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おの【斧】🔗🔉

おの ヲノ [1] 【斧】 木を切ったり割ったりする道具。刃のついた厚い鉄片に柄をつけたもの。片側にくびれを持つか,刃幅の広いものを「まさかり」という。狭刃(セバ)。

お-の【小野】🔗🔉

お-の ヲ― 【小野】 〔「お」は接頭語〕 野。野原。「萩が花ちるらむ―のつゆじもに/古今(秋上)」

おの【小野】🔗🔉

おの ヲノ 【小野】 (1)京都市山科区小野。勧修寺・小栗栖の一帯をいう。小野小町の伝説が多く,真言宗小野流の本山随心院には小町宅跡がある。 (2)京都市左京区八瀬・大原の一帯,旧小野郷をいう。「伊勢物語」第八三段,「源氏物語」夕霧と手習の巻以降の舞台。((歌枕)) (3)滋賀県彦根市鳥居本町の古名。旧宿駅。 (4)兵庫県中南部,加古川中流域の市。算盤(ソロバン)と家庭用刃物の生産で有名。播州高野(コウヤ)で知られた真言宗の浄土寺がある。

おの【小野】🔗🔉

おの ヲノ 【小野】 姓氏の一。古代の豪族。近江国滋賀郡小野村からおこるとされ,山城国愛宕郡小野郷・宇治郡小野郷にも勢力をもった。小野神社は小野氏の氏神で,平安時代は学者・歌人・書家などを輩出。

おの-あずさ【小野梓】🔗🔉

おの-あずさ ヲノアヅサ 【小野梓】 (1852-1886) 法学者・政治家。高知県生まれ。号,東洋。大隈重信の立憲改進党に参加。また,東京専門学校(現,早大)創立に参画。著「国憲汎論」など。

おの-がどう【小野鵞堂】🔗🔉

おの-がどう ヲノガダウ 【小野鵞堂】 (1862-1922) 書家。静岡県生まれ。本名之助。かな書道の古典復帰を提唱,上代様の書道を分かりやすい姿に再現,鵞堂流を完成。書道教育に貢献した。

おの-こざん【小野湖山】🔗🔉

おの-こざん ヲノ― 【小野湖山】 (1814-1910) 幕末・明治期の儒者・漢詩人。近江の人。三河吉田藩儒臣。安政の大獄に連座。維新後明治政府に出仕,のち大阪に優遊吟社を結成するなど詩名が高かった。作「湖山楼詩鈔」など。

おの-ごへい【小野五平】🔗🔉

おの-ごへい ヲノ― 【小野五平】 (1830-1920) 将棋十二世名人。阿波の人。1898年(明治31)民間人として初の名人に推された。福沢諭吉・榎本武揚らと交際し,棋士の社会的地位を高めた。

おの-せいいちろう【小野清一郎】🔗🔉

おの-せいいちろう ヲノセイイチラウ 【小野清一郎】 (1891-1986) 法学者。岩手県生まれ。東大教授。仏教の影響を受け,客観主義の法哲学・刑法理論を展開。著「犯罪構成要件の理論」「日本法理の自覚的展開」など。

おの-せんぞう【小野泉蔵】🔗🔉

おの-せんぞう ヲノセンザウ 【小野泉蔵】 (1767-1832) 江戸後期の漢詩人。備中の人。名は達,号は招月,泉蔵は字(アザナ)。儒学を西山拙斎に,詩を菅茶山・頼山陽に学んで清朗な詩を作った。著「招月亭詩鈔」

おの-ただあき【小野忠明】🔗🔉

おの-ただあき ヲノ― 【小野忠明】 (?-1628) 剣術家。上総の人。旧名御子神(ミコガミ)典膳。伊藤一刀斎の弟子。一刀流を大成。柳生家とともに将軍家剣術師範。 →小野派一刀流

おの-ちくきょう【小野竹喬】🔗🔉

おの-ちくきょう ヲノチクケウ 【小野竹喬】 (1889-1979) 日本画家。岡山県生まれ。本名英吉。竹内栖鳳に師事。土田麦僊(バクセン)らと国画創作協会を結成。

