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か・つ【堪つ・勝つ】(自下二)🔗🔉

か・つ堪つ・勝つ】 〔自下二〕 動詞の連用形に付いて、その動作に堪える、できるの意を表す。普通否定の助動詞とともに用いる。のち、「かてに」の形で、「堪えずに」の意となり「難がてに」と混同して消滅した。崇神紀「大坂につぎのぼれる石群を手越しに越さば越し―・てむかも」。万葉集5「朝露の消易きわが身他国ひとくににすぎ―・てぬかも親の目をほり」→かてに→がてに

かん‐にん【堪忍】🔗🔉

かん‐にん堪忍】 ①たえしのぶこと。こらえてがまんすること。太平記19「東西よりこれを攻めば、…一日も―し給はじ」 ②怒りをこらえて許すこと。勘弁。狂言、石神「女に向うて―してくれいと申すも口惜しう御座る」。「ならぬ―するが―」 ③経済上の負担力。狂言、今参「それでも―がつづきますまい」 ⇒かんにん‐ぐら【堪忍蔵・堪忍庫】 ⇒かんにん‐ごろ【堪忍頃】 ⇒かんにん‐じ【堪忍地】 ⇒かんにん‐じょう【堪忍情】 ⇒かんにん‐づよ・い【堪忍強い】 ⇒かんにん‐ぶくろ【堪忍袋】 ⇒かんにん‐ぶん【堪忍分】 ⇒かんにん‐まけ【堪忍負け】 ⇒かんにん‐りょう【堪忍領】 ⇒堪忍は一生の宝 ⇒堪忍袋の緒が切れる

かんにん‐ぐら【堪忍蔵・堪忍庫】🔗🔉

かんにん‐ぐら堪忍蔵・堪忍庫(→)堪忍袋に同じ。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「こらへる程はこらへうが、―の戸があいた(堪忍袋の緒が切れた)⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐ごろ【堪忍頃】🔗🔉

かんにん‐ごろ堪忍頃】 堪忍のできる程度。 ⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐じ【堪忍地】‥ヂ🔗🔉

かんにん‐じ堪忍地‥ヂ 〔仏〕歓喜地かんぎじの別称。菩薩がこの階級に入れば、心身一切の苦悩をよく堪え忍ぶことができるからいう。十訓抄「十地には―とも号し」 ⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐じょう【堪忍情】‥ジヤウ🔗🔉

かんにん‐じょう堪忍情‥ジヤウ 堪忍する心。こらえじょう。 ⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐づよ・い【堪忍強い】🔗🔉

かんにん‐づよ・い堪忍強い】 〔形〕[文]かんにんづよ・し(ク) よく我慢をする。 ⇒かん‐にん【堪忍】 ○堪忍は一生の宝かんにんはいっしょうのたから 堪忍は幸福をもたらす美徳であり、生涯守り通すべきである。 ⇒かん‐にん【堪忍】

○堪忍は一生の宝かんにんはいっしょうのたから🔗🔉

○堪忍は一生の宝かんにんはいっしょうのたから 堪忍は幸福をもたらす美徳であり、生涯守り通すべきである。 ⇒かん‐にん【堪忍】 かんにん‐ぶくろ堪忍袋】 堪忍2をする度量を袋にたとえていう語。こらえぶくろ。 ⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐ぶくろ【堪忍袋】🔗🔉

かんにん‐ぶくろ堪忍袋】 堪忍2をする度量を袋にたとえていう語。こらえぶくろ。 ⇒かん‐にん【堪忍】 ○堪忍袋の緒が切れるかんにんぶくろのおがきれる 堪忍の限界に達して、怒りが抑えきれなくなる。 ⇒かん‐にん【堪忍】

