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しむ (助動)(○・しむ・しむ・しむ・○・○)🔗⭐🔉
しむ (助動)(○・しむ・しむ・しむ・○・○)
〔助動詞「しも」の転。中世後期の語〕
四段活用・ナ行変格活用の動詞の未然形に付く。動作の主体に対して尊敬の意を表す。「かう祈られたによつてか武王のとりなほさ〈しむ〉たそ/史記抄 2」
→しも(助動)
しむ (助動)(しめ・しめ・しむ・しむる・しむれ・しめよ(しめ))🔗⭐🔉
しむ (助動)(しめ・しめ・しむ・しむる・しむれ・しめよ(しめ))
動詞および一部の助動詞の未然形に付く。
(1)使役,すなわち,他にある動作をさせる意を表す。しめる。せる。させる。「さらに帝と立てて天の下を治め〈しめ〉むと念ひて/続紀(天平神護一宣命)」「この幣の散る方に,御舟速かに漕が〈しめ〉給へ/土左」「太子又舎人跡見に仰せて四天王に誓ひて矢をはなた〈しむ〉/著聞 2」「愚かなる人の目を喜ば〈しむる〉楽しみ又あぢきなし/徒然 38」「食物ども…皆取出してくは〈しむれ〉ば釣人ども…皆よく取り食てけり/今昔 26」
(2)「たまふ」など尊敬の意を表す語を下に伴って,尊敬の意を表す。お(ご)…なさる。…せられる。「用意してさぶらへ。びんなき事もあらばおもく勘当せ〈しめ〉給ふべきよしなむ仰言侍りつれば/源氏(浮舟)」「殿は何とかせ〈しめ〉給ふ/宇津保(祭の使)」「おほやけも行幸せ〈しめ〉給ふ/大鏡(時平)」
(3)「奉る」など謙譲を表す語とともに用いられて,謙譲の意をさらに強める。「家貧ならむ折は,御寺に申文を奉ら〈しめ〉む/大鏡(藤氏物語)」「近年御領について武蔵の長井に居住せ〈しめ〉候き/平家 7」
〔「しむ」は使役を表す助動詞として,上代から一般に用いられたが,中古には主として漢文訓読系の文章に用いられ,仮名文学作品には「す」「さす」が用いられるようになった。また,中古には(2)(3)の敬語用法が生じ,仮名文学作品を中心として行われた。なお,「見る」「得る」などの動詞に付く時,「せしむ」の形をとる(「見せしむ」「得せしむ」)のも,中世以降のことである〕
→しめる(助動)
→す(助動)
→さす(助動)
大辞林 ページ 145941。