おの-の-いもこ【小野妹子】🔗🔉

おの-の-いもこ ヲノ― 【小野妹子】 推古朝の官人。607年聖徳太子の命により,第一回の遣隋使となり,翌年隋使裴世清(ハイセイセイ)とともに帰国した。同年再び,南淵請安・僧旻・高向玄理らの留学生を伴って隋に渡り,翌年帰国。生没年未詳。

おの-の-おつう【小野お通】🔗🔉

おの-の-おつう ヲノ― 【小野お通】 浄瑠璃「十二段草子」の作者と伝えられる伝説的な女性。小野正秀の女(ムスメ)で,淀君に仕え,管弦・歌道に秀でたといわれる。 〔現在では十二段草子の作者説は否定されている〕

おの-の-おゆ【小野老】🔗🔉

おの-の-おゆ ヲノ― 【小野老】 (?-737) 奈良前期の官人。右少弁・大宰大弐などを歴任。万葉集に歌三首がみえる。

おの-の-こまち【小野小町】🔗🔉

おの-の-こまち ヲノ― 【小野小町】 平安前期の女流歌人。六歌仙・三十六歌仙の一人。伝未詳。恋愛歌で知られ,古今和歌集をはじめ勅撰集に六二首が入る。絶世の美女とされ伝説も多く,謡曲・御伽草子・浄瑠璃などの題材となった。家集「小町集」

おの-の-たかむら【小野篁】🔗🔉

おの-の-たかむら ヲノ― 【小野篁】 (802-852) 平安前期の学者・歌人・漢詩人。通称,野宰相・野相公。岑守(ミネモリ)の子。参議。清原夏野らと「令義解」を撰。博学で詩文に長じたが,性直情径行,野狂と呼ばれる。詩文は「経国残篇」「扶桑集」「本朝文粋」などに,歌は古今集にみえる。「小野篁集(篁物語)」は後人の仮託。

おの-の-みちかぜ【小野道風】🔗🔉

おの-の-みちかぜ ヲノ― 【小野道風】 〔名は「とうふう」とも〕 (894-966) 平安中期の書家。篁(タカムラ)の孫。醍醐・朱雀・村上の三天皇に仕える。書は王羲之の書法を基として,和様書道を開拓。三蹟の一。遺墨「智証大師諡号勅書」「屏風土代」など。

おの-の-よしふる【小野好古】🔗🔉

おの-の-よしふる ヲノ― 【小野好古】 (884-968) 平安中期の武将・歌人。大宰大弐。小野道風の兄。藤原純友の乱に追捕使として伊予国に赴き鎮圧した。歌は後撰集にみえる。

おの-らんざん【小野蘭山】🔗🔉

おの-らんざん ヲノ― 【小野蘭山】 (1729-1810) 江戸後期の本草学者。京都生まれ。本姓,佐伯。名は職博(モトヒロ)。通称,喜内。松岡恕庵に本草学を学ぶ。薬用にとらわれず,日本産の動植鉱物を実証的かつ網羅的に研究整理し,江戸時代の本草学を大成。シーボルトにより「東洋のリンネ」と称される。 →本草綱目啓蒙(ホンゾウコウモクケイモウ)

おの【己】🔗🔉

おの 【己】 (代) (1)反照代名詞。その人またはそのもの自身をさす語。「罪もなき人をうけへば忘れ草―が上にぞ生ふといふなる/伊勢 31」 (2)一人称。わたくし。われ。「まだ幼くて―がもとに渡り給ひにしかば/落窪 3」 〔「おのが」の形か,あるいは「おのおの」「おのづま」など複合語としてのみ用いられる〕