○堪忍袋の緒が切れるかんにんぶくろのおがきれる🔗🔉

○堪忍袋の緒が切れるかんにんぶくろのおがきれる 堪忍の限界に達して、怒りが抑えきれなくなる。 ⇒かん‐にん【堪忍】 かんにん‐ぶん堪忍分(→)堪忍領に同じ。 ⇒かん‐にん【堪忍】 がんにん‐ぼうず願人坊主グワン‥バウ‥ ①人に代わって願かけの修行・水垢離みずごりなどをした乞食僧。好色一代男6「神田橋にたてる―」 ②歌舞伎舞踊。常磐津。七変化の「七枚続花の姿絵」の一つ。2世桜田治助作詞。3世岸沢古式部作曲。1811年(文化8)初演。現在、清元「浮かれ坊主」の名で改作したものが流行。 ⇒がん‐にん【願人】 かんにん‐まけ堪忍負け】 堪忍をしきれないこと。 ⇒かん‐にん【堪忍】 かんにん‐りょう堪忍領‥リヤウ 武家で客分の士または討死した臣下の遺族などに給与する禄。堪忍料。堪忍分。 ⇒かん‐にん【堪忍】 かん‐ぬ官奴クワン‥ 律令制で、官有の奴(男の奴隷)。また、官奴婢かんぬひの略。 ⇒かんぬ‐し【官奴司】 カンヌCannes】 フランス南東部、地中海岸コート‐ダジュールの観光保養都市。 ⇒カンヌ‐えいがさい【カンヌ映画祭】 カンヌ‐えいがさいカンヌ映画祭‥グワ‥ (Festival International du Film de Cannes フランス)カンヌで開かれる国際映画祭。フランス政府の援助で1946年から開催。最高賞はパルム‐ドール。カンヌ国際映画祭。 ⇒カンヌ【Cannes】 かん‐ぬ‐き閂・貫木クワン‥ (カンノキの転) ①門戸をさしかためるための横木。門扉の左右にある金具に差し通して用いる。かんぎ。「―を掛ける」 ②閂差しの略。 ③相撲で、相手の諸もろ差しの腕を両手で抱え込み、絞り上げて攻める形をいう。それで勝負がついた場合、「きめ出し」または「きめ倒し」という。 ⇒かんぬき‐ざし【閂差し】 ⇒かんぬき‐どめ【閂止め】 かんぬき‐ざし閂差しクワン‥ 閂のように、刀などを水平にさすこと。 ⇒かん‐ぬ‐き【閂・貫木】 かんぬき‐どめ閂止めクワン‥ 袖付や身八つ口や袴の相引あいびきの止めなどのようなほころびやすい所を止めるため、糸を2〜3本渡して、その糸をからげるようにすること。 ⇒かん‐ぬ‐き【閂・貫木】 かんぬ‐し官奴司クワン‥ 律令制で、宮内省に属し、官戸かんこや官奴婢かんぬひの名籍および口分田くぶんでんのことをつかさどった役所。やつこのつかさ。 ⇒かん‐ぬ【官奴】 かん‐ぬし神主】 (古くはカムヌシ) ①神を祭るときに、中心になって祭を行う人。祭主。神功紀「親ら―となり給ふ」 ②神社に奉仕する神職の長。祝詞、祈年祭「集侍うごなはれる―、祝部はふり等」 ③神社の神事に仕える人。神職。祠官。 ④(神主の意味の祢宜ねぎと音が通ずるところから、僧の間で使う隠語)葱ねぎ。こうぬし。 かん‐ぬひ官奴婢クワン‥ 律令制の賤民の一種。官有の奴婢。私有の奴婢が官に買い上げられたもの、または重罪人やその縁者として身柄を没収されたもの。官奴司かんぬしに属して重労働に従事するが、66歳以上は官戸かんこに昇格。班田収授その他の扱いは私奴婢しぬひと同じ。公奴婢くぬひかん‐ねい奸佞・姦佞】 心がねじけて人にへつらうこと。また、その人。「―な性質」 ⇒かんねい‐じゃち【奸佞邪智】 かんねい‐じゃち奸佞邪智】 ゆがんだ心で悪知恵をはたらかせ、人に取り入ろうとすること。邪智奸佞。 ⇒かん‐ねい【奸佞・姦佞】 カンネーCannae ラテン・Canne イタリア】 イタリア南東部、アドリア海に近い小都市。第2回ポエニ戦争中の前216年、ハンニバルの率いる5万のカルタゴ軍が8万のローマ軍に大勝した所。 かん‐ねつ寒熱】 ①さむさとあつさ。 ②悪寒おかんと熱気ねっき⇒かんねつ‐おうらい【寒熱往来】 かんねつ‐おうらい寒熱往来‥ワウ‥ 病気のために、あるいはさむけを催し、あるいは熱気を催すこと。 ⇒かん‐ねつ【寒熱】 かんねつ‐し感熱紙】 熱によって印字される用紙。表面に塗布した結合剤中に無色の色素前駆体とフェノール化合物などを細かく分散させたもの。熱が加わると、その部分だけ融解して両者が混ざり発色する。 かん‐ねぶつ寒念仏】 寒中30日の間、山野に出て声高く念仏を唱えること。後には、寒夜に鉦かねをうちたたいて仏寺に詣で、または有縁うえんの家や付近の地を巡行することとなった。かんねんぶつ。〈[季]冬〉。「細道になり行く声や―」(蕪村)↔夏念仏 かん‐ねん観念クワン‥ ①〔仏〕観察し思念すること。仏陀の姿や真理などに心を集中してよく考えること。 ②あきらめること。覚悟。「もはやこれまでと―する」 ③〔哲〕〔心〕(idea)思考の対象となる意識の内容・心的形象の総称。山の観念、善悪の観念など。ギリシア語の「イデア」に由来。 ④物事に対する考え。見解。「固定―」「責任―」「経済―に欠ける」 ⇒かんねん‐しゅぎょう【観念修行】 ⇒かんねん‐しょうせつ【観念小説】 ⇒かんねん‐せい【観念性】 ⇒かんねん‐てき【観念的】 ⇒かんねんてき‐きょうごう【観念的競合】 ⇒かんねん‐ねんぶつ【観念念仏】 ⇒かんねん‐ほんいつ【観念奔逸】 ⇒かんねん‐れんごう【観念連合】 ⇒かんねん‐ろん【観念論】 ⇒観念の臍を固める がん‐ねん元年グワン‥ ①建国の第1年。 ②天子即位の第1年。 ③年号の改まった最初の年。 ④比喩的に、ある物事の出発点となる最初の年。「Jリーグ―」 かんねん‐しゅぎょう観念修行クワン‥ギヤウ 観念という修行。または、観念と修行の意で、観念することとそれを実地に行うこと。観行。雨月物語1「―のたよりせし庵なりけり」 ⇒かん‐ねん【観念】 かんねん‐しょうせつ観念小説クワン‥セウ‥ 作者の観念を露骨に表明し、好んで人生の裏面を描写する小説。日清戦争後の文壇を風靡ふうびした一傾向。泉鏡花「外科室」、川上眉山「うらおもて」の類。 ⇒かん‐ねん【観念】 かんねん‐せい観念性クワン‥ 主観における単なる観念としてあること。主観的構成によってのみある存在や性質を指す場合が多い。↔実在性↔現実性。 ⇒かん‐ねん【観念】 かんねん‐てき観念的クワン‥ ①観念に関すること。 ②現実を無視して抽象的・空想的に考えるさま。「―な論文」↔実践的。 ⇒かん‐ねん【観念】 かんねんてき‐きょうごう観念的競合クワン‥キヤウガフ 一個の行為が数個の罪名に当たる場合をいう。そのうちの最も重い刑で処罰される。警察官に傷害を加えてその職務執行を妨害する行為が、傷害罪と公務執行妨害罪に当たるなど。想像的競合。一所為数法。 ⇒かん‐ねん【観念】 かんねん‐ねんぶつ観念念仏クワン‥ 心に阿弥陀仏を観察・想念すること。↔口称くしょう念仏。 ⇒かん‐ねん【観念】

