せん-い [1] 【船医】 船に乗り組み，乗客・乗組員などの病気・けがに備える医師。

せん-いん ―ン [0] 【船員】 船に乗り組んで，船の運航に携わる者。予備員も含めていう。船員法では船長と海員に分ける。船乗り。

せんいん-てちょう ―ン―チヤウ [5] 【船員手帳】 船員の身分を証明する手帳。氏名・生年月日・本籍地・履歴・乗組船舶などを記載する。

せんいん-ほう ―ンハフ 【船員法】 船長の職務権限，船内規律，船員の労働条件を定めた法律。1947年（昭和22）制定。

せんいん-ほけん ―ン― [5] 【船員保険】 船員を対象とする社会保険。病気・負傷・失業・老齢・行方不明・死亡などについて保険給付を行う。

せんいん-ろうどう-いいんかい ―ンラウドウンクワイ [10] 【船員労働委員会】 船員の労使関係を調整する労働委員会。運輸省の外局。船員中央労働委員会および船員地方労働委員会が設置されている。

せん-えい [0] 【船影】 船の姿。ふなかげ。

せん-か [1] 【船架】 小型船舶を修理する際に陸上に引き上げて載せる船台。また，引き上げるための台車や滑走台の上で船体を支持する架台。

せん-がい ―グワイ [1] 【船外】 ふねのそと。 ⇔船内

せんがい-き ―グワイ― [3] 【船外機】 小型ボートなどに用いられる，取り外し式の機関。駆動装置・かじ・燃料タンクなどが一体となっている。

せん-かん [1] 【船艦】 船舶と軍艦。艦船。

せん-きゃく [0] 【船客】 客船の乗客。船に乗っている客。

せん-きゃく [0] 【船脚】 船の進む速さ。ふなあし。

せん-きゅう ―キフ [0] 【船級】 船級協会が機関・船体・艤装品などを，一定の規定に基づいて検査し証明する，船舶の資格・等級。保険・売買などのための国際的標準となる。

せんきゅう-きょうかい ―キフケフクワイ 【船級協会】 船舶に船級を与える，保険業者・造船機業者・船主・荷主などからなる民間の非営利団体。

せん-きょ [1] 【船渠】 ⇒ドック（dock）(１)

せん-きょう ―ケウ [0] 【船橋】 （１）船舶の上甲板の高所にあり，航海中，各部署に対し種々の指令を発する所。ブリッジ。 （２）「ふなはし（船橋）」に同じ。

せんきょう-ろう ―ケウ― [3] 【船橋楼】 船の，船橋のある船楼。

せん-ぐ [1] 【船具】 船の用具。帆・舵(カジ)・錨(イカリ)・艪(ロ)など。

せん-ぐん [0] 【船軍】 ふないくさ。水軍。

せん-けい [0] 【船形】 船の形。また，船の外形を示す模型。

せんけい-ぼ [3] 【船形墓】 墓の形態の一。バイキングの墓で，北ヨーロッパに広く分布。船の形に立て石を配し，遺体を埋葬する。船が魂を天に運ぶという信仰に基づく。

せん-げん [0] 【船舷】 ふなばた。ふなべり。

せん-しつ [0] 【船室】 船舶で，乗船客の使用にあてる部屋。また，船員室。キャビン。ケビン。

せん-しゅ [1] 【船主】 船舶の所有者。ふなぬし。

せん-しゅ [1] 【船首】 船体の前方の部分。また，船の前端。へさき。みよし。 ⇔船尾

ふな [1] 【船・舟】 ふね。多く，名詞や動詞の上に付いて複合語をつくる。「―旅」「―の舳(ヘ)」「―装(ヨソ)う」

ふな-あし [0] 【船足・船脚】 （１）船の進む速さ。「―が速い」「―が重い」 （２）船体の水面下の深さ。吃水。「―いっぱいに荷をつむ」 （３）江戸幕府が規定した和船の舷側基準面から水面までの高さ。 （４）船の左右の安定性。「―が弱い」

ふな-あらため [3] 【船改め・船検め】 江戸時代，役人が港に出入りする船を検査すること。また，その役。

ふな-いくさ [3] 【船軍】 （１）船を用いた水上の戦い。 （２）「水軍(スイグン)」に同じ。「―海に満ち，旌旗日に耀く/日本書紀（神功訓）」

ふな-うた [2] 【舟歌・舟唄・船歌】 （１）舟を漕ぎながら，あるいは船を引きながら歌う歌。 →御船歌(オフナウタ) （２）バルカロールに同じ。

ふな-えま ―マ [3] 【船絵馬】 近世初期以降，海上安全を祈願して船主や船頭が社寺に奉納する自船の姿を描いた絵馬。江戸後期には，大坂に出現した専門の絵馬屋の製品が全国に奉納されるようになった。

