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○示しがつかないしめしがつかない🔗🔉

○示しがつかないしめしがつかない 他人を教えさとすための手本にならない。 ⇒しめし【示し】 しめじ‐が‐はら標茅原シメヂ‥ 栃木市の北方にあった原野。伊吹山の麓だから、古歌には「さしもぐさ」に配して用いる。(歌枕) しめし‐ばい湿し灰‥バヒ 茶の湯で、炉の炭手前で炉中に蒔く湿気を含んだ灰。番茶の煎汁を入れて天日にさらして製したもの。蒔き灰。 ⇒しめし【湿し】 しめ‐しめ 〔感〕 (「しめた」の略「しめ」の畳語)物事が自分の思ったとおりになった時に発する語。 じめ‐じめ ①湿気が多く不快なさま。「―とした土地」 ②性格・雰囲気が暗く陰気なさま。「―した話」 しめ‐じめ‐と 〔副〕 ①しめりうるおうさま。じめじめ。 ②雨などの絶え間なく降るさま。しめしめ。狂言、節分「―降る雨も」 ③静かに沈んださま。ひっそりしたさま。しめやか。源氏物語若菜上「―人目すくなき宮の内のありさまに」 ④深く心をうちこんださま。つくづく。十訓抄「此の侍従の君を年比―けさうしけれども」 しめし‐よこ湿し緯】 絹織物を織る時、緯よこ糸をぬらして織ること。ぬれよこ。 ⇒しめし【湿し】 しめし‐より示し寄り】 (滋賀県で)新年になって初めての部落の寄合よりあい⇒しめし【示し】 しめ・す示す】 〔他五〕 ①他の者にそれとわかるように、指さし、または実際に出して見せる。万葉集3「汐干なば玉藻刈り蔵め家の妹が浜づと乞はば何を―・さむ」。「実物を―・す」「時計が正午を―・す」 ②物事を表して知らせる。はっきりと知らせる。万葉集4「にほ鳥のかづく池水心あらば君にわが恋ふる心―・さね」。源氏物語明石「舟をよそひまうけて必ず雨風やまば、此浦によせてよと、重ねて―・すことの侍りしかば」。「誠意を―・す」「模範を―・す」「方向を―・す」「関心を―・す」 ③事物が見る人・聞く人にある事柄をわからせる。表示する。意味する。「雨戸が留守を―・す」「風の音が台風の接近を―・す」 ④さとしいましめる。好色一代男6「宿の男などとの事は末の名の立つを密かに―・し」 しめ・す湿す】 〔他五〕 ①ぬらす。うるおす。しめらす。「のどを―・す」 ②(水にぬらして消すことから)火を消す。吹き消すことにもいう。好色一代男7「釣行灯の光をわざと―・して」 ③(筆をぬらすことから)手紙などを書く。黄表紙、孔子縞于時藍染こうしじまときにあいぞめ「またぞや―・しまゐらせ候そろしめす‐へん示偏】 漢字の偏の一つ。「祠」「祷」・「神」「祝」などの偏の「示」「礻」の称。「礻」は「ねへん」とも呼ぶ。 しめ‐た 〔感〕 (「占めたり」の意)物事が自分の思う通りになった時に喜んでいう語。しめしめ。人情本、春色英対暖語「―と其の儘突倒すを」。「―、うまくいったぞ」 しめ‐だいこ締太鼓】 太鼓の一種。 ①胴の両面の革を紐などで締めて調子を整える太鼓の総称。→張太鼓はりだいこ。 締太鼓 ②猿楽太鼓のこと。能や歌舞伎囃子で単に太鼓といえばこれを指す。祭囃子などでは締太鼓自体を「しらべ」と称する。 しめ‐だか締め高・乄高】 合計の高。総計の額。 しめ‐だし締出し】 しめだすこと。仲間はずれにすること。「―を食う」 しめ‐だ・す締め出す】 〔他五〕 ①人を外に追い出す。また、出た人を門戸を閉じて入らせない。「門限に遅れて―・される」 ②(比喩的に)ある範囲内に入れないようにする。「暴力団関係者を―・す」「外国製品を―・す動きがある」 し‐めつ死滅】 死に絶えること。残らず死んでほろびること。絶滅。 じ‐めつ自滅】 ①自然に滅びること。 ②自分の行為が原因となって自分の身をほろぼすこと。 