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いま【今】🔗⭐🔉
いま【今】
[一]〔名〕
①過去と未来との境である瞬間。現在。「―正午だ」
②現在を含んだ、ある時間・期間。古事記上「―こそはわどりにあらめ後はなどりにあらむを」。「―の首相」
③現に話をしているこの局面(で)。万葉集2「後にも逢はむ―ならずとも」。「―この点をPとする」
④1と見なせるほど近い過去または未来。「―来たばかりだ」「―の人、知ってるかい」「―行きます」
⑤(「―に」の形で)そうは遠くない未来。将来。そのうち。→今に2。
⑥(今度あらたに加わるの意で)新しいこと。また、そのもの。万葉集14「信濃道は―の墾道はりみち」
⑦(現在におけるの意で、現在の人を昔の人になぞらえるのに使う)現代の。当世の。「―業平なりひら」「―小町」
[二]〔副〕
ここで更に。その上に。もう。「―一度」「―2、3日待って下さい」「―一人加わる」「―少し」
⇒今が今
⇒今か今かと
⇒今こそあれ
⇒今此の時
⇒今という今
⇒今泣いた烏がもう笑う
⇒今に始めぬ
⇒今のまさか
⇒今は限り
⇒今は斯うと
⇒今は昔
⇒今もかも
⇒今や遅し
⇒今を時めく
いまい【今井】‥ヰ🔗⭐🔉
いまい【今井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒いまい‐いさお【今井功】
⇒いまい‐けいしょう【今井慶松】
⇒いまい‐じかん【今井似閑】
⇒いまい‐そうきゅう【今井宗久】
⇒いまい‐ただし【今井正】
⇒いまい‐としき【今井登志喜】
いまい‐いさお【今井功】‥ヰイサヲ🔗⭐🔉
いまい‐いさお【今井功】‥ヰイサヲ
物理学者。中国大連生れ。東大・阪大・工学院大教授。力学・物理数学・流体力学などの分野で顕著な業績をあげた。文化勲章。(1914〜2004)
⇒いまい【今井】
いまい‐けいしょう【今井慶松】‥ヰ‥🔗⭐🔉
いまい‐けいしょう【今井慶松】‥ヰ‥
山田流箏曲家。横浜生れ。本名、新太郎。4歳で失明。初世山勢松韻に師事。東京音楽学校教授。技巧派の演奏家として戦前の東京の山田流箏曲界を代表。「四季の調」「鶴寿千歳」などを作曲。自伝「松の吹き寄せ」。(1871〜1947)
⇒いまい【今井】
いまい‐じかん【今井似閑】‥ヰ‥🔗⭐🔉
いまい‐じかん【今井似閑】‥ヰ‥
江戸中期の国学者。京都の人。大字屋市兵衛といい、酒商。下河辺長流・契沖に学び、死期に臨んで蔵書を上賀茂神社に納めた。著「万葉緯」など。(1657〜1723)
⇒いまい【今井】
いまい‐そうきゅう【今井宗久】‥ヰ‥キウ🔗⭐🔉
いまい‐そうきゅう【今井宗久】‥ヰ‥キウ
室町末期の茶人。堺の納屋衆の一人。茶を武野紹鴎に学び、大蔵卿と称した。のち信長・秀吉に仕え、利休・津田宗及と共に三大宗匠と称された。(1520〜1593)
⇒いまい【今井】
いまい‐ただし【今井正】‥ヰ‥🔗⭐🔉
いまい‐ただし【今井正】‥ヰ‥
映画監督。東京生れ。「青い山脈」「また逢う日まで」で戦後の解放を鮮烈に印象づけ、のち、「ひめゆりの塔」「山びこ学校」「真昼の暗黒」などで社会正義を訴える。(1912〜1991)
⇒いまい【今井】
いま‐いち【今一】🔗⭐🔉
いま‐いち【今一】
少し不足していて、もの足りないさま。今一つ。「出来具合は―だ」
いまい‐としき【今井登志喜】‥ヰ‥🔗⭐🔉
いまい‐としき【今井登志喜】‥ヰ‥
西洋史学者。長野県生れ。東大教授。主著「英国社会史」。(1886〜1950)
⇒いまい【今井】
いま‐いま【今今】🔗⭐🔉
いま‐いま【今今】
「いま」を強めていう語。
①いま。現在。大鏡道長「―もさこそは侍るべかんめれ」
②今か今か。待ち望む気持、また、恐れあやぶむ気持を表す。古今和歌集哀傷「にはかに病をして―となりにければ」
③なりたてのもの。新参。狂言、鬼瓦「―の細工人では覚束ない」
○今か今かといまかいまかと🔗⭐🔉
○今か今かといまかいまかと
物事・状態が、すぐにも現れるかとあせって待つさまにいう。
⇒いま【今】
いまかがみ【今鏡】
歴史物語。藤原為経(寂超)の著。10巻。1170年成るか。「大鏡」の後をうけて、1025〜1170年(万寿2〜嘉応2)、後一条天皇から高倉天皇まで13代146年間の本紀・列伝・拾遺を老女の話す体にした書。続世継。小鏡。つくも髪の物語。
いま‐がた【今方】
いま少し前。今しがた。
いまがわ【今川】‥ガハ
姓氏の一つ。足利氏の支族。三河国幡豆はず郡の今川を氏とし、遠江・駿河の守護大名、のち戦国大名。→足利(系図)。
⇒いまがわ‐かなもくろく【今川仮名目録】
⇒いまがわ‐じょう【今川状】
⇒いまがわ‐のりくに【今川範国】
⇒いまがわ‐よしもと【今川義元】
⇒いまがわ‐りょうしゅん【今川了俊】
いまがわ‐かなもくろく【今川仮名目録】‥ガハ‥
戦国大名今川氏親(1473〜1526)が制定した分国法33カ条。1526年(大永6)成る。53年(天文22)その子義元が21カ条を追加。
→文献資料[今川仮名目録]
⇒いまがわ【今川】
いまがわ‐じょう【今川状】‥ガハジヤウ
今川了俊が弟仲秋に書き与えた制詞家訓。23カ条。手習塾の教科書の一つとして盛んに用いられた。今川壁書。→女今川。
⇒いまがわ【今川】
いまがわ‐のりくに【今川範国】‥ガハ‥
南北朝時代の武将。足利尊氏に信任され、駿河・遠江守護、また幕府の引付頭人となる。和歌を学び故実に精通。( 〜1384)
⇒いまがわ【今川】
いまがわ‐やき【今川焼】‥ガハ‥
銅板に銅の輪型をのせ、水で溶いた小麦粉を注ぎ、中に餡あんを入れて焼いた菓子。江戸神田今川橋辺の店で製し始めた。今は輪の代りに多数の円形のくぼみをもつ銅の焼型を用いる。幸田露伴、天うつ浪「―の皮の厚い冷いのでも」
今川焼
撮影:関戸 勇
いまがわ‐よしもと【今川義元】‥ガハ‥
戦国時代の武将。氏親の子。駿河・遠江・三河地方に勢力を振るう。織田信長と戦って桶狭間おけはざまに討死。(1519〜1560)
⇒いまがわ【今川】
いまがわ‐りょうしゅん【今川了俊】‥ガハレウ‥
室町前期の武将・歌学者。範国の子。名は貞世さだよ。剃髪して了俊。足利義詮・義満に仕えて遠江守護・九州探題となる。また、冷泉為秀に師事し、歌学に堪能。著「難太平記」「二言抄」「落書露顕」「言塵集」など。(1326〜1414頃)
→文献資料[難太平記]
⇒いまがわ【今川】
い‐まき【今木・湯巻】
ユマキの転。
いま‐き【今来】
新たに渡来したこと。また、その人。新参。雄略紀「百済の貢たてまつれる、―の才伎てひと」
いま‐きさき【今后】
すでに后の位にある人に対して、新たにその位についた后。源氏物語葵「―は心やましうおぼすにや」
いまき‐の‐かみ【今木神】
京都の平野神社の祭神四座の一つ。伴信友の「蕃神考」以来、吉田東伍・内藤湖南に説があり、「今木」は「今来」で新来の意、桓武天皇の外戚の祖神たる朝鮮の神を祀るとされる。
いまぎれ【今切】
静岡県西部、浜名湖が海に続く湖口。1498年(明応7)大地震で砂州が切れて海とつながる。江戸時代に渡船が通い、今切の渡または荒井の渡といった。関所があり、特に女人の往来を取り調べた。→新居あらいの関
いま‐ぐまの【今熊野】
京都市東山区にある神社。祭神は熊野権現。
今熊野(新熊野神社)
撮影:的場 啓


いまかがみ【今鏡】🔗⭐🔉
いまかがみ【今鏡】
歴史物語。藤原為経(寂超)の著。10巻。1170年成るか。「大鏡」の後をうけて、1025〜1170年(万寿2〜嘉応2)、後一条天皇から高倉天皇まで13代146年間の本紀・列伝・拾遺を老女の話す体にした書。続世継。小鏡。つくも髪の物語。
いま‐きさき【今后】🔗⭐🔉
いま‐きさき【今后】
すでに后の位にある人に対して、新たにその位についた后。源氏物語葵「―は心やましうおぼすにや」
いま‐ぐまの【今熊野】🔗⭐🔉
○今こそあれいまこそあれ🔗⭐🔉
○今こそあれいまこそあれ
今はこんなになっているが(昔はよかった)。古今和歌集雑「―われも昔は男山」
⇒いま【今】
○今此の時いまこのとき🔗⭐🔉
○今此の時いまこのとき
現在ただいま。狂言、佐渡狐「戸ざさぬ御代と申すは―で御座る」
⇒いま【今】
いま‐こまち【今小町】
現代の小野小町といってもよいような美人。
いま‐ごろ【今頃】
だいたい今ぐらい。いまじぶん。「―家に着いただろう」「―言っても遅い」
いまさ・う【坐さふ】イマサフ
〔自四〕
(イマスに接尾語フの付いた語)(人々が)ずっといらっしゃる。陰陽寮式「平けくおだひに―・ふべしと申す」
いまさか‐もち【今坂餅】
