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と・る【取る・採る・捕る・執る・撮る】🔗🔉

と・る【取る・採る・捕る・執る・撮る】 用例引き A ものを手にもつ はしを取る・武器を執る B 得る 許可を取る・休暇を取る・満点を取る・人の物を取る・栄養を取る・新卒を採る・ネズミを捕る C 選んで決める オフサイドを取る・民話から題材を取る・決を採る D つくる バランスを取る・記録を取る・写真を撮る E とりのぞく 雑草を取る・帽子を取る F その他 連絡をとる・統計をとる・好意を悪くとる・時間をとられる 〔自分の手にしっかりとおさめて支配下におく意〕 他五 離れているものを手でつかんで持つ。手にする。特に、手でつかんで自分の領域におさめる。 「はしを手に━」 「そこの新聞を━・ってくれ」 「忘れ物を━・りに帰る」 もと「執る」とも。今は多く「取る」を使う。 執・取道具を手に持ち、それを使って独自の作業をする。 「武器を━・って戦う」 「鋤すき[手綱たづな・舵かじ]を━」 〜ヲに道具をとる。 執・取ことの事情をしっかりとつかんでその仕事をする。 「事務を━」 「指揮[音頭おんど]を━」 「仲介の労を━」 権利・許可や資格などを手に入れる。特に、予約してその権利を確保する。 「市民権[主導権]を━」 「許可[アポ]を━」 「相手から了解を━」 「卒業に必要な単位を━」 「運転免許を━」 「ホテルの予約を━」 「指定席を━」 「花見の場所を━」 与えられた権利を行使して、仕事を休んだり試合を中断したりする。 「有給休暇[代休]を━」 「作戦タイムを━」 質物・人質を手元に確保する。 「質を━・って金を貸す」 「人質を━・って立てこもる」 〜ヲに結果をとる。「指輪[社長]を質[人質]に━」のように、〜ヲに対象をとる言い方もできる。 証明書などを発行させて自分の手に収める。 「市役所から住民票を━」 「誓約書[念書]を━」 「始末書を━・られる」 証言・約言などを手に入れる。取り付ける。 「目撃者から証言を━」 「容疑者から自白を━」 「言質げんちを━」 「確約を━」 得点や評価などを勝ち得る。また、地位や権力や領土などを手に入れる。獲得する。 「先取点[満点・金メダル]を━」 「人情物が当たりを━(=ヒットする)」 「観客から笑いを━」 「シェアの六割を━」 「政権[敵の陣地]を━」 獲得する意で「獲る」、奪い取る意で「盗る」「奪る」などと書いて、意味を強めることもできる。「天下を獲る」「国を盗る」「タイトルを奪る」 届けてもらう約束で買う。 「昼食に出前を━」 「毎朝牛乳を━・っている」 「新聞を━」 受け納めて自分のものとする。 「国民から税金を━」 「敷金を━」 「会費[拝観料]を━」 「高給を━」 人のものを不当な手段で自分の所有物にする。奪う。盗む。 「人の物を━」 「財布を━」 「強盗に金品を━・られる」 盗る」「奪る」とも。 マイナスに評価していう。 戦って相手の大切な物を奪う。 「三振を━」 「『技あり』で、一本━」 「敵将の首を━」 「敵かたきを━」 権力で召し上げる。 「わが子を兵隊に━・られる」 「家屋敷を占領軍に━・られる」 ◇受身で使うことが多い。 食物や養分を体内に受け入れて自分のものにする。取り入れる。摂取する。 「栄養[ビタミン]を━」 「流動食を━」 「パンと牛乳で朝食を━」 摂る」とも。 みずからに受け入れる行為としてそのことをする。 「睡眠[休養・休み]を━」 「暖を━(=暖まる)」 「涼を━(=涼む)」 売買の約束などをしっかりと成立させる。取り結ぶ。 「ウエイターが注文を━・りに来る」 「売買契約を━」 よくない結果を招く。 「経済面で後れを━」 「語学では誰にもひけを━・らない」 「不覚を━」 自分のこととして引き受ける。 「辞職して責任を━」 「家の跡を━」 《「年を━」の形で》年齢を加える。また、高齢になる。 「人は一年ごとに年を━」 「年を━と視力が弱る」 遊女や芸者が客を迎えて相手をする。 「客を━」 数えはかって数量を明らかにする。 「寸法[統計・脈]を━」 「正式にタイムを━」 〜ヲに結果をとる。「人口の推移を統計に━」のように、〜ヲに対象をとる言い方もできる。 照らし合わせて情報の確かさを確認する。 「本人の確認[証言の裏]を━」 「点呼てんこを━」 「出席を━」 音楽に合わせて規則的な動きを作り出す。 「手で調子を━」 「体を揺すってリズムを━」 ある一定の状態や姿勢・態度などを作り出す。保つ。 「バランスを━」 「不動の姿勢を━」 「攻撃の構えを━」 「警戒態勢を━」 「あいまいな態度[中立の立場]を━」 そういう姿勢・構造・形式や制度などを有する。 「第一楽章はソナタ形式を━」 「この小説は複雑な構成を━」 「文化はさまざま様式を━」 「会議は非公開の形を━」 文法で、文が構文上そういう性質をもった語句を要求する。…がくる。 「主語に抽象名詞を━」 ある表現や現象を一定の意味に解釈する。 「天変地異を神の怒りと━」 「せっかくの好意を悪く━」 「質問の内容を逆の意味に━」 スポーツで、審判がプレーの正否を判定する。また、反則や罰則を宣言する。 