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いく【幾】🔗🔉

いく】 〔接頭〕 ①数量・程度のわからぬ意をあらわす。「―たび」 ②数の多い意をあらわす。「―千夜」

いく‐いく【幾幾】🔗🔉

いく‐いく幾幾】 〔副〕 いくつもいくつも。宇治拾遺物語2「白米十石をおものにして…―と置きて食はせさせ給ひければ」

いく‐え【幾重】‥ヘ🔗🔉

いく‐え幾重‥ヘ 幾つかのかさなり。多くのかさなり。いくじゅう。 ⇒いくえ‐にも【幾重にも】

いくえ‐にも【幾重にも】‥ヘ‥🔗🔉

いくえ‐にも幾重にも‥ヘ‥ 〔副〕 (相手に対し、ひたすら願う気持を表す)くりかえし。かえすがえすも。ひたすら。「―お詫び申し上げます」 ⇒いく‐え【幾重】

いく‐か【幾日】🔗🔉

いく‐か幾日】 いくにち。

いく‐かえり【幾返り】‥カヘリ🔗🔉

いく‐かえり幾返り‥カヘリ いくたび。いくへん。源氏物語松風「―行きかふ秋をすぐしつつ」

いく‐じ【幾時】🔗🔉

いく‐じ幾時】 ①何時。 ②多くの時。

いく‐しお【幾入】‥シホ🔗🔉

いく‐しお幾入‥シホ 布を幾度か染めること。蜻蛉日記「露にのみ色もえぬればことのはを―とかは知るべかるらん」

いく‐しも【幾霜】🔗🔉

いく‐しも幾霜】 幾年も霜を受けること。何年もの年月。「―に心ばせをの松かざり」(芭蕉)

いく‐せ【幾瀬】🔗🔉

いく‐せ幾瀬】 ①幾つかの瀬。金葉和歌集「―を過ぎて思ひ出づらむ」 ②どれほど。多く。かずかず。狂言、千鳥「酒屋へ行かうと思へば―の物案じをする事ぢや」

いく‐せいそう【幾星霜】‥サウ🔗🔉

いく‐せいそう幾星霜‥サウ 長い年月。いくとしつき。二葉亭四迷、平凡「父母ちちははも其跡を追うて此墓の下に埋うずまつてから既に―を経てゐる」

いく‐そ【幾そ】🔗🔉

いく‐そ幾そ】 (ソは十で、幾十の意か)どのくらい。また、数の多いこと。拾遺和歌集「―の人のかげを見つらむ」 ⇒いくそ‐たび【幾そ度】 ⇒いくそ‐ばく【幾そ許】

いくそ‐たび【幾そ度】🔗🔉

いくそ‐たび幾そ度】 いくたび。なんべん。また、度数の多いこと。伊勢物語「―行きかへるらむ知る人もなみ」 ⇒いく‐そ【幾そ】

いくそ‐ばく【幾そ許】🔗🔉

いくそ‐ばく幾そ許】 どのくらい。どれほど。古今和歌集物名「―我がうしとかは思ふ」 ⇒いく‐そ【幾そ】

いく‐た【幾多】🔗🔉

いく‐た幾多】 〔名・副〕 数多いこと。あまた。「―の苦難」

いく‐だ【幾何・幾許】🔗🔉

いく‐だ幾何・幾許】 〔副〕 (助詞「も」を付けて打消に用いることが多い)いくら。どれほど。なにほど。万葉集5「さ寝し夜の―もあらねば」

いく‐たび【幾度】🔗🔉

いく‐たび幾度】 ①なんど。いくど。雄略紀(前田本)院政期点「幾廻イクタヒか喚しし」 ②数えられぬほどたくさん。たびたび。「―も噴火をくりかえす」

いく‐たり【幾人】🔗🔉

いく‐たり幾人】 ①どれほどの人。何人。 ②多くの人。

いく‐ちよ【幾千代】🔗🔉

いく‐ちよ幾千代】 どれほどの代。多くの代。元輔集「今―か子の日すごさむ」

いく‐ちよ【幾千夜】🔗🔉

いく‐ちよ幾千夜】 どれほどの夜。多くの夜。拾遺和歌集「―寝てか恋のさむべき」

いく‐つ【幾つ】🔗🔉

いく‐つ幾つ】 (ツは接尾語)不定の数を表す語。 ①不定個数をいい、また個数を問うのに使う。どのくらいの数。人の年齢を問うのにも使う。源氏物語夕顔「国の物語など申すに、湯桁ゆげたは―と問はまほしくおぼせど」「年は―にか、ものし給ひし」。「―買ったか」 ②多くの数であることを示すのに使う。「―になっても子供だ」「橋が―もかかっている」