餡あんを包んだ小判形腰高形の餅。多く紅・白に分け、白餅には赤小豆漉こし餡、紅餅には白練餡を包む。江戸時代、七五三しちごさんの祝いの贈答用とした。
いま‐さら【今更】
①今になって、また。万葉集10「―に雪ふらめやも」。曾我物語4「箱王は、父が昔をつくづくとききて、―なる心ちして」
②(もうどうしようもない)今となって。(もはや手遅れの)この期ごに及んで。平家物語1「―人に対面して遊びたはぶるべきにもあらねば」。「―言っても始まらない」
③今はじめて。徒然草「―の人などのある時に」。「―はじまったことでない」
⇒いまさら‐め・く【今更めく】
いまさら‐め・く【今更めく】
〔自五〕
①今初めてのことのように感じられる。増鏡「はるばると見やらるる海の眺望、二千里の外も残りなき心地する、―・きたり」
②今となってはもう遅い感じがする。「こんな話を持ち出すのも―・くが」
⇒いま‐さら【今更】
いま‐し【今し】
(シは強意の助詞)
①たった今。今ちょうど。万葉集17「ほととぎす―来鳴かば」
②今となって。万葉集12「言問こととはましを―悔しも」
⇒いまし‐がた【今し方】
⇒いまし‐は【今しは】
⇒いまし‐も‐あれ【今しもあれ】
いまし【汝】
〔代〕
(二人称)あなた。なんじ。万葉集11「―もわれも事なるべしや」
いま・し【今し】
〔形シク〕
(イマ(今)を形容詞化した語という)ここしばらくのことである。万葉集7「―・しくは見めやと思ひし三芳野の大川淀を今日見つるかも」
いまし‐がた【今し方】
いますこし前。たったいま。浮世風呂2「―までおめへの来るのを待つて居たはな」。「―帰った所」
⇒いま‐し【今し】
いま‐しき【今しき】
(形容詞イマシの連体形か。一説に、シキは強意の助詞という)いま。続日本紀25「―の間は念ひ見定めむに」
イマジズム【imagism】
視覚形象の明確な表現をめざす詩の運動。1912年アメリカの詩人パウンド(Ezra Pound1885〜1972)らが中心となって提唱。イギリスのヒューム(T. E. Hulme1883〜1917)、アメリカのローウェル(Amy Lowell1874〜1925)らが呼応した。
イマジナリー‐ライン【imaginary line】
映画撮影で、登場人物同士の目と目の間を直線で結んだ架空の対話軸。
イマジネーション【imagination】
想像。想像力。構想。空想。
いまし‐は【今しは】
今となっては(もう)。古今和歌集恋「―とわびにしものを」
⇒いま‐し【今し】
いま‐じぶん【今時分】
今ごろ。「彼はいつも―来るのだが」「―来ても間に合わない」
いまし・む【戒む】
〔他下二〕
⇒いましめる(下一)
いましめ【戒め・誡め・縛め】
①《戒・誡》いましめること。またその言葉。さとし。「親の―を守る」
②《縛》縛ること。また、しばった縄。「―を解く」
⇒いましめ‐もの【戒め者】
いましめ‐もの【戒め者】
番人。枕草子278「人の御かたには、かかる―のあるこそ」
⇒いましめ【戒め・誡め・縛め】
いまし・める【戒める・誡める・警める・縛める】
〔他下一〕[文]いまし・む(下二)
(「忌いましむ(忌み遠ざける)」が原義)
①《戒・誡》(禁じられていることを)教えさとして、慎ませる。宇津保物語藤原君「かく人の―・むる五月は去いぬ。今はかのこと成し給へ」。「遅刻した生徒を―・める」
②《戒・誡》過ちのないように注意する。用心させる。源氏物語帚木「すきたわめらむ女に心おかせ給へ。…と―・む」。「将来を―・める」
③《戒・警》(自動詞的に用いて)警戒する。用心する。徒然草「みづから―・めて、恐るべく慎むべきは、この惑ひなり」
④《戒》行動を禁止する。とどめる。栄華物語花山「かかる人は世にありてはおほやけの御ために大事いでき侍りなん。かやうの事は―・めたるこそよけれ」。「金品の授受をかたく―・める」
⑤《縛》縛る。平家物語2「根元こんげん与力よりきの者なりければ、殊につよう―・めて」
⑥罰する。古本説話集上「罪にまかせて重く軽く―・むることあり」
いま‐しも【今しも】
(シ・モは強めの助詞)ちょうど今。たった今。落窪物語3「―見つくるやうにて」
いまし‐も‐あれ【今しもあれ】
今という今。ちょうど今。
⇒いま‐し【今し】
いましろづか‐こふん【今城塚古墳】
大阪府高槻市にある6世紀前半の前方後円墳。長さ190メートル。継体天皇陵とする説がある。
い‐ま・す【在す・坐す】
[一]〔自四・サ変〕
(奈良・平安初期まで四段活用。後にサ変となる)
①「在る」「居る」の尊敬語。いらっしゃる。おられる。万葉集5「さぶしけめやも君―・さずして」。源氏物語東屋「かく心口惜しく―・しける君なれば」
②所有をあらわす「有る」の尊敬語。おありになる。三宝絵詞「神通の力―・して妙たえに衆生の心を随へ給ふ」
③「来る」「行く」の尊敬語。おこしになる。おでかけになる。万葉集19「かくばかり降りしく雪に君―・さめやも」「立ち別れ君が―・さば」。宇津保物語俊蔭「何かは、わが子の―・せむ方には、いづちもいづちも行かざらむ」。源氏物語浮舟「右大将の宇治へ―・すること、なほ絶えはてずや」
④(動詞・形容詞などの連用形、または、それに「て」の付いたものを受けて)…ていらっしゃる。…でいらっしゃる。古事記下「其しが葉の広ひろり―・すは大君ろかも」。三宝絵詞「わが釈迦大師凡夫に―・せし時」
[二]〔他下二〕
(イマス(自四)の他動詞形)
①いらっしゃるようにする。居ていただく。また、行っていただく。万葉集12「望の日にさし出づる月の高々に君を―・せて何をか思はむ」。万葉集15「他国ひとくにに君を―・せて」
②(動詞の連用形に付いて)…していらっしゃるようにさせる。万葉集4「きたなき屋戸に入り―・せなむ」
います‐が・り【在すがり】
〔自ラ変〕
(イマス(坐)カ(処)アリの約)「あり」の尊敬語。おいでなさる。いらっしゃる。「いまそがり」「いますかり」とも。竹取物語「翁のあらむ限りは、かうても―・りなむかし」
いま‐すこし【今少し】
〔副〕
この上に少し。もう少し。
いま‐すべらぎ【今皇】
今上きんじょう天皇。古今和歌集序「―の天の下しろしめすこと」
いまずり‐まい【今摺米】
籾もみのまま貯えていた米を、必要の時ごとに、籾摺りして玄米にするもの。いまびきまい。
いま‐せん【今銭】
新鋳の銭。〈日葡辞書〉
いまそう・ず【坐さうず】イマサウズ
〔自サ変〕
(イマサヒスの音便といわれる)いらっしゃる。おられる。大鏡道長「いとよくまゐりたる御房たちも―・じけり」
いまそ‐が・り【在そがり】
〔自ラ変〕
「いますがり」に同じ。
いま‐だ【未だ】
〔副〕
①(多く打消の語を伴って)まだ。古事記上「太刀が緒も―解かずて」。「―原因がわからない」
②今もなお、前のままで。依然として。万葉集7「明石の門波となみ―騒けり」。「―雪におおわれている」
⇒いまだ‐に【未だに】
いま‐だいり【今内裏】
内裏焼失などの時の仮の皇居。枕草子245「一条の院をば―とぞいふ」
いまだ・し【未だし】
〔形シク〕
まだその時でない。まだ十分でない。未熟である。まだし。〈類聚名義抄〉。「なお―・しの感がある」
いまだ‐に【未だに】
〔副〕
今になっても。今もって。まだ。「―解決していない」
⇒いま‐だ【未だ】
い‐まち【居待】ヰ‥
①すわって待つこと。
②居待月の略。
⇒いまち‐づき【居待月】
いまち‐づき【居待月】ヰ‥
陰暦18日の月。「居待の月」とも。また、枕詞として「あかし(明し・明石)」にかかる。〈[季]秋〉。→立待月→寝待月
⇒い‐まち【居待】
いま‐で【今出】
①ある職業や仲間に、新しく参加すること。また、その人。しんまい。傾城禁短気「―の初心な女郎衆をはじめ」
②今、勤めていること。現役げんえき。また、今、存在していること。現存。好色一代男6「―の太夫の品定め」
いまでがわ‐どうふ【今出川豆腐】‥ガハ‥
豆腐を醤油と酒で薄味に煮、ショウガ・ワサビなどをおろして添えた料理。
いま‐でき【今出来】
近頃つくったもの。新しいものを軽蔑し、粗悪な品という意味で使うことが多い。当世の品物。斎藤緑雨、ひかへ帳「―なる待合の摺硝子すりがらす、いとゞ灯影のほのぐらけれど」
いまど【今戸】
東京都台東区北東部の一地区。隅田川に臨み、今戸焼などで有名。
⇒いまど‐しんじゅう【今戸心中】
⇒いまど‐にんぎょう【今戸人形】
⇒いまど‐やき【今戸焼】
いま‐ごろ【今頃】🔗⭐🔉
いま‐ごろ【今頃】
だいたい今ぐらい。いまじぶん。「―家に着いただろう」「―言っても遅い」
いまさか‐もち【今坂餅】🔗⭐🔉
いまさか‐もち【今坂餅】
