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○売物には花を飾れうりものにははなをかざれ🔗⭐🔉
○売物には花を飾れうりものにははなをかざれ
売りたい品物は美しく飾れ。遊女や婚期にある娘にもいう。
⇒うり‐もの【売物】
うり‐もみ【瓜揉み】
キュウリ・シロウリなどを薄く刻み、塩をかけてもみ、三杯酢などをかけた料理。揉瓜。〈[季]夏〉
うり‐もんく【売り文句】
商品の長所を強調する言葉。
うり‐や【売屋】
商品を売る店、また、人。
うり‐や【売家】
売るべき家。うりいえ。
うり‐やくじょう【売約定】‥ヂヤウ
売り値段・受け渡し時期などの契約のすんだこと。うりやく。
ウリャンハ【兀良哈・Uriangkha】
明代に興安嶺東方に住んだモンゴル系の部族。
⇒ウリャンハ‐タイ【兀良哈台】
ウリャンハ‐タイ【兀良哈台】
モンゴル帝国の武将。兀良哈の人。バトゥに従って西征、憲宗の時、大理・安南・南宋を破った。(1200〜1271)
⇒ウリャンハ【兀良哈・Uriangkha】
うりゅう【瓜生】ウリフ
瓜のはえている畑。瓜畑。長方集「柴かこふ園の―の一つらに」
うりゅう【瓜生】ウリフ
姓氏の一つ。
⇒うりゅう‐いわ【瓜生岩】
⇒うりゅう‐そときち【瓜生外吉】
⇒うりゅう‐たもつ【瓜生保】
うりゅう‐いわ【瓜生岩】ウリフイハ
女性社会事業家。陸奥国耶麻郡熱塩村(現、福島県喜多方市)生れ。孤児・戦死者遺族・窮民などの救護、免囚保護事業、堕胎などの悪風矯正に努め、済生病院を開設。(1829〜1897)
⇒うりゅう【瓜生】
うりゅう‐そときち【瓜生外吉】ウリフ‥
海軍大将。加賀藩士の子。日露戦争にいわゆる瓜生艦隊を率いて仁川じんせん沖で勝利。貴族院議員。男爵。(1857〜1937)
⇒うりゅう【瓜生】
うりゅう‐たもつ【瓜生保】ウリフ‥
南北朝時代の武将。越前の人。南朝方に属し、弟の源琳・義鑑が脇屋義治を擁して挙兵したとき参加、高師泰こうのもろやす・斯波高経の軍を破り、金崎城かねがさきじょう救援の途中戦死。( 〜1337)
⇒うりゅう【瓜生】
うりゅうどう‐いせき【瓜生堂遺跡】ウリフダウヰ‥
大阪府東大阪市瓜生堂を中心に広がる弥生時代の集落遺跡。多数の方形周溝墓を確認。
うりゅうぬま‐しつげん【雨竜沼湿原】
北海道北西部、増毛ましけ山地にある日本有数の山岳型高層湿原帯。暑寒別しょかんべつ天売てうり焼尻やぎしり国定公園の一部をなす。標高850メートル。
うりゅうの【瓜生野】ウリフ‥
大阪市住吉区・堺市辺の古地名。1347年(正平2)楠木正行が山名時氏の軍を破った所。遠里小野おりおの・とおさとおのとも。
う‐りょう【雨量】‥リヤウ
地上に降った雨の量。降った雨をため、その量を深さで示したもの。単位はミリメートル。広義には降水量をいう。
⇒うりょう‐けい【雨量計】
うりょう‐けい【雨量計】‥リヤウ‥
雨量を測定する器械。一定時間内に雨量ますにたまった雨量を測る貯水型雨量計と、雨量を連続的に測定・記録する転倒ます型雨量計とがある。
転倒ます型雨量計
⇒う‐りょう【雨量】
うりょく‐じゅりん【雨緑樹林】
雨期と乾期とが交代する季節風帯に発達する落葉広葉樹林。雨期に開葉し、乾期には落葉する樹木を主とし、雨期には林床にイネ科草本・蔓つる植物が繁茂して、しばしばジャングルとなる。ミャンマー・フィリピンなどに発達するチーク林は代表例。雨緑林。
うり‐よね【売米・糶】
蔵に貯えておいた米を売りに出すこと。また、その米。↔買米かいよね
うり‐れんごう【売連合】‥ガフ
売方同士が自分に有利な相場を維持するため、一致した行動に出ること。↔買連合
うり‐わたし【売渡し】
売り渡すこと。
⇒うりわたし‐じょう【売渡し状】
⇒うりわたし‐たんぽ【売渡し担保】
⇒うりわたし‐ていとう【売渡し抵当】
うりわたし‐じょう【売渡し状】‥ジヤウ
売券ばいけん。主として土地の売買証文。
⇒うり‐わたし【売渡し】
うりわたし‐たんぽ【売渡し担保】
担保物を売買した形式をとって借主の必要とする資金は代金の形で受け取り、一定期間内に元利に相当する金額で買い戻し得るものとすること。
⇒うり‐わたし【売渡し】
うりわたし‐ていとう【売渡し抵当】‥タウ
(→)「売渡し担保」に同じ。
⇒うり‐わたし【売渡し】
うり‐わた・す【売り渡す】
〔他五〕
①品物を売って買手に渡す。「家を―・す」
②仲間を裏切って敵に渡す。「同志を―・す」
う‐りん【羽林】
①[史記天官書]星の名。天の軍隊をつかさどる将星。
②[漢書百官公卿表上、顔師古の注]宿衛の官。
③近衛府このえふの唐名。
⇒うりん‐け【羽林家】
うりん‐いん【雲林院】‥ヰン
(ウジイともよむ)京都市北区紫野にあった天台宗の寺。もと淳和天皇の離宮で869年(貞観11)に寺とし、884年(元慶8)遍昭が奏して元慶寺別院とした。平安時代、貴賤の信仰を集め、5月に行われた菩提講は有名。のち荒廃して観音堂だけ現存。(歌枕)
うりん‐け【羽林家】
中世以降、公卿くぎょうの家格の一つ。大臣家に次ぐ。大納言・中納言・参議にまで昇進でき、近衛中・少将を兼ねた家柄。四辻・中山・飛鳥井あすかい・冷泉・六条・四条・山科などの諸家があった。
⇒う‐りん【羽林】
うる【粳】
(南方土語からか)米・粟・黍きびなどの、「もち(糯)」に比して炊いて粘りけが少ない品種。うるち。仁勢物語「わが銭なくは―も得つかじ」
ウル【ouro ポルトガル】
(金きんの意)天正カルタで金貨の札のこと。オウル。
ウル【Ur】
ユーフラテス河下流にあった古代バビロニアの都市。旧約聖書ではアブラハムの故郷。前3000年期には都市文明が成立し、前2000年期半ば頃にはウル第3王朝によってシュメール文明が栄えた。
う・る【売る】
[一]〔他五〕
①代金を受け取って品物・権利などを渡す。販売する。古今和歌集雑「家を―・りてよめる」。宇津保物語藤原君「魚・塩積みてもてきたり。…店に据ゑて―・る」。「土地を―・る」
②利に誘われて裏切る。椿説弓張月前編「われを―・りて栄利に走るその愚者しれもの」。「友を―・る」「国を―・る」
③世間に評判などを広める。世に知られる。「顔を―・る」「名を―・る」「度胸で―・った男」
