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いたずら【徒・悪戯】(いたづら)🔗⭐🔉
いたずら【徒・悪戯】(いたづら)
〔形動〕(徒)
1 存在する物事が、無益、無用であること。役に立たないこと。むだで価値がないさま。*万葉‐三九六九「時の盛りを 伊多豆良爾(イタヅラニ)過し遣りつれ」
2 そこに何もないさま。物がなく空虚なさま。*更級「入江のいたづらなる洲(す)どもに」*徒然草‐二二四「少しの地をもいたづらにおかんことは、益なき事なり」
3 用がなく、ひまなこと。する事もなく、手持ちぶさたなさま。*土左「ふねも出さでいたづらなれば」
4 本来の目的、意図などを果たさないで終わること。むなしく事を終えること。成果があがらないさま。→いたずらに。*落窪‐一「かかる雨にきたるを、いたづらにてかへすな」
(形動)(
の転じたもので、のちにもっぱら「悪戯」の字が当てられる)
1 (―する)無益な行為。また、それをしばしば行なうさま。
他人に迷惑をかけるようなよくないふるまい。わるさ。*虎寛本狂言・真奪「きゃつが色々いたづらを致しまする」
子供などがふざけてするわるさ。もてあそぶべきでない物をおもちゃにすること。「自動車をいたずらする」
自分の行為、特に芸事、習い事などをすることを謙遜していう語。「一寸、琴をいたずらします」
2 性愛に関する行為、感情などを否定的にいう語。
性に関してだらしがないこと。みだらであること。好色な感じ。*咄・内閣文庫本醒睡笑‐七「若き女房の徒(イタヅラ)さうなるあり」*役者論語‐あやめぐさ「女形の仕様、かたちをいたづらに、心を貞女にすべし」
性的な衝動。異性に対する思い。*浮・好色五人女‐一「恥は目よりあらはれ、いたづらは言葉にしれ」
(―する)男女間の、道にはずれた関係。特に、夫婦でない男女がこっそりあうこと。密通。姦通。*浄・寿の門松‐中「もし私にいたづらあらば」
(徒)
1 女の前髪の末を、髻(もとどり)の左右から背に出したもの。ふりわけ。〔随・守貞漫稿〕
2 操り人形の鬘(かつら)で、若い男の耳の所から、顔の横に細長く出ている毛。
3 前髪の両端に垂れ下げる飾り。若い女は細いものを、年配者は太いものをつける。
●徒になす
1 役に立たないようにする。むだにしてしまう。みのりのないままに終わらせる。*宇津保‐俊蔭「これをいたづらになさぬにおぼしとりて」
2 (多く「身をいたずらになす」の形で)死なせる。または、生きていても仕方がないような状態におちいらせる。破滅させる。*竹取「多くの人の身をいたづらになしてあはざるかぐや姫は」
●徒になる
1 期待されたような結果にならないままに終わる。役に立たなくなる。むだになる。*宇津保‐藤原の君「仏に奉る物は、いたづらにならず、来世、未来の功徳なり」
2 死ぬ。また、生きていても仕方がないような状態になる。一生を棒にふる。*拾遺‐九五〇「あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな」
●徒を立(た)つ
もっぱら、みだらな生活にふける。情事にふける。*浮・好色一代男‐二「ひとりは男分に世間をたて、其身はいたづらを立」











いたずら‐いね【徒稲】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐いね【徒稲】(いたづら‥)
実のならない稲。和歌で、多く「徒寝(いたずらいね)」にかけて用いられる。
いたずら‐うた【徒歌】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐うた【徒歌】(いたづら‥)
管弦などの伴奏もなく、ひとりで歌うこと。また、その歌。
いたずら‐おとこ【徒男】(いたづらをとこ)🔗⭐🔉
いたずら‐おとこ【徒男】(いたづらをとこ)
みだらなことをする男。また、浮気な男。
いたずら‐おんな【徒女】(いたづらをんな)🔗⭐🔉
いたずら‐おんな【徒女】(いたづらをんな)
異性関係のみだらな女。また、色を売る女をいう。
いたずら‐がき【徒書・悪戯書】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐がき【徒書・悪戯書】(いたづら‥)
無用の文字や絵などを書くこと。また、その書かれたもの。
いたずら‐かたぎ【徒気質】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐かたぎ【徒気質】(いたづら‥)
みだらな性格。気質が浮気なこと。
いたずら‐がみ【徒髪】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐がみ【徒髪】(いたづら‥)
1 襟足のあたりなどに垂れ下がった髪の毛。おくれ毛。
2 まにあわせに自分の手で結い上げた髪。
いたずら‐げ【徒気】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐げ【徒気】(いたづら‥)
みだらな気持。*浮・好色一代女‐一「外(ほか)なる女と同じきいたづらげはみぢんなかりし」
いたずら‐ごころ【徒心・悪戯心】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ごころ【徒心・悪戯心】(いたづら‥)
冗談半分に、よくない事をしてやろうと思う気持。一時的に異性に働きかける気持。「いたずら心を起こす」
いたずら‐こぞう【悪戯小僧】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐こぞう【悪戯小僧】(いたづら‥)
いたずら好きで、人を困らせる少年。悪童。