おの【吁】🔗🔉

おの 【吁】 (感) 〔感動詞「あな」の転〕 驚き怪しむ意を表す語。おや。まあ。「針袋取り上げ前に置きかへさへば―とも―や裏も継ぎたり/万葉 4129」

おのあし-るい【斧足類】🔗🔉

おのあし-るい ヲノアシ― [4] 【斧足類】 軟体動物門の一綱。からだは左右相称で,二枚の外套(ガイトウ)膜がからだのほとんど全部をおおい,左右二枚の同形の貝殻をもつ。頭・触角・歯はなく,一部を除いて目もない。腹側中央部に斧形の筋肉質の運動器官をもつ。雌雄異体で卵生。砂泥中にすみ,固着性のものや,岩石・木材に穿孔するものもある。二枚貝類。ふそく類。多殻類。弁鰓(ベンサイ)類。双殻類。

おの-いし【斧石】🔗🔉

おの-いし ヲノ― [2] 【斧石】 カルシウム・鉄・マンガン・アルミニウム・ホウ素などを含むケイ酸塩鉱物。三斜晶系。褐紫・灰緑などの色で,ガラス光沢がある。斧の刃のような結晶が特徴。大分県大野郡の尾平(オビラ)鉱山から産出した結晶は世界的に有名。ふせき。

お-の-え【尾上】🔗🔉

お-の-え ヲ―ヘ 【尾上】 〔「お」は峰の意。「おのうえ」の転〕 山の上。山の頂上。「―の鐘も響くなり/謡曲・高砂」

おのえ-らん【尾上蘭】🔗🔉

おのえ-らん ヲ―ヘ― [3] 【尾上蘭】 ラン科の多年草。奈良県および長野県以北の山地の草原に自生。草丈10〜15センチメートル。茎の下部に楕円形の葉を一対つける。夏,頂部に径約1センチメートルの鐘状の白花を二〜六個開く。

おのえ【尾上】🔗🔉

おのえ ヲノヘ 【尾上】 姓氏の一。

おのえ-きくごろう【尾上菊五郎】🔗🔉

おのえ-きくごろう ヲノヘキクゴラウ 【尾上菊五郎】 歌舞伎俳優。屋号,音羽(オトワ)屋。 (1)(初世)(1717-1783) 宝暦・明和期(1751-1772)に活躍した名優。京都の人。初め若衆方・女方で評判を得,のち立役となった。 (2)(三世)(1784-1849) 初世の高弟尾上松緑の養子。文化・文政期(1804-1830)に活躍した。江戸の人。生世話(キゼワ)狂言・怪談狂言を得意とした。 (3)(五世)(1844-1903) 三世の孫。団・菊・左と並称される明治時代の代表的な名優。前名,一三世市村羽左衛門。家の芸として新古演劇十種を制定。 (4)(六世)(1885-1949) 五世の長男。通称六代目。大正から昭和にかけて活躍。初世中村吉右衛門と菊吉(市村座)時代を形成。あらゆる役柄をこなし,歌舞伎の新しい演技術をつくりあげた。舞踊の名手としても有名。1930年,日本俳優学校を創設。

おのえ-さいしゅう【尾上柴舟】🔗🔉

おのえ-さいしゅう ヲノヘサイシウ 【尾上柴舟】 (1876-1957) 歌人・国文学者・書家。岡山県生まれ。本名,八郎。「あさ香社」同人,「車前草(シヤゼンソウ)社」などを創立。書道教育にも尽力。歌集「静夜」「永日」「日記の端より」,歌論「短歌滅亡私論」,書論「平安朝時代の草仮名の研究」など。

おのえ-しょうろく【尾上松緑】🔗🔉

おのえ-しょうろく ヲノヘ― 【尾上松緑】 (二世)(1913-1989) 歌舞伎俳優。東京生まれ。七世松本幸四郎の三男。六世菊五郎の芸風を継承し優れた芸を示した。

おのえ-ばいこう【尾上梅幸】🔗🔉

おのえ-ばいこう ヲノヘバイカウ 【尾上梅幸】 (1)(六世)(1870-1934) 歌舞伎俳優。屋号音羽(オトワ)屋。明治から大正にかけて活躍した。五世菊五郎の養子。前名,栄三郎。養父の女方の芸風を継ぎ,また新作や新舞踊にも天分を発揮した。 (2)(七世)(1915-1995) 歌舞伎俳優。東京生まれ。六世菊五郎の養子。前名は三世菊之助。1949年(昭和24)菊五郎劇団結成に参画,六世中村歌右衛門とともに戦後を代表する立女形。二枚目役もよくした。