④(打算的に恩義などを)おしつける。また、(相手の反発を買うような行為をわざと)しかける。「恩を―・る」「こびを―・る」「けんかを―・る」
⑤表向きの口実にする。かこつける。日本永代蔵2「ぬけ参りの者に御合力と御伊勢様を―・りて」
[二]〔自下二〕
⇒うれる(下一)
う・る【熟る】
〔自下二〕
⇒うれる(下一)
うる【得る】
「得える」の文語形「得う」(下二)の連体形。現代語でも終止形・連体形として使うことがある。「承認を―」「なにびとも参加し―資格をもつ」
うる‐あわ【粳粟】‥アハ
粳うるの粟。粘りけが少なく餅にならない、粟飯用の粟。
うるい【閏】ウルヒ
(→)「うるう(閏)」に同じ。
うるい【潤】ウルヒ
うるおうこと。拾遺和歌集愚草上「君がよの雨の―は広けれど」
うるい‐じょう【烏塁城】‥ジヤウ
前漢時代、西域都護が置かれた西域の要衝。現在の中国新疆ウイグル自治区庫車クチャ付近にあったという。
うるう【閏】ウルフ
(「潤」と書き誤ったところからの訓)季節と暦月とを調節するため、平年より余分にもうけた暦日・暦月。地球が太陽を一周するのは365日5時48分46秒なので、太陽暦ではその端数を積んで4年に1回、2月の日数を29日とし、太陰暦では平年を354日と定めているから、適当な割合で1年を13カ月とする。
⇒うるう‐づき【閏月】
⇒うるう‐どし【閏年】
⇒うるう‐び【閏日】
⇒うるう‐びょう【閏秒】
うる・う【潤ふ】ウルフ
[一]〔自四〕
(→)「うるおう」に同じ。公任集「ひとつ雨に―・ふ草木は異なれど」
[二]〔他下二〕
(→)「うるおす」に同じ。古今著聞集17「のんど―・へ給へ」
うるう‐づき【閏月】ウルフ‥
閏に当たる月。太陰暦で、12カ月のほかに加えた月。
⇒うるう【閏】
うるう‐どし【閏年】ウルフ‥
閏のある年。
⇒うるう【閏】
うるう‐び【閏日】ウルフ‥
(閏として加えられた)2月29日のこと。
⇒うるう【閏】
うるう‐びょう【閏秒】ウルフベウ
協定世界時において、世界時との差が大きくならないように加える余分の秒。
⇒うるう【閏】
うる‐うる
うるおっているさま。特に目がうるんでいるさま。
うるおい【潤い】ウルホヒ
①水気を帯びること。しめり。「肌に―がない」
②めぐみ。恩恵。散木奇歌集「願ふ涙を―にして」
③物質的な足し。生活上の、ゆとり。「たとえわずかでも家計の―になる」
④しっとりした趣。情味。「―のある生活」「声に―がある」
うるお・う【潤う・霑う】ウルホフ
〔自五〕
①水気を含む。しめる。みずみずしくなる。新古今和歌集神祇「おほみ田の―・ふばかりせきかけて」。「ひさびさの雨で草木が―・う」
②ゆとりが出る。ゆたかになる。浄瑠璃、心中万年草「屋内うち―・ひ」。「臨時収入でふところが―・う」
③めぐみを受ける。保元物語「恩光に照らされ、徳沢に―・ひ」。「観光名所となって商店が―・う」
うるお・す【潤す】ウルホス
〔他五〕
①水気を含ませる。しめらす。長秋詠藻「昨日しも―・す雨のけしきにて」。「ビールでのどを―・す」
②ゆたかにする。めぐみを施す。世間子息気質「銀かねを儲け身上を―・す思案第一」。「輸出増加が国の経済を―・す」
うるか【鱁鮧】
アユの腸または子を塩漬にした食品。苦みがあり、酒肴として珍重。産卵期の秋に製する。潤香。〈[季]秋〉
うるか・す【潤かす】
〔他五〕
水にひたして軟らかくする。ふやかす。
ウルガタ【Vulgata ラテン】
西方教会で用いられたラテン語訳聖書。ヒエロニュムスらにより翻訳。西欧文化に根源的影響を与えた。
ウルカヌス【Vulcanus】
ローマ神話で、火・鍛冶の神。ヴァルカン。のち、ギリシア神話のヘファイストスと同一視された。
ウルガン‐バテレン【烏児干伴天連】
⇒オルガンティーノ
うるき【夏枯草】
〔植〕ウツボグサの古名。一説にジュウニヒトエの古名。〈倭名類聚鈔20〉
うる‐きび【粳黍】
粳うるの黍。うるしきび。
うるき‐ぼし【女宿】
二十八宿の一つ。水瓶座みずがめざの西部。女じょ。
ウルグアイ【Uruguay】
南米南東部、ブラジル・アルゼンチン間にある共和国。1828年スペインから独立。住民の大半はヨーロッパ系で、言語はスペイン語。面積17万7000平方キロメートル。人口330万(2004)。首都モンテビデオ。正式名称はウルグアイ東方共和国。→南アメリカ(図)。
⇒ウルグアイ‐ラウンド【Uruguay Round】
ウルグアイ‐ラウンド【Uruguay Round】
1986年にウルグアイで開かれたガット閣僚会議で交渉が開始され、94年WTO協定の調印によって終結した多角的貿易交渉。これによりガットはWTOに発展解消。サービス貿易・知的財産権保護などの新分野や農業分野などの貿易ルールを確立した。
⇒ウルグアイ【Uruguay】
ウルグ‐ベク【Ulugh Beg】
ティムール帝国の第4代皇帝。ティムールの孫。学芸君主として、大天文台の建設と天文表作成で有名。(在位1447〜1449)(1394〜1449)
うる・ける【潤ける】
〔自下一〕
うるおう。水気がしみて、ふやける。
ウルゲンチ【Ürgench】
中央アジア、アム河下流、アラル海に近い古城市。ホラズムの首府として繁栄、1221年モンゴル軍によって破壊されたが、10年後すぐ南方に新市が建設された。グルガーンジュ。
うる‐ごめ【粳米】
(→)「うるち」に同じ。
うるさ【煩】
(形容詞語幹)うるさいこと。源氏物語野分「才たぐひなく、―ながら」
⇒うるさ‐がた【うるさ型】
うるさ・い【煩い・五月蠅い】
〔形〕[文]うるさ・し(ク)
同じことが何度もくりかえされるので、いやになり心を閉ざしたく感じる状態。転じて、いやになるほどすきのない相手に一目いちもく置き反発する気持。また、それほどまでにゆきとどいた相手の状態をいう。
①しつこくされてやりきれない。わざとらしくていや気がさす。蜻蛉日記下「いと―・く侍れば、…見給へあまりてなむ」。徒然草「見苦しとて人に書かするは―・し」。「はえが―・い」
②扱いに手間がかかり厄介である。煩雑で面倒である。大和物語「親はらからのいふことも聞かで法師になりぬる人は、かく―・きこといふものか」。源氏物語夕顔「例の―・き御心」。「近所付き合いが―・い」「―・い手続」
③音や声が邪魔になり腹立たしいさま。やかましい。「―・い。静かにしろ」