いたずら‐ごと【徒言】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ごと【徒言】(いたづら‥)
価値のないことば。無用の言。
いたずら‐ごと【徒事】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ごと【徒事】(いたづら‥)
1 何の役にも立たないこと。無益、無用な行為。くだらないこと。むだごと。
2 根拠のないこと。正しくないこと。いつわり。うそ。*仮・夫婦宗論物語「男は胸に知恵無くして心に知恵深しと云ふはいたづら事也」
3 みだらなこと。*読・春雨物語‐海賊「恋の部とて五巻まで多かるは、いたづら事のつつしみなき也」
4 本気ではないこと。いいかげんな状態。
いたずら‐ざかり【悪戯盛】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ざかり【悪戯盛】(いたづら‥)
さかんにいたずらをする時期。悪さをしがちな少年時代。
いたずら‐じに【徒死】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐じに【徒死】(いたづら‥)
何の役にも立たないで死ぬこと。むだじに。いぬじに。
いたずらっ‐け【悪戯っ気】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずらっ‐け【悪戯っ気】(いたづら‥)
ちょっといたずらをしてやろうという気持。冗談半分。
いたずらっ‐こ【悪戯っ児】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずらっ‐こ【悪戯っ児】(いたづら‥)
いたずらの多い、またはいたずらを好む子供。悪童。いたずらぼうず。
いたずら‐に【徒に】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐に【徒に】(いたづら‥)
〔副〕何ら目的、理由、原因などがないのに、物事をしたり、また、状態が進行したりするさまが甚だしいことにいう語。むやみやたらに。わけもなく。ただひたすら。*今昔‐一〇・二二「馬も徒に離れて来れり」*東寺百合文書‐を・応永三二年九月八日「いたづらに火をたきてあたるべからさる事」
いたずら‐ね【徒寝】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ね【徒寝】(いたづら‥)
恋い慕う人にあえないで、ひとりで寂しく寝ること。いたずらぶし。あだね。
いたずら‐ばな【徒花】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ばな【徒花】(いたづら‥)
実のならない花。むだな花。あだ花。
いたずら‐びと【徒人】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐びと【徒人】(いたづら‥)
1 元の職務、地位などを離れた人。用のなくなった人。*宇津保‐国譲上「かくいたづらびとにて侍れば、官、位のようも侍らねど」
2 おちぶれた人。見るかげもなくなってしまった人。*源氏‐明石「いたづら人をばゆゆしきものにこそ、思ひすて給らめと」
3 肉体的あるいは精神的に大きな欠陥を持っている人。*源氏‐真木柱「かのさうじみは、とてもかくてもいたづら人と見え給へば」
4 死んだ人。死人。*宇津保‐国譲下「いたづら人になり給ひなんものを」
いたずら‐ぶし【徒臥】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ぶし【徒臥】(いたづら‥)
=いたずらね(徒寝)
いたずら‐ぼうこう【徒奉公】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐ぼうこう【徒奉公】(いたづら‥)
堅気(かたぎ)でない奉公。水商売や妾奉公。
いたずら‐ぼうず【徒坊主・悪戯坊主】(いたづらバウズ)🔗⭐🔉
いたずら‐ぼうず【徒坊主・悪戯坊主】(いたづらバウズ)
1 役に立たない坊主。いたずら法師。
2 (悪戯坊主)いたずらをする子供。いたずらっこ。
いたずら‐むすめ【徒娘】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐むすめ【徒娘】(いたづら‥)
ふしだらな娘。
いたずら‐もの【徒者・悪戯者】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐もの【徒者・悪戯者】(いたづら‥)
1 役に立たない者。何のとりえもない人間。無用の者。*平家‐一「世にあまされたるいたづら者」
2 粗暴または、気ままなよくない行為をする者。悪賢い者。ならずもの。*曾我物語‐四「堅固のいたづらもの」
3 無為に日を過ごしている人。なまけもの。ぶしょう者。*史記抄‐一六「奉禄をち取て学問をも心に入れてせずは、いたづら者ぞ」
4 正業をもたない非行者、治安を乱すもてあまし者。つまはじき者。*正宝事録‐五九・慶安四年七月「組々を致させ、徒者無
之様」
5 みだらな者。特に、ふしだらな女。*毛詩抄‐七「美人ではあるがいたづら物で天下を乱た物ぞ」
6 わるさをする者。いたずらをして他人をからかう者。
7 鼠をいう。石見銀山鼠取薬を売り歩く行商が「いたずら者はいないかな、云々」と呼び歩いた。

いたずら‐や【徒屋】(いたづら‥)🔗⭐🔉
いたずら‐や【徒屋】(いたづら‥)
使っていない建物。あき屋。*枕‐二八七「いたづら屋のありしを」
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