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よ‐せい【余勢】🔗⭐🔉
よ‐せい【余勢】
①あふれるような気力。日葡辞書「ヨセイノヨイヒト」
②ある物事をしたあとで余っている勢い。はずみ。
③残りの勢力。平家物語5「兼康が―六十余人からめとつて」
⇒余勢を駆る
○余勢を駆るよせいをかる🔗⭐🔉
○余勢を駆るよせいをかる
はずみのついた勢いに乗る。
⇒よ‐せい【余勢】
よせ‐うえ【寄せ植え】‥ウヱ
いろいろな植物を寄せ集めて植えること。また、その植えた植物。
よせ‐うた【寄歌】
物に寄せてたとえて歌う歌。諷歌そえうた。
よせ‐がい【寄せ貝】‥ガヒ
海岸に打ち寄せられた貝。
よせ‐かえ・る【寄せ返る】‥カヘル
〔自四〕
波などが寄せてはまたもとへかえる。式子内親王集「―・る波の花ずり乱れつつ」
よせ‐がき【寄せ書き】
多くの人が1枚の紙に文や絵などを書くこと。また、その書いたもの。「卒業記念の―」
よせ‐かけ【寄せ掛け】
土蔵の壁を保護するため、外側に設けた板張りのおおい。
よせ‐か・ける【寄せ掛ける】
〔自他下一〕[文]よせか・く(下二)
①近寄せて立てかける。もたせかける。
②攻めかける。押し寄せる。謡曲、烏帽子折「―・けて、打つ白波の音高く、鬨を作つて騒ぎけり」
よせ‐がまち【寄せ框】
商店などの入口の敷居。昼間は取りはずし、夜、戸を閉める時に取りつけるようにしたもの。
よ‐せき【余席】
余地。余裕。狂言、今参「あの―もない烏帽子の中に、何と造作がなるものぢや」
よ‐せき【礜石】
(→)砒石ひせきの別称。
よせ‐ぎ【寄木】
種々の木片を組み合わせて作ること。また、その作ったもの。
⇒よせぎ‐ざいく【寄木細工】
⇒よせぎ‐づくり【寄木造り】
よせぎ‐ざいく【寄木細工】
色または木目の異なった木片を色々の形に組み合わせ、器物などの表面に埋め込んで種々の形象または模様を作る細工。うめき細工。
寄木細工(神奈川)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒よせ‐ぎ【寄木】
よせ‐ぎちょう【寄几帳】‥チヤウ
平安時代、御帳台みちょうだいの浜床はまゆかの上の南・東・西に立てめぐらす几帳。
よせぎ‐づくり【寄木造り】
木彫で、複数の木材を寄せ集めて造る造仏法。頭・胴体・両腕・膝前を別木で造るものをはじめ、更に各部を細かくはぎ合わせるものもある。藤原時代初期から行われ、仏師定朝じょうちょうにより木寄きよせ法が確立。木寄きよせ造り。↔一木いちぼく造り
⇒よせ‐ぎ【寄木】
よせ‐ぎれ【寄せ切れ】
裁ち残りの布きれを寄せ集めたもの。
よせ‐く【寄口】
⇒きこう
よせ‐くち【寄せ口】
攻め寄せて来る方面。せめくち。
よせ・くる【寄せ来る】
〔自カ変〕[文]よせ・く(カ変)
寄せて来る。万葉集15「風のむた―・くる波に」
よせ‐ごと【寄せ事】
かこつける事柄。口実。西鶴織留4「今の若い者が、参宮さんぐを―にいたづら参り」
よせ‐ざる【寄猿】
〔建〕(→)送猿おくりざるに同じ。
よせ‐ざん【寄せ算】
(→)「たしざん」に同じ。
よせ‐しき【寄敷】
畳または板敷の境目にするため、それと水平に取りつける横木。よせ。
よせ‐しゅ【寄せ衆】
寄手よせての人々。「伊勢の千種の城責むる―にや」(狂言歌謡)
よせ‐せき【寄席】
⇒よせ
よせ‐だいこ【寄せ太鼓】
①攻め寄せる合図に打ち鳴らす太鼓。せめだいこ。浄瑠璃、傾城島原蛙合戦「外には味方の―」
②興行物などで人寄せのために打ち鳴らす太鼓。
よ‐せつ【余接・余切】
〔数〕(cotangent)三角関数の一つ。コタンジェント。→三角関数
よせ‐づか【寄束】
束や柱の脇にそえて取りつける小さな束。
よせ‐つぎ【寄せ接ぎ】
接木法の一つ。他の立木に、生えたままの根付きの接穂を寄せ合わせて被覆し、両者が癒合した後、接穂の根を切断するもの。よびつぎ。