④(お説教・嫌味などを)あれこれと言う。口やかましい。浮世風呂3「いびいびいびいびと箸の上下あげおろしだからうるせへ」。「時間に―・い」
⑤並みで満足せず高い水準を求めてしつこい。「味に―・い」
⑥よく気が回る相手なので、気がゆるせない。今昔物語集25「この男、人に心を置かれ―・き者に思はれてぞありけるほどに」
⑦ゆきとどいている。申し分ないほどである。源氏物語帚木「たなばたの手にも劣るまじく、その方も具して―・くなむ侍りし」
うるさ‐がた【うるさ型】
何にでも文句をつけたがる人。「町内の―」
⇒うるさ【煩】
うるさ‐が・る【煩がる】
〔他五〕
うるさく思う。めんどうくさく思う。
うるさ・し【煩し・五月蠅し】
〔形ク〕
⇒うるさい
ウルサン【蔚山】
(Ulsan)韓国南東部にある都市。慶尚南道に含まれていたが、1997年に広域市に指定。北東部に、1597年末、加藤清正らが明・朝鮮軍に包囲された城の跡がある。沖合では1904年8月、日本とロシアの艦隊が海戦を行なった。石油化学などの工業が発達。人口106万6千(2003)。
うるし【漆】
①ウルシ科の落葉高木。中央アジア高原原産。高さ3メートル以上。樹皮は灰白色。葉は3〜9対の小葉をもつ奇数羽状複葉。かぶれやすい。6月頃、葉腋に黄緑色の小花を多数総状に開く。雌雄異株。果実はゆがんだ扁平の核果で、10月頃成熟して黄褐色となる。果を乾かした後しぼって蝋を採り、樹皮を傷つけて生漆きうるしを採る。中国・朝鮮・日本で古くから広く栽培され、三草四木の一つ。
うるし
ウルシ
提供:ネイチャー・プロダクション
②1から採った生漆。また、これに着色剤・油・乾燥剤を加えて製した塗料(製漆)。生漆は乳白色の粘稠液で、空気中では褐色に変化する。その主成分はウルシオール・ゴム質・ラッカーゼ(ウルシオールの酸化酵素)。製漆は彩漆いろうるしや蒔絵用などになる。日本霊異記下「―を塗れる皮筥に入れて」
⇒うるし‐いと【漆糸】
⇒うるし‐え【漆絵】
⇒うるし‐か【漆科】
⇒うるし‐かき【漆掻き】
⇒うるし‐かせ【漆感】
⇒うるし‐かぶれ【漆瘡】
⇒うるしがみ‐もんじょ【漆紙文書】
⇒うるし‐ぐさ【漆草】
⇒うるし‐こうげい【漆工芸】
⇒うるし‐こし【漆濾し】
⇒うるし‐ざいく【漆細工】
⇒うるし‐じ【漆地】
⇒うるし‐ぬり【漆塗】
⇒うるし‐ねんぐ【漆年貢】
⇒うるし‐のり【漆糊】
⇒うるし‐はく【漆箔】
⇒うるし‐ばけ【漆刷毛】
⇒うるし‐ばん【漆判】
⇒うるし‐ぶぎょう【油漆奉行】
⇒うるし‐ぶろ【漆風呂】
⇒うるし‐まけ【漆負け】
⇒うるし‐むろ【漆室】
⇒うるし‐もめん【漆木綿】
⇒うるし‐もん【漆紋】
⇒うるし‐ゆみ【漆弓】
うるし‐いと【漆糸】
①彩漆を塗った鳥の子紙を細かく切り綿糸の芯に撚より付けたもの。帯地・紋織物のよこ糸に用いる。
②絹糸に漆加工を施した釣用の糸。
⇒うるし【漆】
うるし‐え【漆絵】‥ヱ
①彩漆で描いた絵。黒地に朱漆、朱地に黒漆の単色描き、種々の彩漆による多色描きがあり、蒔絵・箔絵などと併用もされる。
②膠にかわの強い墨摺すみずりを部分的に用いて漆塗りに似た効果を出し、筆で彩色を施した浮世絵版画。紅絵べにえの一種。
⇒うるし【漆】
ウルシオール【urushiol】
フェノール誘導体の混合物で、無色の粘りのある液体。日本産の漆の主成分。皮膚に炎症を起こす。真島利行が発見。
うるし‐か【漆科】‥クワ
双子葉植物の一科。おもに熱帯に約60属600種あり、木本で稀に蔓性。有用樹が多いが、樹液に毒性の強いものも多い。ウルシ・マンゴー・カシュー・ハゼノキなど。
⇒うるし【漆】
うるし‐かき【漆掻き】
①漆の樹皮を傷つけて流れ出る生漆きうるしを採集すること。また、その道具や人。
②漆をつくるために、生漆をかきまぜること。また、その職人。
⇒うるし【漆】
うるし‐かせ【漆感】
(→)「うるしかぶれ」に同じ。
⇒うるし【漆】
うるし‐かぶれ【漆瘡】
漆の毒(ウルシオール)に接して生じる毒物性皮膚炎。多数の水疱を生じ、赤く腫れあがってかゆみを感じる。うるしかせ。うるしまけ。〈倭名類聚鈔2〉
⇒うるし【漆】
うるしがみ‐もんじょ【漆紙文書】
漆が沁み込んだために遺存した文書。多賀城跡などより発見。
⇒うるし【漆】
うるし‐きび【粳黍】
(→)「うるきび」に同じ。
うるし‐ぐさ【漆草】
褐藻類ウルシグサ科の海藻。高さ0.3〜1メートル。羽状に枝分れする。体色は明るい茶色で、死ぬと硫酸を出して青緑色になる。北半球の寒流域に分布し、日本では北海道と本州北部の潮下帯に生育。
⇒うるし【漆】
うるし‐こうげい【漆工芸】
漆を器物に塗って、漆器を製作し、装飾を加える工芸。漆細工。漆芸。塗りには溜塗・白檀塗・春慶塗・変り塗などがあり、加飾法には蒔絵・沈金ちんきん・螺鈿らでん・彫漆ちょうしつ(堆朱ついしゅなど)・漆絵・平文ひょうもん・密陀絵・錆絵・蒟醤きんま・堆錦ついきんなどがある。
⇒うるし【漆】
うるし‐こし【漆濾し】
漆の不純物を取り除くために濾過すること。また、それに用いる紙。
⇒うるし【漆】
うるし‐ざいく【漆細工】
器物に漆を塗って細工すること。また、その細工物。その職人。
⇒うるし【漆】
うるし‐じ【漆地】‥ヂ
漆で塗った下地。
⇒うるし【漆】
うるし‐ぬり【漆塗】
器物に漆を塗ること。また、その器物。その職人。
⇒うるし【漆】
うるしね【粳稲】
うるち。うるしめ。〈倭名類聚鈔17〉↔糯稲もちいね
うるし‐ねんぐ【漆年貢】
江戸時代の小物成こものなりの一種。漆の木に課税したもの。漆役。
⇒うるし【漆】
うるし‐のり【漆糊】
澱粉製の糊の中に生漆きうるしを練り込んだもの。布や木工品、破損した陶磁器の接着に用いる。糊漆。
⇒うるし【漆】
うるし‐はく【漆箔】
①仏像の上に漆を塗り、金箔を押したもの。
②漆に染料をまぜて箔状にしたもの。本の背文字・背窓など装幀に用いる。
⇒うるし【漆】
うるし‐ばけ【漆刷毛】
漆を塗るのに使う刷毛。〈日葡辞書〉
⇒うるし【漆】
うるし‐ばん【漆判】
江戸時代、奈良晒ならざらしなど布類に押した製品検査所の漆の印。いつまでも消えないよう漆を使った。
⇒うるし【漆】
うるし‐ぶぎょう【油漆奉行】‥ギヤウ
