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【伝習録】🔗🔉

【伝習録】 デンシュウロク〈書物〉三巻。明ミンの王守仁オウシュジン(号は陽明。1472〜1528)の著。原本(現在のテキストの第一巻)は1518年に、全三巻本は56年に出版された。王陽明の門弟たちとの問答筆記および、門弟たちへの手紙を集めたもの。本書は、もともと門弟たちによって編集・刊行されたもので、第一・三巻は門弟たちとの問答をかなり忠実に筆記しており、第二巻は主として門弟たちへのこんせつていねいな手紙が収められている。陽明にとっては「自分が納得する」ことこそが肝要のことなのであり、「自己の心の中における物を格タダす」ことこそが「格物」であり、「外的な物を窮め格す」ことを目標としてきた朱子学の客観主義には満足することができなかった。「知行合一」とは、かくして達せられた「良知」において認識と実践とが統一されることであり、その理論は、陽明自身の生涯の軌跡が明瞭に示しているように、すぐれて主体的・能動的なものであった。日本においては、江戸幕府の御用哲学、朱子学にあきたりない学者たち(大塩平八郎など)によって、幕藩体制批判の有力な武器とされた。

【任】🔗🔉

【任】 6画 人部 [五年] 区点=3904 16進=4724 シフトJIS=9443 《常用音訓》ニン/まか…す/まか…せる 《音読み》 ニン(ニム)/ジン(ジム)〈rn・rn〉 《訓読み》 まかす/まかせる(まかす)/たえる(たふ) 《名付け》 あたる・たえ・たか・たかし・ただ・たね・たもつ・と・とう・のり・ひで・まかし・まこと・よし 《意味》 {名}抱きかかえこんだ重い荷物。「任重而道遠=任重クシテ道遠シ」〔→論語{名}かかえこんだ仕事。「任務」「以為能勝其任也=以テ能ク其ノ任ニ勝フト為サン」〔→孟子ニンズ{動}仕事を引き受ける。「任政於斉=政ヲ斉ニ任ズ」〔→史記ニンズ{動}役目や仕事を与えてまかせる。「一任」「王甚任之=王甚ダコレニ任ズ」〔→史記{形}上べは柔らかだが腹黒い。「任人」 {動}まかせる(マカス)。ゆだねて思うとおりにさせる。なるままにまかせる。▽平声に読む。「放任」「曷不委心任去留=曷ゾ心ヲ委ネテ去留ニ任セザル」〔→陶潜{動}たえる(タフ)。重みや仕事を引き受けてがまんする。▽平声に読む。「若不任羅綺=羅綺ニ任ヘザルガ若シ」〔陳鴻〕 《解字》 会意兼形声。壬ジンは、腹のふくれた糸巻きの軸、または、妊娠して腹のふくれた女性の姿を示す。妊娠の妊の原字。任は「人+音符壬ジン」で、腹の前に重荷を抱きかかえこむこと。転じて、かかえこんだ責任や仕事の意となる。→壬 《類義》 負は、背に荷を背おうこと。担は、荷をかつぐこと。扛コウは、荷物を棒に通してかつぐこと。荷は、型に肩に載せてになうこと。挑は、天秤で二つにわけてになうこと。擔タンは、肩に重い荷物をかつぐこと。 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語 →主要人名

漢字源 ページ 216