よせ‐つ・ける【寄せ付ける】
〔他下一〕[文]よせつ・く(下二)
近寄らせる。寄り付かせる。また、受けいれる。「他を―・けない強さ」
よせ‐つな【寄せ綱】
物を引き寄せる綱。万葉集14「多胡の嶺に―延はへて寄すれども」
よせ‐て【寄せ手】
攻め寄せて来る軍勢。よせあし。
よせ‐どうふ【寄せ豆腐】
(→)朧おぼろ豆腐に同じ。
よせ‐どき【寄せ鬨】
攻め寄せる時に寄せ手が揚げる鬨ときのこえ。
よせ‐なべ【寄せ鍋】
鍋料理の一つ。鳥・魚・貝・蒲鉾・野菜・豆腐などを鍋に入れ、汁を多くして煮ながら食べるもの。〈[季]冬〉
よせ‐ば【寄場】
①人などを寄せ集めて置く場所。
②人足にんそく寄場の略。「―人足」
③(→)寄席よせに同じ。
⇒よせば‐くみあい【寄場組合】
⇒よせば‐ぶぎょう【寄場奉行】
よせば‐くみあい【寄場組合】‥アヒ
1827年(文政10)、幕府が関東に設定した近隣の村の組合。幕領・私領等の区別なく45村を目安に1組合を結成。関東取締出役の下部組織として、治安維持・農民統制に寄与。改革組合村。
⇒よせ‐ば【寄場】
よせ‐ばし【寄せばし】
(→)「よせばしら」に同じ。宇治拾遺物語2「検非違使ども河原に行て、―掘りたてて」
よせ‐ばし【寄せ箸】
食卓の食器を、箸で引っ掛けて手元に寄せること。無作法とされる。
よせ‐ばしら【寄せ柱】
馬などを寄せてつないでおく柱。とつなぎ。〈倭名類聚鈔15〉
よせば‐ぶぎょう【寄場奉行】‥ギヤウ
江戸幕府の職名。若年寄の支配。江戸石川島の人足寄場を管掌した。1792年(寛政4)設置。
⇒よせ‐ば【寄場】
よせ‐ひだ【寄せ襞】
麻上下あさがみしもの袴はかまで、膝の中ほどに寄せたひだ。また、そのように仕立てた袴。
よせ‐びょうし【寄せ拍子】‥ビヤウ‥
寄せ太鼓を打つ拍子。
ヨセフ【Josephus ラテン】
①(→)ヤコブ1の息子。父の特別の愛を受けて兄弟たちにねたまれ、奴隷として売られるが、のちにエジプトの高官となり、飢饉のとき父と兄弟たちを引きとった。
②イエスの母マリアの夫。ナザレの人で、大工。イエスの養父。
③アリマタヤのヨセフ。イエスの遺骸をピラトから受け取り、墓に納めた。
ヨセフス【Josephus Flavius】
ユダヤ人の歴史家。ローマに住んでギリシア語で著述。著「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」など。(37頃〜100頃)
よせ‐ぶみ【寄文】
①寄進または寄託の旨を記し、証とする文書。今鏡「―を奉れ」
②(「寄書きしょ」の訓読)人に送る文書。手紙。
ヨセミテ【Yosemite】
アメリカ合衆国の国立公園。カリフォルニア州の中部、シエラ‐ネヴァダ山脈中に位置し、マーセド川の作る峡谷美で名高い。
よせ‐みや【寄せ宮】
いくつかの小社を合祀した神社。
よせむね‐づくり【寄棟造】
屋根の一形式。四つの流れを組み合わせた屋根。大棟の両端から四隅に降くだり棟の降りている屋根。なお、地域により、正方形平面で1点集中のものを指すことがある。→四阿あずまや1→四注造しちゅうづくり
寄棟造
よ‐ぜめ【夜攻め】
夜、攻めること。ようち。よがけ。夜襲。〈日葡辞書〉
よせ‐もの【寄せ物】
①魚類の擂すり身と小麦粉・葛粉・卵などを種々にまぜ合わせて味をつけ、固めた料理。
②葛粉・寒天・ゼラチンなどで材料を固めたもの。
よ・せる【寄せる】
[文]よ・す(下二)
[一]〔自下一〕
①迫り近づく。打ち寄せる。万葉集15「荒津の崎に―・する浪」
②おしよせる。攻めよせる。平家物語9「今は時よくなりぬ、―・せよやとて、鬨ときをどつとつくる」
③([二]4から転じて)立ち寄る。「帰りに―・せてもらいます」
[二]〔他下一〕
①近づける。近寄らせる。万葉集17「白浪の―・せ来る玉藻」。「椅子を壁に―・せる」