「きわどい交錯プレーをアウトと━」 「反則を━」 「オフサイド[ペナルティー]を━・られる」 こちらの情報が先方に伝わるようにする。連絡をつける。 「電話で本部と連絡を━」 「先方とコンタクトを━」 原形に従って同じ型や形状のものを作り出す。起こす。 「石膏せっこうで型を━」 「入れ歯の型を━」 「拓本[控え・コピー]を━」 〜ヲに結果をとる。「書類をコピーに━」のように、〜ヲに対象をとる言い方もできる。 筆やペンを執ることによって、記録などを作り出す。 「メモを━」 「記録を━」 〜ヲに結果をとる。「子供の成長を記録に━」のように、〜ヲに対象をとる言い方もできる。 書き付けることによって、書類上の処理をする。 「入会の手続きを━」 その遊びや動作・競技を成立させる。 「カルタ[相撲]を━」 ◇手札や回しを取ることから。 寝具を敷きのべて寝床を作る。 「床とこを━」 ◇敷くための場所として取る(=確保する)ことから。 《「機嫌を━」の形で》人の気に入るように働きかける。 「猫なで声で機嫌を━」 《「大事を━」の形で》大事に至らぬよう慎重に物事に対処する。 「大事を━・ってもう一日休む」 《「手玉に━」の形で》思うがままにあやつる。 「強力打線を手玉に━」 《「気を━・られる」などの形で》他のことにかまけて本来の注意力を奪われる。 「隣の人に気を━・られる」 《「足[ハンドル]を━・られる」の形で》歩行[ハンドルさばき]の自由を奪われる。 「ぬかるみに足を━・られる」 「雪道にハンドルを━・られる」 その(方向への)進路を選ぶ。 「海路を━」 「飛行機が北西に針路を━」 取・採いくつかの中から選択する。 「進学を━か就職を━かで迷っている」 「第二外国語に中国語を━」 「対立する意見の中間を━」 取・採手本やよりどころを求めて選び定める。 「韓国に範を━・って制度を改める」 「民話から題材を━」 「漱石から名前を━・って漱平と名づける」 取・採その役割を持った人を迎え入れる。 「本家が婿むこ[養子・嫁]を━」 〜ヲに結果をとる。「師匠が太郎を弟子に━」のように、〜ヲに対象をとる言い方もできる。 採・取材料や原料から必要なものを取り出したり作り出したりする。 「アコヤ貝から真珠を━」 「菜種から油を━」 「芋からアルコールを━」 採・取人材を採用する。 「新卒を数名━」 「取材記者として経験者を━」 「経験者/外交員を━」では、前者は〜ヲに資格者を、後者は役割者をとる例。 採・取有効な手段や考え方として選び定める。採用する。 「積極策[適切な処置・内部犯行説]を━」 採・取必要なものを選んで手に入れる。採取する。 「井戸水からサンプルを━」 「犯行現場から指紋を━」 「テープの音を楽譜に━」 採・取室内に明かりを導き入れる。採光する。 「窓から外光を━」 議案の賛否の数を調べて可否を決める。採決する。 「決けつ[可否]を━」 捕・取ある目的をもって動物をつかまえる。捕獲する。 「海に潜ってアワビを━」 「わなをしかけてウサギを━」 「猫がネズミを━」 「捕」は逃げるものを追いかけてつかまえるといった意味合い。 獲る」とも。貝類では「採」が多い。 採・取昆虫や山菜・薬草・鉱物などを採取する。採集する。 「チョウを━」 「キノコを━・って暮らしを立てる」 「川で砂金を━」 作物を収穫する。 「トマトを━」 穫る」とも。 余分なものや不要なものを取り除く。 「雑草[野菜の灰汁あく・肉の臭み]を━」 「手術で胃のポリープを━」 「鎮痛剤で痛みを━」 「温泉につかって旅の疲れを━」 身につけた物を取りはずす。 「帽子を━・って挨拶あいさつする」 「ネクタイ[眼鏡]を━」 「おむつを━」 必要と思われる時間や空間をしっかりと確保する。 「十分に時間を━・って検討する」 「適度の間合い[距離]を━」 「たっぷりと行間を━」 「新しい設計では居間を広く━・ってある」 時間や空間を普通より余分に必要とする。 「素案の作成が予定より時間を━・ってしまった」 「手間を━・らせる取材はお断りだ」 「下準備に時間を━・られる(=食われる・割かれる・奪われる)」 「この冷蔵庫は場所を━(=ふさぐ・占める・食う)」 カメラで被写体を写すことによって、写真作品を作り出す。撮影する。 「野生動物の写真[映画]を━」 「山を背景に記念写真を━」 「胸のレントゲンを━」 被写体の写真を━」と「被写体を写真に━」の言い方がある。前者は〜ヲに結果を、後者は対象をとる言い方。 録音する。また、録画する。 「祭ばやしの音をテープに━」 「BSから映画を━」 録る」も多い。「取る」に代わって新しく生まれた表記。 自五《「…に━・って」の形で》…(の身)として。…(の立場)から見て。 「初心者に━・っては難しい」 「世界の経済に━・っても好ましくない事態だ」 一般にかな書き。 丁寧形は「とりまして」、「とっては」の口語体は「とっちゃ(あ)」となる。「とりまして」は、「ます」のコラムを参照。「彼らにとっちゃそのほうがいいんだ」→「ます」のコラム 取れる 取り 関連語 大分類‖体の動き‖からだのうごき 中分類‖つかむ‖つかむ 大分類‖得る‖える 中分類‖奪う‖うばう

明鏡国語辞典 ページ 4496 での取る単語。