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論語 ロンゴ🔗⭐🔉
【論語】
ロンゴ〈書物〉二〇編。春秋時代末期に成立したといわれる。編者については諸説がある。孔子(前551〜前479)とその門人、および、門人たちどうしの対話をまとめた書。「論」とは順序よく整理されたことば、「語」とは対話の意。孔子は魯ロの人で、一四年にわたる諸国遊説ののち、六八歳で帰郷して学園の教育に専念した。その門弟は三〇〇〇、高弟は七二人といわれる。『論語』はこれらの門弟たちのメモをまとめたもので、総体的な理論ではなく、ある場における解答や啓示を含むにすぎないので、前後矛盾するところがある。各篇はその初めの文句をとって、「学而ガクジ」「為政」などと名づけられている。漢代には『斉論』『古論』『魯論』の三種のテキストが存在したが、『魯論』の系統が今日に伝えられた。中国では前漢文帝のとき、『論語』『孝経』が並んで博士官にとりあげられ、日本には王仁ワニによって伝来し、養老令によれば『論語』『孝経』の二つが大学寮各科兼習の必読書とされている。孔子は「四海の内、みな兄弟なり」と博愛を主張するが、その反面では「士(知識人)」を重んじ「民」を支配される者として差別し、かつ、自分が天命を受けた天才であると自負している。『論語』には復古的な身分差別を守り、礼教によって個人をおさえる主張が強いため、封建体制を維持する保守派の支柱となったが、晩年の孔子は、常識に反逆する狂狷キョウケンの徒を愛することを強調しており、それがのち明ミン末の陽明学左派のような体制反逆者に受け継がれた。しかし、全体としては『論語』すなわち保守的礼教の中心と見なされて、清シン末民国初めには、「旧礼教打倒・人間解放・男女平等」などの叫びの前に、批判されることとなった。四書の一つ。十三経の一つ。
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