②心を傾ける。万葉集3「大伴の名に負ふ靫ゆき帯びてよろづ代に頼みし心いづくか―・せむ」。源氏物語野分「春秋の争ひに昔より秋に心―・する人は数まさりけるを」。「思いを―・せる」
③1カ所に集める。呼び集める。万葉集11「玉の緒のくくり―・せつつ末つひに行きは別れず同じ緒にあらむ」。日葡辞書「シロニニンジュ(人数)ヲヨスル」。「客を―・せる」
④立ち寄らせる。枕草子292「一条の院に造らせ給ひたる一間の所には、憎き人はさらに―・せず」
⑤頼って身をおく。身を托する。まかせる。平家物語7「泣く泣く無智の境に身を―・せんと」。「親類に身を―・せる」
⑥関係づける。かこつける。因縁いんねんづける。万葉集11「物に―・せて思を陳のぶる歌」。万葉集4「山菅の実ならぬ事を吾に―・せいはれし君は誰れとか寝らむ」。源氏物語若菜下「時々に―・せてあはれをも知り故をもすぐさず」。「祝辞に―・せて自社の宣伝をする」
⑦(歌論用語)関連づける。通わせる。縁語化する。袋草紙「右おなじ波あるに、岸に―・せたればたよりあり」
⑧罪などをおしつける。科す。神代紀上「罪過つみを素戔嗚尊すさのおのみことに帰よせて、科おおするに千座置戸ちくらおきとを以てして」
⑨送る。贈る。源氏物語竹河「勝ち給はむ方には、なほ花を―・せてん」。「便りを―・せる」「全国から寄付が―・せられる」
⑩加える。たす。よせ算をする。「1と1を―・せる」
よ‐せん【予選】
①前もって選ぶこと。次の選抜のために、多数の中からよいものを幾つか選ぶこと。
②本大会や決勝に出ることができる選手やチームを選ぶための試合・競技。「―を勝ち抜く」
よ‐せん【余銭】
残りの金銭。あまった金銭。
よ‐ぜん【余喘】
死にかかっていて、なお息のあること。虫のいき。また、比喩的に、ほとんど駄目になったものが、わずかにもちこたえていること。「―を保つ」
よせん‐かい【予餞会】‥クワイ
(「餞」は、はなむけの意)卒業の前に行う卒業生の送別会。
よ‐そ【四十】
(ソは十の意)しじゅう。よそじ。源氏物語空蝉「みそ、―など数ふるさま」
よ‐そ【余所・他所】
①ほかの所。別の所。他所。万葉集4「―にゐて恋ひつつあらずは」。「―で聞いてみる」
②直接関係のない物事や人または場所。他事。局外。また、かかわりのないこと。疎遠なこと。万葉集4「闇の夜に鳴くなる鶴たずの―のみに聞きつつかあらむ逢ふとはなしに」。古今和歌集恋「天雲の―にも人のなりゆくかさすがに目には見ゆるものから」。「―の会社の人」
⇒余所に聞く
⇒余所にする
⇒余所に見る
よそい【装い】ヨソヒ
①とりそろえること。したくすること。また、そのもの。用意。準備。源氏物語明石「舟の―を設けて待ち侍りしに」
②かざること。つくろいたてること。装飾。源氏物語花散里「何ばかりの御―なくうちやつして」
③(きちんとつくろった)装束。衣裳。源氏物語末摘花「古体のゆゑづきたる御装束なれど、なほ若やかなる女の御―には似げなうおどろおどろしきこと」
④衣服・調度などのそろったものを数えるのに用いる語。そろい。「装束一―」
⑤器に盛った飲食物を数えるのに用いる語。はい。「手盛にて一―」
⑥用言。→装図よそいのかた。
⇒よそい‐ぐさ【装草】
⇒よそい‐ごと【装い言】
⇒よそい‐どころ【装い所】
⇒よそい‐の‐かた【装図】
よそ‐いき【余所行き】
(→)「よそゆき」に同じ。
よそい‐ぐさ【装草】ヨソヒ‥
菊の異称。
⇒よそい【装い】
よそい‐ごと【装い言】ヨソヒ‥
うわべをうまくつくろうことば。つくりごと。
⇒よそい【装い】
よそい‐どころ【装い所】ヨソヒ‥
飲食物の、器に盛りつけるべきところ。狂言、鱸庖丁「是も―をよそうて、そなたへもおまさうず」
⇒よそい【装い】
よそい‐の‐かた【装図】ヨソヒ‥
(「装」は今日いう用言に当たる)富士谷成章の「脚結抄あゆいしょう」中にある動詞・形容詞の活用表。
⇒よそい【装い】
よ‐そう【予想】‥サウ