かんにん‐ぶん【堪忍分】🔗🔉

かんにん‐ぶん堪忍分(→)堪忍領に同じ。 ⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐まけ【堪忍負け】🔗🔉

かんにん‐まけ堪忍負け】 堪忍をしきれないこと。 ⇒かん‐にん【堪忍】

かんにん‐りょう【堪忍領】‥リヤウ🔗🔉

かんにん‐りょう堪忍領‥リヤウ 武家で客分の士または討死した臣下の遺族などに給与する禄。堪忍料。堪忍分。 ⇒かん‐にん【堪忍】

かん‐のう【堪能】🔗🔉

かん‐のう堪能】 ①〔仏〕忍耐力。よくものに耐える力があること。 ②深くその道に達して上手なこと。また、その人。保元物語「―の人々をめし撰びて、臨時に御会ごかいあり」 →たんのう

かん‐ぴ【堪否】🔗🔉

かん‐ぴ堪否】 堪能なことと堪能でないこと。かんぷ。

かん‐ぷ【堪否】🔗🔉

かん‐ぷ堪否(→)「かんぴ」に同じ。保元物語(金刀比羅本)「且は器量の―にしたがひ、且は外戚の尊卑による事ぞかし」

こた・う【堪ふ】コタフ🔗🔉

こた・う堪ふコタフ 〔自下二〕 ⇒こたえる(下一)

