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ひき【引き】🔗🔉

ひき【引き】 [名]引っ張ること。また、その力。「魚の―が強い」特別に目をかけて便宜をはかること。引き立て。「上役の―で出世する」手づる。つて。縁故。「就職するにも―がない」引く力に対して耐える力。紙などの腰があること。「―のある紙」写真撮影で、カメラを後ろへ移す空間的なゆとり。「―のない場所」率いること。導き。「大君の―のまにまに」〈万・一〇四七〉江戸時代、田畑の租税を減免すること。「引き出物」の略。「これの内のやつらにも、何かなしに三百づつお―をやる合点ぢゃ」〈浄・万年草〉(「びき」の形で)接尾語的に用いて、値引き・値下げの意を表す。「三割―」〔接頭〕動詞に付いて、その動詞の示す動作・作用を強める意を表し、また、語調を強めるのに用いる。「―しめる」「―まわす」◆音便で、「ひっ」「ひん」ともなる。「ひっくくる」「ひんまげる」など。

ひき‐あい【引(き)合い】‐あひ🔗🔉

ひき‐あい【引(き)合い】‐あひ 互いに引っ張り合うこと。「綱の―をする」証拠・参考として例に引くこと。「もうけ話の―に出す」売買・貸借条件の照会。また、その注文・取引。「海外から新製品の―がくる」訴訟・事件などの証人・参考人になること。仲を取りもつこと。紹介。「先生からの御―で無ければ」〈鉄腸・花間鶯〉まきぞえ。かかわりあい。「然し―は喰ひはしませぬかな」〈伎・敵討噂古市〉

ひき‐あ・う【引(き)合う】‐あふ🔗🔉

ひき‐あ・う【引(き)合う】‐あふ [動ワ五(ハ四)]互いに引っ張る。引っ張り合う。「ロープを―・う」取引をしてもうけがある。収支がつりあう。「―・わない商売」苦労や努力をしただけのことがある。割に合う。「さんざん手助けをして恨まれたのでは―・わない」助け合う。手を取り合う。「当国の守護を給ひて、星野、行明等と―・ひ」〈太平記・三五〉取引をする。取り決めをする。「先刻内々―・うておいた」〈滑・膝栗毛・五〉

ひき‐あわ・す【引(き)合(わ)す】‐あはす🔗🔉

ひき‐あわ・す【引(き)合(わ)す】‐あはす [動サ五(四)]「引き合わせる」に同じ。「原簿と―・す」[動サ下二]「ひきあわせる」の文語形。

ひき‐あわせ【引(き)合(わ)せ】‐あはせ🔗🔉

ひき‐あわせ【引(き)合(わ)せ】‐あはせ 取りもって対面させること。紹介すること。「神様のお―で巡り合う」照合すること。「住民票との―」(よろい)や腹巻き・胴丸・具足の類で、着脱するための胴の合わせ目。大鎧では右脇の間隙部をいう。「引き合わせ紙」の略。

ひきあわせ‐がみ【引(き)合(わ)せ紙】ひきあはせ‐🔗🔉

ひきあわせ‐がみ【引(き)合(わ)せ紙】ひきあはせ‐ 昔、陸奥(むつ)で産した薄墨色の紙。また、後世では、普通の檀紙(だんし)をいう。武士が鎧(よろい)の引き合わせに入れておいたところからとも、男女を引き合わせる恋文の紙に用いたところからの名ともいう。みちのく紙。

ひき‐あわ・せる【引(き)合(わ)せる】‐あはせる🔗🔉

ひき‐あわ・せる【引(き)合(わ)せる】‐あはせる [動サ下一]ひきあは・す[サ下二]引き寄せて合わせる。「襟元を―・せる」比べ合わせる。照らし合わせる。「原典と―・せる」取りもって両者を対面させる。紹介する。「恋人を親に―・せる」