江戸幕府の職名。灯油の支給、漆の収納、社寺の什器じゅうきのことをつかさどった。初めは別に油奉行があったが、1695年(元禄8)廃止ののち、その職務をも兼ねたので「油漆奉行」と書いた。
⇒うるし【漆】
うるし‐ぶろ【漆風呂】
(→)漆室うるしむろに同じ。
⇒うるし【漆】
うるし‐まけ【漆負け】
(→)「うるしかぶれ」に同じ。日葡辞書「ウルシマケヲスル」
⇒うるし【漆】
うるし‐むろ【漆室】
漆を塗った器物を乾燥させる室。うるしぶろ。
⇒うるし【漆】
うるし‐もめん【漆木綿】
丈夫な木綿の一種。漆判を押してあるところからの称か。黄表紙、孔子縞于時藍染こうしじまときにあいぞめ「あれもどこかの通人だそうな。木綿揃はまた格別意気だぞ。とかく―の事だ」
⇒うるし【漆】
うるし‐もん【漆紋】
漆で描いた定紋じょうもん。多くは麻布の帷子かたびらの紋付などに用いる。
⇒うるし【漆】
うるし‐ゆみ【漆弓】
漆塗の弓。塗弓。
⇒うるし【漆】
ウルストンクラフト【Mary Wollstonecraft】
イギリスの女性解放思想の先駆者。夫はW.ゴドウィン。著「女性の権利の擁護」など。(1759〜1797)
うるせ・し
〔形ク〕
(平安時代から鎌倉時代にかけて用いられた日常語の一つ。高知方言などにのこる)
①技能にすぐれている。巧者である。宇津保物語初秋「仁寿殿は―・き人にこそ有りけれ。…それにことに劣らぬ手など走り書きけり」
②知的にすぐれている。明敏である。利発である。愚管抄5「九条殿は―・くその時とりいだされずして」
③うるわしく立派である。宇治拾遺物語10「才かしこく心ばへも―・かりければ」
うるた・う【訴ふ】ウルタフ
〔他下二〕
(ウッタウの古形)申し出て解決や救いを求める。訴える。金剛波若経集験記平安初期点「来りて県尉に訴ウルタフ」
ヴルタヴァ【Vltava】
チェコ、ボヘミア中央部を南から北へ貫き、首都プラハの中央を流れる川。エルベ川の上流。長さ435キロメートル。上・中流にある人造湖の周辺は保養地。ドイツ語名モルダウ。
うるち【粳】
炊いた時、糯米もちごめのような粘りけをもたない、普通の米。うるごめ。うるしね。うるちまい。
ウルップ‐そう【得撫草】‥サウ
ゴマノハグサ科の多年草。有柄で厚い卵形の根出葉があり、夏に茎頂に花穂を出して紫色の唇形花を密につける。ウルップ島・カムチャツカ半島・アラスカまで寒地に分布。また高山植物の一つで、白馬岳などに生育。ハマレンゲ。
ウルップ‐とう【得撫島】‥タウ
ロシア、千島列島の中央にある島。択捉えとろふ水道(ロシア語名フリーズ海峡)をへだてて択捉島と相対する。火山島で、オットセイが夏の分娩期に群がる。面積1400平方キロメートル。
ウルドゥー‐ご【ウルドゥー語】
(Urdu ペルシア語で軍団・陣営の意)パキスタンの国語、インドのジャンム‐カシミール州の公用語。パキスタン・インドに住むイスラム教徒の間で主に使用。インド‐ヨーロッパ語族のインド‐アーリア語派に属する。アラビア文字を用いる。→ヒンドスターニー語
ウルトラ【ultra】
①「超」「過度」「極端」などの意。
②過激派。過激論者。
⇒ウルトラ‐シー
⇒ウルトラ‐ナショナリズム【ultranationalism】
⇒ウルトラ‐マラソン【ultra marathon】
⇒ウルトラ‐マリン【ultramarine】
⇒ウルトラ‐モンタニズム【ultramontanism】
ウルトラ‐シー
(和製語)体操競技の用語。最高難度Cを超える意で、もっとも難度の高い独創的な演技の称。現在はスーパーEが最高。
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐ナショナリズム【ultranationalism】
(→)超国家主義。
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐マラソン【ultra marathon】
フル‐マラソンよりも長い距離を走る競技の総称。100キロメートルが標準。
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐マリン【ultramarine】
群青ぐんじょう色。
Munsell color system: 7.5PB3.5/12
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐マン
(和製語)1966年(昭和41)から放送された円谷プロ製作のテレビ番組の主人公。銀色の体をした巨人に変身し、怪獣などから地球を守る。スーパーマンになぞらえての命名。
ウルトラ‐モンタニズム【ultramontanism】
(「山の向う側の主義」の意)フランスから見てアルプスの向うに住むローマ教皇の至上権を主張する主義。教皇絶対主義。↔ガリカニズム
⇒ウルトラ【ultra】
ウルバヌス【Urbanus ラテン】
ローマ教皇の名。
①(2世)ドイツ皇帝ハインリヒ4世やフランス王フィリップ1世を破門するなど教皇権の伸長につとめた。第1次十字軍を組織。(在位1088〜1099)
②(6世)教皇庁に対するフランスの重圧を除去しようとしたため、対立教皇ができた。(在位1378〜1389)
③(8世)ガリレオを宗教裁判に付し、ジャンセニズムを否認。(在位1623〜1644)
ウルピアヌス【Domitius Ulpianus】
ローマの法学者。アレクサンデル=セウェルス帝の後見役。その法学説はローマ法大全を通じて後世に伝えられた。主著「告示註解」。(170頃〜228)
ウルフ【wolf】
狼。
ウルフ【Thomas Wolfe】
アメリカの小説家。膨大な自伝的作品を書き続け、早世。作「天使よ故郷を見よ」「時と河について」など。(1900〜1938)
ウルフ【Virginia Woolf】
イギリスの女性作家・評論家。意識の流れを重視し、フェミニズムの関心を取り込んだ小説や評論を残した。ブルームズベリー‐グループの中心人物の一人。入水自殺。小説「ダロウェー夫人」「灯台へ」など。(1882〜1941)
ウルブリヒト【Walter Ulbricht】
旧東ドイツの政治家。1919年共産党に入党。第二次大戦後、社会主義統一党を結成し書記長に就任。60年からは国家評議会議長を兼任し、党と国家を指導。(1893〜1973)