ある物事の今後の動きや結果などについてあらかじめ想像すること。また、その想像した内容。「暴落を―する」「―がはずれる」「―を上回る」
⇒よそう‐がい【予想外】
⇒よそう‐や【予想屋】
よそ・う【比ふ・寄ふ】ヨソフ
〔他下二〕
⇒よそえる(下一)
よそ・う【装う】ヨソフ
〔他五〕
①したくをする。取り揃えて準備する。万葉集10「年に―・ふ吾が舟こがむ天の河風は吹くとも浪立つなゆめ」。源氏物語絵合「女房のさぶらひにおまし―・はせて」
②(身なりなどを)つくろう。飾る。また、風情ふぜいを添える。万葉集2「山吹の立ち―・ひたる山清水酌くみに行かめど道のしらなく」
③飲食物を整え、用意する。転じて、飲食物をすくって器に盛る。平家物語8「田舎合子の極めて大きにくぼかりけるに、飯はんうづたかく―・ひ、御菜三種して、平茸の汁で参らせたり」
よそう‐がい【予想外】‥サウグワイ
予想とは異なること。思いのほか。案外。意外。「―の結果」
⇒よ‐そう【予想】
よそう‐や【予想屋】‥サウ‥
競馬・競輪・競艇などの勝敗を予想し、それを教えて収入を得る人。
⇒よ‐そう【予想】
よそえ【比え・寄え】ヨソヘ
ことよせること。なぞらえること。源氏物語宿木「かたじけなき御―にこそは侍るなれ」
⇒よそえ‐もの【比え物】
よそえ‐もの【比え物】ヨソヘ‥
なぞらえるもの。狂言、絹粥ひめのり「―は覚えてをりまするが、口許へ出かかつてゐるやうで思ひ出しませぬ」
⇒よそえ【比え・寄え】
よそ・える【比える・寄える】ヨソヘル
〔他下一〕[文]よそ・ふ(下二)
(ヨシ(寄)ソフ(添)の約)
①かかわりをもたせる。関係ありとする。万葉集11「―・ふる君が憎くあらなくに」
②ことよせる。かこつける。古今和歌集恋「思ふどちひとりひとりが恋ひ死なばたれに―・へて藤衣着ん」
③なぞらえる。たとえる。くらべる。古今和歌集序「富士の煙に―・へて人を恋ひ」
よそおい【装い】ヨソホヒ
①取り揃えること。支度。準備。「旅の―」
②外観や身なりなどを美しく飾りととのえること。装飾。装束。夫木和歌抄19「たをやめの飾る朝日の―に」。「―を凝こらす」「―を新たにする」
③様子。おもむき。風情ふぜい。源氏物語若菜上「何となく所せき身の―にて」。堀河百首雑「吉野なる大川水の―は」
よそお・う【装う】ヨソホフ
〔他五〕
(「装よそう」の転)
①したくをする。準備をする。
②飾りととのえる。容儀をととのえる。平家物語8「王公卿相、花の袂を―・ひ玉の轡くつばみを並べ」。奥の細道「その気色…美人の顔かんばせを―・ふ」。「はでに―・う」
③ふりをする。見せかける。「平静を―・う」「客を―・う」
よそお・し【装ほし】ヨソホシ
〔形シク〕
装いがおごそかで美々しい。ものものしい。源氏物語行幸「みゆきに劣らず―・しく」
よそ‐か【四十日】
しじゅうにち。土佐日記「引く船の綱手の長き春の日を―五十日いかまで」
よそ‐がたり【余所語り】
よその物語。世間ばなし。
よそ‐がまし・い【余所がましい】
〔形〕[文]よそがま・し(シク)
よそよそしい様子である。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「あ、―・い、何のお礼」
よそ‐ぎき【余所聞き】
世間の評判。人の聞え。人ぎき。外聞。
よ‐そく【予測】
将来の出来事や有様をあらかじめ推測すること。前もっておしはかること。「景気を―する」「―がつかない」
よ‐ぞく【余賊】
残っている賊。討ち洩らされた賊。
よそ‐ぐち【他所口】
よその土地のことば。特に、上方のことばを指していう。→上口かみぐち
よそ‐げ【余所げ】
よそよそしいさま。関係のない様子。新古今和歌集冬「もみぢ葉はおのが染めたる色ぞかし―における今朝の霜かな」
よそ‐ご【余所子】
よその子。他人の子。栄華物語布引滝「同じ程―のやうに生ませさせ給へり」
よそ‐ごころ【余所心】
よそよそしい心。
よそ‐ごと【余所事】
自分に直接関係のないこと。「―とは思えない」