ひき‐いわい【引(き)祝(い)】‐いはひ🔗🔉

ひき‐いわい【引(き)祝(い)】‐いはひ 芸者や娼妓が廃業するのを披露する祝い。

ひき‐うけ【引(き)受(け)】🔗🔉

ひき‐うけ【引(き)受(け)】 引き受けること。「難民の―先」為替手形の支払人が、手形に署名して手形金額の支払い義務を負うこと。有価証券の発行に際し、証券会社などがそれを売り出す目的で、発行者からその証券の全部または一部を取得する契約を結ぶこと。

ひきうけ‐て【引(き)受(け)手】🔗🔉

ひきうけ‐て【引(き)受(け)手】 引き受ける人。引受人。「幹事の―がいない」

ひき‐う・ける【引(き)受ける】🔗🔉

ひき‐う・ける【引(き)受ける】 [動カ下一]ひきう・く[カ下二]自分が責任をもってその物事を受け持つ。「販売を一手に―・ける」「役員を―・ける」あとを受け継ぐ。他に代わってする。「父から事業を―・ける」「あとは私が―・けた」保証する。保証人となる。「留学生の身元を―・ける」

ひき‐うた【引(き)歌】🔗🔉

ひき‐うた【引(き)歌】 古歌やその一部を、後人が自分の詩歌・文章に引用すること。また、その歌。

ひき‐うつし【引(き)写し】🔗🔉

ひき‐うつし【引(き)写し】 他人の文章や書画などを、そっくりそのまま書き写すこと。また、そのもの。敷き写し。「―の多い論文」

ひき‐うつ・す【引(き)写す】🔗🔉

ひき‐うつ・す【引(き)写す】 [動サ五(四)]他人の文章などをそのまま書き写す。引き写しをする。「日記に詩の一節を―・す」

ひき‐うつ・る【引(き)移る】🔗🔉

ひき‐うつ・る【引(き)移る】 [動ラ五(四)]住所などがほかの場所に変わる。引っ越す。移転する。「郊外の一戸建てに―・る」

ひき‐おこ・す【引(き)起(こ)す】🔗🔉

ひき‐おこ・す【引(き)起(こ)す】 [動サ五(四)]倒れたり、横になったりしたものを、引っ張って起こす。「腕をとって―・す」(「惹き起こす」とも書く)事件・騒ぎなどを新たに生じさせる。「論争を―・す」

ひき‐おろ・す【引(き)下ろす】🔗🔉

ひき‐おろ・す【引(き)下ろす】 [動サ五(四)]引いて下へおろす。また、引っ張って無理におろす。「よろい戸を―・す」「会長の座から―・す」

ひき‐かえ【引(き)換え・引(き)替え】‐かへ🔗🔉

ひき‐かえ【引(き)換え・引(き)替え】‐かへ 取りかえること。交換。「代金と―に品物を渡す」

ひき‐か・える【引(き)換える・引(き)替える】‐かへる🔗🔉

ひき‐か・える【引(き)換える・引(き)替える】‐かへる [動ア下一]ひきか・ふ[ハ下二]取りかえる。交換する。ある物を渡す代わりに別の物を手に入れる。「当たりくじを景品と―・える」まったく異なる。反対になる。多く、「…にひきかえ」の形で用いる。「弟に―・え、兄は読書家だ」「昨日に―・えて、今日は寒い」状態やようすを変える。「山里の気配―・へて」〈源・早蕨〉

ひき‐がき【引き×柿・×曳き×柿】🔗🔉

ひき‐がき【引き×柿・×曳き×柿】 布などに柿渋(かきしぶ)を引くこと。また、その布。「あひあひ―したる摺り尽しの直垂(ひたたれ)に」〈義経記・一〉

ひき‐か・ける【引(き)掛ける】🔗🔉

ひき‐か・ける【引(き)掛ける】 [動カ下一]ひきか・く[カ下二]掛けてさげる。ひっかける。「枝に着物を―・ける」引いて上にかぶせる。また、無造作に着たり履いたりする。ひっかける。「下駄を―・けて」〈漱石・吾輩は猫である〉関係づける。引き合いに出す。「千々の社を―・けて」〈源・総角〉