餡あんを包んだ小判形腰高形の餅。多く紅・白に分け、白餅には赤小豆漉こし餡、紅餅には白練餡を包む。江戸時代、七五三しちごさんの祝いの贈答用とした。
いま‐さら【今更】🔗⭐🔉
いま‐さら【今更】
①今になって、また。万葉集10「―に雪ふらめやも」。曾我物語4「箱王は、父が昔をつくづくとききて、―なる心ちして」
②(もうどうしようもない)今となって。(もはや手遅れの)この期ごに及んで。平家物語1「―人に対面して遊びたはぶるべきにもあらねば」。「―言っても始まらない」
③今はじめて。徒然草「―の人などのある時に」。「―はじまったことでない」
⇒いまさら‐め・く【今更めく】
いまさら‐め・く【今更めく】🔗⭐🔉
いまさら‐め・く【今更めく】
〔自五〕
①今初めてのことのように感じられる。増鏡「はるばると見やらるる海の眺望、二千里の外も残りなき心地する、―・きたり」
②今となってはもう遅い感じがする。「こんな話を持ち出すのも―・くが」
⇒いま‐さら【今更】
いま‐し【今し】🔗⭐🔉
いま‐し【今し】
(シは強意の助詞)
①たった今。今ちょうど。万葉集17「ほととぎす―来鳴かば」
②今となって。万葉集12「言問こととはましを―悔しも」
⇒いまし‐がた【今し方】
⇒いまし‐は【今しは】
⇒いまし‐も‐あれ【今しもあれ】
いま・し【今し】(形シク)🔗⭐🔉
いま・し【今し】
〔形シク〕
(イマ(今)を形容詞化した語という)ここしばらくのことである。万葉集7「―・しくは見めやと思ひし三芳野の大川淀を今日見つるかも」
いまし‐がた【今し方】🔗⭐🔉
いまし‐がた【今し方】
いますこし前。たったいま。浮世風呂2「―までおめへの来るのを待つて居たはな」。「―帰った所」
⇒いま‐し【今し】
いま‐しき【今しき】🔗⭐🔉
いま‐しき【今しき】
(形容詞イマシの連体形か。一説に、シキは強意の助詞という)いま。続日本紀25「―の間は念ひ見定めむに」
いまし‐は【今しは】🔗⭐🔉
いまし‐は【今しは】
今となっては(もう)。古今和歌集恋「―とわびにしものを」
⇒いま‐し【今し】
いま‐しも【今しも】🔗⭐🔉
いま‐しも【今しも】
(シ・モは強めの助詞)ちょうど今。たった今。落窪物語3「―見つくるやうにて」
いまし‐も‐あれ【今しもあれ】🔗⭐🔉
いまし‐も‐あれ【今しもあれ】
今という今。ちょうど今。
⇒いま‐し【今し】
いま‐すべらぎ【今皇】🔗⭐🔉
いま‐すべらぎ【今皇】
今上きんじょう天皇。古今和歌集序「―の天の下しろしめすこと」
いまど【今戸】🔗⭐🔉
いまど【今戸】
東京都台東区北東部の一地区。隅田川に臨み、今戸焼などで有名。
⇒いまど‐しんじゅう【今戸心中】
⇒いまど‐にんぎょう【今戸人形】
⇒いまど‐やき【今戸焼】
○今という今いまといういま
ただいま。たったいま。
⇒いま【今】
○今という今いまといういま🔗⭐🔉
○今という今いまといういま
ただいま。たったいま。
⇒いま【今】
いま‐どうしん【今道心】‥ダウ‥
仏門に入って間もない人。
いま‐とうせい【今当世】‥タウ‥
今のはやりのさま。当世風。
いま‐とうだい【今当代】‥タウ‥
今の世。現代。
いま‐どき【今時】
①現今。当世。「―の若い者」「そんな考えは―通用しない」
②いま時分。「―来ても間に合わない」
いまど‐しんじゅう【今戸心中】‥ヂユウ
短編小説。広津柳浪作。1896年(明治29)「文芸倶楽部」に発表。吉原の遊女吉里が愛人と別れ、嫌いぬいていた客の情にほだされて心中するまでの微妙な心理の変化を描く。
→文献資料[今戸心中]
⇒いまど【今戸】
いまど‐にんぎょう【今戸人形】‥ギヤウ
江戸時代より作られた今戸焼の土人形。花魁おいらん・角力すもう・招き猫・福助など。
今戸人形
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒いまど【今戸】
いま‐とも‐に【今共に】
今に至るまで。狂言、吟じ聟「それがし―はじめで御ざる」
いまど‐やき【今戸焼】
①江戸浅草の今戸で作られた素焼すやきの土器。土風炉どぶろ・灯心皿・人形などのほか、釉うわぐすりを施した楽焼風の雑器も産出。
②(今戸人形の顔にたとえていう)不美人。醜い女。
⇒いまど【今戸】

いまど‐しんじゅう【今戸心中】‥ヂユウ🔗⭐🔉
いまど‐しんじゅう【今戸心中】‥ヂユウ
短編小説。広津柳浪作。1896年(明治29)「文芸倶楽部」に発表。吉原の遊女吉里が愛人と別れ、嫌いぬいていた客の情にほだされて心中するまでの微妙な心理の変化を描く。
→文献資料[今戸心中]
⇒いまど【今戸】
いまど‐にんぎょう【今戸人形】‥ギヤウ🔗⭐🔉
いまど‐にんぎょう【今戸人形】‥ギヤウ
江戸時代より作られた今戸焼の土人形。花魁おいらん・角力すもう・招き猫・福助など。
今戸人形
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒いまど【今戸】

いま‐とも‐に【今共に】🔗⭐🔉
いま‐とも‐に【今共に】
今に至るまで。狂言、吟じ聟「それがし―はじめで御ざる」
いまど‐やき【今戸焼】🔗⭐🔉
○今泣いた烏がもう笑ういまないたからすがもうわらう🔗⭐🔉
○今泣いた烏がもう笑ういまないたからすがもうわらう
泣いたと思うとすぐ笑う。子供などの喜怒哀楽の変わりやすいことにいう。
⇒いま【今】
いま‐に【今に】
〔副〕
①いまだに。今となっても。狂言、文荷ふみにない「―かへらぬ」。「―その名をとどめている」
②そのうちに。間もなく。狂言、釣狐「―見をれ」。「―よくなる」
⇒いまに‐して【今にして】
⇒いまに‐も【今にも】
いまにし【今西】
姓氏の一つ。
⇒いまにし‐きんじ【今西錦司】
⇒いまにし‐りゅう【今西竜】
いまにし‐きんじ【今西錦司】
生態・人類学者。京都生れ。京大・岡山大教授、岐阜大学長。野外調査に基づき、生態学の立場から「すみわけ理論」を確立。これを発展させ霊長類の社会構造を解明し、今西進化論を提唱。登山家としても著名。著「生物社会の論理」「人類の誕生」など。文化勲章。(1902〜1992)
今西錦司
提供:毎日新聞社
⇒いまにし【今西】
いまに‐して【今にして】
今になって。「―思えば」
⇒いま‐に【今に】
いまにし‐りゅう【今西竜】
歴史学者。岐阜県生れ。京大・京城帝大教授。朝鮮古代史を専攻。著「新羅史研究」「百済史研究」など。(1875〜1932)
⇒いまにし【今西】

いま‐に【今に】🔗⭐🔉
いま‐に【今に】
〔副〕
①いまだに。今となっても。狂言、文荷ふみにない「―かへらぬ」。「―その名をとどめている」
②そのうちに。間もなく。狂言、釣狐「―見をれ」。「―よくなる」
⇒いまに‐して【今にして】
⇒いまに‐も【今にも】
いまに‐して【今にして】🔗⭐🔉
いまに‐して【今にして】
今になって。「―思えば」
⇒いま‐に【今に】
○今に始めぬいまにはじめぬ🔗⭐🔉
○今に始めぬいまにはじめぬ
従来もあったことで、今に始まったことではない。
⇒いま【今】
いまに‐も【今にも】
もうすぐにも。もう間もなく。「―泣き出しそう」
⇒いま‐に【今に】
いま‐の‐うえ【今の上】‥ウヘ
今上きんじょう天皇。源氏物語少女「―に御かはらけまゐり給ふ」
いま‐の‐ところ【今の所】
さしあたって。当面。「―特に用事はない」
いま‐の‐ほど【今の程】
①こうしている間。今のうち。源氏物語少女「―に内に参り侍りて」
②今しがた。ついさっき。狂言、丼礑どぶかっちり「―注ついでござるが」
③今やったように。これほど。狂言、布施無経ふせないきょう「―に手をとつて引きまはすやうに言うても合点しられぬ」
いま‐の‐ま【今の間】
(将来はともかく)さしあたって今。ちょっとの間。後撰和歌集恋「ただ―も見ねば恋しき」。「雨の止んだ―に用を足そう」
いまに‐も【今にも】🔗⭐🔉
いまに‐も【今にも】
もうすぐにも。もう間もなく。「―泣き出しそう」
⇒いま‐に【今に】
いま‐の‐うえ【今の上】‥ウヘ🔗⭐🔉
いま‐の‐うえ【今の上】‥ウヘ
今上きんじょう天皇。源氏物語少女「―に御かはらけまゐり給ふ」
いま‐の‐ところ【今の所】🔗⭐🔉
いま‐の‐ところ【今の所】
さしあたって。当面。「―特に用事はない」
いま‐の‐ほど【今の程】🔗⭐🔉
いま‐の‐ほど【今の程】
①こうしている間。今のうち。源氏物語少女「―に内に参り侍りて」
②今しがた。ついさっき。狂言、丼礑どぶかっちり「―注ついでござるが」
③今やったように。これほど。狂言、布施無経ふせないきょう「―に手をとつて引きまはすやうに言うても合点しられぬ」
いま‐の‐ま【今の間】🔗⭐🔉
いま‐の‐ま【今の間】