いく‐ど【幾度】🔗🔉

いく‐ど幾度】 いくたび。なんべん。なんど。「―となく念を押した」

いく‐とせ【幾年】🔗🔉

いく‐とせ幾年】 年数を問う語。どれほどの年。また、多くの年。いくねん。狭衣物語1「―を限りに、生ひゆかむとすらむ」。「国を出てからはや―」

いく‐にち【幾日】🔗🔉

いく‐にち幾日】 ①日数を問う語。どれほどの日数。また、多くの日。「出かけてから―も経った」 ②月のどの日。なんにち。「帰国は3月―ですか」

いくば‐く【幾何・幾許】🔗🔉

いくば‐く幾何・幾許】 ①どれほど。どんなに多く。万葉集8「わが背児せこと二人見ませば―かこの降る雪の嬉しからまし」 ②(「も」を伴い、否定・反語に用いる)なにほども。万葉集11「―も降らぬ雨ゆゑ」。「余命―もない」 ⇒いくばく‐も‐なく【幾許も無く】

いくばく‐も‐なく【幾許も無く】🔗🔉

いくばく‐も‐なく幾許も無く】 まもなく。程なく。やがて。 ⇒いくば‐く【幾何・幾許】

いく‐はな【幾端】🔗🔉

いく‐はな幾端】 (上方語)幾組。何組。

いく‐ひさしく【幾久しく】🔗🔉

いく‐ひさしく幾久しく】 〔副〕 (挨拶・手紙文などで用いる)いついつまでも。末永く。

いく‐ぶん【幾分】🔗🔉

いく‐ぶん幾分】 ①いくつかの部分に分けたうちの一部分。「財産の―かを寄付する」 ②(副詞的に)いくらか。ある程度。少し。「―涼しくなった」

いく‐へん【幾遍】🔗🔉

いく‐へん幾遍】 いくたび。なんべん。

いく‐ほど【幾程】🔗🔉

いく‐ほど幾程】 どれほど。何程。謡曲、松風「―もなく世を早う去り給ひぬ」

いく‐むかし【幾昔】🔗🔉

いく‐むかし幾昔】 どれほどの昔。多くの年月を経た昔。夫木和歌抄6「かきつばた―をか隔てきぬらむ」

いく‐よ【幾世・幾代】🔗🔉

いく‐よ幾世・幾代】 どれほどの時代。多くの時代。

いく‐よ【幾夜】🔗🔉

いく‐よ幾夜】 どれほどの夜。多くの夜。

いくよ‐もち【幾世餅】🔗🔉

いくよ‐もち幾世餅】 切り餅をあぶって小豆餡あずきあんをつけたもの。元禄(1688〜1704)の頃、江戸両国の小松屋喜兵衛が妻幾世の名を付けて売り出し評判となった。

いく‐ら【幾ら】🔗🔉

いく‐ら幾ら】 (ラは接尾語)不定の度合・分量を表す語。どれほど。 ①不定量や不定の度合を言い、また、量・程度を問うのに使う。「―か分からない」「―払えばよいか」 ②仮定または推量の言い方を伴って、量が多くまたは程度が甚だしい意を表す。「―利口でも」「―あっても足りない」「此処で人が―死んだことだろう」 →いくらも⇒いくら‐か【幾らか】 ⇒いくら‐とも‐なく【幾らとも無く】 ⇒いくら‐なんでも【幾ら何でも】 ⇒いくら‐も【幾らも】

いくら‐か【幾らか】🔗🔉

いくら‐か幾らか】 ①そう多くない程度の量。少量。わずか。「全体の―を割く」 ②(副詞的に)少しばかり。幾分か。「―暖かくなった」 ⇒いく‐ら【幾ら】

いくら‐とも‐なく【幾らとも無く】🔗🔉

いくら‐とも‐なく幾らとも無く】 数多く。十訓抄「御ふところより櫛を―とり出でて」 ⇒いく‐ら【幾ら】

いくら‐なんでも【幾ら何でも】🔗🔉

いくら‐なんでも幾ら何でも】 どのような事情があるとしても。どのような点から考えてみても。「―遅すぎる」 ⇒いく‐ら【幾ら】

いくら‐も【幾らも】🔗🔉

いくら‐も幾らも】 ①いくつも。たくさん。平家物語7「かの巻物のうちにさりぬべき歌―ありけれども」 ②(否定の意の語を伴って)たいして。それほど。万葉集17「年月も―あらぬに」。「一年に―できない」 ⇒いく‐ら【幾ら】