ひき‐かさ・ぬ【引き重ぬ・引き△襲ぬ】🔗🔉

ひき‐かさ・ぬ【引き重ぬ・引き襲ぬ】 [動ナ下二]その上に重ねる。重ねて着る。「袿(うちぎ)ども五つ―・ねて」〈宇津保・楼上下〉

ひき‐がし【引(き)菓子】‐グワシ🔗🔉

ひき‐がし【引(き)菓子】‐グワシ 祝儀・仏事などで引き出物として出す菓子。

ひき‐かなぐ・る【引きかなぐる】🔗🔉

ひき‐かなぐ・る【引きかなぐる】 [動ラ四]手荒く引きのける。荒々しく引きちぎる。「御殿どもの格子―・りて乱れ入るに」〈増鏡・さしぐし〉

ひき‐がね【引(き)金】🔗🔉

ひき‐がね【引(き)金】 小銃・ピストルなどの、指で引く発射装置の金具。ある事態を引き起こす直接の原因。きっかけ。「授業料の値上げが―となって大学紛争が起こった」

ひき‐ぎわ【引(き)際・△退き際】‐ぎは🔗🔉

ひき‐ぎわ【引(き)際・退き際】‐ぎは それまでの地位・立場などから退くときの時期や身の処し方。ひけぎわ。「―が悪い」「―が肝心だ」

ひき‐く【引(き)句】🔗🔉

ひき‐く【引(き)句】 他の文の一節や俳句などを引用すること。また、その文句や俳句。引用句。平曲で、節をつけて歌うように語る部分。語り句。

ひき‐くく・る【引き△括る】🔗🔉

ひき‐くく・る【引き括る】 [動ラ五(四)]「ひっくくる」に同じ。「一つにまとめて―・る」

ひき‐ぐ・する【引(き)具する】🔗🔉

ひき‐ぐ・する【引(き)具する】 [動サ変]ひきぐ・す[サ変]いっしょに連れて行く。引き連れる。伴う。「女衆たちを―・して駆けつけた」〈有吉・助左衛門四代記〉必要なものを備える。身につける。「いかで、かうのみ―・しけむ」〈源・薄雲〉

ひき‐くら・べる【引(き)比べる・引き△較べる】🔗🔉

ひき‐くら・べる【引(き)比べる・引き較べる】 [動バ下一]ひきくら・ぶ[バ下二]引き合わせて比べる。比較する。「自分の身に―・べて考えてみる」

ひき‐くる・める【引き△括める】🔗🔉

ひき‐くる・める【引き括める】 [動マ下一]ひきくる・む[マ下二]「ひっくるめる」に同じ。「彼此の別なく―・めて」〈鴎外・青年〉

ひき‐こ【×挽き子・引(き)子】🔗🔉

ひき‐こ【×挽き子・引(き)子】 車屋で雇っておく、人力車夫。車引き。

ひき‐こし【引(き)越し】🔗🔉

ひき‐こし【引(き)越し】ひっこし」に同じ。「ここへ―の当時は」〈漱石・吾輩は猫である〉

ひき‐ごし【引(き)腰】🔗🔉

ひき‐ごし【引(き)腰】 女房装束の裳(も)の大腰の左右に取り付け、後ろに長く引き垂らした二本の飾りひも。

ひき‐こ・す【引(き)越す】🔗🔉

ひき‐こ・す【引(き)越す】 [動サ五(四)]ひっこす」に同じ。「東京へ―・す、―・すって毎日のように云って」〈漱石・虞美人草〉引いて越える。また、越える。「船をささ波の山に―・して」〈欽明紀〉他のものを越えてその先に出る。追い越す。「御おととのつぎの宮に―・されさせ給へるほどなど」〈大鏡・師輔〉順序を越えて上位に引き上げる。「―・して大納言に奉らせ給ひつ」〈栄花・見果てぬ夢〉