よそ‐じ【四十・四十路】‥ヂ
(ジは接尾語)
①しじゅう。よそ。千載和歌集序「仮名の―余り七文字の内を出でず」
②40歳。宇津保物語蔵開下「年―に一つ二つ足らねど」
よそ‐だ・つ【余所立つ】
〔自四〕
よそよそしい様子である。山家集「いかに―・つ人の心ぞ」
よそ‐づま【余所妻】
①他人の妻。
②他所にかこっておく妻。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「―は知らぬが花よ折らば折れ」
よそ‐とせ【四十年】
40年。40歳。よそじ。
よそ‐ながら【余所ながら】
①自分に関係したことではないけれども。古今和歌集雑体「―わが身にいとのよるといへばただいつはりにすぐばかりなり」
②よそにいながら。遠く離れていながら。大和物語「―思ひしよりも夏の夜の見はてぬ夢ぞはかなかりける」。「―御多幸を祈る」
③それとなく。間接に。平家物語6「少将―も小督殿見奉る事もやと」
⇒よせ‐ぎ【寄木】
よせ‐ぎちょう【寄几帳】‥チヤウ
平安時代、御帳台みちょうだいの浜床はまゆかの上の南・東・西に立てめぐらす几帳。
よせぎ‐づくり【寄木造り】
木彫で、複数の木材を寄せ集めて造る造仏法。頭・胴体・両腕・膝前を別木で造るものをはじめ、更に各部を細かくはぎ合わせるものもある。藤原時代初期から行われ、仏師定朝じょうちょうにより木寄きよせ法が確立。木寄きよせ造り。↔一木いちぼく造り
⇒よせ‐ぎ【寄木】
よせ‐ぎれ【寄せ切れ】
裁ち残りの布きれを寄せ集めたもの。
よせ‐く【寄口】
⇒きこう
よせ‐くち【寄せ口】
攻め寄せて来る方面。せめくち。
よせ・くる【寄せ来る】
〔自カ変〕[文]よせ・く(カ変)
寄せて来る。万葉集15「風のむた―・くる波に」
よせ‐ごと【寄せ事】
かこつける事柄。口実。西鶴織留4「今の若い者が、参宮さんぐを―にいたづら参り」
よせ‐ざる【寄猿】
〔建〕(→)送猿おくりざるに同じ。
よせ‐ざん【寄せ算】
(→)「たしざん」に同じ。
よせ‐しき【寄敷】
畳または板敷の境目にするため、それと水平に取りつける横木。よせ。
よせ‐しゅ【寄せ衆】
寄手よせての人々。「伊勢の千種の城責むる―にや」(狂言歌謡)
よせ‐せき【寄席】
⇒よせ
よせ‐だいこ【寄せ太鼓】
①攻め寄せる合図に打ち鳴らす太鼓。せめだいこ。浄瑠璃、傾城島原蛙合戦「外には味方の―」
②興行物などで人寄せのために打ち鳴らす太鼓。
よ‐せつ【余接・余切】
〔数〕(cotangent)三角関数の一つ。コタンジェント。→三角関数
よせ‐づか【寄束】
束や柱の脇にそえて取りつける小さな束。
よせ‐つぎ【寄せ接ぎ】
接木法の一つ。他の立木に、生えたままの根付きの接穂を寄せ合わせて被覆し、両者が癒合した後、接穂の根を切断するもの。よびつぎ。
よせ‐つ・ける【寄せ付ける】
〔他下一〕[文]よせつ・く(下二)
近寄らせる。寄り付かせる。また、受けいれる。「他を―・けない強さ」
よせ‐つな【寄せ綱】
物を引き寄せる綱。万葉集14「多胡の嶺に―延はへて寄すれども」
よせ‐て【寄せ手】
攻め寄せて来る軍勢。よせあし。
よせ‐どうふ【寄せ豆腐】
(→)朧おぼろ豆腐に同じ。
よせ‐どき【寄せ鬨】
攻め寄せる時に寄せ手が揚げる鬨ときのこえ。
よせ‐なべ【寄せ鍋】
鍋料理の一つ。鳥・魚・貝・蒲鉾・野菜・豆腐などを鍋に入れ、汁を多くして煮ながら食べるもの。〈[季]冬〉
よせ‐ば【寄場】
①人などを寄せ集めて置く場所。
②人足にんそく寄場の略。「―人足」
③(→)寄席よせに同じ。
⇒よせば‐くみあい【寄場組合】
⇒よせば‐ぶぎょう【寄場奉行】
よせば‐くみあい【寄場組合】‥アヒ
1827年(文政10)、幕府が関東に設定した近隣の村の組合。幕領・私領等の区別なく45村を目安に1組合を結成。関東取締出役の下部組織として、治安維持・農民統制に寄与。改革組合村。
⇒よせ‐ば【寄場】
