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あた・る【当たる・中る】🔗🔉

あた・る当たる・中る】 〔自五〕 対象に向かって直進し、対象がそれに対応するショックや反応をおこすような作用をいう。 ➊直進して対象に到達する。 ①(目標や急所などに)ぶつかる。命中する。古今和歌集物名「梶に―・る浪」。大鏡道長「この矢―・れ」。「的に―・る」 ②(局所などに)接触する。くっつく。今昔物語集30「髪をさぐれば…ひややかにて―・る」。新内節、道中膝栗毛「額に三角な紙が―・つてあり」。「継ぎの―・ったズボン」 ③光がまともに差しつける。更級日記「月の洩り来て、ちごの顔に―・りたるが」。「日が―・る」 ④(ある態度で)人と接触する。後世では、ひどく扱う場合にいうことが多い。今昔物語集3「その人の為に太子、ねんごろに―・り給ふことあれども」。「疲れて家族に―・る」 ⑤物事に探りを入れる。また、ためしにぶつかってみる。狂言、末広がり「田舎者と見えて、何やらわつぱと申す。ちと―・つて見うと存ずる」。「心あたりを―・る」 ⑥照合して確かめる。「品物の値段を―・る」「辞書に―・る」 ⑦野球で打者がヒットを打つ。「4番打者が―・っている」 ⑧とがめだてをする。玉塵抄5「告げぬほどに―・つて酒(罰杯)をくれたぞ」 ⑨釣りで、魚がえさに食いついたという感触がある。 ➋直進作用をまともに身に受ける。 ①(光・風・熱などを)身に受ける。身をさらす。古今和歌集「春の日の光に―・る我なれど」。徒然草「風に―・り、湿に臥して」。曠野「縫物をたたみて―・る火燵かな」(落梧)。「火に―・るな、陽に―・れ」 ②(役目や割当てなどを)引き受けて行う。担当する。また、割り当てられる。源氏物語梅枝「いと苦しき判者にも―・りて侍るかな」。「調停に―・る」 ③事件・不幸・罪などに直面する。宇津保物語国譲中「さる禍になむ―・りて侍りし」。源氏物語須磨「かく思ひかけぬ罪に―・り侍るも」 ④飲食物や暑気・寒気がからだにさわる。毒気・悪気の害を身に受ける。浄瑠璃、心中重井筒「この頃酒が―・つて」。「暑さに―・る」「ふぐに―・る」 ➌物事と他の物事とがぴったり相対応する。 ①(勢いが)匹敵する。はりあう。神武紀「敢へて―・るまじきことを懼ぢて」 ②(他からの刺激に)まともに反応する。思いあたる。徒然草「折からの、思ひかけぬ心地して、胸に―・りけるにや」 ③(そういう関係・順位・資格・価値などに)相当する。宇津保物語藤原君「左大臣殿の三郎に―・り給ふ実忠といふ宰相にて」。中華若木詩抄「人が文章は一銭にも―・らぬと言ふ」。「おばに―・る人」「失礼に―・る」 ④ちょうどその方向・時期にある。該当する。宇津保物語楼上下「七日の月…かの楼の上と思しきに―・りて輝く」。源氏物語総角「三日に―・る夜、餅もちいなむまゐる」。「引退に―・っての所感」「北東に―・る方角」 ⑤(基準・道理または事実に)かなう。合致する。また、的中する。玉塵抄14「威儀の振舞、なりかかりの法度はっとに―・りかなうた」。「その非難は―・らない」「予言が―・る」 ⑥(願望などが)期待通りになる。(物事が)うまくゆく。夫木和歌抄32「うちたえて―・らぬ恋に病やまふ頃かな」。日葡辞書「クジガアタル」。「興行が―・る」「企画が―・る」 ⑦対戦相手としてめぐり合う。「初日に横綱に―・る」 ⑧(否定表現を伴って、「…に適合しない」の意から)…するには及ばない。「遠慮するには―・らない」 ➍(忌詞) ①果実などがいたむ。「蜜柑が―・る」 ②(他動詞的に使って)剃る。擂る。商家で「する」「そる」というのを嫌っていう。「顔を―・る」 ◇広く一般には「当」、命中する・体に障るなどの場合に「中」を使うことがある。 ⇒当たって砕けよ ⇒当たらず障らず ⇒中らずと雖も遠からず ⇒当たるも八卦当たらぬも八卦 ⇒当たるを幸い

○当たるも八卦当たらぬも八卦あたるもはっけあたらぬもはっけ🔗🔉

○当たるも八卦当たらぬも八卦あたるもはっけあたらぬもはっけ うらないは当りもするしはずれもする。 ⇒あた・る【当たる・中る】

○当たるを幸いあたるをさいわい🔗🔉

○当たるを幸いあたるをさいわい 手あたり次第に。 ⇒あた・る【当たる・中る】 あだ‐わざ徒業】 むだなこと。また、浮気な行い。 あたわ‐ず能わずアタハ‥ (動詞アタウの未然形に打消の助動詞ズが付いた形)…することができない。「得ること―」

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