ゆめ【夢】 (１)睡眠時に生じる，ある程度の一貫性をもった幻覚体験。 (２)実現させたいと思い描く切なる願い。「子供に―を託す」 (３)実現の可能性のない空想。「―を追う」 (４)現実から遊離した甘美な環境。「新婚の―のような日々」 (５)心の迷い。迷夢。 (６)はかない物事。

ゆめ【努】 （副） （下に禁止の語句を伴って）けっして（…するな）。かならず。「―忘れるな」

ゆめうつつ【夢現つ】 (１)夢と現実。 (２)意識がぼんやりしていること。「―の状態」 (３)驚いたり，夢中になったりしてぼんやりしていること。「驚喜のあまり―となる」

ゆめうらない【夢占い】 夢の吉凶を占うこと。夢占。

ゆめがたり【夢語り】 (１)見た夢を物語ること。また，その物語。 (２)夢のようなとりとめのない話。

ゆめごこち【夢心地】 ぼんやりした心持ち。また，うっとりとした気持ち。

ゆめさき【夢前】 兵庫県中南部，飾磨（しかま）郡の町。姫路市の北に接する。北部に日本三彦山の一つの雪彦（せつぴこ）山がある。

ゆめじ【夢路】 (１)夢が経過してゆくさまを，道を行くのにみなしていう語。「―をたどる」 (２)夢の中。

ゆめどの【夢殿】 奈良県斑鳩（いかるが）町の法隆寺東院にある八角堂。739 年行信が造営。救世（ぐぜ）観音像を安置している。

ゆめにも【夢にも】 （副） 少しも。全然。「―思わない」

ゆめのうきはし【夢浮橋】 源氏物語の最後の巻名。出家した浮舟に対する薫の遂げられない愛を描く。

ゆめのきゅうさく【夢野久作】 （1889-1936） 小説家。福岡県生まれ。本名，杉山泰道。幻想的でデモーニッシュな世界を描く。作「押絵の奇蹟」「氷の涯」「ドグラ・マグラ」

ゆめのしま【夢の島】 東京湾の埋め立て地の通称。1957 年（昭和 32）から 67 年まで廃棄物で埋め立てられた「14 号地」をさす。その後引き続いて埋め立てられている「15 号地」は「新夢の島」と呼ばれている。

ゆめはんだん【夢判断】 (１)夢で吉凶を判断すること。夢判じ。 (２)精神分析で，見た夢を分析・解釈して，精神状態などを知る手がかりとすること。

ゆめはんだん【夢判断】 〔（ド） Traumdeutung〕 心理学書。フロイト著。1900 年刊。夢を，抑圧された願望の隠された表現ととらえ，自由連想法によりこれを分析・解釈する精神分析学の基本的立場を示す。

ゆめまくら【夢枕】 夢を見たときの枕もと。「―に立つ」

ゆめまぼろし【夢幻】 夢と幻。きわめてはかない物事。

ゆめみ【夢見】 夢を見ること。また，見た夢。「―が悪い」

ゆめみごこち【夢見心地】 うっとりした快い気持ち。また，ぼんやりした気持ち。夢ごこち。

ゆめ・みる【夢見る】 （動上一） こうありたいと空想する。「未来の芸術家を―・みる」

ゆめゆめ【努努】 （副） 〔副詞「ゆめ（努）」を強めた語〕 (１)けっして。きっと。「―忘れてはならぬ」 (２)夢にも。少しも。「―そのような考えはもつな」