じめ‐つ・く 〔自五〕 湿気をおびる。じめじめする。 しめ‐つけ締付け】 しめつけること。圧迫すること。「ねじの―」「―が厳しい」 ⇒しめつけ‐しまだ【締付島田】 しめつけ‐しまだ締付島田】 たぼを張り出さぬように締めて結った島田髷まげ。天和から元禄にかけて流行。引締め島田。武道伝来記「―のふき鬢かずら⇒しめ‐つけ【締付け】 しめ‐つ・ける締め付ける】 〔他下一〕[文]しめつ・く(下二) ①強く締める。固く結びつける。平家物語9「我が馬にかきのせ奉り、鞍の前輪に―・け」。「胸を―・けられる思いがする」 ②自由にできないようにして苦しい目にあわせる。圧迫する。束縛する。「金銭面で―・ける」 しめ‐づな締綱】 駄馬に荷物をくくりつけるのに用いる綱。 しめっ‐ぽ・い湿っぽい】 〔形〕 ①しめりけがある。じめじめする。「―・い畳」 ②気分が沈んでいる。陰気くさい。「―・い話」 しめ‐て締めて・乄て】 合計して。都合つごう。浮世草子、好色万金丹「―廿七文のつけとどけぞや」 しめ‐なき締め泣き】 声を立てまいと押さえて泣くこと。しのびなき。浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「―に恨み口説くぞ」 しめ‐なわ標縄・注連縄・七五三縄‥ナハ (シメは占めるの意)神前または神事の場に不浄なものの侵入を禁ずる印として張る縄。一般には、新年に門戸に、また、神棚に張る。左捻りを定式とし、三筋・五筋・七筋と、順次に藁の茎を捻り放して垂れ、その間々に紙垂かみしでを下げる。輪じめ(輪飾り)は、これを結んだ形である。しめ。章断しとだち。 注連縄 標縄 撮影:関戸 勇 しめ‐ぬり締塗】 漆で固く塗りしめること。また、そのもの。 しめ‐の標野】 皇室などの所有する原野で、猟場などにされ、一般の人の入ることを禁じた所。禁野。万葉集1「あかねさす紫野ゆき―ゆき」 しめ‐の‐うち標の内】 ①神社の境内けいだい。転じて、宮中にもいう。↔しめのほか。 ②(→)「松の内」に同じ。〈[季]新年〉 ⇒しめのうち‐びと【標の内人】 しめのうち‐びと標の内人】 ①神社または神事に奉仕する人。かんぬし。 ②宮中に奉仕する人。 ⇒しめ‐の‐うち【標の内】 しめ‐の‐かみ 馬の鬣たてがみの、頸から肩に続く毛。とりかみ。 しめ‐の‐ほか標の外】 ①神社の境内の外。転じて、宮中の外にもいう。蜻蛉日記巻末歌「たのみずな御垣をせばみあふひ葉は―にありといふなり」↔しめのうち。 ②男女の関係が絶えて逢えないようになったことを、神域にかけていう。源氏物語絵合「身こそかく―なれ」 しめ‐の‐ほど標の程】 しめなわを張ったあたり。神社の近所。源氏物語蓬生「近き―にて、大方もわたり給ふに」 しめ‐のみ占め飲み】 ①自分一人で占有して酒を飲むこと。 ②酒をぐいのみすること。酒食論「思ひ思ひに始めつつ―、あれのみ、一口のみ」 じめ‐の‐や神馬の屋】 神馬じんめをつないでおく厩舎。 しめ‐はずし注連外し‥ハヅシ 正月のしめ飾りを外すこと。 しめ‐もらい標貰い・注連貰い・七五三貰い‥モラヒ 取り払った門松やしめ飾りを子供が貰い集めて、正月15日に左義長さぎちょうで焼くこと。〈[季]新年〉 しめ‐やか ①ひっそりと、もの静かなさま。源氏物語帚木「つれづれと降り暮して―なる宵の雨に」。「―な雨」 ②沈んでもの悲しげなさま。しんみり。源氏物語夕顔「寺々の初夜そやもみな行ひはてていと―なり」。「葬儀が―に執り行われる」 ③しとやかなさま。源氏物語少女「こめかしう―にうつくしきさま」 しめ‐やかた染屋形】 ソメヤカタの旧訓。(万葉集古義) しめ‐やき締焼】 陶磁器で、無釉の素地きじを堅く焼き締めること。こののち、釉うわぐすりをかけて低火度で焼く。 