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なか【中・仲】🔗⭐🔉
なか【中・仲】
(上代の固有名詞表記から「中」の意の「な」の存在が考えられ、「なか」はこれに「処」の意の「か」のついたものだろうという。中間の所という、場所を表すのがもと)
限られた物の内側。
1 一定の境のある物の内部。*宇津保‐内侍督「御几帳(みきちゃう)のなかにかくれて」
2 両端ある物の中間。二つの物の間、また中央。*万葉‐三七五五「山川を奈可(ナカ)に隔(へな)りて」
3 広い平面などその範囲内の不特定の場所をいう。*伊勢‐一二「女をば草むらの中におきて」
4 一定の範囲内に同質の物が数多くある場合に、その個々の物をさしていう。それらの物のうちの一つを取り出したりする場合に用いる。*土左「見送りに来る人あまたがなかに」
抽象的な事態の内部をいう。
1 ある事態、事柄、状態などについて、その内部に含まれているような場合にいう。*古今‐五五八「恋ひわびてうちぬるなかに行きかよふ」
2 心や思いのうち。心中。*源氏‐常夏「なかに思ひは有りやすらむ」
ある時とある時との中間の時。
1 一定の限界のある時間帯の中間の時間。「中の十日」
2 いく日か隔てたある特定の日と日との間。「中二日置く」
順序を示す。上下、高低、前後などについて、その中間に当たるものをさしていう。多く、三段階に分けて、その中間をさし、「中の」の形でも用いる。
1 重なるもの、連なるものの中間に当たるものをいう。「中の衣」「中の戸」「中の社」「中の指」など。
2 人の家系、身分などについていう、中流。中位。「中の位」「中の院」など。
3 兄弟順についていう。三人の兄弟または姉妹の第二子をいう場合もあり、三人と限定せず第二子をいうときもある。
4 「なかぎり(中限)」の略。
人と人との関係。親子、夫婦、兄弟、友人などとしての間柄。その感情的な面を主にしていう。現在では「仲」の字を使うことが多い。「仲を取り持つ」「仲を裂く」「犬猿の仲」*古今‐仮名序「男、女のなかをもやはらげ」
江戸の吉原、大坂の新町、両遊郭の称。
神奈川県横浜市一八区の一つ。横浜市の中心部にある。神奈川県庁・横浜市庁があり、横浜港の中心部に面する。
愛知県名古屋市一六区の一つ。名古屋市の中心部にある。愛知県庁・名古屋市役所があり、北端に名古屋城がある。
●中絶(た)ゆ
1 橋などの途中が切れる。中断する。
2 交際がとだえる。行き来がたえる。
●中つ
⇒親見出し
●中に
多くのうちで特に。格別に。とりわけ。
●中=に[=へ]立つ
両者の間に立って便宜をはかる。なかだちをする。
●中に=就(つ)いて[=就きて]
多くの中で特に。
●中=に[=へ]はいる
争っている双方の間にはいる。仲裁する。
●中にも
いくつかあるその中でも。とりわけ。
●中の秋(あき)
(「仲秋(ちゅうしゅう)」の訓読み)陰暦八月の称。
●中の五日(いつか)
(中世以降、「中の十日」が誤解されて月の二〇日目をさすようになってできたものという)一か月のうち、五のつく日のまん中。十五日をいう。
●中の亥子(いのこ)
陰暦一〇月に亥の日が三度ある場合、その中間にあたる亥の日。百姓の亥の子といい、餅をついて、子孫の繁栄を祈る。また、初めて炬燵(こたつ)を入れる日とした。《季・冬》
●中の院(いん)
⇒親見出し
●中の重(え)
1 内裏(だいり)を囲む築地。宮垣。またそれに囲まれた内部。内裏。四方に門(東に建春門。南に建礼門のほか二門。西に宜秋門。北に朔平門、式乾門)があり、宮門と称し衛門府が警備する。この内側に朱塗の廊で囲まれた一郭があり、ここに内裏の殿舎がある。
2 神社・宮殿などの、殿舎と中門との間の空地。
●中の重(え)の輦(てぐるま)の宣旨(せんじ)
皇居の中の重(え)の諸門を、輦に乗ったままで出入りすることを許す宣旨。
●中の重(え)の鳥居
皇大神宮・豊受大神宮の中の重(え)である外玉垣南御門と内玉垣南御門との中間にある鳥居。
●中の緒(お)
箏(そう)の一三弦のうちの中程の弦。第六弦から第一〇弦までとも、第八弦から第一〇弦までともいう。中緒(なかお)。
琴について、七弦のうち第四弦をいうとする説がある。
和琴(わごん)について、六弦のうち第二弦をいうとする説がある。
●中の思(おも)い
心の中に秘めている、燃えるような恋の思い。「思ひ」の「ひ」に火を掛ける。また、和歌では、石は打てば火を発するところから、中に火を含むものとして、多く「石」に寄せていう。
●中の指(おゆび・および)
=なかゆび(中指)
●中の君(きみ)
1 姉妹のうち、第二番目の姫君、次女の女君。
2 ⇒親見出し
●中の口(くち)
1 玄関と台所口との間にある入口。奥向きの意味にもいう。
2 馬上で手綱の両方を均等に引き、轡(くつわ)が馬の口の真ん中にくるようにすること。
●中の衣(ころも)
直衣(のうし)の下、単衣(ひとえ)の上に着る衣服。また、和歌などで、男女の「仲」に掛けて用いられることも多い。共寝をするときの夜着。
●中の戸(と)
間の戸。部屋と部屋の中間にある戸。
清涼殿北廂の東第一間と第二間との間の戸。萩の戸と藤壺の上局の境の戸をいう。
●中の十日(とおか)
一か月を三〇日とし、それを三分した真ん中の一〇日間。中旬。中世以降、月の二〇日目をさすようになったといわれる。
●中の夏(なつ)
(「仲夏(ちゅうか)」の訓読み)陰暦五月の称。
●中の春(はる)
(「仲春(ちゅうしゅん)」の訓読み)陰暦二月の称。
●中の冬(ふゆ)
(「仲冬(ちゅうとう)」の訓読み)陰暦一一月の称。
●中の細緒(ほそお)
箏(そう)の琴の一三弦で、細緒の二番目の「為(い)」をいう。また一説に、もっとも細い第十三弦をさすともいう。
●中の間(ま)
⇒親見出し
●中の御門(みかど)
皇居外郭中央の門。平安京内裏では、特に東面中央の待賢門の異称。中御門(なかみかど)。
●中の宮
⇒親見出し
●中の指(ゆび)
=なかゆび(中指)
●中を取(と)る
1 中間をとる。中庸をとる。折衷する。
2 間へはいる。仲裁する。
●中を直(なお)る
仲なおりをする。















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