おのえ-まつすけ【尾上松助】🔗🔉

おのえ-まつすけ ヲノヘ― 【尾上松助】 歌舞伎俳優。屋号音羽(オトワ)屋。 (1)(初世)(1744-1815) 文化年間(1804-1818)頃活躍。大坂の人。1755年江戸に出て初世尾上菊五郎の門に入り,四世鶴屋(ツルヤ)南北の作品を演じて次々と評判をとり,怪談狂言の祖といわれる。のち松緑と改名。 (2)(四世)(1843-1928) 五世菊五郎の門人。明治から大正にかけて,世話物の名脇役として活躍。

おのえ-まつのすけ【尾上松之助】🔗🔉

おのえ-まつのすけ ヲノヘ― 【尾上松之助】 (1875-1926) 映画俳優。岡山県生まれ。旅役者から牧野省三に認められる。歌舞伎・講談から取材した英雄像多数を,大正期の無声時代劇に展開。「目玉の松ちゃん」の愛称で親しまれ,一千本と自称する娯楽作品に出演。

おのえ【尾上】🔗🔉

おのえ ヲノヘ 【尾上】 人形浄瑠璃「加賀見山旧錦絵(コキヨウノニシキエ)」の登場人物。足利家の中老。同家の局(ツボネ)岩藤の奸計を知り,岩藤に草履打ちの侮辱を受けて自害する。

おのえいだはち【尾上伊太八】🔗🔉

おのえいだはち ヲノヘ― 【尾上伊太八】 新内の一。端物。本名題「帰咲名残命毛(カエリザキナゴリノイノチゲ)」。初世鶴賀若狭椽(ツルガワカサノジヨウ)作曲。津軽岩松藩江戸詰の武士原田伊太夫と吉原の遊女尾上との心中未遂事件を脚色したもの。「蘭蝶(ランチヨウ)」「明烏(アケガラス)」とともに新内の代表曲。

おのえ-の-まつ【尾上の松】🔗🔉

おのえ-の-まつ ヲノヘ― 【尾上の松】 古歌などに詠まれた松の名。兵庫県加古川市尾上神社にある「尾上の松」,対岸の高砂市高砂神社の「高砂の松」のいずれをさすか不明。「高砂の―に吹く風の/千載(恋一)」

おの-おの【各・各々】🔗🔉

おの-おの [2] 【各・各々】 ■一■ (名) (1)(人間について)ひとりひとり。めいめい。各自。「―の義務」「―一つずつ持つ」 (2)(事物について)ひとつひとつ。それぞれ。各個。「―の条項を参照する」 ■二■ (代) 二人称。多人数に向かって呼びかける語。皆さん。「これ御覧ぜよ,―/平家 3」

おのおの-がた【各々方】🔗🔉

おのおの-がた 【各々方】 (代) 二人称。多人数の人を敬っていう語。皆さん。あなたがた。近世,多く武士が用いた。「大事の銀を出して,―を呼ぶは/浮世草子・禁短気」

おの-おれ【斧折】🔗🔉

おの-おれ ヲノヲレ [0] 【斧折】 カバノキ科の落葉高木。本州中部以北の山中に生じ,高さ17メートルに達する。葉は楕円形で鋸歯(キヨシ)がある。春,暗黄色の花を尾状の花穂につける。材は非常に堅く,器具や細工物に用いる。オノオレカンバ。オンノレ。アズサミネバリ。ミネバリ。

おの-が【己が】🔗🔉

おの-が 【己が】 (連語) (1)(「が」が連体格の場合)私の。自分の。「―務めを果たす」「―耳を疑う」 (2)(「が」が主格の場合)私が。自身が。 →己(オノ)

おのが-きぬぎぬ【己が衣衣】🔗🔉

おのが-きぬぎぬ 【己が衣衣】 めいめいの衣服。共寝の男女が起きて別れる時,重ねてかけていた着物をそれぞれに取って着ること。「しののめのほがらほがらとあけゆけば―なるぞ悲しき/古今(恋三)」