しめ‐や・ぐ 〔自四〕 しめやかである。ふさぎこむ。落窪物語1「など、惟成はいたう―・ぎたる、物や失ひたる」 しめ‐ゆう染木綿‥ユフ 染色した木綿ゆう。万葉集11「肥人こまひとの額髪ぬかがみ結へる―の染みにし心」 しめら‐に終らに】 〔副〕 「しみらに」に同じ。万葉集17「寝も寝ずに今日も―恋ひつつぞをる」 しめり湿り】 ①水気のあること。湿気しっき。 ②適度の雨が降ること。また、その雨。日葡辞書「アサジメリ」。「よいお―」 ③火の消えること。また、湿半しめりばんの略。 ⇒しめり‐け【湿り気】 ⇒しめり‐ごえ【湿り声】 ⇒しめり‐なき【湿り泣き】 ⇒しめり‐ばん【湿り半】 しめり‐け湿り気】 湿気しっき。みずけ。 ⇒しめり【湿り】 しめり‐ごえ湿り声‥ゴヱ 涙にしめった声。悲しみのために沈んだ声。 ⇒しめり【湿り】 しめり‐なき湿り泣き】 しめやかに泣くこと。 ⇒しめり【湿り】 しめり‐ばん湿り半】 (「半」は半鐘の略)鎮火を報ずる半鐘。しめり。 ⇒しめり【湿り】 し・める占める】 〔他下一〕[文]し・む(下二) 地位・ものなどを独占し、他のものの立ち入るすきを与えない意。 ①標しめを張って占有のしるしとする。領有する。万葉集19「青丹よし奈良人見むと我がせこが―・めけむもみち土に落ちめやも」。新古今和歌集「山がつの片岡かけて―・むる野のさかひにたてる玉の小柳」。日葡辞書「ノヲシムル」 ②自分の居所とする。源氏物語絵合「山里ののどかなるを―・めて御堂造らせ給ひ」。方丈記「いづれの所を―・めて、いかなるわざをしてか、しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき」。「正面に座を―・める」「町の一等地を―・める」 ③ある地位を自分のものとする。「第1位を―・める」 ④自分一人のものとする。専有する。「巨利を―・める」「絶対多数を―・める」「味を―・める」「こうなれば―・めたもの」 ⑤食べる。浮世風呂3「もう御昼を―・めたか」 し・める閉める】 〔他下一〕 ⇒しめる(締める)6 しめ・る湿る】 〔自五〕 ①水気を帯びる。水にうるおう。ぬれる。枕草子36「霧にいたう―・りたるを」。「雨に―・った道」「―・った空気」 ②水気で火が消える。蜻蛉日記「火―・りぬめりとてあかれぬれば、入りてうちふす程に」。浄瑠璃、桂川連理柵「こてこて灯せども―・り居る」 ③静かになる。ひっそりと静まる。源氏物語椎本「夜深き程の、人のけ―・りぬるに」 ④勢いがおとろえる。しずまる。源氏物語明石「やうやう風なほり、雨の脚―・り、星の光も見ゆるに」。源氏物語若菜下「庭燎にわびも影―・りたるに」 ⑤落ち着いている。源氏物語絵合「これは人ざまもいたう―・り恥かしげに」 ⑥物思いにしずむ。しょげる。源氏物語野分「思ふ事の筋々嘆かしくて、例よりも―・りて居給へり」。浄瑠璃、彦山権現誓助剣「コリヤ斧右衛門、―・り伏さずと頼みやれ、と引き起されて泣いじやくり」。「負けいくさに選手も―・る」 ⑦雰囲気が沈む。傾城禁短気「女郎未だお出なく、お座敷―・つて見ゆる時」。「座が―・る」 し・める締める・絞める】 〔他下一〕[文]し・む(下二) ①固く結んだり、ねじったりして、ゆるまないようにする。平家物語9「鍬形打つたる甲の緒―・め」。日葡辞書「ナワ、また、ヲヲシムル」。「帯を―・める」「ボルトで―・める」「財布の紐を―・める」 ②しばったり押さえつけたりして、自由に動けないようにする。また、にぎりしめる。平家物語11「侍共二十余人白き直垂着て馬の上に―・めつけてぞ渡されける」。歌舞伎、景清「逢ひたかつたと母親が寄らんとすれど縛り縄、娘も共に―・め絡む血筋の縁の」。隆達節「手に手を―・めてほとほとと叩く我はそなたの小鼓か」 ③《絞》くびる。