ふな-おうらい ―ワウライ [3] 【船往来】 ⇒船切手(フナギツテ)

ふなおか-やま フナヲカ― 【船岡山】 京都市北区にある孤立丘。平安時代，貴族の行楽地，のち火葬場，さらに戦略上の要地となる。織田信長をまつる建勲神社がある。船岡。((歌枕))「人はみな―をとまりにぞする/山家（雑）」

ふな-おろし [3] 【船卸し・船降ろし】 （１）新造の船をはじめて水に浮かべること。また，その儀式。 （２）陸上にあげてある舟を水面におろすこと。 （３）船の積み荷をおろすこと。

ふな-がいしゃ ―グワイシヤ [3] 【船会社】 船を持ち，乗客・貨物の輸送を業とする会社。海運会社。

ふな-がかり [3] 【船繋り】 （名）スル 港に，船をつないで停泊すること。また，その設備。「ナポリの港に―して/囚はれたる文芸（抱月）」

ふな-かげ [0][3] 【船影】 遠く見える船のすがた。

ふな-がこい ―ガコヒ [3] 【船囲い】 （名）スル （１）長期間使用しない船を，水上に繋留したり，陸上に引き揚げて，苫(トマ)でおおって保存処置をすること。 （２）荒天の時，上積みの荷物の濡れを防ぐため，船の側面や上部を苫などでおおうこと。

ふな-かじ ―クワジ [0] 【船火事】 船やその積み荷に起きる火災。

ふな-かた [0] 【船肩】 船体の上部舷側間の幅。通常は船体中央部付近の最大幅をさす。肩。筒肩(ツツカタ)。胴の肩。腰当(コシアテ)肩。船腹。

ふな-がた [0] 【船形・舟形】 船のかたち。また，その形をしたもの。「―の菓子器」

ふな-かわら ―カハラ [3] 【船瓦】 （１）平安・鎌倉時代，船体の大半を構成する刳船(クリブネ)式の主要材の称。かわら。 （２）室町時代以後，板合わせ構造の船の船首から船尾にかけて通す平らな船底材。かわら。

ふな-ぎみ 【船君】 （１）船の乗客の長である人。船旅の長。「―節忌(セチミ)す/土左」 （２）「船饅頭(フナマンジユウ)」に同じ。

ふな-ぐ [2] 【船具】 船に装備する諸道具。船体以外，舵・帆柱・帆桁(ホゲタ)・櫓・端船(ハシブネ)・碇(イカリ)・綱類などを総称していう。船道具。船具足。

ふな-くじ 【船公事】 中世から近世初期，領主が領国内の港湾を使用する船舶を対象として賦課した税。

ふな-くだり [3] 【船下り】 船で川を下ること。川下り。「最上川―」

ふな-くらべ [3] 【船競べ】 船を漕(コ)いで，速さを競うこと。競漕。

ふな-ぐり [0] 【船繰り】 どの航路にどの船を就航させるかを決めること。配船。

ふな-こ 【船子・舟子】 船頭の指揮の下にある水夫。船人。水手(カコ)。水主。「楫取(カジトリ)，―どもに曰(イワ)く/土左」

ふな-こし [0] 【船越し】 〔舟をかついで越したことからいう〕 島・半島などで，両側に海の迫った狭まった所。

ふなこし-おび [5] 【船越帯】 男帯の一。博多織の格子縞(コウシジマ)に独鈷(トツコ)紋のあるもの。

ふなさか-とうげ ―タウゲ 【船坂峠】 岡山県備前市と兵庫県赤穂(アコウ)郡の境にある峠。山陽道の難所。古くは，和気関が置かれた。のち，軍略上の要地。児島高徳が隠岐遷幸の後醍醐天皇を迎えようとしたという所。船坂山。

ふな-し 【船師】 （１）船頭。船長。 （２）近世，廻船業者などの海上商人。

ふな-じしゃく [3] 【船磁石】 和船の航海用磁石。船時計(フナドケイ)。 →裏針(ウラバリ)

ふな-じるし [3] 【船標・船印】 船の所属や乗り手を示すために船に掲げるしるし。

ふな-だま [0] 【船玉・船霊・船魂】 （１）船中にまつられる船の守護神。住吉大明神・猿田彦神・綿津見神など。春日・八幡・大日・薬師なども数え入れ十二船玉という。男女一対の人形やさいころ二個・五穀・銭一二文・女の髪などを神体とし，帆柱の受け材である筒(ツツ)の下部に穴をあけて封じ込める。 （２）帆柱。また，船。

ふな-て 【船手】 （１）船の通りみち。航路。「―に残る冬の通ひ路/隆信集」 （２）軍船の軍勢。水軍。「我も今朝より―に廻り/浄瑠璃・千本桜」 （３）船の事を取り扱う人。また，船乗り。「おいらも―の人足だから/滑稽本・八笑人」

