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【本事詩】🔗⭐🔉
【本事詩】
ホンジシ〈書物〉一巻。唐の孟啓モウケイの著。886年成立。詩人の作品が生まれる際の動機や背景を記したもの。宋代以後、唐詩を論ずる人々の間で、唐代詩人の貴重な伝記資料として珍重されてきた。また、のちの「詩話」のさきがけをなすものである。
【本草綱目】🔗⭐🔉
【本草綱目】
ホンゾウコウモク〈書物〉五二巻。明ミンの李時珍リジチン(1518〜93)の著。1578年成立(出版は96年)。中国の最も代表的な本草書。本草とは中国における薬物学で、植物を扱うことが多いことに基づく名称である。従来の本草書にあきたりなくなった李時珍が、三〇歳ごろから編集に着手し、各地を旅行して実際に調査したり、多数の文献を集めたりして、約三〇年の年月をかけ、三度書きなおして完成したものである。本書は従来の本草書の集大成であるとともに、新しい分類法により、また従来の説をあらため、薬物の産地・形状・薬効などを記して実用の便をはかった。いくつかの批判される点はあるにしても、本草書のいわば決定版ともいうべき書であり、独力で完成した点もあわせて、高く評価される。日本にも林羅山ハヤシラザンの手によって徳川家康に献じられて以来、大いに用いられて来た。
【本朝通鑑】🔗⭐🔉
【本朝通鑑】
ホンチョウツガン〔日〕〈書物〉二七三巻。歴史書。1644年、林羅山ハヤシラザンがその前編にあたる『本朝編年録』を編集し、ついでその子、鵞峯ガホウが続編を編集して70年成立。神代から後陽成天皇にいたる歴史を漢文で編年体に記述したもの。朱子の『通鑑綱目』にならっている。儒教的史観にたっているが、異説をとりあげるなど、記述は厳正である。
【本朝文粋】🔗⭐🔉
【本朝文粋】
ホンチョウモンズイ〔日〕〈書物〉一一世紀中ごろ藤原明衡フジワラノアキヒラが編集した漢詩文集。嵯峨サガ天皇から後一条天皇までの約二〇〇年間の漢詩文四二七編を『文選モンゼン』の体裁にならって、賦・雑詩・詔など三九に分類している。兼明親王・三善清行・大江朝綱・都良香ミヤコノヨシカ・菅原道真スガワラノミチザネ・菅原文時・紀長谷雄キノハセオ・源順ミナモトノシタゴウなどが代表的作者である。内容よりはむしろ詩文の形式に重点をおいて編集され、修辞的な四六駢儷シロクベンレイ文は軍記物語・謡曲・紀行文などに多く引用され、また、作文の手本として尊重された。なお、平安時代の貴族の生活を知るうえでも貴重な資料である。書名は、宋ソウの姚鉉ヨウゲンの『唐文粋』に基づく。
漢字源 ページ 2155。