ひき‐ごと【引(き)言】🔗🔉

ひき‐ごと【引(き)言】 説明のために他の文言や事例などを引くこと。引用すること。また、その言葉。「それを―にして」〈魯文・安愚楽鍋〉

ひき‐こみ【引(き)込み】🔗🔉

ひき‐こみ【引(き)込み】 引き込むこと。引いて中に入れること。誘ったり導いたりして中に入れること。引き出してこっそり使うこと。使いこみ。「皆藤内が―にいひたて」〈浮・曲三味線・二〉

ひきこみ‐せん【引(き)込(み)線】🔗🔉

ひきこみ‐せん【引(き)込(み)線】 鉄道の主要線路から分かれ、駅構内の特定の場所や工場などへ引き込まれた線路。屋外の変圧器から屋内に引き込んだ電線。また、電話配線ケーブルから分岐し、加入宅内に引き込んだ回線。

ひき‐こ・む【引(き)込む】🔗🔉

ひき‐こ・む【引(き)込む】 [動マ五(四)]引っ張って中へ入れる。引いてきて入れる。「電線を―・む」「田に水を―・む」仲間に誘い入れる。「悪の道に―・む」人の心を引き寄せて夢中にさせる。「観客を―・む見事な演技」「思わず話に―・まれる」ひどい風邪にかかる。「風邪を―・む」ひっこむ」に同じ。「婆さんはだまって―・んだ」〈漱石・坊っちゃん〉[動マ下二]「ひきこめる」の文語形。

ひき‐こ・める【引(き)込める】🔗🔉

ひき‐こ・める【引(き)込める】 [動マ下一]ひきこ・む[マ下二]「ひっこめる」に同じ。「津田は笑いながら手を―・めた」〈漱石・明暗〉

ひき‐ざかな【引き×肴】🔗🔉

ひき‐ざかな【引き×肴】 酒宴の膳に添えて引き出物として出す肴。

ひき‐さが・る【引(き)下(が)る】🔗🔉

ひき‐さが・る【引(き)下(が)る】 [動ラ五(四)]その場から退く。「早々に―・る」手を引く。また、自分の主張を引っ込める。「そう簡単に―・るわけにはいかない」おくれる。あとにつく。「一日―・りてぞ向かひける」〈太平記・六〉

ひき‐さげ【引(き)下げ】🔗🔉

ひき‐さげ【引(き)下げ】 引き下げること。「公定歩合の―」

ひき‐さ・げる【引(き)下げる】🔗🔉

ひき‐さ・げる【引(き)下げる】 [動ガ下一]ひきさ・ぐ[ガ下二]値段・比率などを低くする。「価格を―・げる」地位・身分を低くする。「一階級―・げる」取り下げる。「提案を―・げる」後方へ下がらせる。退かせる。「部隊を―・げる」手にさげて持つ。ひっさげる。「いととく持たせつる物を―・げて」〈枕・八七〉引きつれる。「かかるところにこれ(=子供)をさへ―・げてあるを」〈かげろふ・下〉

ひき‐さ・る【引(き)去る】🔗🔉

ひき‐さ・る【引(き)去る】 [動ラ五(四)]もとの所へ退いて、その場所からなくなる。「出水は一夜で―・った」引いて持っていく。引っ張って連れ去る。「犯人が―・られる」差し引いてへらす。減じる。「前貸し分を給料から―・る」