締め殺す。日葡辞書「ノドヲシムル」。「鶏を―・める」 ④しぼる。圧搾する。日葡辞書「アブラヲシムル」 ⑤(愛する人を)ぐっと抱く。契りを結ぶ。浮世草子、御前義経記「―・めて離れし身なりしを、また結びかへ行く旅の」 ⑥(「閉める」とも書く)閉じる。とざす。「雨戸を―・める」「店を―・める」 ⑦(「乄る」とも書く)合計する。よせ合わせる。歌舞伎、助六所縁江戸桜「いかさま―・めて三百ぐらゐ、四百とはモウ出せぬわえ」。「売上げを―・める」 ⑧決着をつける。まとめる。しめくくる。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「胸中残さずうち明けて評議を―・めん」 ⑨物事が決着したのを祝って皆で手を打つ。歌舞伎、暫「尋ぬる名笛取り戻し、顔見世の祝儀ひとつ―・めようか」 ⑩ゆるんでいるのをひきしめる。緊張させる。申楽談儀「―・めつくくめつせられし、更に及びがたし」。「気持を―・めて事に当たる」「クラスの気風を―・める」 ⑪とっちめる。こらしめる。また、打ちのめす。浮世風呂2「今度おめへが江戸詞を笑つたら一番―・めてやらうと思つて」。「ちと―・めてやろう」 ⑫節約する。倹約する。「経費を―・める」 ⑬刺身・なますなどで、塩をふりかけたり酢になじませたりして肉をひきしめる。「鯖さばを酢で―・める」 ◇「絞」は、からだの一部を強く圧迫して息ができないようにしたり、殺したりする意の場合にもっぱら使う。 しめる 〔助動〕 (活用は下一段型。[活用]しめ/しめ/しめる/しめる/しめれ/しめよ。文語助動詞「しむ」が下一段化した語)動詞、形容動詞や助動詞の文語的活用語尾「なる」「たる」「ざる」の未然形に接続。「見せしめ」のように使役の「せ」と重ねて用いるものもある。使役を表す。「せる」「させる」より文章語的で、限られた文脈に用いられる。和英語林集成初版「カミハアラユルモノヲアラシメル」。「勝利を一方的ならしめた原動力」「敵の心胆を寒からしめる」 しめ‐わざ絞め技】 柔道で、相手の首を絞める技。送り襟絞め・裸絞めなど。 し‐めん四面】 ①四つの面。狂言、三人長者「四方に―の蔵を打ち」。「四角―」 ②周囲。まわり。ぐるり。四辺。四周。「―を海に囲まれる」 ③母屋の四方に庇ひさしをつけたもの。有四面庇の略。今昔物語集24「我が家に一間―の堂をなんたてたる」 ⇒しめん‐そか【四面楚歌】 ⇒しめん‐たい【四面体】 ⇒しめん‐どうこう【四面銅鉱】 し‐めん死面】 デスマスクの訳語。 し‐めん紙面】 ①紙の表面。特に、新聞などの記事面。「広告で―を埋める」 ②てがみ。書面。浄瑠璃、井筒業平河内通「有常方よりの―」 し‐めん誌面】 雑誌の記事の載っている面。誌上。「―を借りてお詫びします」 じ‐めん地面ヂ‥ 地の表面。転じて、土地。地所。 ⇒じめん‐こうか【地面効果】 ⇒じめん‐し【地面師】 ⇒じめん‐とりあげ【地面取上げ】 ⇒じめん‐もち【地面持ち】 じ‐めん字面(→)「じづら」に同じ。日葡辞書「キャウ(経)ノジメンヲヒキワタス」 じめん‐こうか地面効果ヂ‥カウクワ 航空機が地面付近を飛行するとき、主翼・尾翼の揚力または回転翼の推力が地面の反作用を受けて増大する効果。グラウンド‐エフェクト。 ⇒じ‐めん【地面】 じめん‐し地面師ヂ‥ 自分に所有権のない土地を勝手に売り飛ばす詐欺師。 ⇒じ‐めん【地面】 じめん‐ずく自面尽‥ヅク 面と向かうこと。じきじきの面会。顔ずく。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「―に頼むからは、雫しずくもこれにいつはりない」 しめん‐そか四面楚歌】 [史記項羽本紀](楚の項羽が垓下がいかで漢の劉邦の軍に囲まれた時、夜更けて四面の漢軍中から盛んに楚国の歌が起こるのを聞いて、楚の民がすべて漢に降ったかと、驚き嘆いたという故事から)たすけがなく孤立すること。