ふなて-がしら [4] 【船手頭】 江戸幕府の職名。若年寄支配。幕府の用船を管理し，また四国・九州の沿岸を巡視した。ふながしら。

ふな-どけい [3] 【船時計】 （１）「船磁石(フナジシヤク)」の別名。 （２）船中で使用する時計。

ふな-に [0] 【船荷】 船に積んで運送する荷物。

ふなに-しょうけん [4] 【船荷証券】 〔bill of lading〕 海上の物品運送契約において，運送人が運送品の受け取りまたは船積みを証し，指定港において証券の正当所持人に引き渡すことを約する有価証券。BL 。

ふな-ぬし [2] 【船主】 （１）船の所有者。せんしゅ。 （２）船長。

ふな-はし [2] 【船橋】 〔「ふなばし」とも〕 船をつなぎ並べ，上に板を渡して橋としたもの。浮き橋。

ふなはし 【船橋】 能の一。四番目物。現行曲は世阿弥の改作。上野国佐野の船橋の伝説に基づく。相愛の男女が通い路である船橋を親に断たれて溺死し八寒地獄の苦しみを受けるが，山伏にすがって成仏する。

ふなばし 【船橋】 千葉県北西部，東京湾に面する市。船橋大神宮の門前町と宿場町・漁村が結合して発展。商工業が発達し，京葉工業地帯の一部を形成。

ふな-ひき [2] 【船引き】 急流をさかのぼる時など，岸から船を綱で引くこと。また，その人。

ふな-びらき [3] 【船開き】 船が港を出ること。船出。

ふな-べり [0] 【船縁・舷】 「船端(フナバタ)」に同じ。

ふな-ま 【舟間・船間】 （１）船の入港が途絶えた間。 （２）物が欠乏すること。「我先にと灯油を買しめ，―なりといひ立て日々に高直(コウジキ)/一話一言」 （３）（多く「船澗」と書く）船を碇泊(テイハク)するに適した場所。船掛かり澗。

ふな-まつり [3] 【舟祭・船祭】 「御船祭(オフネマツ)り」に同じ。

ふな-もち [0] 【船持(ち)】 船を持っている人。船主。居船頭。

ふな-もり [2] 【舟守・船守】 舟の番人。

ふな-やかた [3] 【船屋形】 船上に設ける屋形。船の種類や時代により大きさ，形式とも一定しないが，近世の諸大名の御座船の豪華な二階造りは，その典型。

ふね 【船・舟】 ■一■ [1] （名） （１）人や荷物をのせて水上を行き来する乗り物。船舶。 （２）（「槽」とも書く）箱形の容器。水槽・浴槽・洗濯槽・馬槽・紙漉槽(カミスキブネ)など。 （３）棺(ヒツギ)。 （４）歌舞伎小屋の，二階正面に張り出した桟敷(サジキ)。引き舟。 ■二■ （接尾） 助数詞。舟形の容器に入ったものを数えるのに用いる。「刺身一―」

――が坐(スワ)・る 腰を落ち着ける。容易には動かない。「揚詰の大だいじん，お―・つた/浄瑠璃・お初天神記」

――に刻(コク)して剣を求む ⇒刻舟(コクシユウ)

――を漕(コ)・ぐ 〔その様子が舟をこぐのに似ることから〕 居眠りをする。「座るとすぐ―・ぎ始めた」

ふねひき 【船引】 福島県中東部，田村郡の町。阿武隈高地にあり，タバコの産地。

み-おし [0] 【水押・船首】 ⇒みよし（水押）

せんい【船医】 a ship's doctor.

せんいん【船員】 a crew (総称);→英和 a seaman.→英和 高級(下級)船員 an officer (a sailor).→英和

せんきゃく【船客】 a passenger.→英和 ‖船客名簿 a passenger list.一等船客 a first-class passenger.

せんきょう【船橋】 a bridge (甲板の);→英和 a pontoon bridge (舟を並べて作る).

せんぐ【船具】 ship's fittings.

せんしつ【船室】 acabin.→英和 〜を予約する book a berth.→英和 ‖三等船室 the steerage.

せんしゅ【船主】 a shipowner.→英和

せんしゅ【船首】 the bow[prow].→英和 船首飾り a figurehead.→英和

ふなあし【船脚】 speed (速力);→英和 draft (喫水).→英和 〜が深い(浅い) have a deep (light) draft.

ふなうた【船歌】 a sailor's song.

ふながいしゃ【船会社】 a shipping company.

ふなかじ【船火事】 a fire on a ship.→英和

ふなぐ【船具】 the rigging.→英和

ふなに【船荷】 a cargo.→英和 船荷証券 a bill of lading.