ひき‐ざん【引(き)算】🔗🔉

ひき‐ざん【引(き)算】 [名]スルある数から他の数を引いて残りを求める計算。減法。足し算。

ひき‐しお【引(き)潮・引き×汐】‐しほ🔗🔉

ひき‐しお【引(き)潮・引き×汐】‐しほ 満潮時から干潮時まで、海面がしだいに下降し、海岸線が沖に退くこと。また、その現象。落ち潮。下げ潮。満ち潮。退く時機。ひきさがるころあい。引き潮時。「―を心得る」

ひき‐しじ・む【引き△縮む】🔗🔉

ひき‐しじ・む【引き縮む】 [動マ下二]弱くする。ひかえめにする。「声―・め」〈源・浮舟〉

ひき‐しぼ・る【引(き)絞る】🔗🔉

ひき‐しぼ・る【引(き)絞る】 [動ラ五(四)]弓に矢をつがえて、弦を十分に引く。「弓を―・る」声などを無理に出す。ふりしぼる。「声を―・って叫ぶ」強く絞る。「袋の口を―・る」

ひき‐しろ・う【引きしろふ】‐しろふ🔗🔉

ひき‐しろ・う【引きしろふ】‐しろふ [動ハ四]互いに引き合う。引っ張り合う。また、強く引く。「乳母二人が中に此の児を置きて左右(さう)の手足(しゆそく)を取りて―・ふ」〈今昔・二七・二九〉引きずる。「物も着あへずいだき持ち、―・ひて逃ぐる」〈徒然・一七五〉引き連れる。「つぎざまの人どもはさのみ―・ふに及ばねば」〈平家・七〉引きのばす。「禍が五世まで伝はりて―・うたぞ」〈史記抄・亀策伝〉

ひき‐す・ぐ【引き過ぐ】🔗🔉

ひき‐す・ぐ【引き過ぐ】 [動ガ上二]引いて通り過ぎる。「やがて馬―・ぎておもむきぬべくおぼす」〈源・明石〉通り過ぎる。「人も騒ぐほどにふと―・ぎぬ」〈かげろふ・中〉

ひき‐す・つ【引き捨つ】🔗🔉

ひき‐す・つ【引き捨つ】 [動タ下二]引きずり出して捨てる。取り捨てる。「木を敷の上の郡の長谷川(はつせがは)の辺りに―・てつ」〈今昔・一一・三一〉引き抜いて捨てる。「―・つる岩垣沼のあやめ草思ひ知らずも今日にあふかな」〈後拾遺・雑一〉

ひき‐たが・う【引き△違ふ】‐たがふ🔗🔉

ひき‐たが・う【引き違ふ】‐たがふ [動ハ下二]方向を変える。「あやめ草―・へたる袂には昔を恋ふる音(ね)ぞかかりける」〈新古今・哀傷〉今までとはすっかり変える。「うつし心をば―・へ、たとしへなくよろづ忘るるにも」〈紫式部日記〉世間一般とは違う。常道から外れる。「あまり―・へたる御事なり」〈源・少女〉思っていることと違う。期待に反する。「かく―・へかこち聞こえらるらむ」〈源・行幸〉

ひき‐ちがい【引(き)違い】‐ちがひ🔗🔉

ひき‐ちがい【引(き)違い】‐ちがひ 二枚以上の戸・障子を、二本以上の溝・レールで横に滑らせて開閉するもの。紋所の名。二本の線を交差させたもの。

ひき‐ちが・える【引(き)違える】‐ちがへる🔗🔉

ひき‐ちが・える【引(き)違える】‐ちがへる [動ア下一]ひきちが・ふ[ハ下二]入れ違いになる。「お吉嬉しく頼み置きて帰れば、其後(あと)へ―・えて来る源太」〈露伴・五重塔〉交差させる。「紙を二枚―・へて包みたれば」〈宇治拾遺・四〉間違える。取り違える。「わざと―・へて、京中の道々の物の上手ども、独りも残さず皆引具して」〈太平記・三九〉