(将来はともかく)さしあたって今。ちょっとの間。後撰和歌集恋「ただ―も見ねば恋しき」。「雨の止んだ―に用を足そう」
○今のまさかいまのまさか
今さしあたって。今のこの時。万葉集18「後ゆりも逢はむと思へこそ―もうるはしみすれ」
⇒いま【今】
○今のまさかいまのまさか🔗⭐🔉
○今のまさかいまのまさか
今さしあたって。今のこの時。万葉集18「後ゆりも逢はむと思へこそ―もうるはしみすれ」
⇒いま【今】
いま‐の‐よ【今の世】
①今の時代。現代。当世。
②今の天皇の御代。当代。
いま‐の‐よ【今の世】🔗⭐🔉
○今は限りいまはかぎり🔗⭐🔉
○今は斯うといまはこうと🔗⭐🔉
○今は斯うといまはこうと
もはやこれまでで終りだと。こうなった以上はどうしようもないと。
⇒いま【今】
いま‐はた【今将】
〔副〕
今はまた。今また。後撰和歌集恋「わびぬれば―同じなにはなる」
○今は昔いまはむかし🔗⭐🔉
○今は昔いまはむかし
今から見れば昔のこと。むかしむかし。竹取物語「―、竹取の翁といふものありけり」
⇒いま【今】
いまばり【今治】
愛媛県北部の市。もと藤堂氏・久松氏3万石の城下町。来島くるしま海峡に臨む。タオルの生産地で、綿紡織の中小工場が多い。人口17万4千。
いま‐はるべ【伊馬春部】
劇作家・放送作家。本名、高崎英雄。福岡県生れ。ムーラン‐ルージュ2の座付き作者として活躍。作「桐の木横町」、ラジオドラマ「向う三軒両隣り」。(1908〜1984)
いまびき‐まい【今挽米】
(→)今摺米いまずりまいに同じ。
いま‐ひと【今人】
今の人。現在生きている人。金葉和歌集恋「―の心をみわの山にてぞ」
いま‐ひといき【今一息】
目標にもう少しのところまで至っていること。また、あとわずかだが不十分であるさま。「―で頂上だ」
いま‐ひとつ【今一つ】
①更にもう一つ。宇津保物語蔵開中「―のくぼありて」
②更にもうほんのちょっと。いまいち。「―物足りない」
いま‐ひめぎみ【今姫君】
新たに生まれた姫君。
いま‐ふう【今風】
現代風。当世風。
いま‐ぶき【今吹き】
新しく貨幣を鋳造すること。また、その貨幣。
いま‐ほど【今程】
このほど。近頃。謡曲、放下僧ほうかぞう「―人のもてあそび候は」
いま‐まいり【今参り】‥マヰリ
新たに出仕した者。新参者。枕草子28「―のさし越えて、物知り顔に教へやうなる事いひうしろみたる、いとにくし」
いままいり【今参】‥マヰリ
狂言。秀句に堪能な新参者が、大名の問いにすべて秀句で答える。
いま‐まで【今迄】
①今の時まで。「―待った」
②従来通り。狂言、川上「―ぢやと思ひをつたがよい」
いま‐みち【今道】
①新たにできた道。この名は各地に残るが、京都の北郊から比叡山を越えて坂本に出る道が名高い。
②中世以降の新しい里程。それまでの6町1里を36町1里に改めたもの。
いま‐みや【今宮】
①新たに生まれた皇子。
②ある神霊を分けてまつった神社。若宮。新宮。
いまみやのしんじゅう【今宮の心中】‥ヂユウ
浄瑠璃。近松門左衛門作の世話物。1711年(正徳1)初演。大坂本町菱屋の手代二郎兵衛と下女おきさが今宮の戎えびすの森で心中したことを脚色。
いまみや‐まつり【今宮祭】
(→)夜須礼祭やすらいまつりに同じ。
いまむら【今村】
姓氏の一つ。
⇒いまむら‐しこう【今村紫紅】
⇒いまむら‐しょうへい【今村昌平】
いま‐むらさき【今紫】
近世、古代紫に対して、赤みの少ない鮮紫色。
いまむら‐しこう【今村紫紅】
日本画家。横浜生れ。安田靫彦ゆきひこらと紅児会を結成。斬新な画風で日本画に新生面をひらく。代表作「熱国の巻」。(1880〜1916)
⇒いまむら【今村】
いまむら‐しょうへい【今村昌平】‥シヤウ‥
映画監督。東京生れ。「豚と軍艦」「にっぽん昆虫記」などで民衆を力強く描き、「楢山節考」「うなぎ」で国際的にも評価。日本映画学校を設立し後進を指導。(1926〜2006)
今村昌平
提供:毎日新聞社
⇒いまむら【今村】
いま‐めか・し【今めかし】
〔形シク〕
①当世風である。宇津保物語楼上上「身の上めでたく―・しくおはしますを」
②はなやかである。源氏物語真木柱「女官ども内侍ども参りつつ、―・しう人さわがしきに」
③今更めいている。わざとらしい。謡曲、夜討曾我「こは―・しき御諚にて候」
いま‐めがし【今芽樫】
ウバメガシの別称。
いま‐め・く【今めく】
〔自五〕
①当世風に振る舞う。今風である。土佐日記「欲しき物ぞおはすらむ、とは―・くものか」
②はでに振る舞う。はでな感じがする。源氏物語紅梅「いとはればれしう―・きたる人にて」

いま‐ひといき【今一息】🔗⭐🔉
いま‐ひといき【今一息】
目標にもう少しのところまで至っていること。また、あとわずかだが不十分であるさま。「―で頂上だ」
いま‐ひとつ【今一つ】🔗⭐🔉
いま‐ひとつ【今一つ】
①更にもう一つ。宇津保物語蔵開中「―のくぼありて」
②更にもうほんのちょっと。いまいち。「―物足りない」
いま‐まいり【今参り】‥マヰリ🔗⭐🔉
いま‐まいり【今参り】‥マヰリ
新たに出仕した者。新参者。枕草子28「―のさし越えて、物知り顔に教へやうなる事いひうしろみたる、いとにくし」
いままいり【今参】‥マヰリ🔗⭐🔉
いままいり【今参】‥マヰリ
狂言。秀句に堪能な新参者が、大名の問いにすべて秀句で答える。
いま‐みや【今宮】🔗⭐🔉
いま‐みや【今宮】
①新たに生まれた皇子。
②ある神霊を分けてまつった神社。若宮。新宮。
いまみやのしんじゅう【今宮の心中】‥ヂユウ🔗⭐🔉
いまみやのしんじゅう【今宮の心中】‥ヂユウ
浄瑠璃。近松門左衛門作の世話物。1711年(正徳1)初演。大坂本町菱屋の手代二郎兵衛と下女おきさが今宮の戎えびすの森で心中したことを脚色。
いまみや‐まつり【今宮祭】🔗⭐🔉
いまみや‐まつり【今宮祭】
(→)夜須礼祭やすらいまつりに同じ。
いま‐めか・し【今めかし】🔗⭐🔉
いま‐めか・し【今めかし】
〔形シク〕
①当世風である。宇津保物語楼上上「身の上めでたく―・しくおはしますを」
②はなやかである。源氏物語真木柱「女官ども内侍ども参りつつ、―・しう人さわがしきに」
③今更めいている。わざとらしい。謡曲、夜討曾我「こは―・しき御諚にて候」
いま‐めがし【今芽樫】🔗⭐🔉
いま‐めがし【今芽樫】
ウバメガシの別称。
いま‐め・く【今めく】🔗⭐🔉
いま‐め・く【今めく】
〔自五〕
①当世風に振る舞う。今風である。土佐日記「欲しき物ぞおはすらむ、とは―・くものか」
②はでに振る舞う。はでな感じがする。源氏物語紅梅「いとはればれしう―・きたる人にて」
○今もかもいまもかも
今頃はまあ。万葉集8「―大城おおきの山にほととぎす鳴き響とよむらむ」
▷通例、下に推量表現を伴う。
⇒いま【今】
○今もかもいまもかも🔗⭐🔉
○今もかもいまもかも
今頃はまあ。万葉集8「―大城おおきの山にほととぎす鳴き響とよむらむ」
▷通例、下に推量表現を伴う。
⇒いま【今】
いま‐もって【今以て】
〔副〕
今になっても。いまでも。「―連絡がない」
いまものがたり【今物語】
中世の和歌・風流・情事・神祇・滑稽などに関する説話集。1巻。藤原信実編と伝える。1239〜40年(延応1〜仁治1)の成立か。
いま‐や【今や】
〔副〕
今まさに。今こそ。今では。万葉集4「沖方おきへ行き辺へに行き―妹がためわが漁すなどれる藻臥束鮒もふしつかふな」。「―ひきあげの時」「―大スター」
いま‐もって【今以て】🔗⭐🔉
いま‐もって【今以て】
〔副〕
今になっても。いまでも。「―連絡がない」
いま‐や【今や】🔗⭐🔉
いま‐や【今や】
〔副〕
今まさに。今こそ。今では。万葉集4「沖方おきへ行き辺へに行き―妹がためわが漁すなどれる藻臥束鮒もふしつかふな」。「―ひきあげの時」「―大スター」
○今や遅しいまやおそし
まだかまだかと待ちこがれるさま。
⇒いま【今】
○今や遅しいまやおそし🔗⭐🔉
○今や遅しいまやおそし
まだかまだかと待ちこがれるさま。
⇒いま【今】
いま‐やき【今焼】
(天正・文禄・慶長(1573〜1615)頃の語)古製のものに対し、新しく焼かれた焼物。楽焼の類。
いま‐ゆくすえ【今行末】‥スヱ
将来。今後。源氏物語澪標「―のあらましごとをおぼすに」
いま‐よう【今様】‥ヤウ
①当世風。今のはやり。いまふう。蜻蛉日記中「あはれ、―は、女も数珠ずずひきさげ、経ひきさげぬなしと聞きしとき」
②今様歌の略。
⇒いまよう‐あわせ【今様合せ】
⇒いまよう‐いろ【今様色】
⇒いまよう‐うた【今様歌】
⇒いまよう‐おどり【今様踊】
⇒いまよう‐だ・つ【今様立つ】
⇒いまよう‐のうきょうげん【今様能狂言】
いまよう‐あわせ【今様合せ】‥ヤウアハセ
今様歌を合わせて、優劣を競うこと。