周囲がみな敵や反対者ばかりであること。楚歌。 ⇒し‐めん【四面】 しめん‐たい四面体】 〔数〕四つの平面で構成される多面体。各面はいずれも三角形。 ⇒し‐めん【四面】 しめん‐どうこう四面銅鉱‥クワウ 銅・アンチモン・ヒ素・硫黄を成分とする鉱物の一群。等軸晶系。四面体結晶。塊状または粒状。金属光沢があり、灰黒色から黒色。銀を含むものもあり、銅や銀の原料鉱石。黝ゆう銅鉱。 四面銅鉱 撮影:松原 聰 ⇒し‐めん【四面】 じめん‐とりあげ地面取上げヂ‥ 江戸時代、犯罪人の所有地を年限を定めて没収し、満期後還付したこと。 ⇒じ‐めん【地面】 じめん‐もち地面持ちヂ‥ 土地を多く持っていること。また、その人。 ⇒じ‐めん【地面】 しも】 ➊一つづきの事や物の、上部または初めから隔たった部分。「かみ」に対する。 ①(空間的に)高い所に対して低い所。 ㋐下部。下方。した。源氏物語若紫「ただこのつづらをりの―に」 ㋑川の下流。川下。万葉集2「飛ぶ鳥の飛鳥あすかの河の上つ瀬に生ふる玉藻は―つ瀬に流れ触らばふ」 ㋒身体の腰部より下の部分。特に陰部を指すこともある。「―半身に火傷を負う」「―の病」 ㋓転じて、糞。大小便。また、月経。俚言集覧「月水の―と云、―を見るなどいへり」。「―肥ごえ」 ②(時間的に、または順序で)後の方。終り。末。 ㋐近代。現代。千載和歌集「上正暦のころほひより、―文治の今に至るまで」 ㋑月の下旬。源氏物語順集「長月の―の十日に今二日おきての事なり」 ㋒ある期間を二つに分けた後の方。「―半期」 ㋓和歌の終りの方。主に後半の2句。下の句。 ➋階級の劣っていること。また、そのような人。 ①官位・身分の卑しいもの。源氏物語帚木「―のきざみといふきはになれば、殊に耳立たずかし」 ②年下。年少者。 ③(君主・朝廷に対して)臣下。人民。平家物語3「―として上に逆ふること、あに人臣の礼たらんや」 ④(主人・長官などに対して)部下・雇人。源氏物語玉鬘「この頼もし人なる介、弓矢もちたる人二人、さては―なる者、童など三四人…とぞある」。浮世草子、御前義経記「わざと―に引下げられ、小童なみの草履をつかみ」。「―使い」 ⑤貴人の座からはなれたところ。下座。源氏物語空蝉「床ゆかの―に二人ばかりぞふしたる」 ⑥宮中や貴人の家などで女房たちの詰めている局つぼね。源氏物語帚木「―に湯におりて、只今まゐらむと侍り」 ⑦京からはなれた地方。特に西国地方。いなか。地方。浮世草子、御前義経記「是れをだに見出しなば早速―へ下くだるべし」 ⑧内裏だいりからはなれたところ。南。浮世草子、好色産毛「この―よりの伽羅のあぶらや」 しも】 ①多く晴天無風の夜、地表面付近の気温が氷点下になって、空気中の水蒸気が地表や物に接触して昇華し、白色の氷片を形成したもの。古人は露の凍ったものと考え、また、草木を凋落ちょうらくさせるものとした。〈[季]冬〉。播磨風土記「霰あられふり―ふるとも」。「―が降りる」 霜 撮影:高橋健司 ②(比喩的に)白髪しらが。「頭に―をいただく」 ⇒霜を履んで堅氷至る しも 〔助動〕 (室町時代の語。シムルの転ともセタマフの転ともいう。活用は特殊型)四段・ナ変動詞の未然形に接続して、尊敬の意を表す。…なさる。史記抄「斉王は張儀をにくましめども」→さしも し‐も 〔助詞〕 (強めの助詞「し」に、感動の助詞「も」の付いた語)強意を表す。万葉集18「とことへにかく―あらめや」。「誰―同じ」「なきに―あらず」 しもいちだん‐かつよう下一段活用‥クワツ‥ 動詞の活用の一つ。語尾が五十音図のエ列の1段だけに活用するもの。