ひき‐ちぎ・る【引きちぎる】🔗🔉

ひき‐ちぎ・る【引きちぎる】 [動ラ五(四)]引っ張って無理に切る。「犬が鎖を―・って逃げる」

ひき‐つぎ【引(き)継ぎ】🔗🔉

ひき‐つぎ【引(き)継ぎ】 引き継ぐこと。「事務の―が終わる」

ひき‐つ・ぐ【引(き)継ぐ】🔗🔉

ひき‐つ・ぐ【引(き)継ぐ】 [動ガ五(四)]あとを受け継ぐ。また、あとの人に渡す。仕事内容などの受け渡しをする。「家業を―・ぐ」「後任に事務を―・ぐ」

ひき‐づな【引(き)綱】🔗🔉

ひき‐づな【引(き)綱】 物につけて引く綱。特に、船を引く綱。

ひき‐つぼ・ぬ【引き△局ぬ】🔗🔉

ひき‐つぼ・ぬ【引き局ぬ】 [動ナ下二]屏風(びようぶ)や几帳(きちよう)などを引きめぐらして囲う。「はかなく屏風、几帳ばかりを―・ね」〈栄花・わかばえ〉

ひきづめ‐がみ【引(き)詰め髪】🔗🔉

ひきづめ‐がみ【引(き)詰め髪】 根もとを引き詰めて結う女性の髪形。ひっつめがみ。ひっつめ。

ひき‐つ・める【引(き)詰める】🔗🔉

ひき‐つ・める【引(き)詰める】 [動マ下一]ひきつ・む[マ下二]強く引っ張ってすきまのないようにする。「髪を―・めてゴムで縛る」手早く続けざまに弓を引く。「矢先をそろへて差し詰め、―・め、さんざんに射る」〈平家・四〉深く思い込んで、あくまでも押し通す。「心ヲ―・メタ人」〈日葡〉

ひき‐て【引(き)手】🔗🔉

ひき‐て【引(き)手】 障子・戸・引き出しなどの開閉の際、手をかけるために取り付けた金具や紐(ひも)引っ張る人。物を引く人。手引きする人。案内する人。「引き手茶屋」の略。

ひき‐で【引(き)手】🔗🔉

ひき‐で【引(き)手】 弓術で右手のこと。めて。押し手。

ひき‐で【引き出】🔗🔉

ひき‐で【引き出】 「引き出物」の略。引き出すこと。「吾が飼ふ駒(こま)は―せず」〈孝徳紀・歌謡〉

ひきて‐ぢゃや【引(き)手茶屋】🔗🔉

ひきて‐ぢゃや【引(き)手茶屋】 遊郭で、客を遊女屋へ案内する茶屋。

ひき‐ど【引(き)戸】🔗🔉

ひき‐ど【引(き)戸】 鴨居(かもい)と敷居の溝にはめ込み、左右に開閉する戸。遣(や)り戸。

ひきど‐かご【引(き)戸×駕×籠】🔗🔉

ひきど‐かご【引(き)戸××籠】 乗り降り口に、簾(すだれ)の代わりに引き戸をつけた駕籠。身分の高い者が用いた。

ひき‐どき【引(き)時】🔗🔉

ひき‐どき【引(き)時】 物事から手を引いたり、引退・退出したりするのに適当な時期。「―が大切だ」

ひき‐と・く【引き解く】🔗🔉

ひき‐と・く【引き解く】 [動カ四]引いて結び目や閉じ目を解く。「算の袋を―・きて算をさらさらと出しければ」〈宇治拾遺・一四〉

ひき‐とど・める【引き△止める・引き△留める】🔗🔉

ひき‐とど・める【引き止める・引き留める】 [動マ下一]ひきとど・む[マ下二]「ひきとめる」に同じ。「帰ろうとするのを―・める」

ひき‐と・める【引(き)止める・引(き)留める】🔗🔉

ひき‐と・める【引(き)止める・引(き)留める】 [動マ下一]ひきと・む[マ下二]引っ張ったり声をかけたりして止まらせる。「通りすがりの人を―・める」立ち去ろうとする人をとどまらせる。ひきとどめる。「深夜まで客を―・める」ある行動に出ようとするのをやめさせる。ひきとどめる。「短気を起こすなと―・められる」