⇒いま‐よう【今様】
いまよう‐いろ【今様色】‥ヤウ‥
①当世風の濃い紅梅色。源氏物語柏木「すぎすぎ見ゆる鈍にび色どもの、黄がちなる―など着給ひて」
Munsell color system: 10RP5/10
②襲かさねの色目。表は紅梅、裏は濃い紅梅。(胡曹抄)
⇒いま‐よう【今様】
いまよう‐うた【今様歌】‥ヤウ‥
平安中期から鎌倉初期にかけて流行した新様式の歌。七五しちご調4句のものが代表的で、和讃や雅楽の影響から起こる。白拍子しらびょうし・遊女などが歌い、宮廷貴紳にも愛誦された。「梁塵秘抄」に集大成。
⇒いま‐よう【今様】
いまよう‐おどり【今様踊】‥ヤウヲドリ
当世流行の踊り。
⇒いま‐よう【今様】
いまよう‐だ・つ【今様立つ】‥ヤウ‥
〔自四〕
今めく。源氏物語手習「なかなか―・ちたる御ものまねびになむ」
⇒いま‐よう【今様】
いまよう‐のうきょうげん【今様能狂言】‥ヤウ‥キヤウ‥
江戸後期、安政の頃、仙助能の役者、林寿三郎の始めた変格の能。男女合併で、舞に三味線を用いる。
⇒いま‐よう【今様】
いまようへただんぎ【当世下手談義】‥ヤウ‥
談義本。静観房好阿作。5巻5冊。1752年(宝暦2)刊。全7話。江戸の町人風俗を採り上げ談義本流行の契機となる。
いまり【伊万里】
佐賀県西部の市。伊万里焼および石炭の積出し港としてにぎわった。人口5万8千。
伊万里
撮影:山梨勝弘
⇒いまり‐づち【伊万里土】
⇒いまり‐やき【伊万里焼】
いまり‐づち【伊万里土】
佐賀県有田の泉山いずみやまから出る上等の白堊はくあ。伊万里焼の原料。泉山陶石。
⇒いまり【伊万里】
いまり‐やき【伊万里焼】
有田焼の通称。江戸時代に、有田地方産の磁器の多くが伊万里港から積み出されたことに因む名。→初期伊万里→古伊万里
⇒いまり【伊万里】
いま‐わ【今わ・今際】‥ハ
(「今は限り」の意)死にぎわ。最期。臨終。源氏物語桐壺「故大納言、―となるまで」。「―の言葉」
⇒いまわ‐の‐きざみ【今はの刻み】
⇒いまわ‐の‐きわ【今わの際】
⇒いまわ‐の‐とじめ【今はの綴じ目】
いまわし・い【忌わしい】イマハシイ
〔形〕[文]いまは・し(シク)
①不吉で忌いむべきである。古今著聞集10「もし不慮のことあらば、公私―・しかりぬべし」。「―・い夢」
②いとわしい。いやだ。「―・い事件」
いま‐わたり【今渡り】
(→)新渡しんとに同じ。
いまわ‐の‐きざみ【今はの刻み】‥ハ‥
(→)「いまわのきわ」に同じ。
⇒いま‐わ【今わ・今際】
いまわ‐の‐きわ【今わの際】‥ハ‥キハ
死にぎわ。臨終。増鏡「―まで持たせ給ひける桐の御数珠ずずなども」
⇒いま‐わ【今わ・今際】
いまわ‐の‐とじめ【今はの綴じ目】‥ハ‥トヂ‥
(→)「いまわのきわ」に同じ。源氏物語横笛「―にとどめし一言を」
⇒いま‐わ【今わ・今際】
い‐まわり【居回り】ヰマハリ
いる所の周囲。あたり。二葉亭四迷、浮雲「落着て―を視回すと」
いまわ・る【斎はる】イマハル
〔自四〕
⇒ゆまわる
い‐まわ・る【居回る】ヰマハル
〔自四〕
輪になってすわる。宇治拾遺物語1「わがゐたるうつほ木の前に―・りぬ」

いま‐ゆくすえ【今行末】‥スヱ🔗⭐🔉
いま‐ゆくすえ【今行末】‥スヱ
将来。今後。源氏物語澪標「―のあらましごとをおぼすに」
いま‐わ【今わ・今際】‥ハ🔗⭐🔉
いま‐わ【今わ・今際】‥ハ
(「今は限り」の意)死にぎわ。最期。臨終。源氏物語桐壺「故大納言、―となるまで」。「―の言葉」
⇒いまわ‐の‐きざみ【今はの刻み】
⇒いまわ‐の‐きわ【今わの際】
⇒いまわ‐の‐とじめ【今はの綴じ目】
いまわ‐の‐きざみ【今はの刻み】‥ハ‥🔗⭐🔉
いまわ‐の‐きざみ【今はの刻み】‥ハ‥
(→)「いまわのきわ」に同じ。
⇒いま‐わ【今わ・今際】
いまわ‐の‐きわ【今わの際】‥ハ‥キハ🔗⭐🔉
いまわ‐の‐きわ【今わの際】‥ハ‥キハ
死にぎわ。臨終。増鏡「―まで持たせ給ひける桐の御数珠ずずなども」
⇒いま‐わ【今わ・今際】
いまわ‐の‐とじめ【今はの綴じ目】‥ハ‥トヂ‥🔗⭐🔉
いまわ‐の‐とじめ【今はの綴じ目】‥ハ‥トヂ‥
(→)「いまわのきわ」に同じ。源氏物語横笛「―にとどめし一言を」
⇒いま‐わ【今わ・今際】
○今を時めくいまをときめく🔗⭐🔉
○今を時めくいまをときめく
現在、世にもてはやされ、栄えている。
⇒いま【今】
い‐まん【帷幔】ヰ‥
たれまくとひきまく。幕。
いみ【斎・忌】
(動詞イムの名詞形)
①神事に慎むこと。心身を清浄に保ち慎むこと。持統紀「月ごとの六斎むよりのいみ」
②遠慮すべきこと。憚りあること。死・けがれ・不吉な例など。源氏物語絵合「長恨歌・王昭君などやうなる絵は、おもしろくあはれなれど、ことの―あるは、此度こたみは奉らじ」
③喪中に忌み慎み籠もるべき一定の間。喪中。服ぶく。源氏物語若紫「―など過ぎて」。「―が明ける」
④(陰陽道などでいう日取り・方角についての禁忌)ものいみ。かたふたがり。蜻蛉日記中「―もたがへがてら、しばしほかにとおもひて」
い‐み【異味】
普通とはちがった味。また、珍しい食物。珍味。
い‐み【意味】
①記号・表現によって表され理解される内容またはメッセージ。
㋐特に言語表現によって表される内容。言語表現が指し示す事柄または事物。→意義1。
㋑言語・作品・行為など、何らかの表現を通して表され、またそこから汲み取れる、その表現のねらい。「何を言いたいのか―が分からない」「―ありげな笑い」
②物事が他との連関において持つ価値や重要さ。「そんな事をしたって―がない」
いみ‐あい【意味合い】‥アヒ
他の事柄との関連のうえでの意味。子細。事情。「そういう―で」
いみ‐あき【忌明き】
(→)「いみあけ」に同じ。
いみ‐あけ【忌明け】
①喪の期間が終わること。忌き明け。
②産後の慎みの期間が終わること。
いみ‐いみ・し【忌み忌みし】
〔形シク〕
いみ慎むべきである。不吉でいとわしい。
いみ‐おの【斎斧】‥ヲノ
神殿を造営し、または神に奉る材木を伐る斎み清めた斧。いむおの。祝詞、大殿祭「斎部いみべの―をもちて伐り採りて」
いみ‐がかり【忌掛り】
死者のけがれが及ぶとされ、喪に服するよう定められた親族の間柄・範囲。↔いみはずれ
いみ‐がき【斎垣】
神社の周囲の垣。みずがき。いがき。
いみ‐かず【忌数】
忌むべき数。「四(死)」「九(苦)」など。
いみ‐がたき【忌敵】
互いに忌みにくみ合う間柄。
いみ‐かま【斎鎌】
神社の境内の草木を刈る斎み清めた鎌。いむかま。
いみ‐かまど【斎竈】
神に供える食物を煮炊きする斎み清めた竈。いむかまど。
いみ‐き【忌寸】
天武天皇の制定した八色姓やくさのかばねの第4位。主として渡来人の諸氏に与えられた。
いみ‐きら・う【忌み嫌う】‥キラフ
〔他五〕
いやがって避ける。歌舞伎、与話情浮名横櫛「蝙蝠安と世間でいはれ、―・はれるを幸ひに」。「酒飲みを―・う」
いみ‐ぐし【斎串】
(→)「いぐし」に同じ。
いみ‐くら【斎蔵】
大和政権の祭祀に用いる神宝を納めた蔵。三蔵さんぞうの一つ。斎部いんべ氏が管理したという。
イミグレーション【immigration】
①(他国からの)移民。移住。
②入国審査。出入国管理所。
いみ‐こ【斎子】
(→)「いむこ」に同じ。
いみ‐ごと【忌事】
忌み慎むべき事。忌み嫌うべき事。
いみ‐ことば【忌詞・忌言葉】
①不吉な意味や連想をもつところから、忌みはばかって使用を避ける語。斎宮での「仏」「経」「僧」などや婚礼の際の「去る」「切る」「帰る」などの類。
②1の代りに用いる語。斎宮では「仏」を「中子なかご」、「経」を「染紙」、「僧」を「髪長かみなが」といい、一般にも「病気」を「歓楽」、「4し」を「よ」「よん」、「硯箱」「擂鉢」をそれぞれ「あたり箱」「あたり鉢」、「梨」を「有りの実」という類。いまいごと。
いみ‐ごめん【忌御免】
江戸時代、喪中に出仕を許すこと。
いみ‐ざし【斎刺】
祭を営む場所を清めた標示として、村境などにサカキの枝などを立てること。
いみ‐さぶらいや【斎侍屋】‥サブラヒ‥
伊勢神宮で、潔斎する人のいる建物。
いみ・じ
〔形シク〕
(イ(忌)ムの形容詞形で、禁忌として決して触れてはならないと感じられるというのが原義。転じて、極度に甚だしい意で、善にも悪にもいう。平安物語文学などでさかんに使われ、漢文訓読体や軍記物語ではほとんど使われない)
①(忌避したいものの程度が甚だしい意)大変悲しい、つらい、困った、恐ろしい、情けない、など。蜻蛉日記中「いといたく痩せ給ふを見るなむいと―・じき」。源氏物語若紫「あな―・じや。いとあやしき様を人や見つらん」