おのが-さまざま【己が様様】🔗🔉

おのが-さまざま 【己が様様】 一人一人異なったようになること。人それぞれ。おのがじし。「今までに忘れぬ人は世にもあらじ―年の経ぬれば/伊勢 86」

おのが-じし【己が自】🔗🔉

おのが-じし 【己が自】 (副) めいめいに。それぞれに。「―人死(シニ)すらし妹に恋ひ日にけに痩せぬ人に知らえず/万葉 2928」

おのが-ちりぢり【己が散り散り】🔗🔉

おのが-ちりぢり 【己が散り散り】 てんでんばらばらに。「四つに分かるる群鳥の―巣離れて/蜻蛉(中)」

おのが-どち【己が共】🔗🔉

おのが-どち 【己が共】 自分たちの仲間どうし。友人どうし。「夢に乱れたる所おはしまさざめれば更に思ひ寄らざりけることと,―歎く/源氏(乙女)」

おのが-むきむき【己が向き向き】🔗🔉

おのが-むきむき 【己が向き向き】 思い思いに。「はふ蔦の―天雲の別れし行けば/万葉 1804」

おのが-よよ【己が世世】🔗🔉

おのが-よよ 【己が世世】 それぞれ別の人生を送ること。「潮の間にあさりする海人も―かひありとこそ思ふべらなれ/後撰(恋三)」

おのがわ-きさぶろう【小野川喜三郎】🔗🔉

おのがわ-きさぶろう ヲノガハキサブラウ 【小野川喜三郎】 (1758-1806) 江戸後期の力士。第五代横綱。近江大津の人。本姓,川村。谷風・雷電などの好敵手として活躍。

お-の-こ【男・男の子】🔗🔉

お-の-こ ヲ― [1] 【男・男の子】 (1)成年の男子。おとこ。「鶏が鳴く東―は出で向かひ/万葉 4331」 (2)男の子。男児。「すべて―をば,女に笑はれぬやうにおほしたつべしとぞ/徒然 107」 (3)宮中清涼殿の殿上の間に奉仕する男。殿上人。「―ども召せば,蔵人忠隆なりなか参りたれば/枕草子 9」 (4)召し使いの男。下男。 ⇔めのこ 「とみにもえあけやらず,これより外の―,はたなきなるべし/源氏(朝顔)」

おのこ-ご【男の子子】🔗🔉

おのこ-ご ヲ― 【男の子子】 (1)男の子。「―三人あるに/源氏(玉鬘)」 (2)男性。「むつましき人なれど,―には打解くまじきものなり/源氏(乙女)」

おのこ-で【男手】🔗🔉

おのこ-で ヲ― 【男手】 「おとこで(男手){(4)}」に同じ。

おのこ-はらから【男同胞】🔗🔉

おのこ-はらから ヲ― 【男同胞】 男の兄弟。「―とて,近くも寄せ侍らねば/源氏(乙女)」

おの-ごこう【小野御幸】🔗🔉

おの-ごこう ヲノゴカウ 【小野御幸】 白河院が雪の朝,小野に皇太后歓子を訪ねた故事。従者の知らせを受けた皇太后は「雪見に来た方が屋内にお入りになることはありますまい」と,雪の降り積む庭に向けて美しく席をしつらえて院を迎えたので,院もその風流心に深く感動したという。「古今著聞集」「今鏡」「十訓抄」などに見える。雪見御幸。

おのごろ-じま【馭慮島】🔗🔉

おのごろ-じま馭慮島】 〔「おのころじま」とも。おのずから凝り固まってできた島の意〕 (1)記紀神話で,いまだ混沌状態の国土を,伊弉諾(イザナキ)・伊弉冉(イザナミ)二神が天の浮き橋の上から矛(ホコ)でかきまわして引き上げた時に,その矛先から滴り落ちた潮が凝固してできたという島。 (2)日本の称。[日葡]

