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は・る【張る】🔗⭐🔉
は・る【張る】
[一]〔自五〕
いっぱいに押しひろがる意。
①芽がふくらむ。芽が出る。万葉集14「うらもなく吾が行く路に青柳の―・りて立てればものもひ出つも」
②ふくれる。はちきれそうになる。また、伸び広がる。今昔物語集19「わが―・らぬ乳をよもすがら吸はすれば」。日葡辞書「ハラガハル」。「根が―・る」
③一面に満ちふさがる。「氷が―・る」
④一端から他端へたるみなく延べわたされる。「ぴんと―・った糸」
⑤(頬骨・肩などが)つき出る。泉鏡花、売色鴨南蛮「頬骨の―・つた菱形の面つらに」
⑥筋肉がこわばる。「肩が―・る」
⑦せまくて窮屈に感じる。「洋服の袖が―・る」
⑧緊張する。「気が―・る」
⑨強く盛んになる。浮世風呂2「さりながら着類は綺羅が―・りましてネ」。「欲が―・る」
⑩度を越して多くなる。「値が―・る」「経費が―・る」「荷が―・る」
[二]〔他五〕
➊事物を力いっぱい押しひろげる。
①布・網などをぴんとのべひろげる。一面にたるみなくのべわたす。万葉集17「あしひきの彼面此面に鳥網―・り守部をすゑて」。万葉集7「海人小船帆かも―・れると見るまでに鞆の浦廻みに浪立てり見ゆ」。「幕を―・る」
②糸・紐・綱などを一端から他端へたるみなく延ばしわたす。万葉集3「天の原ふりさけ見れば白真弓―・りてかけたり夜路は吉けむ」。源氏物語若菜上「琴の緒もいとゆるに―・りて、いたうくだして調べ」。日葡辞書「ユミヲハル」。「電線を―・りめぐらす」
③(「貼る」とも書く)ひらたくのばして、糊・釘などで他の物につける。宇津保物語楼上上「楼の天井には鏡形・雲の形を織りたる高麗錦を―・りたり」。大鏡序「黄なる紙―・りたる扇をさしかくして」。「切手を―・る」「羽目を―・る」
④大きく開く。日葡辞書「メヲミハル」「メヲハッテヲドス」
⑤液体を一面にみたす。「浴槽に水を―・る」
⑥いっぱいにのばす。ひろげる。天草本伊曾保物語「志を下さず肘を―・つてゐたを何かは堪こらへう」。「胸を―・る」
⑦ぴしゃりと打つ。なぐる。平家物語4「仲綱め乗れ仲綱め打て―・れ」。日葡辞書「アタマヲハル」。「横っ面つらを―・る」
⑧将棋で、手持ちの駒を盤面におく。「王の頭に金を―・る」
➋精一杯つっぱった態度・様子を示す。
①頑張る。心を奮いおこす。源氏物語真木柱「いとさがなげに睨みて―・りゐたれば」。太平記17「機を―・り、心を専らにして攻め戦ふこと片時もたゆまず」
②強引に意地を押し通す。日葡辞書「ジャウ(情)ヲハル」。「我がを―・る」
③威勢を示す。強く盛んにする。世間胸算用1「世間を―・つて棟のたかき内には、それほどの風があたつて」。「みえを―・る」「欲を―・る」「声を―・りあげる」
④緊張させる。世間胸算用3「旦那お出でといはるるまでの外聞に無用の気を―・りける」
⑤対抗する。「人の向こうを―・る」
⑥謡曲などで、節を上音にうたい上げる。申楽談儀「『君をいはひて』、『はひて』と―・るべからず」
⑦(「気を―・る」の形で)気前よく金を与える。はずむ。浮世草子、新色五巻書「大鼓の又三郎にもちとお気を―・られよ」
➌構え設ける。
①物を広げるようにして設ける。設備する。配置する。古事記中「宇陀のたかきに鴫わな―・る」。平家物語8「平家は陣を五つに―・る」。「キャンプを―・る」「祝宴を―・る」
②遊女たちが客をひくために店先に並ぶ。誹風柳多留9「がらがらと鳴らせば狆ちんも見世を―・り」
③勝負事に賭物をする。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「瀬多の久三が筒の時、百切―・つて見たれば、勝つ程に勝つ程に、一いきに七百」。「相場を―・る」
④得ようとしてつけねらう。浮世床2「娘を―・りに往つて他家の帳合までしてやつたり」。「犯人を―・る」
⑤占有した地位をゆるがぬものとする。「横綱を―・る」
⑥はりぬきにつくる。中空の器を作る。「張子を―・る」
➍(取引用語)市場で思惑売買を試みる。
➎(隠語)
①盗んだ着物を着る。
②強情で容易に白状しない。
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は・る【張る】🔗⭐🔉
は・る [0] 【張る】 (動ラ五[四])
