あげ【上げ】 上げること。「箸（はし）の―下ろし」「値―」

あげ【揚げ】 (１)丈や裄（ゆき）の長い着物の肩や腰で，余分を畳んで縫い上げておくこと。また，その部分。ぬいあげ。「―をおろす」 (２)油で揚げること。また，揚げたもの。「さつま―」 (３)油揚げ。

あげあし【上げ足・揚げ足・挙げ足】 (１)あげた足。 (２)取引で，相場が上がっていくこと。⇔下げ足

あげあしとり【揚げ足取り】 あげあしを取ること。

あげあぶら【揚げ油】 揚げ物に使う食用油。サラダ油・大豆油・菜種油・ごま油など。

あげいし【上げ石】 囲碁で，攻め取って盤面から取り除いた相手の石。あげはま。はま。

あげいた【上げ板・揚げ板】 床板を自由に取りはずせるようにしたもの。上げ蓋（ぶた）。

アゲーン【again】 〔再びの意。アゲインとも〕 テニスなどで，ジュースを繰り返すこと。ジュース-アゲーン。

あげお【上尾】 埼玉県中部の市。近世，中山道の宿場町・市場町。第二次大戦後は工場進出で都市化が進む。

あげおろし【上げ下ろし・揚げ卸し】 物をあげたり，おろしたりすること。あげさげ。「箸の―にも文句を言う」

あげく【挙げ句・揚げ句】 〔_(２)が原義〕 (１)いろいろやった結果。挙げ句の果て。「苦労した―がこの始末だ」 (２)連歌・連句で，最後の句のこと。⇔発句（ほつく）

あけくれ【明け暮れ】 (１)そのことをして毎日を過ごすこと。「調査に―する」 (２)いつも。しじゅう。「―心にかけて」

あけく・れる【明け暮れる】 （動下一） その事をして毎日を過ごす。熱中する。「読書に―・れる」

あげさげ【上げ下げ】 (１)上げることと，下げること。 (２)ほめたり，けなしたりすること。「人を―する」

あげしお【上げ潮】 (１)満ちてくる潮。満ち潮。⇔下げ潮・引き潮 (２)物事の勢いが上向きであること。「―ムード」

あげず【上げず】 （連語） 間をおかないで。「三日に―やってくる」

あけすけ【明け透け】 隠さず，あけっぴろげなこと。「―にものを言う」

あげぜん【上げ膳】 調えた膳を客などに出すこと。また，その膳。「―据え膳」

あげぜんすえぜん【上げ膳据え膳】 何から何まで人の世話になって，自分では何もしなくてよいこと。

あげせんべい【揚げ煎餅】 米粉で作ったせんべいを油で揚げ，味つけしたもの。

あげぞこ【上げ底】 箱・桶（おけ）などの底を上げて作ったもの。また，見かけより中身の少ないもの。「―のみやげ物」

あげだい【揚げ代】 遊女・芸者などを呼んで遊ぶときの代金。玉代（ぎよくだい）。

あげだしどうふ【揚げ出し豆腐】 豆腐を軽く揚げて，薬味を加えただしをかけて食べる料理。あげだし。

あけたて【開け閉て】 戸などをあけたり，しめたりすること。あけしめ。

あげだま【揚げ玉】 (１)天ぷらを揚げた際にできるかす。天かす。 (２)丸い形のさつま揚げ。揚げボール。

あげち【上知・上地】 江戸時代，幕府が大名・旗本・御家人から，また大名が家臣から，それぞれの知行地を没収すること。また，その土地。じょうち。

あげちょう【揚げ超】 〔「引き揚げ超過」の略〕 財政資金の対民間収支において，政府が民間に支払う額より民間から受け入れる額の方が多い状態。民間の通貨量を減少させ，金融逼迫（ひつぱく）の要因となる。⇔散超

あげちれい【上知令】 1843 年，天保の改革の末期，老中水野忠邦が発令した江戸・大坂の近傍の私領の収公令。和歌山藩主をはじめ，大名・旗本の反対が強く，同年撤回。改革挫折（ざせつ）の直接的原因となった。

あげつら・う【論う】 （動五） ささいなことや人の欠点・短所などをことさらに言い立てる。「過去の失敗を―・う」

あげて【挙げて】 （副） すべて。のこらず。こぞって。「野党は―反対した」

あげどうふ【揚げ豆腐】 ⇒油揚げ

あげどこ【揚げ床・上げ床】 周囲の地面より高く設けた苗床。床土や堆肥（たいひ）などを盛り上げて作る。

あげに【揚げ煮】 煮崩れしやすい材料などを，いったん油で揚げてから煮る調理法。

あけの【明野】 茨城県西部，真壁（まかべ）郡の町。小貝川と桜川にはさまれた地域。

あげはちょう【揚羽蝶・鳳蝶】 (１)アゲハチョウ科に属するチョウの総称。アゲハ。 (２)_(１)の一種。開張 8〜12cm。はねはやや緑がかった淡黄色で，多くの黒い筋や斑点がある。幼虫は緑色の芋虫で，俗に「ゆずぼう」といい，カラタチ・ミカン・サンショウなどの葉を食う。アゲハ。ナミアゲハ。