②(讃美したいものの程度が甚だしい意)たいそううれしい、すばらしい、立派だ、など。竹取物語「―・じからむ心地もせず、悲しくのみある」。源氏物語桐壺「―・じき絵師」
③(修飾語として、被修飾語の持つ属性の程度の甚だしいことを示す)はなはだしい。たいそうな。竹取物語「―・じく静かに公に御文奉り給ふ」。宇津保物語忠乞「―・じき恥」
いみじく‐も
〔副〕
(「いみじ」の連用形に助詞「も」の付いたもの)まことにうまく。適切に。「―言い得た」
いみ‐しまだ【忌島田】
(→)忌中きちゅう島田に同じ。
いみ‐しん【意味深】
「意味深長」を略した俗語。「―なもの言い」
いみ‐しんちょう【意味深長】‥チヤウ
[朱熹、論語序説]意味が深く、含蓄のあること。言外に意味のあること。「―な言葉」
いみず【射水】‥ミヅ
富山県中北部、富山湾に臨む市。庄川流域に位置し、農業が盛ん。東部に富山新港が建設され、鉄鋼・金属工業などが発展。人口9万4千。
いみ‐すき【斎鋤】
神事の造営などに地を掘るのに用いる斎み清めた鋤。いむすき。祝詞、大殿祭「―をもちて斎柱いみばしら立てて」
いみ‐そ【意味素】
〔言〕(sème フランス)語や形態素の意味を弁別する最小単位。意味成分。
い‐みぞ【井溝】ヰ‥
田に水を注ぎ入れる溝。〈色葉字類抄〉
いみ‐たがえ【忌違え】‥タガヘ
(→)方違かたたがえに同じ。
いみ‐だけ【忌竹】
(京都辺で)葬送用の幡はた・灯籠・天蓋の柄とする7本の竹。墓に挿して7日ごとに1本ずつ抜き去る。
いみ‐だけ【斎竹】
神事に不浄を防ぐために四方に立てる、注連縄しめなわで連結した葉のついた青竹。
イミダゾール【imidazole】
分子式C3H4N2 環中に窒素原子2個を含む五員環複素環式化合物。芳香族化合物に似た性質をもつ。無色の結晶。弱塩基性。誘導体にヒスチジン・ヒスタミン・ピロカルピン(アルカロイドの一つ)など。1、3‐ジアゾール。
いみ‐だち【斎館】
社殿の傍に設けて、潔斎のため、神職などのこもる家。いみどの。神館かんだち。さいかん。
イミタティオ‐クリスティ【De Imitatione Christi ラテン】
キリスト教の信心書。トマス=ア=ケンピス著と伝える。15世紀以降広く愛読され、キリシタン版の「コンテムツス‐ムンヂ」以来、「キリストに倣ならいて」など邦訳も多い。
いみ‐たな【斎棚】
斎み清めた神事用の棚。
いみ‐たまつくり【斎玉作】
身を清めて玉を作ること。また、その人。いむたまつくり。祝詞、大殿祭「―等が持ち斎ゆまはり」
い‐みつ【意密】
密教で、身密・口密とともに三密の一つ。仏の心のはたらき。また、行者が心に本尊や菩提心を観想すること。心密。
いみ‐づき【忌月】
忌むべき月。正・5・9月の称。→三斎月さんさいがつ
いみ‐づ・ける【意味付ける】
〔他下一〕
意味を持たせる。
イミテーション【imitation】
①まね。模倣。
②模造品。「―のダイヤ」
いみ‐どの【斎殿】
(→)斎館いみだちに同じ。
いみ‐な【諱】
(「忌み名」の意)
①死後にいう生前の実名。三蔵法師伝延久承暦頃点「法師、諱イミナは玄奘」
②後に、貴人の実名を敬っていう。太平記13「忝くも天子の御―の字を下されて」
③死後に尊んでつけた称号。諡おくりな。「のちのいみな」とも。藤原不比等を淡海公、同忠平を貞信公と呼ぶ類。
いみ‐なた【斎鉈】
斎み清めた神祭用の鉈。いむなた。
いみ‐ば【斎場】
神を祭る斎み清めた場所。ゆにわ。
いみ‐ばしら【斎柱・忌柱】
(→)「いむはしら」に同じ。
いみ‐はずれ【忌外れ】‥ハヅレ
喪に服すべき義務のない親族関係。↔いみがかり
いみ‐はたどの【斎服殿】
神衣を織る斎み清めた機殿はたどの。いみはたや。いむはたどの。神代紀上「神衣を織りつつ―にまします」
いみ‐はたや【斎服屋】
(→)「いみはたどの」に同じ。
いみ‐び【忌日・斎日】
①神に仕えるため、けがれを避けて慎むべき日。
②陰陽家などで、わざわいがあるとして慎む日。いむび。
いみ‐び【斎火・忌火】
(→)「いむび」に同じ。
イミプラミン【imipramine】
代表的な抗鬱薬。神経末梢のカテコール‐アミンおよびセロトニンの再吸収を抑制する。→鬱
いみべ【斎部・忌部】
(→)「いんべ」に同じ。
いみ‐べ【斎瓮】
(→)「いわいべ」に同じ。
いみ‐まけ【忌負】
服喪中の凶事。
いみ‐みや【斎宮】
⇒さいぐう
いみ‐もの【斎物・忌物】
忌み慎んで用いないもの。きらい避けるもの。禁物。
いみ‐もん【忌門】
武家屋敷で、死者・罪人などを運び出す門。不浄門。
いみ‐やくわり【意味役割】
〔言〕(semantic role)文中で、名詞が表す事物がもつ意味的な機能。主体・対象・受容者・道具・場所など。主体を表す語が主語、対象を表す語が目的語。→格4
い‐みょう【異名】‥ミヤウ
(イメイとも)
①本名または本来の呼び名以外の名。別名。3月を「弥生やよい」という類も含む。
②本名とは別に付けられた名。あだな。徒然草「信濃前司行長、…七徳の舞を二つ忘れたりければ、五徳の冠者と―をつきにけるを」。「今太閤の―をとる」
いみ‐ろん【意味論】
(semantics イギリス・sémantique フランス)
①〔言〕語や句・文などの表す意味、その構造や体系性を研究する言語学の一分野。統語論・音韻論と共に言語研究の主要な領域。
②記号論の一分野。記号とその指示対象あるいはそれが引き起こす反応との関係を研究。
③〔論〕論理式の解釈や文の真理値を決める原理などを研究する論理学の一分野。
い‐みん【移民】
他郷に移り住むこと。特に、労働に従事する目的で海外に移住すること。また、その人。内田魯庵、気まぐれ日記「政府の奨励や有力者の鼓吹で―が行はれたのであるが」。「―船」
⇒いみん‐ろうどうしゃ【移民労働者】
い‐みん【遺民】ヰ‥
①君主や朝廷が滅んで後に残った民。
②前朝の臣民で、節を守って新しい朝廷に仕えない者。
いみん‐ろうどうしゃ【移民労働者】‥ラウ‥
(→)外国人労働者に同じ。
⇒い‐みん【移民】
い‐む【医務】
医療に関する事務。医者としての仕事。「―室」
い・む【忌む】
〔他五〕
①禁忌だから決して口にしてはならぬ、触れてはならぬ、などとして、避ける。万葉集12「われは言ひてき―・むべきものを」。竹取物語「月の顔見るは―・むこと」。「日本人は数字の4を―・む」
②相容れないものとして拒否する。好ましくないものとしてきらう。日葡辞書「コノクスリカネヲイム」。「―・むべき悪習」
い・む【斎む・忌む】
〔自四〕
(禁忌と思い、身を慎む意)けがれを避けて身を浄め慎む。宇津保物語吹上下「長月は―・むにつけても慰めつ」
いむ‐おの【斎斧】‥ヲノ
(→)「いみおの」に同じ。
い‐むか・う【い向かふ】‥ムカフ
〔自四〕
(イは接頭語)
①向かう。万葉集10「天の河―・ひ居りて」
②敵対する。古事記上「―・ふ神」
いむ‐かま【斎鎌】
(→)「いみかま」に同じ。
いむ‐かまど【斎竈】
(→)「いみかまど」に同じ。
い‐むけ【射向】
(よろいの)左側。弓手ゆんで。弓を射る時、左を敵に向けるからいう。
⇒いむけ‐の‐そで【射向の袖】
いむけ‐の‐そで【射向の袖】
よろいの左の袖。↔馬手めての袖
⇒い‐むけ【射向】
いむ‐こ【斎子・忌子・童女】
斎戒して神の祭に奉仕する未婚の少女。大嘗祭または賀茂の斎院に奉仕する。いみこ。
⇒いむこ‐やめ【斎子八女】
いむ‐こと【斎事・忌事・戒事】
仏の戒。また、それを守ること。持戒。宇津保物語忠乞「頭かしらおろし、―受けて」
いむこ‐やめ【斎子八女】
大嘗祭の時、稲舂いねつき歌を歌う8人の童女。「いむこやをとめ」とも。中務内侍日記「稲実翁いなのみのおきな・―とかや」
⇒いむ‐こ【斎子・忌子・童女】
い‐むしろ【射席】
弓場で、射手の敷く皮・むしろ・畳などの敷物。いせき。
いむ‐すき【斎鋤】
(→)「いみすき」に同じ。
いむ‐なた【斎鉈】
(→)「いみなた」に同じ。
いむ‐はしら【斎柱・忌柱】
①斎み清めて立てる、神殿の柱。
②建物の中央部にあって、最初に立てる柱。
いむ‐はたどの【斎服殿】
(→)「いみはたどの」に同じ。
いむ‐び【斎日】
(→)「いみび」に同じ。
いむ‐び【斎火・忌火】
神に供える物などを煮炊きするための斎み清めた火。火鑽ひきりできり出す。いみび。いんび。
⇒いむび‐の‐ごはん【斎火の御飯】
⇒いむび‐や【斎火屋】
いむ‐ひと【斎人・忌人】
斎戒して神事にあずかる人。
いむび‐の‐ごはん【斎火の御飯】
供御くごのため斎火で炊いた飯。6月・11月・12月の各1日に特に奉る。
⇒いむ‐び【斎火・忌火】
いむび‐や【斎火屋】