よせ‐ばし【寄せばし】
(→)「よせばしら」に同じ。宇治拾遺物語2「検非違使ども河原に行て、―掘りたてて」
よせ‐ばし【寄せ箸】
食卓の食器を、箸で引っ掛けて手元に寄せること。無作法とされる。
よせ‐ばしら【寄せ柱】
馬などを寄せてつないでおく柱。とつなぎ。〈倭名類聚鈔15〉
よせば‐ぶぎょう【寄場奉行】‥ギヤウ
江戸幕府の職名。若年寄の支配。江戸石川島の人足寄場を管掌した。1792年(寛政4)設置。
⇒よせ‐ば【寄場】
よせ‐ひだ【寄せ襞】
麻上下あさがみしもの袴はかまで、膝の中ほどに寄せたひだ。また、そのように仕立てた袴。
よせ‐びょうし【寄せ拍子】‥ビヤウ‥
寄せ太鼓を打つ拍子。
ヨセフ【Josephus ラテン】
①(→)ヤコブ1の息子。父の特別の愛を受けて兄弟たちにねたまれ、奴隷として売られるが、のちにエジプトの高官となり、飢饉のとき父と兄弟たちを引きとった。
②イエスの母マリアの夫。ナザレの人で、大工。イエスの養父。
③アリマタヤのヨセフ。イエスの遺骸をピラトから受け取り、墓に納めた。
ヨセフス【Josephus Flavius】
ユダヤ人の歴史家。ローマに住んでギリシア語で著述。著「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」など。(37頃〜100頃)
よせ‐ぶみ【寄文】
①寄進または寄託の旨を記し、証とする文書。今鏡「―を奉れ」
②(「寄書きしょ」の訓読)人に送る文書。手紙。
ヨセミテ【Yosemite】
アメリカ合衆国の国立公園。カリフォルニア州の中部、シエラ‐ネヴァダ山脈中に位置し、マーセド川の作る峡谷美で名高い。
よせ‐みや【寄せ宮】
いくつかの小社を合祀した神社。
よせむね‐づくり【寄棟造】
屋根の一形式。四つの流れを組み合わせた屋根。大棟の両端から四隅に降くだり棟の降りている屋根。なお、地域により、正方形平面で1点集中のものを指すことがある。→四阿あずまや1→四注造しちゅうづくり
寄棟造
よ‐ぜめ【夜攻め】
夜、攻めること。ようち。よがけ。夜襲。〈日葡辞書〉
よせ‐もの【寄せ物】
①魚類の擂すり身と小麦粉・葛粉・卵などを種々にまぜ合わせて味をつけ、固めた料理。
②葛粉・寒天・ゼラチンなどで材料を固めたもの。
よ・せる【寄せる】
[文]よ・す(下二)
[一]〔自下一〕
①迫り近づく。打ち寄せる。万葉集15「荒津の崎に―・する浪」
②おしよせる。攻めよせる。平家物語9「今は時よくなりぬ、―・せよやとて、鬨ときをどつとつくる」
③([二]4から転じて)立ち寄る。「帰りに―・せてもらいます」
[二]〔他下一〕
①近づける。近寄らせる。万葉集17「白浪の―・せ来る玉藻」。「椅子を壁に―・せる」
②心を傾ける。万葉集3「大伴の名に負ふ靫ゆき帯びてよろづ代に頼みし心いづくか―・せむ」。源氏物語野分「春秋の争ひに昔より秋に心―・する人は数まさりけるを」。「思いを―・せる」
③1カ所に集める。呼び集める。万葉集11「玉の緒のくくり―・せつつ末つひに行きは別れず同じ緒にあらむ」。日葡辞書「シロニニンジュ(人数)ヲヨスル」。「客を―・せる」
④立ち寄らせる。枕草子292「一条の院に造らせ給ひたる一間の所には、憎き人はさらに―・せず」
⑤頼って身をおく。身を托する。まかせる。平家物語7「泣く泣く無智の境に身を―・せんと」。「親類に身を―・せる」
⑥関係づける。かこつける。因縁いんねんづける。万葉集11「物に―・せて思を陳のぶる歌」。万葉集4「山菅の実ならぬ事を吾に―・せいはれし君は誰れとか寝らむ」。源氏物語若菜下「時々に―・せてあはれをも知り故をもすぐさず」。「祝辞に―・せて自社の宣伝をする」
⑦(歌論用語)関連づける。通わせる。縁語化する。袋草紙「右おなじ波あるに、岸に―・せたればたよりあり」
⑧罪などをおしつける。科す。神代紀上「罪過つみを素戔嗚尊すさのおのみことに帰よせて、科おおするに千座置戸ちくらおきとを以てして」