文語では「蹴る(け・け・ける・ける・けれ・けよ)」の1語。口語では、文語の下二段活用に由来する語。「越える(え・え・える・える・えれ・えよ(ろ))」の類。 し‐もう四孟‥マウ 孟春・孟夏・孟秋・孟冬の総称。四季それぞれのはじめ。 し‐もう刺毛】 ①植物の表皮にある毛の一種。毒液を含み、先端はもろく、動物などが触れれば刺さって折れ、毒液を注入する。イラクサにある棘とげはその例。棘毛。焮毛きんもう。螫毛せきもう。 ②昆虫などにある毒腺につらなった毛。 じ‐もう二毛】 白髪まじりの頭髪。また、その年頃の人。 し‐もう・く為設く‥マウク 〔他下二〕 こしらえておく。準備する。宇治拾遺物語1「果物、食物―・けて」 しもうさ下総‥フサ 旧国名。今の千葉県の北部および茨城県の一部。上総かずさを南総というのに対し、北総という。しもつふさ。 しもう‐た仕舞うたシマウ‥ 失敗したときに発する語。しまった。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「なむ三宝。―」 しもうた‐や仕舞屋シマウ‥ もと商家であったが、その商売をやめた家。金利や資財の利潤で裕福に暮らしている人、またはそういう家。転じて、商店でない、普通の家。しもたや。浮世草子、俗つれづれ「祖父より三代、商売は―にして」 しも‐うど下人】 (シモヒトの音便)しもべ。徒然草「都よりは目とまる心地して―に問へば」 しも‐おおい霜覆い‥オホヒ 霜害を避けるため藁わらなどで植物をおおうこと。霜よけ。 しもおか下岡‥ヲカ 姓氏の一つ。 ⇒しもおか‐れんじょう【下岡蓮杖】 しもおか‐れんじょう下岡蓮杖‥ヲカ‥ヂヤウ 日本の写真術の先駆者の一人。静岡県下田の人。初名、桜田久之助。横浜で米国の写真師ウンシンから湿板写真術を学び、1862年(文久2)横浜で写真館を開業、のち東京浅草に移る。(1823〜1914) ⇒しもおか【下岡】 しも‐おこし下起し・霜起し】 田を2度目に耕すこと。 しも‐おとこ下男‥ヲトコ 召使の男。げなん。しもべ。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「本陣宿の忙しさ、あまたの出女―」 しも‐おなご下女子‥ヲナゴ 召使の女。げじょ。しもおんな。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「この季から置かれし露や―」 しも‐おれ霜折れ‥ヲレ 曇って寒い冬の朝など、霜柱が立たないこと。また、そのような天気。一説に、しもどけ。新撰六帖1「今日はまた山の朝けの―に空かきくもり雨は降りつつ」 しも‐おんな下女‥ヲンナ ①身分の低い女官。枕草子47「主殿司こそ、なほをかしきものはあれ。―のきはは、さばかりうらやましきものはなし」 ②召使の女。女中。げじょ。しもおなご。 しも‐がかり下掛り】 ①能の流派の分類名。シテ方では金春こんぱる・金剛・喜多の3流。ワキ方では春藤しゅんどう・宝生(春藤の分流)・高安の諸流。大和がかり。奈良がかり。↔上かみ掛り。 ②しもがかること。洒落本、辰巳之園「詳しくあらはす時は―となる」 ⇒しもがかり‐ほうしょうりゅう【下掛宝生流】 しもがかり‐ほうしょうりゅう下掛宝生流‥シヤウリウ ⇒ほうしょうりゅう2 ⇒しも‐がかり【下掛り】 しも‐がか・る下掛かる】 〔自五〕 (「しも」は下半身に関するものの意)下品な話になる。「―・った話」 しも‐がこい霜囲い‥ガコヒ (→)「霜よけ」に同じ。 しも‐が‐しも下が下】 身分の最も卑しい者。下の下。源氏物語帚木「―の中には、なでふことか聞しめし所侍らむ」 しも‐かずき霜被き‥カヅキ 冬咲きのなでしこ。御湯殿上日記「ひろはし大納言―しん上申さるる」 しも‐かぜ下風(→)疝気せんきに同じ。 