おの-さま【己様】🔗🔉

おの-さま 【己様】 (代) 〔「おのしさま」の転〕 二人称。おまえさま。あなたさま。女性から男性に用いる。「―の女房よ/浄瑠璃・卯月の紅葉(上)」

おの-さん【己さん】🔗🔉

おの-さん 【己さん】 (代) 〔「おのさま」の転〕 二人称。「おのさま」に同じ。「十四,五本は―も手にあまつて折りにくかろ/浄瑠璃・本朝三国志」

お-のし【御主】🔗🔉

お-のし 【御主】 (代) 〔「おぬし」の転〕 二人称。おまえ。対等もしくはそれに近い者に対する語。男女ともに用いたが,近世では女性に多く用いられた。そなた。「―の様な老ぼれで有うと思たれば/蒙求抄 4」「助坊か,―も植木を買つたな/咄本・聞上手」

おの-ず-から【自ずから・自ら】🔗🔉

おの-ず-から ―ヅ― [0] 【自ずから・自ら】 (副) 〔「己(オノ)つ(助詞)柄(カラ)」で,他から力を加えることなく,それ自身の力で,が原義〕 (1)自然に。ひとりでに。「弁解しなくとも―分かってもらえる時が来るだろう」「読書百遍義―見(アラワ)る」 (2)(自然の赴く所として)数あるうちにはまれに。長い間にはたまに。「されども―正直の人などかなからん/徒然 85」 (3)いつの間にか。知らず知らずのうちに。「―数年を経ぬ/今昔 6」 (4)たまたま。偶然に。「―はしつかた,局などにゐたらむ時もいへかし/枕草子 8」 (5)(仮定・推測の語とともに用いて)万一。ひょっとしたら。「―後まで忘れぬ御事ならば,召されてまたは参るとも,今日はいとまたまはらん/平家 1」 (6)きっと。たぶん。「乗るべき車なくてえ参らずは,―聞こし召しつけて賜はせもしてむ/枕草子 278」

おの-ず-と【自ずと・自と】🔗🔉

おの-ず-と ―ヅ― [0] 【自ずと・自と】 (副) ひとりでに。自然に。おのずから。「修業を重ねれば―腕も上がる」

おのだ【小野田】🔗🔉

おのだ ヲノダ 【小野田】 山口県南西部,周防(スオウ)灘に臨む市。古代製陶の中心地であった。江戸末期より石炭産業で繁栄。セメント・硫酸・化学薬品などを産する。

おのだ-せん【小野田線】🔗🔉

おのだ-せん ヲノダ― 【小野田線】 JR 西日本の鉄道線。山口県居能(イノウ)・小野田(11.6キロメートル),雀田・長門本山(2.3キロメートル)。宇部・小野田工業地域の原料・製品輸送を目的に建設。

おのづか【小野塚】🔗🔉

おのづか ヲノヅカ 【小野塚】 姓氏の一。

おのづか-きへいじ【小野塚喜平次】🔗🔉

おのづか-きへいじ ヲノヅカ― 【小野塚喜平次】 (1870-1944) 政治学者。新潟県生まれ。東大の初代政治学教授。のちに東大総長。日本の近代政治学の開拓者。著「政治学大綱」

おの-づくり【斧旁】🔗🔉

おの-づくり ヲノ― [3] 【斧旁】 漢字の旁(ツクリ)の一。「新」「断」などの「斤」の部分。刃物,または切る意を表す文字を作る。

おのでら【小野寺】🔗🔉

おのでら ヲノデラ 【小野寺】 姓氏の一。

おのでら-じゅうない【小野寺十内】🔗🔉

おのでら-じゅうない ヲノデラジフナイ 【小野寺十内】 (1643-1703) 赤穂浪士の一人。名は秀和。浅野家の京都留守居。経書を伊藤仁斎に学び,また和歌にすぐれた。江戸に出て医者仙北十庵と称す。