あけはなし【明け放し・開け放し】 あけっぱなし。

あけはな・す【明け放す・開け放す】 （動五） 戸や窓をすっかり開ける。あけはらう。あけはなつ。

あけはな・つ【明け放つ・開け放つ】 （動五） あけはなす。

あげはま【揚げ浜】 (１)海面より高い所にあって，人力や機械力で海水を引き入れる方式の塩田。揚げ浜式塩田。⇔入り浜 (２)上げ石。

あげはもどき【揚羽擬】 アゲハモドキガ科のガ。開張約 6cm。黒色で後ろばねに小さい赤斑があり，クロアゲハに似る。昼間飛ぶ。

あげびたし【揚げ浸し】 材料を油で揚げ，熱いまま合わせ酢やだしに浸したもの。味がしみやすい。南蛮漬けなど。

あげふ【揚げ麩】 生麩（なまふ）を油で揚げたもの。

あげまい【上米】 1722 年，8 代将軍吉宗が，幕府の財政窮乏を救うため，諸大名に，1 万石につき 100 石の割合で毎年上納させた米。31 年に廃止。

あげまき【総角・揚巻】 (１)古代の少年の髪形。頭髪を中央から二分し，耳の上で輪の形に束ね，角のように結ったもの。また，その髪形の少年。角髪（つのがみ）。 (２)鎧（よろい）の背や兜（かぶと）の鉢の後ろの環につけた，揚巻結びの緒。 (３)海産の二枚貝。殻長約 10cm の，両端の開いた円筒形。水管は_(１)に似る。食用。アゲマキガイ。 (４)明治初期の女性の髪形。髪を全部頭頂にまとめて巻き込み，ピンでとめる。 (５)（「総角」と書く）源氏物語の巻名。第 47 帖。宇治十帖の一。

あげまき【揚巻】 歌舞伎「助六（すけろく）」で，助六の愛人である遊女の名。

あげまく【揚げ幕】 (１)能舞台で，橋懸（はしが）かりと鏡の間（ま）との境にある幕。切り幕。お幕。 (２)歌舞伎で，花道への出入り口の幕。

あげまつ【上松】 長野県木曾郡の町。中山道の宿駅の一。木曾谷の木材を集散し，製材業が盛ん。近くに奇勝寝覚（ねざめ）の床・木曾の桟（かけはし）跡がある。

あげもち【揚げ餅】 油で揚げた餅。

あげもの【揚げ物】 油で揚げた料理。

あげや【揚屋】 江戸時代，太夫（たゆう）・格子など上級の遊女を呼んで遊ぶ家。

あけゆ・く【明け行く】 （動五） 夜が次第に明けてゆく。

あけらかんこう【朱楽菅江】 （1738-1798） 江戸後期の狂歌師・川柳作者。江戸の人。本名，山崎景貫。通称，郷助。俳名貫立。号，淮南堂・朱楽館主人ほか。狂歌三大家の一。「故混馬鹿集」「絵本江戸爵」「狂歌大体」ほか。

アゲラタム【(ラ) Ageratum】 キク科の多年草。一年草として花壇で栽培。高さ約 30cm。夏から秋に紫色・白色などの小頭花をつける。カッコウアザミ。

あ・げる【上げる】 （動下一） (１)高い所へ移動する。「たんすを 2 階に―・げる」 (２)上の方へ動かす。「頭を―・げる」 (３)高くする。⇔さげる 「給料を―・げる」 (４)よくする。「料理の腕を―・げる」 (５)勢いやスピードを増す。「ピッチを―・げる」 (６)よい成果を出す。「利益を―・げる」 (７)「与える」「やる」の丁寧な言い方。 (８)屋外や土間から部屋へ入れる。「座敷に―・げる」 (９)入学させる。「大学に―・げる」 (１０)大きな声を発する。「悲鳴を―・げる」 (１１)胃から吐く。 (１２)神仏に供えたり，祈ったりする。 (１３)おえる。仕上げる。「仕事を今月中に―・げる」 (１４)済むようにする。まかなう。「総額 500 万円で―・げる」 (１５)潮が満ちて水位が上がる。 (１６)他の動詞の連用形に付いて，(ア)すっかり…する。「鍛え―・げた体」(イ)…し終える。「論文を書き―・げる」(ウ)はっきり…する。「原稿を読み―・げる」「欠点を数え―・げる」(エ)動作の受け手に対する尊敬の意を表す。「申し―・げる」「存じ―・げる」 (１７)（補助動詞） 「て」に付いて，その動作が受け手にとって恩恵となる言い方。「本を貸して―・げる」

あ・げる【挙げる】 （動下一） (１)手や腕を上の方へ動かす。⇔おろす (２)犯人をつかまえる。 (３)示す。「実例を―・げる」 (４)よい結果を出す。「好成績を―・げる」 (５)結婚式を行う。 (６)すべて出し尽くす。「全力を―・げる」 (７)兵を起こす。

あ・げる【揚げる】 （動下一） (１)調理のため油で加熱する。「フライを―・げる」 (２)地上から，高い所に移動させる。「花火を―・げる」 (３)水中から，船上や陸に移す。また，船から陸に移す。「荷を―・げる」 (４)芸者を宴席に呼ぶ。「芸者を―・げる」 (５)大きな声を発する。「歓声を―・げる」

あけわたし【明け渡し】 土地・建物などを，立ち退いて他人に委ねること。

あけわた・す【明け渡す】 （動五） 土地・建物などを，立ち退いて他人に渡す。

アゲンスト【against】 ゴルフなどで，向かい風のこと。