こたえ【堪え】コタヘ🔗🔉

こたえ堪えコタヘ こらえること。耐えること。

こたえ‐られ‐ない【堪えられない】コタヘ‥🔗🔉

こたえ‐られ‐ない堪えられないコタヘ‥ 我慢しきれない。転じて、大変こころよい。たまらなくよい。島崎藤村、夜明け前「塩烏賊のおろしあへと来ては―」

こた・える【堪える】コタヘル🔗🔉

こた・える堪えるコタヘル 〔自下一〕[文]こた・ふ(下二) (室町時代頃からヤ行に活用した例もある)(応ずる意から転じて) ①堪える。こらえる。忍ぶ。我慢する。隆房卿艶詞「声をだに聞かずは、中々思ひを―・ふる事はありもやせんとおぼえて」。甲陽軍鑑9「ぬるき風呂に入りつけたる人は、熱風呂少しも―・ゆることならざる如くに」 ②その状態を維持しつづける。保つ。太閤記7「百年は―・へ侍る由なりければ」。 ▷現代では多く他の動詞の連用形に付けて用いる。「注射で命を持ち―・える」

こら・う【堪ふ】コラフ🔗🔉

こら・う堪ふコラフ 〔他下二〕 ⇒こらえる(下一)

こらえ‐しょう【堪え性】コラヘシヤウ🔗🔉

こらえ‐しょう堪え性コラヘシヤウ がまんのできる性分。「―がない」 ⇒こらえ【堪え・怺え】

こらえ‐じょう【堪え情】コラヘジヤウ🔗🔉

こらえ‐じょう堪え情コラヘジヤウ たえ忍ぶ意地。忍耐力。 ⇒こらえ【堪え・怺え】

こらえ‐ぜい【堪え精】コラヘ‥🔗🔉

こらえ‐ぜい堪え精コラヘ‥ こらえる気力。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「母は涙の―尽き果ててわつと泣き」 ⇒こらえ【堪え・怺え】

こらえ‐ば【堪え場】コラヘ‥🔗🔉

こらえ‐ば堪え場コラヘ‥ ①持ちこたえるべき場所。敵の攻撃を食い止めるべき場所。太平記20「北国の勢を待つまでの―もなかりければ」 ②がまんのしどころ。 ⇒こらえ【堪え・怺え】

こらえ‐ぶくろ【堪え袋】コラヘ‥🔗🔉

こらえ‐ぶくろ堪え袋コラヘ‥ (→)「かんにんぶくろ」に同じ。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「―ふつつりと緒が切れた」 ⇒こらえ【堪え・怺え】

こら・える【堪える・怺える】コラヘル🔗🔉

こら・える堪える・怺えるコラヘル 〔他下一〕[文]こら・ふ(下二) ①たえしのぶ。がまんする。辛抱する。古今著聞集2「その香はなはだくさくして、少しもたへ―・ふべくもなし」。「笑いを―・える」 ②もちこたえる。保元物語(金刀比羅本)「鎧は―・へたりけるか」。「土俵際で―・える」 ③勘弁する。「今度だけは―・えてやる」

こら‐や【堪や】🔗🔉

こら‐や堪や】 (コラヘヤレの転)堪忍してくれろ。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「おおあやまつた――」

た・う【堪ふ・耐ふ】タフ🔗🔉

た・う堪ふ・耐ふタフ 〔自下二〕 ⇒たえる(下一)