うるま
沖縄本島中部の市。2005年、石川市・具志川市など4市町が合併して発足。世界遺産に登録された勝連城かつれんぐすく跡がある。人口11万4千。
琉球王国のグスク
提供:NHK
うるま【宇流麻】
琉球の古名。また、鬱陵島ウルルンドのこととも台湾のことともいう。
うるま・せる【潤ませる】
〔他下一〕
涙を浮かべる。また、涙ぐんだ様子である。「声を―・せる」
うるみ【潤み】
①うるむこと。にごり。くもり。
②「うるみ色」の略。
⇒うるみ‐いろ【潤み色】
⇒うるみ‐しゅ【潤み朱】
⇒うるみ‐ぬり【潤塗】
⇒うるみ‐わん【潤み椀】
うるみ‐いろ【潤み色】
濁ってはっきりしない色。青黒い色。また、黒と赤との間の色。〈日葡辞書〉
⇒うるみ【潤み】
うるみ‐しゅ【潤み朱】
黒色を帯びた朱の漆塗。
⇒うるみ【潤み】
うるみ‐ぬり【潤塗】
漆塗の一種。黒漆に朱またはベンガラを混ぜるか、あるいは朱合漆しゅあいうるしに油煙と朱またはベンガラを混ぜて塗ったもの。
⇒うるみ【潤み】
うるみ‐わん【潤み椀】
潤み朱の椀。
⇒うるみ【潤み】
ウルム【Ulm】
ドイツ南部、バーデン‐ヴュルテンベルク州のドナウ川に沿う都市。ゴシック様式の大聖堂は、世界最高の大尖塔(161メートル)で有名。自動車・繊維工業が盛ん。人口11万6千(1999)。
うる・む【潤む】
〔自五〕
①(打たれ、またはつねられて)皮膚が青黒くなる。為忠百首「形見にと―・むばかりもつみしかな」
②色や形があざやかでなくなる。
③しめりけを帯びる。「目が―・む」
④涙声になる。
ウルムチ【烏魯木斉】
(Ürümqi; Urumchi)中国新疆ウイグル自治区の区都。天山山脈の中部北麓にある要衝。1763年清が築城して迪化てきかと命名。1953年現名に改称。かつて隊商貿易の中心地、今は政治・経済・文化・交通の要地。人口175万3千(2000)。
うる‐め【潤目】
(→)ウルメイワシに同じ。また、その干物。
⇒うるめ‐いわし【潤目鰯】
うるめ‐いわし【潤目鰯】
ニシン科の海産の硬骨魚。マイワシに似るが、丸みを帯び、しりびれはきわめて小さく、腹縁に稜鱗がない。眼に厚い脂瞼があり潤んだように見える。南日本に多い。脂は少ないが干物として美味。
⇒うる‐め【潤目】
うる‐もち【粳餅】
糯米もちごめに粳うるちを混ぜてついた、つぶつぶのある餅。
うるりこ
細魚。〈倭名類聚鈔19〉
うるるこ
(→)「うるりこ」に同じ。〈日葡辞書〉
ウルルン‐ド【鬱陵島】
(Ullŭng-do)朝鮮半島の東岸から東方約140キロメートルにある火山島。慶尚北道に属する。漁業の根拠地。日本では時代により磯竹島・竹島・松島など異なった名称で呼んだ。
うるわし・い【麗しい・美しい・愛しい】ウルハシイ
〔形〕[文]うるは・し(シク)
(語中のハ行音がワ行音に変わった早い例。奈良時代には「宇流波志うるはし」であったものが、平安初期には「宇留和志うるわし」となった。事物が乱れたところなく完全にととのっている状態を表す)
①端正である。立派である。壮麗だ。古事記中「畳たたなづく青垣山ごもれる大和し―・し」。源氏物語桐壺「唐めいたる粧ひは―・しうこそありけめ」
②(色彩が)見事である。整っていて美しい。きれいである。宇津保物語楼上上「夕ばえしていといみじく色―・しう花やかにきよげにみえ給ふを」。類聚名義抄「妖、ウルハシ・カホヨシ」。「見め―・い」「―・い乙女」
③行儀がよい。礼儀正しい。きちんとしている。格式ばっている。源氏物語玉鬘「―・しくものし給ふ人にてあるべき事はたがへ給はず」。大鏡師尹「よろづに遊びならはせ給ひて―・しき御ありさまいと苦しくいかでかからでもあらばやと」
④(人の仲が)理想的にいっている。仲が良い。源氏物語若菜上「御仲―・しくて過ぐし給へ」。「―・い友情」
⑤(性格が)曲がっていない。几帳面だ。大鏡師輔「御心いと―・しくて世の政かしこくせさせ給ひつべかりしかば」。平家物語12「この大納言は―・しい人と聞え給へり。…さまざまにへつらひ給ひしかどもこの人はさもし給はず」
⑥(気分や表情が)はれやかである。浄瑠璃、国性爺合戦「叡慮殊に―・しく」。「御機嫌―・くいらっしゃる」
⑦愛すべきである。かわいい。いとしい。万葉集15「―・しとあがもふいもを山川を中に隔へなりて安けくもなし」
⑧正真正銘である。まちがいない。平家物語12「故左馬頭かみ義朝の―・しきかうべとて」
うるわし‐だ・つ【麗しだつ】ウルハシ‥
〔自四〕
まじめな様子をする。折目正しく振る舞う。源氏物語梅枝「うちかしこまりて、かたみに―・ち給へる」
うるわし‐み【愛しみ】ウルハシミ
(形容詞「うるはし」の語幹に接尾語「み」の付いたもの)親しみ愛すること。万葉集18「後ゆりも会はむと思へこそ今の現在まさかも―すれ」
うれ【末】
草の茎や木の幹の先端。うら。万葉集2「磐代の小松が―を又見けむかも」
うれ【売れ】
売れゆき。売れ口。「―がとまる」
うれ
〔代〕
(オレの転か)感動詞「いざ」「や」と共に用いることが多く、身分の低い者に呼びかける時に使う語。平家物語7「あつぱれ、をのれは日本一の剛の者に組んでうずよな、―とて」
ウレアーゼ【Urease ドイツ】
尿素を加水分解して二酸化炭素とアンモニアとにする酵素。多くの生体、特にナタマメに多量に含まれる。1926年サムナーがナタマメから抽出し、初めて精製結晶体とした酵素。
うれ‐あし【売れ足】
商品の売れて行く速さ。「―が速い」
うれい【憂い・愁い】ウレヒ
(→)「うれえ」に同じ。
⇒うれい‐ごと【憂い事】
⇒うれい‐さんじゅう【愁三重】
⇒うれい‐じょう【愁状】
⇒うれい‐の‐け【愁の毛】
⇒うれい‐ぶし【愁節・憂い節】
⇒うれい‐まげ【愁髷】
⇒うれい‐むすび【愁結び】
うれい‐ごと【憂い事】ウレヒ‥
①悲しい事柄。心配ごと。浄瑠璃、女殺油地獄「四郎三が―」
②歌舞伎で愁嘆の心持を演ずる場面。愁嘆場。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐さんじゅう【愁三重】ウレヒ‥ヂユウ
①義太夫節で、愁嘆の場の終りに哀愁を強調する節。また、三味線の手。