おののき【戦き】🔗🔉

おののき ヲノノキ [0] 【戦き】 怖くて震えること。戦慄(センリツ)。

おのの・く【戦く】🔗🔉

おのの・く ヲノノク [3] 【戦く】 (動カ五[四]) 〔「わななく」の母音交替形〕 恐怖・寒さ・興奮などで震える。「恐怖に―・く」

おの-の-こうたいこう【小野皇太后】🔗🔉

おの-の-こうたいこう ヲノ―クワウタイコウ 【小野皇太后】 (1021-1102) 後冷泉天皇の皇后。藤原教通の女(ムスメ)。小野宮にいたことからいう。歓子。

おの-の-みや【小野宮】🔗🔉

おの-の-みや ヲノ― 【小野宮】 平安京の,大炊御門南,烏丸西にあった邸宅。文徳天皇の皇子で小野宮と呼ばれた惟喬(コレタカ)親王が隠棲したことからこの名があるという。のち太政大臣藤原実頼(サネヨリ)が住み,小野宮殿と呼ばれたため,その子孫は小野宮家と称され,有職故実家として知られた。

おののみや-さねより【小野宮実頼】🔗🔉

おののみや-さねより ヲノ― 【小野宮実頼】 藤原実頼(フジワラノサネヨリ)。

おののみや-りゅう【小野宮流】🔗🔉

おののみや-りゅう ヲノ―リウ 【小野宮流】 有職故実家の流派の一。小野宮(藤原)実頼を祖とする。

おのは-いっとうりゅう【小野派一刀流】🔗🔉

おのは-いっとうりゅう ヲノハイツタウリウ 【小野派一刀流】 剣術の一派。一刀流を大成した小野忠明の子,小野次郎右衛門忠常から以降,この流派名を称した。忠常・忠於・忠一と伝わり,忠一の門人から中西派一刀流が分派。小野流。

おの-はじめ【斧始め】🔗🔉

おの-はじめ ヲノ― [3] 【斧始め】 (1)家を建てるとき,材木に初めて斧を入れること。その祝いの儀式。ちょうなはじめ。 (2)その年初めて木を伐(キ)り出す新年の行事。[季]新年。

お-のぼり【御上り】🔗🔉

お-のぼり [2] 【御上り】 地方から都へ行くこと。また,その人。

おのぼり-さん【御上りさん】🔗🔉

おのぼり-さん [2] 【御上りさん】 見物などのために地方から大都会に出てきた人をからかい気味にいう語。

おの-ぼれ【己惚れ】🔗🔉

おの-ぼれ 【己惚れ】 「うぬぼれ(自惚)」に同じ。「すげなくすれば―が増長すると/人情本・梅児誉美(後)」

オノマトペ(フランス) onomatope🔗🔉

オノマトペ [3] (フランス) onomatope 擬音語・擬声語・擬態語を包括的にいう語。

お-の-まんねんぐさ【雄之万年草】🔗🔉

お-の-まんねんぐさ ヲ― [5][1]-[3] 【雄之万年草】 ベンケイソウ科の多年草。山地に生える。全体が多肉質で,緑色。花茎は高さ約20センチメートル。葉は線形で三個ずつ輪生する。五,六月頃,花茎の上方が分枝して多数の黄色の五弁花をつける。タカノツメ。マンネングサ。

お-の-み【尾の身】🔗🔉

お-の-み ヲ― [1] 【尾の身】 クジラの尾の付け根のところにある肉。クジラの最も美味な部分で,刺身で賞味される。尾肉。

お-の-み【麻実・苧実】🔗🔉

お-の-み ヲ― [1] 【麻実・苧実】 「麻(アサ)の実」の別名。 →麻子仁(マシニン)

おのみち【尾道】🔗🔉

おのみち ヲノミチ 【尾道】 広島県南東部,瀬戸内海に臨む市。近世,西廻り航路の要港。商業が発達した市街は,戦災をまぬがれ古い面影を残す。向島(ムカイシマ)と尾道大橋で結ばれ,観光開発が進む。