ひき‐とり【引(き)取り】🔗🔉

ひき‐とり【引(き)取り】 立ち去ること。退くこと。「お―を願う」引き受けて手もとに置くこと。「不要の品物の―」受け取りの証文。また、奉公人を引き受けるという証文。「―を入れて、とうとう背負(しよ)って帰って来ました」〈円朝・真景累ケ淵〉

ひきとり‐て【引(き)取り手】🔗🔉

ひきとり‐て【引(き)取り手】 引き取る人。ひきとりにん。「―のない遺失物」

ひきとり‐にん【引(き)取り人】🔗🔉

ひきとり‐にん【引(き)取り人】引き取り手」に同じ。

ひき‐と・る【引(き)取る】🔗🔉

ひき‐と・る【引(き)取る】 [動ラ五(四)]その場を立ち去る。退く。「奥の間へ―・る」「どうぞお―・りください」手もとに受け取る。引き受けて手もとに置く。「売れ残りを―・る」引き受けて世話をする。「遺児を―・る」話のあとを受けて、言葉を続ける。「発言者の言葉を―・って司会者が説明を加える」(「息を引き取る」の形で)息が絶える。死ぬ。「病院で息を―・る」引っ張って奪い取る。「君にかく―・られぬる帯なればかくて絶えぬる中とかこたむ」〈源・紅葉賀〉

ひき‐のばし【引(き)伸ばし・引(き)延ばし】🔗🔉

ひき‐のばし【引(き)伸ばし・引(き)延ばし】 引っ張って長くしたり大きくしたりすること。拡大すること。「写真の―を頼む」期限を遅らせること。時間を長びかせること。「期日の―を図る」

ひき‐のば・す【引(き)伸ばす・引(き)延ばす】🔗🔉

ひき‐のば・す【引(き)伸ばす・引(き)延ばす】 [動サ五(四)]引っ張って、長くしたり大きくしたりする。「皮を―・す」写真を拡大して焼き付ける。「キャビネ判に―・す」期日などを遅らせる。時間を長びかせる。「支払いを―・す」「審議を―・す」

ひき‐は・う【引き△延ふ】‐はふ🔗🔉

ひき‐は・う【引き延ふ】‐はふ [動ハ下二]長くのばす。引きのばす。「さらし布所々に―・へて」〈笈日記〉

ひき‐ばかま【引き×袴】🔗🔉

ひき‐ばかま【引き×袴】 丈が足より長く、裾を後ろに長く引いて着用する袴。

ひき‐はこ・ゆ【引きはこゆ】🔗🔉

ひき‐はこ・ゆ【引きはこゆ】 [動ヤ下二]衣服の裾をたくし上げ、腰揚げをゆったりさせる。「―・えたる男児(をのこご)」〈枕・一四四〉◆用例は能因本では「ひきはこへ」と、ハ行に活用している。

ひき‐ひき【引き引き】🔗🔉

ひき‐ひき【引き引き】 [形動ナリ]《「ひきびき」とも》各自、自分の心のままにすること。思い思い。「人も―に方々別れつつ結縁しけり」〈発心集〉

ひき‐ひろ・ぐ【引き広ぐ】🔗🔉

ひき‐ひろ・ぐ【引き広ぐ】 [動ガ下二]引っ張って広げる。「勧進帳を―・げ高らかにこそ読うだりけれ」〈平家・五〉

ひき‐ふだ【引(き)札】🔗🔉

ひき‐ふだ【引(き)札】 商品の宣伝や開店の披露などを書いて配る広告の札。「引越は容易に出来ますと云う移転会社の―であった」〈漱石・門〉くじ引きの札。

ひき‐ふね【引(き)船・×曳き船・引(き)舟】🔗🔉

ひき‐ふね【引(き)船・×曳き船・引(き)舟】 引き綱で他の船や筏(いかだ)などを引いていくこと。また、その船。曳船(えいせん)江戸中期以後の芝居小屋で、二階正面桟敷の前方に張り出した観客席。「引き舟女郎」の略。

