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くる【来る】🔗⭐🔉
くる【来る】
用例引き
A 人や動物が外から来る
留学生が日本に来る
・祭りを見に来る
・新入社員が来る
B 物事が外から来る
手紙が来る
・パンチが顔に来る
・台風が来る
・ガスが来る
・中国から来た思想

C 時が来る
春が来る
D 事態が生じる
地震が来る
・疲労から来る病気

・悲しみが来る
E 擬態語+「来る」
つんと来る
・しっくり来る
F 〜て[で]くる
文句を言ってくる
・増えてくる

動カ変

自
ある場所からこちらに、近づくように動く。
「多数の留学生が世界各地から日本に来ている」
「大阪から客が━」
「北海道から来た山田です」
「あ、電車が来た」
「同窓会には来るかい?」などと幹事が言う場合など、話し手がその場所にいる気持ちで言う場合にも使う。
→行いく
「来る」の尊敬語には「いらっしゃる・見える」、謙譲語には「参ずる」、丁重語には「参る」などがある。
《動詞の連用形または動作性の漢語名詞+「に━」の形で》あることをするためにこちらへ移動する。
「当地へは祭りを見に来た」
「荷物を届けに来ました」
「彼は君の所へ相談(し)に来たんだ」
組織の一員として新しく加わる。
「営業部に新入社員が来た」
ものが、運ばれたり通信手段に乗ったりしてこちらに届く。
「手紙[連絡]が━」
「注文した本が━」
「依頼が━」
差し向けられた動作(の影響)がこちらに届く。また、差し向けられた動作に対するお返しがこちらに戻る。
「強烈なパンチが顔面に━」
「反撃が━」
「千円からおつりが━」
台風や波などの自然現象がこちらに移動する。
「台風が━」
「大きな波が━」
地震や雨・風などの自然現象が起こる。
「地震が来ても慌てないことだ」
「一雨来そうな空模様だ」
時間が経過して、季節・時期・順番などがこちらに近づく。
「新年[春・別れの時]が━」
「君の番が来たら声をかける」
「ついに━べき時が来た」
敷設ふせつ物などがこちらに通じる。
「ガス[電気]が━」
「わが家にはまだ大容量回線が来ていない」
感情・感覚などの作用が生じる。
「痛みが去ると空腹感が来た」
「喜びの後に悲しみが━」
「『〔肩をもんだときの痛みが〕来ますか?』『結構来ますねえ』」
《「…から━」の形で》
言語や文化が…に由来する。…から入ってくる。
「『クーデター』という語は仏語から来た」
「儒教思想は中国から来た」
あることが原因・契機となって、そのことが起こる。起因する。
「疲労から━病気」
「不注意から━事故」

は連体形「来る」、または「来ている」の形で使う。
《「…に━」「…まで━」などの形で》事態がある局面(特に、最終的な段階)に至る意を表す。
「あと五分というところへ来て邪魔が入った」
《「がたが━」の形で》〔俗〕使いすぎたり古くなったりして快適な働きがにぶる。ほころびる。がたが行く。
「体[愛車]にガタが━」
《擬態語+「と━」の形で》
動作・作用の及ぼす影響がじかにこちらに及ぶ。
「わさびが鼻につんと━」
「静電気がびりっと━」
「雨がほおにぽつりと来た」
感情・感覚などの反応が起こる。
「第六感にぴんと━」
「心にぐっと━(=物事に深く感動する)」
「胸にじんと━」
「がっくりと━」
「かちんと━(=怒りの気持ちが起こる)」
《「しっくり━」「ぴったり━」などの形で》物事がこちらの気持ちにうまく適合する。
「その意見は僕にはしっくりこないなあ」
「今の気分にこんなにぴったり━音楽はない」
《上に「こう・そう」「…で」「…と」などの副詞句を伴って》相手がある態勢をとってこちらに対処する意を表す。
「そう━ならこう受ける」
「そう来なくちゃ面白くない」
「奴やっこさん、またしても『お願いします』と/で
来たな」
《「…と来たもんだ」の形で》〔俗〕その事態を満足すべきことや当たり前のこととして受け入れる意を表す。
「うれしいね、旅は道連れ酒は吟醸と来たもんだ」
《「…と━と」「…ときては」「…ときたら」「…ときた日にゃ」などの形で》相手の話題を見計らってこちらに引き取るといった気持ちで、物事を題目としてとりたてる。
「音楽と━とやはりモーツァルトだね」
「今時の大人ときたら全くしょうがないなあ」
「…ときたら」「…ときた日にゃ」には、多くあきれる気持ちなどがこもる。また、後者は俗語的な言い方。

補動
《実質的意味を半ばとどめた用法》
…した後で、(また)そこに来る意を表す。
「文句を言って━」
「ちょっと駅まで送って━」
「顔を洗って出直してこい」
そのようなしかたで来る意を表す。
「歩いて━」
「終点まで立ってきた」
ある動作が、近づいてくる動作と並行して行われる意を表す。〜しながら来る。
「土産を持って━」
「ベビーカーを押して━」
話し手に近づく動作である意を表す。
「帰って━」
「波が寄せて━」
「向こうからやって━」
「嫌な仕事となると何でも押しつけて━」
複合化の度合いが強く、文語的な表現では「て」が現れず、「寄せ来る」「迫り来る」などとなることが多い。
《形式化した用法》時間的・心理的に近づく気持ちを伴いながら、過去(または、基準となる時点)から現在までの事態の展開を表す。
「少しずつ賛同者が増えて━」
「だんだんと事情がはっきりして━」
「日に増して元気が出て━」
→行いく
◆
実質的意味が薄まった
以降はかな書きも多い。
はかな書きが多い。特に、
は積極的にかなで書かれる。
く(カ変)
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖到着‖とうちゃく
大分類‖会う‖あう
中分類‖訪れる‖おとずれる
































































































明鏡国語辞典 ページ 1816 での【来る】単語。