おの-もんぜき【小野門跡】🔗🔉

おの-もんぜき ヲノ― 【小野門跡】 随心(ズイシン)院の通称。

おの-ら【己等】🔗🔉

おの-ら 【己等】 (代) 〔「ら」は接尾語〕 (1)一人称。複数に用いられる。われら。われわれ。「女なる―だにこそ,筋の絶えむことは思へ/宇津保(国譲上)」 (2)二人称。単数にも複数にも用いる。相手を卑しめののしる語。おまえたち。うぬら。「―は此長吉を盗人とは何でぬかした/浄瑠璃・双蝶蝶」

おの-りゅう【小野流】🔗🔉

おの-りゅう ヲノリウ 【小野流】 (1)〔仏〕 東密二流の一。平安初期の聖宝を祖とし,仁海が広めた。流派名は,仁海が京都の小野に曼荼羅(マンダラ)寺を建立したことによる。次第に六流に分派し,さらに二六流に分化した。 →広沢流 (2)「小野派一刀流」に同じ。

おの-れ【己】🔗🔉

おの-れ [0] 【己】 ■一■ (代) (1)反照代名詞。その人自身,またはその物自体をさす。自分。自分自身。「―の分を心得る」「白き花ぞ―ひとりゑみの眉開けたる/源氏(夕顔)」 (2)一人称。卑下の意を込めて用いることが多い。「―は五条西洞院のほとりに候ふ翁に候ふ/宇治拾遺 1」 (3)二人称。目下の人に対して,または相手を見下し,ののしっていう時に用いる。お前。きさま。「かく賤しき―がもとにしばしおはしつるなり/竹取」 ■二■ (副) ひとりでに。自然に。「松の木の―起きかへりて/源氏(末摘花)」 ■三■ (感) 怒りや悔しさを表す語。「―,よくも裏切ったな」

おのれ-がお【己顔】🔗🔉

おのれ-がお ―ガホ 【己顔】 他人を問題にしない,得意そうな様子。われはがお。「松が枝荻の葉むけにうち靡き―なる風の音かな/俊成女集」

おのれ-め【己奴】🔗🔉

おのれ-め 【己奴】 (代) 二人称。相手をののしっていう語。おまえめ。「殿と思ふたれば,―は何してここにをるぞ/狂言記・花子」

おのれ-やれ【己やれ】🔗🔉

おのれ-やれ 【己やれ】 (感) そのままには捨てておかないと,自らの気持ちを奮い起こして発する語。なにくそ。おどれやれ。「―お家の為と請合ひしが…どうまあこれが殺されう/浄瑠璃・先代萩」

おのれ-ら【己等】🔗🔉

おのれ-ら 【己等】 (代) 〔「ら」は接尾語〕 (1)一人称。話し手側を卑下していう。(ア)複数を表す。自分ら。私ども。「―だにおぼつかなういぶせきを/浜松中納言 2」(イ)単数を表す。「―若かりし世までは/徒然 119」 (2)二人称の複数。目下の者に対して,あるいは相手を卑しめののしっていう。おまえたち。きさまたち。「もとより―がやうなる下臈のはてを,君の召しつかはせ給ひて/平家 2」

オノンOnon🔗🔉

オノン Onon モンゴル北東部に源を発し北東流してシベリアに入り,本流のアムール川に合流する川。長さ808キロメートル。流域はモンゴル帝国発祥の地。

おの【斧】(和英)🔗🔉

おの【斧】 an ax(e);a hatchet (手斧).→英和

おのおの【各】(和英)🔗🔉

おのおの【各】 ⇒銘々(めいめい).

おのずから【自ずから】(和英)🔗🔉

おのずから【自ずから】 naturally (自然に);→英和 spontaneously (自発的に);→英和 of its own accord (ひとりでに).

おののく【戦く】(和英)🔗🔉

おののく【戦く】 tremble;→英和 shudder;→英和 shiver.→英和

おのぼりさん【お上りさん】(和英)🔗🔉

おのぼりさん【お上りさん】 people fresh from the country;→英和 a country hick[bumpkin].

おのれ【己れ】(和英)🔗🔉

おのれ【己れ】 I (自分);→英和 myself;→英和 oneself;→英和 you (汝).→英和 〜の one's (own).〜(自身)を知れ Know thyself.

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