き‐か【幾何】🔗🔉

き‐か幾何(→)幾何学きかがくの略。

きか‐いせい【幾何異性】🔗🔉

きか‐いせい幾何異性】 (geometrical isomerism)有機化合物では、炭素‐炭素、炭素‐窒素あるいは窒素‐窒素二重結合の両側についている置換基の位置の関係により生じる異性。同種または類似の基が二重結合に対して同じ側にくるものをシス異性体、反対側にくるものをトランス異性体という。六配位八面体形錯体および四配位平面四角形錯体では同種または類似の二つの配位子が隣り合っているものをシス異性体、離れているものをトランス異性体という。→シス‐トランス異性

きか‐がく【幾何学】🔗🔉

きか‐がく幾何学】 (geometry)数学の一部門。物の形・大きさ・位置、その他一般に空間に関する性質を研究する学問。その方法・対象・公理系の異なる種々の分科がある。 ⇒きかがく‐げんろん【幾何学原論】 ⇒きかがくてき‐せいしん【幾何学的精神】 ⇒きかがくてき‐もよう【幾何学的模様】 ⇒きかがく‐ようしき【幾何学様式】

きかがく‐げんろん【幾何学原論】🔗🔉

きかがく‐げんろん幾何学原論】 ユークリッドの(→)「ストイケイア」のこと。 ⇒きか‐がく【幾何学】

きかがくてき‐せいしん【幾何学的精神】🔗🔉

きかがくてき‐せいしん幾何学的精神】 (esprit géométrique フランス)パスカルの語で、人間精神の一類型。幾何学のように公理から定理を演繹する論証的・合理的な認識を行う精神態度。↔繊細の精神。 ⇒きか‐がく【幾何学】

きかがくてき‐もよう【幾何学的模様】‥ヤウ🔗🔉

きかがくてき‐もよう幾何学的模様‥ヤウ 方形・三角形・菱形・多角形・円形などを組み合わせた模様。幾何模様。 ⇒きか‐がく【幾何学】

きかがく‐ようしき【幾何学様式】‥ヤウ‥🔗🔉

きかがく‐ようしき幾何学様式‥ヤウ‥ (geometric style)紀元前1050年頃から前700年頃にわたる古代ギリシアの美術様式。壺の装飾に動物とならんで、あるいは単独に直線的な幾何学的模様をほどこす様式。 ⇒きか‐がく【幾何学】

きか‐がほう【幾何画法】‥グワハフ🔗🔉

きか‐がほう幾何画法‥グワハフ 定規やコンパスなどの製図道具を使って幾何学的に作成する画法。

きか‐きゅうすう【幾何級数】‥キフ‥🔗🔉

きか‐きゅうすう幾何級数‥キフ‥ (→)等比級数に同じ。↔算術級数。 ⇒きかきゅうすう‐てき【幾何級数的】

きかきゅうすう‐てき【幾何級数的】‥キフ‥🔗🔉

きかきゅうすう‐てき幾何級数的‥キフ‥ ある事柄が、幾何級数のように何倍かずつ増えていくこと。増加が急激なさま。 ⇒きか‐きゅうすう【幾何級数】

きかげんぽん【幾何原本】🔗🔉

きかげんぽん幾何原本】 ユークリッドの著「ストイケイア」の前半の漢訳。マテオ=リッチが口訳、徐光啓がそれを完全な漢文に直し、多くの中国人に珍重された。

きか‐こうがく【幾何光学】‥クワウ‥🔗🔉

きか‐こうがく幾何光学‥クワウ‥ 物理学の一部門。光の道筋を線としてとらえ、反射と屈折の法則を基礎として、レンズや鏡からなる光学系を通る光線の性質を幾何学的に研究する。光の波長が光学系の大きさに比べて十分に小さい時に成り立つ法則を扱う。

きか‐すうれつ【幾何数列】🔗🔉

きか‐すうれつ幾何数列(→)等比数列のこと。

きか‐ちゅうこう【幾何中項】‥カウ🔗🔉

きか‐ちゅうこう幾何中項‥カウ (→)比例中項に同じ。 ○気が散るきがちる 気持が一つのことに集中できない。散漫になる。「気が散って勉強できない」 ⇒き【気】

きか‐へいきん【幾何平均】🔗🔉

きか‐へいきん幾何平均(→)相乗平均に同じ。↔算術平均 ○気が減るきがへる ①気がもめる。やきもきする。 ②気がめいる。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「今宵ぎりぞと気もへりて」 ⇒き【気】

