へん【篇】 (竹簡をつづり合わせたものの意。「編」でも代用) ①首尾の整った詩歌や文章。 ②一つづりになっている書物。 ③書物の部分け。書籍の大きく分けたそれぞれの部分。「前篇_ぜんぺん」 ④詩や文章などを数える語。「随筆3―」

へん‐しゅ【篇首・編首】 一編の詩歌・文章のはじめ。編章のはじめ。

へん‐じゅう【篇什】_‥ジフ (「什」は十の意。詩経の雅と頌とが十篇を1巻としたからいう)詩を集めたもの。詩篇。詩。

へん‐しょう【篇章・編章】_‥シヤウ 詩文の篇と章。文章上、句の重なったものを章といい、章の重なったもの即ち篇をもって首尾完結する。転じて、文章、詩文。

へん‐ちつ【篇帙】 ①書冊をおおう帙。 ②転じて、書籍。冊子。

へん‐な・い【篇無い】 〔形〕 つまらない。甲斐_かいがない。閑吟集「うらみつつ吹けども―・いものは尺八ぢや」

へん‐び【編尾・篇尾】 一編のおわり。編末。

へん‐もく【編目・篇目】 ①書籍などの編章の題目。 ②箇条_かじょう。箇条書。 ③法令。おきて。 ④効果。史記抄「かかる―もないことをしたぞ」 ⑤喧嘩・紛争の訴訟や交渉。〈日葡辞書〉

篇　字形 〔竹部9画／15画／4251・4A53〕 〔音〕ヘン(呉)(漢) [意味] ①一つづりの書物。一つにまとまった詩歌・文章。「篇帙_へんちつ・篇什_{へんじゅう}・短篇・詩篇・雄篇」 ②書物の部分け。「初篇・続篇・篇章・篇首」「三篇から成る論文」 [解字] 形声。「竹」＋音符「扁」（＝戸籍などを記すひらたい札）。文字を記す竹簡の意。 ▷現代表記では「編」と書く。 [下ﾂｷ 詩篇・小篇・掌篇・正篇・前篇・千篇一律・続篇・短篇・断篇・中篇・長篇・雄篇