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かた‐む・く【傾く】🔗⭐🔉
かた‐む・く【傾く】
[一]〔自五〕
(古くは、カタブク。「片向く」の意)
①一定の基準(水平または垂直)から片方へそれる。ななめになる。かしぐ。かたよる。中華若木詩抄「花の房が雨にうるほひて次第に重く成つて、房が―・きたやうな也」。「地震で建物が―・く」「船が左に―・く」
②日や月が西方に沈みかける。平家物語灌頂「夕陽西に―・けば、御名残惜しうはおぼしけれども」
③(首が傾くの意から)不審に思う。発心集「いと心得ぬ事のさまかなと―・きあひたれど」
④正常な状態を失って不安定になる。衰勢に向かう。平家物語2「その時都―・いて、幽王つひにほろびにき」。日葡辞書「ヨワイカタムク」「ウンメイガカタムク」。「家運が―・く」
⑤その傾向を帯びる。また、傾倒する。日葡辞書「アクニカタムク」。「会議は賛成に―・く」「気持が―・く」
[二]〔他下二〕
⇒かたむける(下一)
かた‐むくろ【堅躯】🔗⭐🔉
かた‐むくろ【堅躯】
頑固なこと。一徹なこと。片意地なこと。浄瑠璃、心中天の網島「―の親父殿」
かた‐む・ける【傾ける】🔗⭐🔉
かた‐む・ける【傾ける】
〔他下一〕[文]かたむ・く(下二)
(古くは、カタブクという形が使われた)
①斜めに一方にかしがせる。傾かせる。古本説話集下「仏に向かひ奉りて、すこしかうべを―・けたる人、必ず仏になる」。「傘を―・ける」
②(首を傾ける意から)非難する。けなす。平家物語4「今度の譲位いつしかなりと誰か―・け申すべき」
③正常な状態を失わせ不安定にする。勢いをおとろえさせる。滅亡させる。平家物語11「平氏を―・けんがために、ある時は峨々たる巌石に駿馬に鞭うつて」。「身代しんだいを―・ける」「国を―・ける」
④(器をかたむける意から)酒などをのむ。中華若木詩抄「さらば一盃―・けんと思うて飲みたれば、めたと酔うたぞ」。「一献―・ける」
⑤中のものを残らず出す。「蘊蓄うんちくを―・ける」
⑥力や精神などをその方に向ける。そのことに集中させる。「全力を―・ける」「耳を―・ける」
広辞苑 ページ 3842。