たえ‐がた・い【堪え難い・耐え難い】タヘ‥🔗🔉

たえ‐がた・い堪え難い・耐え難いタヘ‥ 〔形〕[文]たへがた・し(ク) 我慢できない。辛抱ができない。万葉集4「一日だに君いし無くは―・きかも」。「―・い屈辱」

たえ‐か・ねる【堪え兼ねる】タヘ‥🔗🔉

たえ‐か・ねる堪え兼ねるタヘ‥ 〔自下一〕[文]たへか・ぬ(下二) こらえきれない。辛抱しかねる。

たえ‐しの・ぶ【堪え忍ぶ・耐え忍ぶ】タヘ‥🔗🔉

たえ‐しの・ぶ堪え忍ぶ・耐え忍ぶタヘ‥ 〔他五〕 つらさや苦しさをこらえる。じっと我慢する。辛抱する。「苦労を―・ぶ」

た・える【堪える・耐える】タヘル🔗🔉

た・える堪える・耐えるタヘル 〔自下一〕[文]た・ふ(下二) ①力いっぱいこらえる。じっと我慢をする。万葉集10「―・へぬ心になほ恋ひにけり」。源氏物語桐壺「げにえ―・ふまじく泣い給ふ」。天草本平家物語「暑さも―・へがたいによつて」。「苦痛に―・える」 ②(ある事に)当たることができる。源氏物語東屋「人の後見と頼み聞こえむに―・へ給へる御覚えをえらび申して」 ③持ちこたえる。源氏物語夕顔「命さへ―・へ給はずなりにしのち」。「この時計は10年間の使用に―・える」 ④それをするだけの価値がある。「一読に―・える」「見るに―・えない」 ⑤力量がある。堪能である。すぐれる。無名抄「歌の道その身に―・へたることなれば」 ◇4は、ふつう「堪」を使う。

たまら‐ない【堪らない】🔗🔉

たまら‐ない堪らない】 ①(現状を)保てない。ひどいことになる。「その泥じゃ靴が―」「階段を転げ落ちたものだから―、大怪我をした」 ②たえられない。我慢できない。やりきれない。「この暑さでは―な」 ③こたえられないほどよい。「湯上りにビールときては―」 ④(「…て―」の形で)程度のはなはだしいさま。ひどく…である。「かわいくて―」「うれしくて―」

たまり‐か・ねる【堪り兼ねる】🔗🔉

たまり‐か・ねる堪り兼ねる】 〔自下一〕[文]たまりか・ぬ(下二) こらえきれない。がまんができない。忍耐がしきれない。「―・ねて逃げ出す」

たま・る【溜まる】🔗🔉

たま・る溜まる】 〔自五〕 同質のものが一所ひとところに次第に集まり止まってじっとしている意。 ①流れ集まる。水が一所にとどまる。古事記「水―・る依網よさみの池の」。万葉集16「ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に―・れる水の玉に似たる見む」。宇治拾遺物語15「ただ車の輪跡のくぼみたる所に―・りたる少水に、鮒一つふためく」 ②集まりとどまる。つもる。源氏物語総角「かひなを枕にて寝給へるに、御ぐしの―・りたる程などありがたくうつくしげなるを」。「雪が―・る」 ③物がある場所にとまる。停止する。後撰和歌集「散るとみて袖に受くれど―・らぬは荒れたる浪の花にぞありける」。傾城禁短気「御自分にはよくよく深う申し交されました証拠には子まで―・る程のお中、他にさし置かるるは御無念にござらう」 ④(「堪る」と宛てる) ㋐こらえささえる。こらえたもつ。防ぐ。拾遺和歌集「秋霧の峰にも尾にも立つ山は紅葉の錦―・らざりけり」。平家物語10「伊賀・伊勢両国の官兵等しばしも―・らず攻め落さる」。天草本平家物語「簾たえ、閨ねやあらはで雨風―・るべうもなかつた」 ㋑こらえきれる。がまんができる。日葡辞書「タマラヌヨイ、また、ワルイヒトデゴザル」→たまらない。 ⑤ふえる。多くなる。「金が―・る」「仕事が―・る」

たんこう‐のうりょく【堪航能力】‥カウ‥🔗🔉

たんこう‐のうりょく堪航能力‥カウ‥ 船舶が安全に航海できる能力。船舶の根本的要素の一つをなす。耐航性。

たんの【堪能】🔗🔉

たんの堪能⇒たんのう。日本永代蔵4「乞食の―する程銭取らせし人なかりき」

たんのう【堪能】🔗🔉

たんのう堪能】 (足リヌの音便足ンヌの転訛。「堪能」は当て字。「堪納タンナフ」とも当てた) ①十分にみちること。あきたりること。また、気のすむようにすること。狂言、悪太郎「人に酒を盛るならば、―するほど振舞ひはせいで」。「十分に―した」 ②(堪能かんのうと混同した用法)技能に長けていること。「書に―な人」

[漢]堪🔗🔉

 字形  筆順 〔土部9画/12画/常用/2014・342E〕 〔音〕カン(漢) タン(慣) 〔訓〕える・こらえる・たまる [意味] ①たえる。こらえる。がまんする。「堪忍」 ②うちかつ。すぐれる。「堪能・不堪」 [解字] 形声。「土」+音符「甚」(=つき出る)。高く突き出た土地、分厚く重い山の意。転じて、その重さにたえる意。

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