きか‐もよう【幾何模様】‥ヤウ🔗🔉

きか‐もよう幾何模様‥ヤウ (→)幾何学的模様に同じ。 ○気が休まるきがやすまる ほっとして、気持が落ち着く。「忙しくて―時がない」 ⇒き【気】

き‐かん【幾諫】🔗🔉

き‐かん幾諫】 [論語里仁「父母に事つかうるには幾いくばくか諫いさむ」]相手の怒りに触れないようにそれとなく遠回しにいさめること。

き‐ぼう【幾望】‥バウ🔗🔉

き‐ぼう幾望‥バウ (幾ほとんど望もち、すなわち満月に近い意)陰暦14日の夜。また、その夜の月。

こき‐し【幾許】🔗🔉

こき‐し幾許】 〔副〕 たくさん。古事記「たちそばの実の無けくを―ひゑね」

こき‐だ【幾許】🔗🔉

こき‐だ幾許】 〔副〕 多く。たくさん。ここだ。古事記「実の多けくを―ひゑね」

こきだ‐く【幾許く】🔗🔉

こきだ‐く幾許く】 〔副〕 甚だしく。たくさん。ここだく。万葉集2「野辺行く道は―も繁しじに荒れたるか」

こきだ・し【幾許し】🔗🔉

こきだ・し幾許し】 〔形シク〕 甚だしい。たくさんである。続日本紀10「―・しきおほき天の下のことをや」

こきば‐く【幾許く】🔗🔉

こきば‐く幾許く】 〔副〕 甚だしく。たいそう。万葉集20「―もゆたけきかも」

こくば‐く【幾許く】🔗🔉

こくば‐く幾許く】 〔副〕 (→)「ここばく」に同じ。宇津保物語初秋「―の年ごろの中に」

ここ‐だ【幾許】🔗🔉

ここ‐だ幾許】 〔副〕 こんなに多く。こんなに甚だしく。ここだく。万葉集14「なにぞこの児の―かなしき」

ここだ‐く【幾許く】🔗🔉

ここだ‐く幾許く】 〔副〕 (→)「ここだ」に同じ。 ○此処だけの話ここだけのはなし 他の所で話しては困る秘密の話。 ⇒こ‐こ【此処・此所・此・是・玆・斯】

ここ‐ば【幾許】🔗🔉

ここ‐ば幾許】 〔副〕 こんなに多く。こんなに甚だしく。ここだ。万葉集14「心にのりて―かなしけ」 ○此処ばかりに日は照らぬここばかりにひはてらぬ この場所にだけよいことがあるわけではない。世間いたる所に生活の道はある。浄瑠璃、釈迦如来誕生会「後生を知らぬ邪見の家、ここばかりには日が照るか、世界に主には事欠かぬ」 ⇒こ‐こ【此処・此所・此・是・玆・斯】

ここば‐く【幾許く】🔗🔉

ここば‐く幾許く】 〔副〕 (→)「ここば」に同じ。

ここ‐ら【幾許】🔗🔉

ここ‐ら幾許】 〔副〕 こんなに甚だしく。こんなに多く。ここだ。古今和歌集「こづたへばをのがは風にちる花を誰におほせて―なくらむ」

ほと‐ほと【殆・幾】🔗🔉

ほと‐ほと殆・幾】 〔副〕 ①今少しで。すんでのことで。万葉集8「見せず―散らしつるかも」 ②大体。ほとんど。源氏物語東屋「声など―うちゆがみぬべく」 ③非常に。本当に。「―困った」「―あきれた」

ほと‐ほと・し【殆し・幾し】🔗🔉

ほと‐ほと・し殆し・幾し】 〔形シク〕 ①ほとんど…しそうだ。すんでのところで…である。万葉集7「神の祝はふりが鎮斎いつく杉原薪伐り―・しくに手斧取らえぬ」。土佐日記「漕げども漕げどもしりへしぞきにしぞきて―・しくうちはめつべし」 ②もう少しで死にそうである。宇治拾遺物語7「―・しきさまに見ゆれば誠に騒ぎまどひて」 ③きわめて危うい。源氏物語「かぞへの頭かみが―・しかりけむ」

ほとんど【殆ど・幾ど】🔗🔉

ほとんど殆ど・幾ど】 〔名・副〕 (ホトホトの転) ①大方。大略。「―が賛成だ」「雨は―止んでいる」 ②今少しで。すんでのことで。「―轢かれるところだった」

[漢]幾🔗🔉

 字形  筆順 〔幺部9画/12画/常用/2086・3476〕 [] 字形 〔幺部9画/12画〕 〔音〕(呉)(漢) 〔訓〕いく (名)ちか・ちかし [意味] ①いくつ。いくら。「幾人いくにん・幾何いくばく・幾分いくぶん」 ②ちかい。ほとんど。「幾殆きたい」 ③こいねがう。「庶幾」 [解字] 会意。「」(=細い糸。わずか)+「戈」(=ほこ)+「人」。ほこの刃があとわずかで人に届く意。転じて、ほとんど近い、近づくように願う、の意を表す。

[漢]幾🔗🔉

 〔戈部8画〕 ⇒幺部

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