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○年にとしに🔗⭐🔉
○年にとしに
①一年中。一年もの長い間。万葉集10「天の河遠き渡りは無けれども君が舟出は―こそ待て」
②一年に一度。万葉集10「―ありて今か纏まくらむぬばたまの夜霧隠りに遠妻の手を」
③年ごとに。毎年。万葉集19「外よそのみに見てはありしを今日見ては―忘れず思ほえむかも」
⇒とし【年・歳】
○年に不足はないとしにふそくはない🔗⭐🔉
○年に不足はないとしにふそくはない
①十分な高齢で、その点で心残りはない。
②年齢に関しては条件にかなっている。
⇒とし【年・歳】
とし‐の‐あした【年の朝】
(「歳旦さいたん」の訓読)元旦。元朝。
とし‐の‐あまり【年の余り】
1カ年の月数が12カ月を越えること、すなわち閏月のあること。後撰和歌集冬「この月の―にたたざらば鶯ははや鳴きぞしなまし」
とし‐の‐いち【年の市・歳市】
新年の飾り物その他の必要品を売る市。12月半ばから月末にかけて立つ。〈[季]冬〉。続虚栗「―線香買に出でばやな」(芭蕉)
とし‐の‐うち【年の内】
①一年の間。年中。拾遺和歌集春「―は皆春ながら暮れななむ」
②この年の内。年内。〈[季]冬〉。古今和歌集春「―に春は来にけり」
とし‐の‐お【年の緒】‥ヲ
年が永く続くことを緒にたとえていう語。万葉集4「あらたまの―ながく我も思はむ」
とし‐の‐お【歳の尾】‥ヲ
(「歳尾さいび」の訓読)年の末。
とし‐の‐かみ【年の神】
五穀を守護する神、すなわち大年神おおとしのかみ・御年神みとしのかみなど。
とし‐の‐くれ【年の暮】
年末。歳暮。歳晩。〈[季]冬〉
とし‐の‐こい【年の恋】‥コヒ
1年間にわたる恋。万葉集10「―今夜尽して明日よりは常の如くやわが恋ひ居らむ」
とし‐の‐こう【年の功】
年をとり経験を多くつむこと。また、その経験の力。「亀の甲より―」
とし‐の‐こなた【年の此方】
この年のうち。年内。後撰和歌集冬「いつしかと山の桜もわが如く―に春を待つらむ」
とし‐の‐このごろ【年の此の頃】
この年ごろ。数年来。万葉集14「いさよひに物をそ思ふ―」
とし‐の‐ころ【年の頃】
おおよその年齢。年のほど。
とし‐の‐せ【年の瀬】
年の暮。〈[季]冬〉
とし‐の‐せい【年の所為】‥ヰ
高年齢の理由で。年を取ったため。「―か最近疲れやすい」
とし‐の‐つもり【年の積り】
多くの年を経たこと。増鏡「―にやいと遥けき心地し侍る」
とし‐の‐な【年の名】
年号。
とし‐の‐は【年の端】
①毎年。としごと。万葉集5「―に春の来たらば」
②年齢。よわい。としは。夫木和歌抄1「いや―を摘む若菜かな」
③年の初め。
とし‐の‐ほし【年の星・歳の星】
(→)年星ねぞうのこと。
とし‐の‐まめ【年の豆】
節分の夜にまく豆。としまめ。〈[季]冬〉
とし‐の‐み【歳の実・年の実】
①人から物を贈られた時、その器物に入れて返すもの。おうつり。
②(→)「年の餅」に同じ。
とし‐の‐みどきょう【年の御読経】‥キヤウ
(→)「季きの御読経」に同じ。
とし‐の‐みなと【年の湊】
(「年のゆきはてるところ」の意)年の暮。
とし‐の‐もうけ【年の設け】‥マウケ
年越しの用意。新年を迎える準備。〈[季]冬〉
とし‐の‐もち【年の餅】
(九州地方で)正月、家人一人一人に分配する小餅。〈[季]新年〉
とし‐の‐や【年の矢】
年の速く過ぎ行くのを、射る矢の速やかなことにたとえていう語。
とし‐の‐ゆき【年の雪】
年ごとに増える白髪を雪に見立てていう語。拾遺和歌集冬「あたらしき春さへ近くなり行けば降りのみ増る―かな」
とし‐の‐よ【年の夜】
大晦日おおみそかの夜。除夜。年夜としや。〈[季]冬〉。狂言、福の神「はや―になつてござる」
とし‐の‐わたり【年の渡り】
①一年が経過すること。
②(牽牛・織女が)一年に一度天の川を渡ること。万葉集10「さ寝らくは―にただ一夜のみ」
とし‐は【年歯・年端】
(年歯ねんしの訓読から)年齢のほど。年ばえ。難波土産「―も行かぬ娘をば」
▷多く年齢の幼い場合にいう。
⇒としは‐づき【年端月】
と‐しば【鳥柴】
鷹狩で獲た鳥を人に贈る時、結び付けて添えた木。春は梅・桃・桜、夏は常磐木ときわぎ、秋は紅葉・萩・薄・櫟くぬぎ・柴、冬は松などを用いた。鳥付柴とりつけしば。
広辞苑 ページ 14155。