②下座音楽の一つ。三味線の独奏により、愁嘆の思い入れで主役が花道へ引っ込むときに用いる。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐じょう【愁状】ウレヒジヤウ
(→)「うれえぶみ」に同じ。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐の‐け【愁の毛】ウレヒ‥
鷹の額ひたいの毛の名。わずらう時に立てるからいう。狂言、政頼せいらい「―泪をとどむ」
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐ぶし【愁節・憂い節】ウレヒ‥
①筑前琵琶で、愁嘆の表現に用いる節。
②古浄瑠璃の山本角太夫(京都)が創始した愁嘆表現の節。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐まげ【愁髷】ウレヒ‥
服喪中の女子の髪型。つぶし島田が多かった。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐むすび【愁結び】ウレヒ‥
喪中の人の食う握り飯。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれ・う【憂ふ・愁ふ・患ふ】ウレフ
〔他下二・上二〕
(下二段活用が古い形。鎌倉時代以後上二段活用があらわれた)
⇒うれえる(下一)。仮名草子、伊曾保「ある人…蝉を殺さんとす。蝉―・いていはく」。「―・ひつつ岡にのぼれば花いばら」(蕪村)
うれえ【憂え・愁え】ウレヘ
①なげき訴えること。愁訴。竹取物語「かの―せしたくみをば」
②悲しみ。なげき。心配。宇津保物語祭使「身の―ある時」。方丈記「民の―、つひにむなしからざりければ」。「後顧の―なし」
③憂鬱で心が晴れないこと。なんとなくもの悲しく、ものうい感じ。「―をおびた顔」
④わずらい。病気。神代紀下「赤女久しく口の疾うれえあり」
⑤忌中。服喪。天武紀下「重服おやのうれえ」
◇心配や不安、憂鬱な気持の意で「憂」、情緒的なもの悲しさの意で「愁」を使うことが多い。
⇒うれえ‐がお【憂え顔】
⇒うれえ‐ぶみ【愁文】
⇒憂えを掃う玉箒
うれえ‐がお【憂え顔】ウレヘガホ
訴えたいことがあるような、心配ごとがあるような顔つき。源氏物語野分「―なる庭の露」
⇒うれえ【憂え・愁え】
うれえ‐ぶみ【愁文】ウレヘ‥
①訴状。嘆願書。請願書。宇津保物語貴宮「―を作りてふむばさみにはさみて」
②祈願の書。兼盛集「神にうれへ侍りける―にはしはべりける」
⇒うれえ【憂え・愁え】
うれ・える【憂える・愁える・患える】ウレヘル
〔他下一〕[文]うれ・ふ(下二)
(ウライフ(心のうちを言う意)の転)
①嘆きや不満を人に訴える。嘆願する。また、ぐちをこぼす。源氏物語藤裏葉「宿直所とのいどころゆづり給ひてむやと中将に―・へ給ふ」。源氏物語末摘花「人わろき事どもを―・へあへるを聞き給ふも」
②心をいため悲しむ。嘆く。日本霊異記下「圧されて死ぬと思ふが故に―・へ悲しぶ」。「教育の荒廃を―・える」
③心配する。心もとなく思う。土佐日記「浪のたつなることを―・へ言ひてよめる」。「前途を―・える」「国を―・える」
④《患》病む。わずらう。今昔物語集7「昔は身の病を―・へき、今は人の病を癒しぬ」
⇒う‐りょう【雨量】
うりょく‐じゅりん【雨緑樹林】
雨期と乾期とが交代する季節風帯に発達する落葉広葉樹林。雨期に開葉し、乾期には落葉する樹木を主とし、雨期には林床にイネ科草本・蔓つる植物が繁茂して、しばしばジャングルとなる。ミャンマー・フィリピンなどに発達するチーク林は代表例。雨緑林。
うり‐よね【売米・糶】
蔵に貯えておいた米を売りに出すこと。また、その米。↔買米かいよね
うり‐れんごう【売連合】‥ガフ
売方同士が自分に有利な相場を維持するため、一致した行動に出ること。↔買連合
うり‐わたし【売渡し】
売り渡すこと。
⇒うりわたし‐じょう【売渡し状】
⇒うりわたし‐たんぽ【売渡し担保】
⇒うりわたし‐ていとう【売渡し抵当】
うりわたし‐じょう【売渡し状】‥ジヤウ
売券ばいけん。主として土地の売買証文。
⇒うり‐わたし【売渡し】
うりわたし‐たんぽ【売渡し担保】
担保物を売買した形式をとって借主の必要とする資金は代金の形で受け取り、一定期間内に元利に相当する金額で買い戻し得るものとすること。
⇒うり‐わたし【売渡し】
うりわたし‐ていとう【売渡し抵当】‥タウ
(→)「売渡し担保」に同じ。
⇒うり‐わたし【売渡し】
うり‐わた・す【売り渡す】
〔他五〕
①品物を売って買手に渡す。「家を―・す」
②仲間を裏切って敵に渡す。「同志を―・す」
う‐りん【羽林】
①[史記天官書]星の名。天の軍隊をつかさどる将星。
②[漢書百官公卿表上、顔師古の注]宿衛の官。
③近衛府このえふの唐名。
⇒うりん‐け【羽林家】
うりん‐いん【雲林院】‥ヰン
(ウジイともよむ)京都市北区紫野にあった天台宗の寺。もと淳和天皇の離宮で869年(貞観11)に寺とし、884年(元慶8)遍昭が奏して元慶寺別院とした。平安時代、貴賤の信仰を集め、5月に行われた菩提講は有名。のち荒廃して観音堂だけ現存。(歌枕)
うりん‐け【羽林家】
中世以降、公卿くぎょうの家格の一つ。大臣家に次ぐ。大納言・中納言・参議にまで昇進でき、近衛中・少将を兼ねた家柄。四辻・中山・飛鳥井あすかい・冷泉・六条・四条・山科などの諸家があった。
⇒う‐りん【羽林】
うる【粳】
(南方土語からか)米・粟・黍きびなどの、「もち(糯)」に比して炊いて粘りけが少ない品種。うるち。仁勢物語「わが銭なくは―も得つかじ」
ウル【ouro ポルトガル】
(金きんの意)天正カルタで金貨の札のこと。オウル。
ウル【Ur】
ユーフラテス河下流にあった古代バビロニアの都市。旧約聖書ではアブラハムの故郷。前3000年期には都市文明が成立し、前2000年期半ば頃にはウル第3王朝によってシュメール文明が栄えた。
う・る【売る】
[一]〔他五〕
①代金を受け取って品物・権利などを渡す。販売する。古今和歌集雑「家を―・りてよめる」。宇津保物語藤原君「魚・塩積みてもてきたり。…店に据ゑて―・る」。「土地を―・る」
