇒おく‐いん【奥印】 おく‐う屋宇ヲク‥ いえ。家屋。 おく‐う屋烏ヲク‥ 屋根にとまっているカラス。 ⇒おくう‐の‐あい【屋烏の愛】 おくう‐の‐あい屋烏の愛ヲク‥ [尚書大伝牧誓、大戦]人を愛すれば、その家の上の烏までも好きになるように、その関係するすべての者に愛情が及ぶこと。深い愛情。愛は屋上の烏に及ぶ。 ⇒おく‐う【屋烏】 おく‐うら奥裏】 袷あわせおよび綿入れの長着で、裾取りに対して上半身の裏。胴裏。 おく‐えし奥絵師‥ヱ‥ 江戸時代、幕府に仕えた御用絵師のうち、狩野家の鍛冶橋・木挽町・中橋・浜町の4家の称。御目見以上御同朋格。 おく‐か奥処】 奥深い所。奥まった所。はて。万葉集5「常知らぬ国の―を」 ⇒おくか‐な・し【奥処無し】 おく‐か屋下ヲク‥ 屋根の下。 ⇒屋下に屋を架す おく‐がい屋外ヲクグワイ 建物の外。戸外。「―で遊ぶ」↔屋内。 ⇒おくがい‐こうこくぶつ‐ほう【屋外広告物法】 おくがい‐こうこくぶつ‐ほう屋外広告物法ヲクグワイクワウ‥ハフ 屋外広告物の表示の場所・方法ならびに広告物掲出物件の設置・維持について、規制の基準を定めた法律。1949年制定。 ⇒おく‐がい【屋外】 おく‐かいどう奥街道‥ダウ (→)奥州街道に同じ。 おく‐がき奥書】 ①著述・記録などの末尾につけた由緒書。著作・筆写・伝書の年月日、著者・筆者の氏名・来歴などを書き記す。識語。 ②(奥義を授ける文書の意)諸種の芸能を伝授する時、師匠から門人に与える証文。伝授状。 ③記載事実の真正・確実を証明するために、その書類の末尾に記す文。 おく‐がた奥方】 ①家の奥の間。狂言、太刀奪たちばい「又お太刀は、―にでもござるかと申しまする」 ②(奥の間に住むからいう)貴人の妻の尊敬語。奥様。奥御前。夫人。 ③東北地方。義経記1「奥州へ下る者にて候が、―にしろしめしたる人や御入り候」 おくか‐な・し奥処無し】 〔形ク〕 はてしがない。万葉集12「―・く知らぬ山道を」 ⇒おく‐か【奥処】

広辞苑 ページ 2697 での○沖を越える単語。