⑨送る。贈る。源氏物語竹河「勝ち給はむ方には、なほ花を―・せてん」。「便りを―・せる」「全国から寄付が―・せられる」
⑩加える。たす。よせ算をする。「1と1を―・せる」
よ‐せん【予選】
①前もって選ぶこと。次の選抜のために、多数の中からよいものを幾つか選ぶこと。
②本大会や決勝に出ることができる選手やチームを選ぶための試合・競技。「―を勝ち抜く」
よ‐せん【余銭】
残りの金銭。あまった金銭。
よ‐ぜん【余喘】
死にかかっていて、なお息のあること。虫のいき。また、比喩的に、ほとんど駄目になったものが、わずかにもちこたえていること。「―を保つ」
よせん‐かい【予餞会】‥クワイ
(「餞」は、はなむけの意)卒業の前に行う卒業生の送別会。
よ‐そ【四十】
(ソは十の意)しじゅう。よそじ。源氏物語空蝉「みそ、―など数ふるさま」
よ‐そ【余所・他所】
①ほかの所。別の所。他所。万葉集4「―にゐて恋ひつつあらずは」。「―で聞いてみる」
②直接関係のない物事や人または場所。他事。局外。また、かかわりのないこと。疎遠なこと。万葉集4「闇の夜に鳴くなる鶴たずの―のみに聞きつつかあらむ逢ふとはなしに」。古今和歌集恋「天雲の―にも人のなりゆくかさすがに目には見ゆるものから」。「―の会社の人」
⇒余所に聞く
⇒余所にする
⇒余所に見る
よそい【装い】ヨソヒ
①とりそろえること。したくすること。また、そのもの。用意。準備。源氏物語明石「舟の―を設けて待ち侍りしに」
②かざること。つくろいたてること。装飾。源氏物語花散里「何ばかりの御―なくうちやつして」
③(きちんとつくろった)装束。衣裳。源氏物語末摘花「古体のゆゑづきたる御装束なれど、なほ若やかなる女の御―には似げなうおどろおどろしきこと」
④衣服・調度などのそろったものを数えるのに用いる語。そろい。「装束一―」
⑤器に盛った飲食物を数えるのに用いる語。はい。「手盛にて一―」
⑥用言。→装図よそいのかた。
⇒よそい‐ぐさ【装草】
⇒よそい‐ごと【装い言】
⇒よそい‐どころ【装い所】
⇒よそい‐の‐かた【装図】
よそ‐いき【余所行き】
(→)「よそゆき」に同じ。
よそい‐ぐさ【装草】ヨソヒ‥
菊の異称。
⇒よそい【装い】
よそい‐ごと【装い言】ヨソヒ‥
うわべをうまくつくろうことば。つくりごと。
⇒よそい【装い】
よそい‐どころ【装い所】ヨソヒ‥
飲食物の、器に盛りつけるべきところ。狂言、鱸庖丁「是も―をよそうて、そなたへもおまさうず」
⇒よそい【装い】
よそい‐の‐かた【装図】ヨソヒ‥
(「装」は今日いう用言に当たる)富士谷成章の「脚結抄あゆいしょう」中にある動詞・形容詞の活用表。
⇒よそい【装い】
よ‐そう【予想】‥サウ
ある物事の今後の動きや結果などについてあらかじめ想像すること。また、その想像した内容。「暴落を―する」「―がはずれる」「―を上回る」
⇒よそう‐がい【予想外】
⇒よそう‐や【予想屋】
よそ・う【比ふ・寄ふ】ヨソフ
〔他下二〕
⇒よそえる(下一)
よそ・う【装う】ヨソフ
〔他五〕
①したくをする。取り揃えて準備する。万葉集10「年に―・ふ吾が舟こがむ天の河風は吹くとも浪立つなゆめ」。源氏物語絵合「女房のさぶらひにおまし―・はせて」
②(身なりなどを)つくろう。飾る。また、風情ふぜいを添える。万葉集2「山吹の立ち―・ひたる山清水酌くみに行かめど道のしらなく」
③飲食物を整え、用意する。転じて、飲食物をすくって器に盛る。平家物語8「田舎合子の極めて大きにくぼかりけるに、飯はんうづたかく―・ひ、御菜三種して、平茸の汁で参らせたり」
よそう‐がい【予想外】‥サウグワイ
予想とは異なること。思いのほか。案外。意外。「―の結果」
⇒よ‐そう【予想】
よそう‐や【予想屋】‥サウ‥
競馬・競輪・競艇などの勝敗を予想し、それを教えて収入を得る人。
⇒よ‐そう【予想】
よそえ【比え・寄え】ヨソヘ