伊勢神宮にある、斎火をきり出して朝夕の神饌を調理する殿舎。いむびやどの。
⇒いむ‐び【斎火・忌火】
イム‐ファ【林和】
(Im Hwa)朝鮮のプロレタリア詩人・評論家。ソウル生れ。本名、林仁植。カップ書記長など歴任。詩集「玄界灘」、評論集「文学の論理」。1947年北朝鮮に渡る。53年粛清。(1908〜1953)
いむべ【斎部・忌部】
(→)「いんべ」に同じ。
いむ‐べ【斎瓮】
(→)「いわいべ」に同じ。
いむ‐みぞ【斎御衣】
斎宮・斎院が着る斎み清めた衣。
い‐むら【居村】ヰ‥
①出村でむらに対して、本村をいう。
②もともと自分の住居する村。
いめ【夢】
(「寝いの目」の意)「ゆめ」の古形。万葉集12「ぬばたまの―にそ見ゆる」
い‐め【射目】
獲物をねらって、射手が身を隠すための設備。万葉集6「み山には―立て渡し」
いめ‐あわせ【夢合せ】‥アハセ
(→)「ゆめあわせ」に同じ。摂津風土記逸文「―のまにまに」
い‐めい【威名】ヰ‥
威勢のすぐれた評判。威光と名声。
い‐めい【異名】
⇒いみょう
い‐めい【違命】ヰ‥
いいつけにそむくこと。
い‐めい【遺命】ヰ‥
臨終の時のいいつけ。死後にのこした命令。
いめい‐つうたつ【依命通達】
指揮命令権を持つ上級行政機関が自ら下級機関に命令する代りに、その補助機関に代理権を授与して命令する方式。文書によって下級行政機関に送達される。
イメージ【image】
①心の中に思い浮かべる像。全体的な印象。心象しんしょう。「完成した形を―する」「―がわく」「企業―を高める」
②姿。形象。映像。
⇒イメージ‐アップ
⇒イメージ‐オルシコン【image orthicon】
⇒イメージ‐かん【イメージ管】
⇒イメージ‐キャラクター
⇒イメージ‐サークル【image circle】
⇒イメージ‐スキャナー【image scanner】
⇒イメージ‐ダウン
⇒イメージ‐チェンジ
⇒イメージ‐トレーニング【image training】
⇒イメージ‐プログラム
⇒イメージ‐プロセッシング【image processing】
イメージ‐アップ
(和製語image up)他人に与える印象や世間の評判が良くなること。「―を図る」↔イメージ‐ダウン。
⇒イメージ【image】
イメージ‐オルシコン【image orthicon】
テレビジョンの撮像管の一種。1960年代まで放送用に広く使われた。
⇒イメージ【image】
イメージ‐かん【イメージ管】‥クワン
(image tube)光電面に作った像から出る電子を電子レンズで加速・集束して蛍光面上に結像し、光学像とする電子管。赤外線やX線などの像を可視像としたり、光学像の明るさを増倍したりするのに用いる。
⇒イメージ【image】
イメージ‐キャラクター
(和製語image character)企業・商品や催し物に好ましい印象を与えるために、広告・宣伝に起用する人物。
⇒イメージ【image】
イメージ‐サークル【image circle】
カメラのレンズが良好な像を結ぶ円形の領域。
⇒イメージ【image】
イメージ‐スキャナー【image scanner】
図形・写真などを直接読み取る装置。紙に書かれたり印刷されたりした図形・写真などに光を当て、その反射光をCCDなどで読み取る。スキャナー。
⇒イメージ【image】
イメージ‐ダウン
(和製語image down)他人に与える印象や世間の評判が悪くなること。↔イメージ‐アップ。
⇒イメージ【image】
イメージ‐チェンジ
(和製語image change)見る人が新鮮な感じを持つように、やり方・外見などを改めること。「―して注目をあびる」
⇒イメージ【image】
イメージ‐トレーニング【image training】
スポーツで、実際には体を動かさず、動作を思い描くことによって上達を図るトレーニング方法。
⇒イメージ【image】
イメージ‐プログラム
(和製語image program(me))風景や人物などの被写体別に最適な絞りやシャッター速度を自動的に選択する機能。シーン‐プログラム。
⇒イメージ【image】
イメージ‐プロセッシング【image processing】
(→)画像処理。
⇒イメージ【image】
いめ‐くばり【射目配り】
射手・狩人の配置。
いめ‐たて‐て【射目立てて】
〔枕〕
射目を狩場に立てて獣の足跡を見させるとの意から、「とみ(跡見)」にかかる。万葉集8「―跡見の岳辺おかへのなでしこの花」
イメ‐チェン
「イメージ‐チェンジ」の俗な言い方。
いめ‐の‐あい【夢の逢ひ】‥アヒ
夢の中で会うこと。万葉集4「―は苦しかりけり」
いめ‐ひと【射目人】
射目にかくれて鳥や獣をねらい射る人。
⇒いめひと‐の【射目人の】
いめひと‐の【射目人の】
〔枕〕
射目人は伏して獲物をねらうので「伏見」にかかる。万葉集9「―伏見が田井に雁渡るらし」
⇒いめ‐ひと【射目人】
いも
贈物の包み紙の上に書く平仮名文字。熨斗鮑のしあわびの略体で「のし」と同じという。主に女が用いた。
いも【芋・藷・薯】
①サトイモ・ヤマノイモ・ジャガイモ・サツマイモなどの総称。俳諧ではサトイモをいう。〈[季]秋〉。武烈紀(図書寮本)永治頃点「使掘薯預イモホラシム」
②植物の地下茎または根の発達したもの。
③俗に、野暮ったい人や物をいう。「―侍」
⇒芋の煮えたも御存じない
⇒芋を洗う
いも【妹】
①兄弟から見て、女のきょうだい。年上にも年下にもいう。平安時代以後、「いもうと」が多く使われ、「いも」は歌語・熟語として残る。万葉集6「言こと問はぬ木すら―と兄せありとふをただ独り子にあるが苦しさ」↔兄せ。
②男が女を親しんでいう語。主として妻や恋人にいう。万葉集5「―が見し楝おうちの花は散りぬべし」↔兄せ。
③女同士が親しんで、またたわむれにいう語。あなた。万葉集4「―がため袖さへ濡れて」(紀郎女)
いも【痘】
疱瘡ほうそう。また、そのあと。あばた。広津柳浪、今戸心中「年は四十ばかりで、軽かろからぬ痘痕いもがあつて」
いも‐あらし【芋嵐】
里芋の葉をばたばたさせて吹く強い風。〈[季]秋〉
いも‐あん【藷餡】
サツマイモなどをふかしてすりつぶし、砂糖を加えて練った餡。
いもい【斎ひ】イモヒ
①ものいみ。精進しょうじん。斎戒。竹取物語「―をして我は居らむ」
②ものいみの食事。斎食。
いも・う【斎ふ】イモフ
〔自四〕
神を祭るため、いみ清める。河海抄17「ひもろぎ立てて―・へども」
いも‐うと【妹】
(イモヒト(妹人)の音便)
①兄弟から見て、女のきょうだい。古くは年上にも年下にもいう。源氏物語帚木「いとよく似通ひたれば、―と聞き給ひつ」↔兄人せうと。
②同じ親から生まれた年下の女子。
③義妹。すなわち妻の妹、夫の妹、弟の妻。
⇒いもうと‐ご【妹御】
⇒いもうと‐じょろう【妹女郎】
⇒いもうと‐ぶん【妹分】
いもうと‐ご【妹御】
他人の妹を敬っていう語。
⇒いも‐うと【妹】
いもうと‐じょろう【妹女郎】‥ヂヨラウ
妹分の女郎。後輩の女郎。好色一代男6「―が見る目も情なしと申せば」
⇒いも‐うと【妹】
いもうと‐ぶん【妹分】
妹ではないが、妹同様に親しい関係にある者。
⇒いも‐うと【妹】
いも‐え【芋餌・藷餌】‥ヱ
蒸したサツマイモを、小さく切ったり、団子に練ったりして作った釣餌。コイ・フナなどの釣りに使用。
いも‐がい【芋貝】‥ガヒ
イモガイ科の巻貝の総称。殻表は普通光沢があり、色彩・斑紋は変化に富み美しい。厚い褐色の殻皮を被り、里芋の子に似る。暖海に多くの種がすみ、肉食性で銛もりのような歯舌しぜつと毒腺をもつ。アンボイナガイなどは毒性が強い。
いもがい
いも‐が‐いえ‐に【妹が家に】‥イヘ‥
〔枕〕
「いく(行く)」にかかる。万葉集17「―伊久里いくりの森の藤の花」
いも‐がお【痘痕顔】‥ガホ
いもがさの痕のある顔。あばたづら。
いもがかど【妹が門】
催馬楽さいばらの曲名。
いも‐が‐きる【妹が着る】
〔枕〕
「笠を着る」という意から「みかさ(三笠)」にかかる。
いもかけ‐どうふ【薯掛豆腐】
煮た豆腐に、すったヤマノイモの汁をかけた料理。やまかけどうふ。
いも‐がさ【疱瘡】
天然痘。ほうそう。栄華物語本雫「―といふものおこりぬべし」
いも‐がしら【芋頭】
①サトイモの、親いも。徒然草「―といふものを好みて多く食ひけり」
②(形の類似から)茶道で、水指みずさしの一つ。
いも‐が‐そで【妹が袖】
〔枕〕
「まく」にかかる。万葉集10「―巻来まききの山の朝露に」
いも‐が‐て‐を【妹が手を】
〔枕〕
「とる(取る)」にかかる。万葉集10「―取石とろしの池の波の間ゆ」
いも‐が‐ひも【妹が紐】