ひきふね‐じょろう【引(き)舟女郎】‐ヂヨラウ🔗🔉

ひきふね‐じょろう【引(き)舟女郎】‐ヂヨラウ 江戸時代、上方(かみがた)の遊郭で、太夫に付き添って客席をとりもった女郎。

ひき‐ぼし【引き干し】🔗🔉

ひき‐ぼし【引き干し】 引きのばして日に干したもの。特に、海草の類。「昼、あなたに―奉れたりつる返り事に」〈源・夢浮橋〉

ひき‐ほ・す【引き干す】🔗🔉

ひき‐ほ・す【引き干す】 [動サ四]引きのばして日に干す。「小垣内(をかきつ)の麻を―・し」〈万・一八〇〇〉

ひき‐まわし【引(き)回し・引き×廻し】‐まはし🔗🔉

ひき‐まわし【引(き)回し・引き×廻し】‐まはし 引き回すこと。あれこれ世話をやいたり指導したりして、面倒をみること。「お―を願う」江戸時代、見せしめのために斬罪(ざんざい)以上の重刑に付加した刑。処刑前に、罪人を縛って馬に乗せ、罪状を紙幟(かみのぼり)に書いて、犯罪地や罪人の住所付近を引き回した。丸ガッパ」に同じ。

ひき‐まわ・す【引(き)回す・引き×廻す】‐まはす🔗🔉

ひき‐まわ・す【引(き)回す・引き×廻す】‐まはす [動サ五(四)]引いてまわす。また、引っ張って連れまわす。ひっぱりまわす。「首筋をつかんで―・す」「書類を持たされ、役所中を―・される」引き回しの刑に処する。「罪人を―・す」人を指導したり世話をしたりする。「新人を―・す」引いて周囲にめぐらす。ぐるりと引く。「紅白の幕を―・す」

ひき‐むす・ぶ【引き結ぶ】🔗🔉

ひき‐むす・ぶ【引き結ぶ】 [動バ四]引き寄せて結び合わせる。「磐代(いはしろ)の浜松が枝(え)を―・びま幸(さき)くあらばまたかへりみむ」〈万・一四一〉(いおり)をつくって住む。「柴の庵を―・び」〈平家・一〉

ひき‐も‐きらず【引きも切らず】🔗🔉

ひき‐も‐きらず【引きも切らず】 [副]絶え間なく。ひっきりなしに。「客が―詰めかける」

ひき‐やま【引(き)山】🔗🔉

ひき‐やま【引(き)山】 山から材木を運び出すこと。出(だ)し山。

ひき‐や・る【引き△遣る】🔗🔉

ひき‐や・る【引き遣る】 [動ラ四]引いてのける。「御几帳のしどけなく―・られたるより」〈源・澪標〉

ひき‐ゆる・む【引(き)緩む】🔗🔉

ひき‐ゆる・む【引(き)緩む】 [動マ五(四)]相場が下がり気味になる。「値が―・む」

ひき‐よ・せる【引(き)寄せる】🔗🔉

ひき‐よ・せる【引(き)寄せる】 [動サ下一]ひきよ・す[サ下二]引っ張って近くに寄せる。「いすを―・せる」そのものの方へ寄るようにする。ひきつける。「人の心を―・せる」

ひき‐わり【引(き)割(り)】🔗🔉

ひき‐わり【引(き)割(り)】 歌舞伎の舞台転換法の一。大道具を二つに分けて左右に引き入れ、次の場面の背景を出すこと。

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