□一□(自動詞)
(1)物の表面などを一面におおうように広がる。「池に氷が―・る」「蜘蛛(クモ)の巣が―・った廃屋」
(2)木の根や枝が四方八方に大きく広がる。「四方に根が―・る」
(3)ゆるみなくひきしまる。「凧(タコ)の糸が―・る」
(4)突き出したり角立ったりしていて目立つ。「あごの―・った男」
(5)ふくれて,はちきれそうになる。「食べ過ぎて腹が―・る」「乳が―・る」「青柳の―・りて立てれば/万葉 3443」
(6)筋肉が固くなる。凝(コ)る。「肩が―・る」
(7)感情のはたらきが強くなる。盛んになる。「欲の皮が―・る」「食い意地が―・る」
(8)(「気が張る」の形で)精神が緊張する。「気が―・っていたので疲れを感じなかった」
(9)数量・程度などが普通以上に大きくなる。「嵩(カサ)が―・る」「仕事ガ―・ル/ヘボン(三版)」
(10)他人に負けまいとして張り合う。「お金子(カネ)で―・る事も出来るけれど/社会百面相(魯庵)」
(11)(多く「ハル」と書く)謡(ウタイ)や浄瑠璃などの音曲で,高い声,大きな声を出す。「『君をいはひて』『はひて』と―・るべからず/申楽談儀」
□二□(他動詞)
(1)布状・網状・糸状の物を,たるまないように広げて固定する。「テントを―・る」「テニスのネットを―・る」「ロープを―・る」
(2)(「貼る」とも書く)板状の物を何枚もつなぎ合わせて平面を作る。「化粧板で天井を―・る」「床板を―・る」
(3)(多く「貼る」と書く)糊(ノリ)などをつけて物を平らな面につける。「封筒に切手を―・る」「ポスターを―・る」「傷口に絆創膏(バンソウコウ)を―・る」「タイルを―・って壁を仕上げる」
(4)水などを,一面に満たす。「風呂桶(オケ)に水を―・る」「田んぼに水を―・る」
(5)草木が根や枝を四方八方に大きくのばす。「大地に根を―・る」「四方に枝を―・る」
(1)人が肘(ヒジ)・肩・胸などを突き出したり広げたりして,大きく見えるようにする。「肘を―・る」「肩を―・って歩く」
(2)(「胸を張る」の形で)人が自分の自信や正当性を示すために,胸を大きく反らせる。「胸を―・って答える」
(3)(「声を張る」の形で)高い声・大きな声を出す。張り上げる。「声を―・って助けを求める」
(4)大きく開く。目をはる。「眼(マナコ)を―・り呼吸(イキ)を凝して/運命論者(独歩)」
(5)無理をして押し通す。(ア)強引にある態度や気持ちを押し通す。「意地を―・る」「強情を―・る」「我(ガ)を―・る」(イ)ある感情を強くする。盛んにする。「欲を―・りすぎて失敗する」(ウ)無理にうわべをかざる。「虚勢を―・る」「見えを―・る」(エ)(「気を張る」の形で)気前をよくする。きばる。「気を―・つて段々御馳走申ければ/浮世草子・禁短気」
賭ける。「有り金全部を―・る」「ヤマを―・る」「相場を―・る」
(1)(「体を張る」の形で)危険をかえりみずに事に当たる。「おれは体を―・って生きているんだ」
(2)ある地位・立場に身を置く。「横綱を―・る」
(3)相手に対抗する。(ア)(「向こうを張る」の形で)相手の行動に対抗するような行動をとる。「ライバル会社の向こうを―・って新型車を売り出す」(イ)一つのものを複数の者が手に入れようとして争う。「源三さんと同じ女子(オナゴ)―・つた時なぞ/南小泉村(青果)」
(1)広げるようにして構え設ける。「祝宴を―・る」「論陣を―・る」「所帯を―・る」「つまらねえ店でも斯(コ)うして―・つてるから/真景累ヶ淵(円朝)」「宇陀の高城に鴫罠(シギワナ)―・る/古事記(中)」
(2)(「勢力を張る」などの形で)ある場所において勢力をもっている。「関八州に勢力を―・る」
(3)人を見張る。また,人を待ちうける。「―・り込む」
(「撲る」とも書く)
(1)平手で打つ。「横っ面(ツラ)を―・る」「切った―・ったの大乱闘」
(2)相撲で,張り手を使う。
(1)将棋の駒を盤上のある箇所に置く。「持ち駒を―・る」
(2)奮いたたせる。「喇叭(ラツパ)を吹立て軍勢力を―・り/浮城物語(竜渓)」
[可能] はれる
[慣用] 網を―・煙幕を―・肩肘(カタヒジ)―・金で面(ツラ)を―・根が―・門出を―/鈴を張ったよう







はる【張る】(和英)🔗⭐🔉
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