ことよせること。なぞらえること。源氏物語宿木「かたじけなき御―にこそは侍るなれ」
⇒よそえ‐もの【比え物】
よそえ‐もの【比え物】ヨソヘ‥
なぞらえるもの。狂言、絹粥ひめのり「―は覚えてをりまするが、口許へ出かかつてゐるやうで思ひ出しませぬ」
⇒よそえ【比え・寄え】
よそ・える【比える・寄える】ヨソヘル
〔他下一〕[文]よそ・ふ(下二)
(ヨシ(寄)ソフ(添)の約)
①かかわりをもたせる。関係ありとする。万葉集11「―・ふる君が憎くあらなくに」
②ことよせる。かこつける。古今和歌集恋「思ふどちひとりひとりが恋ひ死なばたれに―・へて藤衣着ん」
③なぞらえる。たとえる。くらべる。古今和歌集序「富士の煙に―・へて人を恋ひ」
よそおい【装い】ヨソホヒ
①取り揃えること。支度。準備。「旅の―」
②外観や身なりなどを美しく飾りととのえること。装飾。装束。夫木和歌抄19「たをやめの飾る朝日の―に」。「―を凝こらす」「―を新たにする」
③様子。おもむき。風情ふぜい。源氏物語若菜上「何となく所せき身の―にて」。堀河百首雑「吉野なる大川水の―は」
よそお・う【装う】ヨソホフ
〔他五〕
(「装よそう」の転)
①したくをする。準備をする。
②飾りととのえる。容儀をととのえる。平家物語8「王公卿相、花の袂を―・ひ玉の轡くつばみを並べ」。奥の細道「その気色…美人の顔かんばせを―・ふ」。「はでに―・う」
③ふりをする。見せかける。「平静を―・う」「客を―・う」
よそお・し【装ほし】ヨソホシ
〔形シク〕
装いがおごそかで美々しい。ものものしい。源氏物語行幸「みゆきに劣らず―・しく」
よそ‐か【四十日】
しじゅうにち。土佐日記「引く船の綱手の長き春の日を―五十日いかまで」
よそ‐がたり【余所語り】
よその物語。世間ばなし。
よそ‐がまし・い【余所がましい】
〔形〕[文]よそがま・し(シク)
よそよそしい様子である。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「あ、―・い、何のお礼」
よそ‐ぎき【余所聞き】
世間の評判。人の聞え。人ぎき。外聞。
よ‐そく【予測】
将来の出来事や有様をあらかじめ推測すること。前もっておしはかること。「景気を―する」「―がつかない」
よ‐ぞく【余賊】
残っている賊。討ち洩らされた賊。
よそ‐ぐち【他所口】
よその土地のことば。特に、上方のことばを指していう。→上口かみぐち
よそ‐げ【余所げ】
よそよそしいさま。関係のない様子。新古今和歌集冬「もみぢ葉はおのが染めたる色ぞかし―における今朝の霜かな」
よそ‐ご【余所子】
よその子。他人の子。栄華物語布引滝「同じ程―のやうに生ませさせ給へり」
よそ‐ごころ【余所心】
よそよそしい心。
よそ‐ごと【余所事】
自分に直接関係のないこと。「―とは思えない」
よそ‐じ【四十・四十路】‥ヂ
(ジは接尾語)
①しじゅう。よそ。千載和歌集序「仮名の―余り七文字の内を出でず」
②40歳。宇津保物語蔵開下「年―に一つ二つ足らねど」
よそ‐だ・つ【余所立つ】
〔自四〕
よそよそしい様子である。山家集「いかに―・つ人の心ぞ」
よそ‐づま【余所妻】
①他人の妻。
②他所にかこっておく妻。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「―は知らぬが花よ折らば折れ」
よそ‐とせ【四十年】
40年。40歳。よそじ。
よそ‐ながら【余所ながら】
①自分に関係したことではないけれども。古今和歌集雑体「―わが身にいとのよるといへばただいつはりにすぐばかりなり」
②よそにいながら。遠く離れていながら。大和物語「―思ひしよりも夏の夜の見はてぬ夢ぞはかなかりける」。「―御多幸を祈る」
③それとなく。間接に。平家物語6「少将―も小督殿見奉る事もやと」
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