しも‐かぜ霜風】 霜を置くような寒い風。浄瑠璃、心中重井筒「野辺の―小夜嵐」 しも‐かた下方】 しもの方。末の方。終りの方。 しも‐がち下勝ち】 下の方が大きいさま。下しもぶくれ。源氏物語末摘花「額つきこよなうはれたるに、なほ―なる面おもやうは、大方おどろおどろしう長きなるべし」 しもがも下鴨】 京都市左京区、市の北東部の賀茂川と高野川とが合流する三角地帯の地名。中心に下鴨神社がある。 ⇒しもがも‐じんじゃ【下鴨神社】 しもかも‐おんせん下賀茂温泉‥ヲン‥ 静岡県東部、伊豆半島南部にある温泉。泉質は塩化物泉。温泉熱を利用した熱帯植物園がある。 しもがも‐じんじゃ下鴨神社】 京都、賀茂御祖かもみおや神社の通称。上賀茂神社に対する。 ⇒しもがも【下鴨】 しも‐がれ霜枯れ】 ①霜にあって、草木などの枯れしぼむこと。〈[季]冬〉。歌経標式「―のしだり柳の」 ②「霜枯れ時」の略。 ⇒しもがれ‐どき【霜枯れ時】 ⇒しもがれ‐みつき【霜枯れ三月】 しもがれ‐どき霜枯れ時】 ①草木が霜枯れして、さびしい景色の時節。 ②年の暮の、商売の景気がわるい時節。 ⇒しも‐がれ【霜枯れ】 しもがれ‐みつき霜枯れ三月】 年の暮の景気がわるい3カ月。 ⇒しも‐がれ【霜枯れ】 しも‐が・れる霜枯れる】 〔自下一〕[文]しもが・る(下二) 草木が霜にあって枯れしぼむ。枕草子67「こと花どものみな―・れたるに」 しも‐き下期】 会計年度などの1年を半分に分けた、後の方の半期。下半期。↔上かみしもきた‐はんとう下北半島‥タウ 青森県北東部にあり、北に斧状に突出する半島。西側に陸奥湾を抱き、北部に恐山がある。斗南となみ半島。 しも‐ぎょう下京‥ギヤウ ①京都の二条通以南の称。中小の商人が住んだ。↔上京。 ②京都市の区名。 しも‐く下句(→)「しものく」に同じ。 し‐もく四木⇒しぼく し‐もく指目】 指さして見ること。目をつけること。 し‐もく撞木・杵】 シュモクの訛。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「鐘の―とわれとわが身をけづらるる憂きつとめ」 ⇒しもく‐まち【撞木町】 じ‐もく耳目】 (ジボクとも) ①耳と目。 ②聞くことと見ること。 ③多くの人々の注意・注目。「―をひく」「―を集める」 ④上の人の意を受けて見聞したことを知らせ補佐する者。めつけ。「―となって働く」 ⇒じもく‐の‐かん【耳目の官】 ⇒じもく‐の‐よく【耳目の欲】 ⇒じもく‐ほう【耳目法】 ⇒耳目に触れる ⇒耳目を驚かす ⇒耳目を属す じ‐もく除目ヂ‥ (任官の人名を記した、目録の意)平安時代以後、諸司・諸国の主典さかん以上の官を任ずる儀式。公卿くぎょうが集まって約3日間清涼殿の天皇の前で行い、摂政の時はその直廬ちょくろで行うのを例とする。左大臣が一ノ上として執筆となり、一々任官の人を大間書おおまがきに注記する。県召あがためしには主に国司などの地方官を任じ、司召つかさめしには主に京官を任ずる。ほかに臨時除目(小除目)・女官除目などがあった。除書じょしょ。枕草子3「―の頃など、内裏わたりいとをかし」。枕草子25「―に司得ぬ人の家」 じもく‐じ甚目寺】 愛知県西部、海部郡甚目寺町にある真言宗の寺。597年伊勢の海士あま甚目はだめ竜麿の創建という。1196年(建久7)聖観が中興。幼少の織田信長はここに学んだ。 しも‐くずれ霜崩れ‥クヅレ 霜柱がとけてくずれること。 しも‐くち霜朽ち(→)「しもやけ」に同じ。一説に、しもやけ・ひび・あかぎれなどの総称。蜻蛉日記「―まじなはん」 しも‐ぐち下口】 うしろにある入口。うらぐち。平家物語7「殿上の―へ召して」

広辞苑 ページ 9054 での○示しがつかない単語。