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広辞苑の検索結果 (7)

げん‐しょう【現象】‥シヤウ🔗🔉

げん‐しょう現象‥シヤウ 〔哲〕(phenomenon) ①観察されうるあらゆる事実。「自然―」 ②本質との相関的な概念として、本質の外面的な現れ。↔本質↔本体。 ③カントの用法では、時間・空間やカテゴリーに規定されて現れているもの。これは主観の構成が加ったもので、構成される以前の物自体は認識されえないとした。↔物自体。 ④フッサール現象学では、純粋意識の領野に現われる志向的対象としての世界。 ⇒げんしょう‐がく【現象学】 ⇒げんしょうがくてき‐かんげん【現象学的還元】 ⇒げんしょうがくてき‐しゃかいがく【現象学的社会学】 ⇒げんしょう‐くうかん【現象空間】 ⇒げんしょう‐しゅぎ【現象主義】 ⇒げんしょう‐ろん【現象論】

げんしょう‐がく【現象学】‥シヤウ‥🔗🔉

げんしょう‐がく現象学‥シヤウ‥ (Phänomenologie ドイツ)古くは本体と区別された現象の学という意味に用いられた語。今日行われているのはヘーゲルとフッサールの用法。 ①ヘーゲルは精神の最も単純直接な現われとしての感覚的確実性から最高の現われとしての絶対知に到達するまでの、精神の弁証法的発展を論じた彼の著作を「精神現象学」と名づけた。 ②哲学や科学の確実な基礎をすえるために、一切の先入見を排して意識に直接に明証的に現れている現象を直観し、その本質を記述するフッサールの方法。彼はそれに到達するため日常的見方の土台にある外界の実在性について判断停止を行い、そのあとに残る純粋意識を分析し記述した。以後、ケルゼンの法現象学、ミュンヘン現象学派やインガルデン(R. Ingarden1893〜1970)・デュフレンヌ(M. Dufrenne1910〜1995)らの美学、ハイデガーからサルトルへ至る現象学的存在論、メルロ=ポンティの身体性の現象学など、20世紀哲学・美学の主潮流の一つ。 ⇒げん‐しょう【現象】

げんしょうがくてき‐かんげん【現象学的還元】‥シヤウ‥クワン‥🔗🔉

げんしょうがくてき‐かんげん現象学的還元‥シヤウ‥クワン‥ フッサール現象学の基本的方法。世界に対するわれわれの認識態度を根本的に変更する方法的手続きをいう。世界の存在を素朴に前提にする自然的態度をやめ、世界の存在意味が構成される場(純粋意識)へと眼差しを向け変えて超越論的態度へ移行すること。 ⇒げん‐しょう【現象】

げんしょうがくてき‐しゃかいがく【現象学的社会学】‥シヤウ‥クワイ‥🔗🔉

げんしょうがくてき‐しゃかいがく現象学的社会学‥シヤウ‥クワイ‥ フッサールの現象学の方法や概念・発想を取り入れようとする社会学の立場。フィーアカント(A. Vierkandt1867〜1953)やリット(T. Litt1880〜1962)のように、演繹的でア‐プリオリな内的直観によって社会結合の本質を捉えようとする立場と、シュッツに代表される、人が日常生活の現実を構成する仕方を捉えようとする立場とがある。 ⇒げん‐しょう【現象】

げんしょう‐くうかん【現象空間】‥シヤウ‥🔗🔉

げんしょう‐くうかん現象空間‥シヤウ‥ (phenomenal space)物理的空間と異なり、客観的にではなく、主観的に心的活動者たる個人に把握される空間。 ⇒げん‐しょう【現象】

げんしょう‐しゅぎ【現象主義】‥シヤウ‥🔗🔉

げんしょう‐しゅぎ現象主義‥シヤウ‥ (phenomenalism)物の本体は認識できないと考え、感覚的に知覚された現象のみで満足するか、または現象の背後の本体という考えをも否定して、意識に直接与えられているものだけを実在と認める立場。唯現象論。 ⇒げん‐しょう【現象】

げんしょう‐ろん【現象論】‥シヤウ‥🔗🔉

げんしょう‐ろん現象論‥シヤウ‥ ①現象主義。 ②実際に現象として現れたことのみに基づいて論ずること。「―としては間違っていない」 ⇒げん‐しょう【現象】

大辞林の検索結果 (6)

げん-しょう【現象】🔗🔉

げん-しょう ―シヤウ [0] 【現象】 (1)人が感覚によってとらえることのできる一切の物事。自然界・人間界の出来事。現像。「自然―」「―にとらわれる」 (2)〔哲〕 感覚や意識にあらわれるもの。(ア) 〔phenomenon〕 (理性がとらえる「本体・本質」に対し)感覚のとらえる外面的・個別的なあらわれ。また,本体・本質が意識にあらわれた姿。(イ) 〔(ドイツ) Erscheinung〕 (その背後にある「物自体」に対し)カント哲学で,多様な感覚内容が認識の主観的形式によって規定されたもの。(ウ) 〔(ドイツ) Phnomen〕 (背後にある「本体・物自体」を想定せずに)フッサールの現象学で,純粋意識に端的にたちあらわれる限りでの事象。

げんしょう-かい【現象界】🔗🔉

げんしょう-かい ―シヤウ― [3] 【現象界】 〔哲〕 カント哲学において,人間の主観的形式によって構成された対象から成る世界のこと。人間が認識可能であるのは,この現象界に限られる。物自体の世界である英知界に対する。

げんしょう-がく【現象学】🔗🔉

げんしょう-がく ―シヤウ― [3] 【現象学】 〔(ドイツ) Phnomenologie〕 (1)現象界や現象する知についての哲学的理説。ランベルト・カント・ヘーゲルらに見られる。 (2)意識に直接的に与えられる現象を記述・分析するフッサールの哲学。現象そのものの本質に至るために,自然的態度では無反省に確信されている内界・外界の実在性を括弧に入れ(エポケー),そこに残る純粋意識を志向性においてとらえた。実存哲学などにも影響を与え,サルトルによるイマージュの現象学,メルロ=ポンティによる知覚の現象学などが生まれた。

げんしょう-がくてき-しゃかいがく【現象学的社会学】🔗🔉

げんしょう-がくてき-しゃかいがく ―シヤウ―シヤクワイ― [10] 【現象学的社会学】 フッサール現象学の方法を社会研究に応用しようと試みる社会学。シュッツ・ P =バーガーらが開拓。

げんしょう-しゅぎ【現象主義】🔗🔉

げんしょう-しゅぎ ―シヤウ― [5] 【現象主義】 〔phenomenalism〕 感覚にあらわれる現象以外の超越的実在を否認したり,不可知であるとする考え方。ヒューム・マッハ・アベナリウス・ルヌビエなど。現象論。 →還元主義 →操作主義

げんしょう【現象】(和英)🔗🔉

げんしょう【現象】 aphenomenon;→英和 a syndrome (社会状態の象徴としての).→英和 ‖現象論 phenomenalism.

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