②利に誘われて裏切る。椿説弓張月前編「われを―・りて栄利に走るその愚者しれもの」。「友を―・る」「国を―・る」
③世間に評判などを広める。世に知られる。「顔を―・る」「名を―・る」「度胸で―・った男」
④(打算的に恩義などを)おしつける。また、(相手の反発を買うような行為をわざと)しかける。「恩を―・る」「こびを―・る」「けんかを―・る」
⑤表向きの口実にする。かこつける。日本永代蔵2「ぬけ参りの者に御合力と御伊勢様を―・りて」
[二]〔自下二〕
⇒うれる(下一)
う・る【熟る】
〔自下二〕
⇒うれる(下一)
うる【得る】
「得える」の文語形「得う」(下二)の連体形。現代語でも終止形・連体形として使うことがある。「承認を―」「なにびとも参加し―資格をもつ」
うる‐あわ【粳粟】‥アハ
粳うるの粟。粘りけが少なく餅にならない、粟飯用の粟。
うるい【閏】ウルヒ
(→)「うるう(閏)」に同じ。
うるい【潤】ウルヒ
うるおうこと。拾遺和歌集愚草上「君がよの雨の―は広けれど」
うるい‐じょう【烏塁城】‥ジヤウ
前漢時代、西域都護が置かれた西域の要衝。現在の中国新疆ウイグル自治区庫車クチャ付近にあったという。
うるう【閏】ウルフ
(「潤」と書き誤ったところからの訓)季節と暦月とを調節するため、平年より余分にもうけた暦日・暦月。地球が太陽を一周するのは365日5時48分46秒なので、太陽暦ではその端数を積んで4年に1回、2月の日数を29日とし、太陰暦では平年を354日と定めているから、適当な割合で1年を13カ月とする。
⇒うるう‐づき【閏月】
⇒うるう‐どし【閏年】
⇒うるう‐び【閏日】
⇒うるう‐びょう【閏秒】
うる・う【潤ふ】ウルフ
[一]〔自四〕
(→)「うるおう」に同じ。公任集「ひとつ雨に―・ふ草木は異なれど」
[二]〔他下二〕
(→)「うるおす」に同じ。古今著聞集17「のんど―・へ給へ」
うるう‐づき【閏月】ウルフ‥
閏に当たる月。太陰暦で、12カ月のほかに加えた月。
⇒うるう【閏】
うるう‐どし【閏年】ウルフ‥
閏のある年。
⇒うるう【閏】
うるう‐び【閏日】ウルフ‥
(閏として加えられた)2月29日のこと。
⇒うるう【閏】
うるう‐びょう【閏秒】ウルフベウ
協定世界時において、世界時との差が大きくならないように加える余分の秒。
⇒うるう【閏】
うる‐うる
うるおっているさま。特に目がうるんでいるさま。
うるおい【潤い】ウルホヒ
①水気を帯びること。しめり。「肌に―がない」
②めぐみ。恩恵。散木奇歌集「願ふ涙を―にして」
③物質的な足し。生活上の、ゆとり。「たとえわずかでも家計の―になる」
④しっとりした趣。情味。「―のある生活」「声に―がある」
うるお・う【潤う・霑う】ウルホフ
〔自五〕
①水気を含む。しめる。みずみずしくなる。新古今和歌集神祇「おほみ田の―・ふばかりせきかけて」。「ひさびさの雨で草木が―・う」
②ゆとりが出る。ゆたかになる。浄瑠璃、心中万年草「屋内うち―・ひ」。「臨時収入でふところが―・う」
③めぐみを受ける。保元物語「恩光に照らされ、徳沢に―・ひ」。「観光名所となって商店が―・う」
うるお・す【潤す】ウルホス
〔他五〕
①水気を含ませる。しめらす。長秋詠藻「昨日しも―・す雨のけしきにて」。「ビールでのどを―・す」
②ゆたかにする。めぐみを施す。世間子息気質「銀かねを儲け身上を―・す思案第一」。「輸出増加が国の経済を―・す」
うるか【鱁鮧】
アユの腸または子を塩漬にした食品。苦みがあり、酒肴として珍重。産卵期の秋に製する。潤香。〈[季]秋〉
うるか・す【潤かす】
〔他五〕
水にひたして軟らかくする。ふやかす。
ウルガタ【Vulgata ラテン】
西方教会で用いられたラテン語訳聖書。ヒエロニュムスらにより翻訳。西欧文化に根源的影響を与えた。
ウルカヌス【Vulcanus】
ローマ神話で、火・鍛冶の神。ヴァルカン。のち、ギリシア神話のヘファイストスと同一視された。
ウルガン‐バテレン【烏児干伴天連】
⇒オルガンティーノ
うるき【夏枯草】
〔植〕ウツボグサの古名。一説にジュウニヒトエの古名。〈倭名類聚鈔20〉
うる‐きび【粳黍】
粳うるの黍。うるしきび。
うるき‐ぼし【女宿】
二十八宿の一つ。水瓶座みずがめざの西部。女じょ。
ウルグアイ【Uruguay】
南米南東部、ブラジル・アルゼンチン間にある共和国。1828年スペインから独立。住民の大半はヨーロッパ系で、言語はスペイン語。面積17万7000平方キロメートル。人口330万(2004)。首都モンテビデオ。正式名称はウルグアイ東方共和国。→南アメリカ(図)。
⇒ウルグアイ‐ラウンド【Uruguay Round】
ウルグアイ‐ラウンド【Uruguay Round】
1986年にウルグアイで開かれたガット閣僚会議で交渉が開始され、94年WTO協定の調印によって終結した多角的貿易交渉。これによりガットはWTOに発展解消。サービス貿易・知的財産権保護などの新分野や農業分野などの貿易ルールを確立した。
⇒ウルグアイ【Uruguay】
ウルグ‐ベク【Ulugh Beg】
ティムール帝国の第4代皇帝。ティムールの孫。学芸君主として、大天文台の建設と天文表作成で有名。(在位1447〜1449)(1394〜1449)
うる・ける【潤ける】
〔自下一〕
うるおう。水気がしみて、ふやける。
ウルゲンチ【Ürgench】
中央アジア、アム河下流、アラル海に近い古城市。ホラズムの首府として繁栄、1221年モンゴル軍によって破壊されたが、10年後すぐ南方に新市が建設された。グルガーンジュ。
うる‐ごめ【粳米】
(→)「うるち」に同じ。
うるさ【煩】
(形容詞語幹)うるさいこと。源氏物語野分「才たぐひなく、―ながら」
⇒うるさ‐がた【うるさ型】
うるさ・い【煩い・五月蠅い】
〔形〕[文]うるさ・し(ク)
同じことが何度もくりかえされるので、いやになり心を閉ざしたく感じる状態。転じて、いやになるほどすきのない相手に一目いちもく置き反発する気持。また、それほどまでにゆきとどいた相手の状態をいう。
①しつこくされてやりきれない。わざとらしくていや気がさす。蜻蛉日記下「いと―・く侍れば、…見給へあまりてなむ」。徒然草「見苦しとて人に書かするは―・し」。「はえが―・い」