〔枕〕
「ゆふ(結ふ)」にかかる。万葉集7「―結八ゆうや川内をいにしへの人さへ見きと」
いも‐がま【藷釜】
サツマイモを貯蔵するための穴。床下、崖の横など排水のよい地に作る。かま。あながま。
いも‐が‐め‐を【妹が目を】
〔枕〕
「みる(見る)」にかかる。万葉集8「―始見みそめの崎の秋萩は」
いも‐がゆ【芋粥・薯蕷粥】
①ヤマノイモを薄く切ったものにアマズラの汁をまぜて炊いた粥。宮中の大饗たいきょうなどに用いた。
②サツマイモを入れて炊いた粥。
いも‐がら【芋幹・芋茎】
サトイモの茎、すなわち葉柄を日に乾かしたもの。秋に収穫し食用とする。ずいき。〈[季]秋〉
いも‐がり【妹許】
親しい女(妻・恋人など)のいる所。万葉集8「―とわが行く道の」
いもかわ【芋川】‥カハ
①東海道の立場たてばの一つ。池鯉鮒ちりふの宿(三河国碧海へきかい郡)の近くにあった。うどん・そばで有名。好色一代男2「―といふ里に…所の名物とてひら饂飩を手馴れて」
②「ひもかわうどん」のこと。芋川うどん。ひもかわ。
いも‐こ【妹子】
(「こ」は親しんでいう語)(→)「いも(妹)」に同じ。万葉集20「わが―が偲ひにせよと付けし紐」
いも‐ごみ【薯籠】
米の粉にヤマノイモをすりまぜ、コンブで包み、たれ味噌で煮て、小口切りにした料理。
いも‐ざけ【芋酒】
ヤマノイモをすりつぶし、酒にまぜて煉り酒のようにしたもの。薬用酒として用いる。
いも‐ざし【芋刺し】
芋を串で刺し貫くように、人を槍で突き刺すこと。くしざし。田楽でんがくざし。
いも‐し【芋茎】
(イモジとも)いもがら。ずいき。土佐日記「―・荒布あらめも」
い‐もじ
(女房詞)ユモジ(湯文字)の転。腰巻。
い‐もじ【い文字】
(女房詞)烏賊いか。
いも‐じ【鋳物師】
(イモノシの約)鋳物職人。宇津保物語吹上上「これは―の所。男ども集まり、たたら踏み、物のこ形鋳などす」
いも‐しゅうとめ【妹姑・姨】‥シウトメ
妻の姉妹。〈倭名類聚鈔2〉
いも‐じょうちゅう【藷焼酎】‥ゼウチウ
サツマイモと米麹こめこうじを原料として造った焼酎。鹿児島の特産。
いも‐じり【蟷螂】
(イボムシリの転)カマキリの異称。
いも‐じる【芋汁・薯蕷汁】
①芋を実にした味噌汁。
②とろろ汁。
いも‐しんじょ【薯糝薯】
ヤマノイモまたはツクネイモをおろし、豆腐にまぜてゆでるか蒸したもの。→糝薯
いもすけ【芋助】
①無器用な者、無能な者の擬人名。
②田舎者や農民をあざけっていう語。
いも‐せ【妹背・妹脊】
①愛し合う女と男。夫婦。祝詞、鎮火祭「神いざなき・いざなみの命―二柱」。「―を契る」
②妹と兄。姉と弟。後撰和歌集雑「むつまじき―の山の」
⇒いもせ‐どり【妹背鳥】
⇒いもせ‐むすび【妹背結び】
いもせ‐どり【妹背鳥】
①ホトトギスの異称。
②セキレイの異称。
⇒いも‐せ【妹背・妹脊】
いもせ‐むすび【妹背結び】
夫婦の縁を結ぶこと。浄瑠璃、曾我会稽山「一世一度の―」
⇒いも‐せ【妹背・妹脊】
いもせ‐やま【妹背山】
①和歌山県伊都いと郡かつらぎ町を流れる紀ノ川を隔てて相対する妹山と背山。(歌枕)
②奈良県吉野郡吉野町上市から竜門に入る谷口の丘陵で、吉野川を隔てて相対する妹山と背山。(歌枕)
③石見国その他にあるという妹山と背山。
⇒いもせやま‐おんなていきん【妹背山婦女庭訓】
いもせやま‐おんなていきん【妹背山婦女庭訓】‥ヲンナ‥
浄瑠璃。近松半二ほか合作の時代物。1771年(明和8)初演。藤原鎌足が蘇我入鹿を滅ぼすことを主題にし、雛鳥・久我之助こがのすけの悲恋を描いた3段目後半の「山の段」は特に名高い。後に歌舞伎化。
→文献資料[妹背山婦女庭訓]
⇒いもせ‐やま【妹背山】
いも‐だい【芋台】
芋の茎葉を作り付けた、婚礼の祝い事に飾る台。芋は子が多く生ずるので、それに因む。
いも‐だね【芋種】
たねいも。
いもち‐びょう【稲熱病】‥ビヤウ
植物の病害。いもち病菌の寄生によって起こり、比較的多湿低温の年に多く発生。日本の稲作で最も被害が大きく、暗色の病斑を現して枯れる。発生部位により、葉いもち・穂首いもち・節いもち・苗いもちなどに分けられる。
いも‐ちゃしゃく【芋茶杓】
茶杓の一種。櫂先かいさきの部分が笹の葉状で、柄の末端に芋と呼ばれる円い玉をつけたもの。
いも‐つぎ【芋継ぎ】
①煉瓦積みまたは石積みなどで、縦の継ぎ目が2段以上連続したもの。構造上の弱点として忌む。芋目地いもめじ。
②木材継手の一種。外見は単に突き合わせたように見え、内部は枘ほぞと枘穴で接合されているもの。
いも‐づる【芋蔓】
①ヤマノイモ・サツマイモの蔓。
②明治時代、薩摩の藩閥を諷した語。
⇒いもづる‐しき【芋蔓式】
いもづる‐しき【芋蔓式】
芋蔓をたぐると次々に芋が出てくるように、一つのことに関連して多くのことが現れるさま。「―に検挙する」
⇒いも‐づる【芋蔓】
いも‐でんがく【芋田楽】
サトイモなどをゆで、または蒸して串に刺し、練り味噌をつけて焼いた料理。
いも‐と【妹】
イモウトの約。尾崎紅葉、不言不語「大事の―の指は折らせじ」
いも‐なっとう【芋納豆】
サツマイモを切って糖蜜に浸し、再三煮返して砂糖をまぶした菓子。
いも‐なね【妹なね】
(「なね」は親愛の意を表す語)(→)「いも(妹)」に同じ。万葉集9「―が作り着せけむ」
いも‐なろ【妹なろ】
(「なろ」は親愛の意を表す語)(→)「いも(妹)」に同じ。万葉集14「―がつかふ河津のささら荻」
いもに‐かい【芋煮会】‥クワイ
主に東北地方で、里芋を主とし、野菜・肉を加え、野外で煮て食べる集り。
いも‐に‐こい【妹に恋ひ】‥コヒ
〔枕〕
女を恋うてわが待つの意から、「あがの松原」にかかる。万葉集6「―あがの松原見渡せば」

いんま【今】🔗⭐🔉
いんま【今】
(イマの撥音化)「いま」を強めていう語。浄瑠璃、伊賀越道中双六「御本復も―のうちでござりましよ」
きん‐こ【今古】🔗⭐🔉
きん‐こ【今古】
今と昔。古今。
きんこきかん【今古奇観】‥クワン🔗⭐🔉
きんこきかん【今古奇観】‥クワン
中国の短編白話小説集。明末、抱甕ほうよう老人編。馮夢竜ひょうぼうりゅうの「三言」、凌濛初の「二拍」として集大成された小説から計40編を選ぶ。
こん【今】🔗⭐🔉
こん【今】
(呉音。漢音はキン)いま。このたび。「―大会」
こん【今】(姓氏)🔗⭐🔉
こん【今】
姓氏の一つ。
⇒こん‐わじろう【今和次郎】
こん‐あん【今案】🔗⭐🔉
こん‐あん【今案】
自分で新しく立てた考え。職原鈔「ただ道理に任せて―を加ふべからず」
⇒こんあん‐いらく【今案意楽】
こんあん‐いらく【今案意楽】🔗⭐🔉
こんあん‐いらく【今案意楽】
新しい自分の考えを得意に思って楽しむこと。武雑記「―を以て新作し」
⇒こん‐あん【今案】
こん‐か【今夏】🔗⭐🔉
こん‐か【今夏】
今年の夏。
こん‐かい【今回】‥クワイ🔗⭐🔉
こん‐かい【今回】‥クワイ
このたび。こんど。
こん‐き【今季】🔗⭐🔉
こん‐き【今季】
今の季節・時季。特にスポーツなどの、今のシーズン。
こん‐き【今期】🔗⭐🔉
こん‐き【今期】
今の時期・期間。この時期・期間。当期。「―の売上げ」
こん‐ぎょう【今暁】‥ゲウ🔗⭐🔉
こん‐ぎょう【今暁】‥ゲウ
今日のあけがた。けさ。「―未明出発」
こん‐げつ【今月】🔗⭐🔉
こん‐げつ【今月】
このつき。本月。当月。「―今夜」
こん‐ご【今後】🔗⭐🔉
こん‐ご【今後】
今から後。この後。以後。向後。「―の予定」「―ともよろしく」「―一切認めない」
こん‐さい【今歳】🔗⭐🔉
こん‐さい【今歳】
ことし。こんねん。
こん‐ざい【今在】🔗⭐🔉
こん‐ざい【今在】
まのあたり。目前。謡曲、高野物狂「―西方名阿弥陀」
こん‐さく【今作】🔗⭐🔉
こん‐さく【今作】
古式によらない、現代の作。下学集「今作、コンサク、非古実也」
[漢]今🔗⭐🔉
今 字形
筆順
〔人(亻・
)部2画/4画/教育/2603・3A23〕
〔音〕コン(呉) キン(漢)
〔訓〕いま
[意味]
①いま。現在。このごろ。「今後・今古きんこ・昨今・現今」
②いまの。この。「今般・今度・今月こんげつ・今春・今上きんじょう・今生こんじょう・今学期」
[解字]
会意。「亼」(=ふた)+「一」(=もの)の変形。ある物をふたでおおって取りおさえる意。転じて、取りおさえたその時、いま、の意を表す。[
]は異体字。
[下ツキ
現今・古今・昨今・爾今・自今・如今・即今・当今・方今・目今
[難読]
今際いまわ・今日きょう・今朝けさ・今年ことし・今茲ことし・今宵こよい




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