②扱いに手間がかかり厄介である。煩雑で面倒である。大和物語「親はらからのいふことも聞かで法師になりぬる人は、かく―・きこといふものか」。源氏物語夕顔「例の―・き御心」。「近所付き合いが―・い」「―・い手続」
③音や声が邪魔になり腹立たしいさま。やかましい。「―・い。静かにしろ」
④(お説教・嫌味などを)あれこれと言う。口やかましい。浮世風呂3「いびいびいびいびと箸の上下あげおろしだからうるせへ」。「時間に―・い」
⑤並みで満足せず高い水準を求めてしつこい。「味に―・い」
⑥よく気が回る相手なので、気がゆるせない。今昔物語集25「この男、人に心を置かれ―・き者に思はれてぞありけるほどに」
⑦ゆきとどいている。申し分ないほどである。源氏物語帚木「たなばたの手にも劣るまじく、その方も具して―・くなむ侍りし」
うるさ‐がた【うるさ型】
何にでも文句をつけたがる人。「町内の―」
⇒うるさ【煩】
うるさ‐が・る【煩がる】
〔他五〕
うるさく思う。めんどうくさく思う。
うるさ・し【煩し・五月蠅し】
〔形ク〕
⇒うるさい
ウルサン【蔚山】
(Ulsan)韓国南東部にある都市。慶尚南道に含まれていたが、1997年に広域市に指定。北東部に、1597年末、加藤清正らが明・朝鮮軍に包囲された城の跡がある。沖合では1904年8月、日本とロシアの艦隊が海戦を行なった。石油化学などの工業が発達。人口106万6千(2003)。
うるし【漆】
①ウルシ科の落葉高木。中央アジア高原原産。高さ3メートル以上。樹皮は灰白色。葉は3〜9対の小葉をもつ奇数羽状複葉。かぶれやすい。6月頃、葉腋に黄緑色の小花を多数総状に開く。雌雄異株。果実はゆがんだ扁平の核果で、10月頃成熟して黄褐色となる。果を乾かした後しぼって蝋を採り、樹皮を傷つけて生漆きうるしを採る。中国・朝鮮・日本で古くから広く栽培され、三草四木の一つ。
うるし
ウルシ
提供:ネイチャー・プロダクション
②1から採った生漆。また、これに着色剤・油・乾燥剤を加えて製した塗料(製漆)。生漆は乳白色の粘稠液で、空気中では褐色に変化する。その主成分はウルシオール・ゴム質・ラッカーゼ(ウルシオールの酸化酵素)。製漆は彩漆いろうるしや蒔絵用などになる。日本霊異記下「―を塗れる皮筥に入れて」
⇒うるし‐いと【漆糸】
⇒うるし‐え【漆絵】
⇒うるし‐か【漆科】
⇒うるし‐かき【漆掻き】
⇒うるし‐かせ【漆感】
⇒うるし‐かぶれ【漆瘡】
⇒うるしがみ‐もんじょ【漆紙文書】
⇒うるし‐ぐさ【漆草】
⇒うるし‐こうげい【漆工芸】
⇒うるし‐こし【漆濾し】
⇒うるし‐ざいく【漆細工】
⇒うるし‐じ【漆地】
⇒うるし‐ぬり【漆塗】
⇒うるし‐ねんぐ【漆年貢】
⇒うるし‐のり【漆糊】
⇒うるし‐はく【漆箔】
⇒うるし‐ばけ【漆刷毛】
⇒うるし‐ばん【漆判】
⇒うるし‐ぶぎょう【油漆奉行】
⇒うるし‐ぶろ【漆風呂】
⇒うるし‐まけ【漆負け】
⇒うるし‐むろ【漆室】
⇒うるし‐もめん【漆木綿】
⇒うるし‐もん【漆紋】
⇒うるし‐ゆみ【漆弓】
うるし‐いと【漆糸】
①彩漆を塗った鳥の子紙を細かく切り綿糸の芯に撚より付けたもの。帯地・紋織物のよこ糸に用いる。
②絹糸に漆加工を施した釣用の糸。
⇒うるし【漆】
うるし‐え【漆絵】‥ヱ
①彩漆で描いた絵。黒地に朱漆、朱地に黒漆の単色描き、種々の彩漆による多色描きがあり、蒔絵・箔絵などと併用もされる。
②膠にかわの強い墨摺すみずりを部分的に用いて漆塗りに似た効果を出し、筆で彩色を施した浮世絵版画。紅絵べにえの一種。
⇒うるし【漆】
ウルシオール【urushiol】
フェノール誘導体の混合物で、無色の粘りのある液体。日本産の漆の主成分。皮膚に炎症を起こす。真島利行が発見。
うるし‐か【漆科】‥クワ
双子葉植物の一科。おもに熱帯に約60属600種あり、木本で稀に蔓性。有用樹が多いが、樹液に毒性の強いものも多い。ウルシ・マンゴー・カシュー・ハゼノキなど。
⇒うるし【漆】
うるし‐かき【漆掻き】
①漆の樹皮を傷つけて流れ出る生漆きうるしを採集すること。また、その道具や人。
②漆をつくるために、生漆をかきまぜること。また、その職人。
⇒うるし【漆】
うるし‐かせ【漆感】
(→)「うるしかぶれ」に同じ。
⇒うるし【漆】
うるし‐かぶれ【漆瘡】
漆の毒(ウルシオール)に接して生じる毒物性皮膚炎。多数の水疱を生じ、赤く腫れあがってかゆみを感じる。うるしかせ。うるしまけ。〈倭名類聚鈔2〉
⇒うるし【漆】
うるしがみ‐もんじょ【漆紙文書】
漆が沁み込んだために遺存した文書。多賀城跡などより発見。
⇒うるし【漆】
うるし‐きび【粳黍】
(→)「うるきび」に同じ。
うるし‐ぐさ【漆草】
褐藻類ウルシグサ科の海藻。高さ0.3〜1メートル。羽状に枝分れする。体色は明るい茶色で、死ぬと硫酸を出して青緑色になる。北半球の寒流域に分布し、日本では北海道と本州北部の潮下帯に生育。
⇒うるし【漆】
うるし‐こうげい【漆工芸】
漆を器物に塗って、漆器を製作し、装飾を加える工芸。漆細工。漆芸。塗りには溜塗・白檀塗・春慶塗・変り塗などがあり、加飾法には蒔絵・沈金ちんきん・螺鈿らでん・彫漆ちょうしつ(堆朱ついしゅなど)・漆絵・平文ひょうもん・密陀絵・錆絵・蒟醤きんま・堆錦ついきんなどがある。
⇒うるし【漆】
うるし‐こし【漆濾し】
漆の不純物を取り除くために濾過すること。また、それに用いる紙。
⇒うるし【漆】
うるし‐ざいく【漆細工】
器物に漆を塗って細工すること。また、その細工物。その職人。
⇒うるし【漆】
うるし‐じ【漆地】‥ヂ
漆で塗った下地。
⇒うるし【漆】
うるし‐ぬり【漆塗】
器物に漆を塗ること。また、その器物。その職人。
⇒うるし【漆】
うるしね【粳稲】
うるち。うるしめ。〈倭名類聚鈔17〉↔糯稲もちいね
うるし‐ねんぐ【漆年貢】
江戸時代の小物成こものなりの一種。漆の木に課税したもの。漆役。
⇒うるし【漆】
うるし‐のり【漆糊】
澱粉製の糊の中に生漆きうるしを練り込んだもの。布や木工品、破損した陶磁器の接着に用いる。糊漆。
⇒うるし【漆】
うるし‐はく【漆箔】
①仏像の上に漆を塗り、金箔を押したもの。
②漆に染料をまぜて箔状にしたもの。本の背文字・背窓など装幀に用いる。
⇒うるし【漆】
うるし‐ばけ【漆刷毛】
漆を塗るのに使う刷毛。〈日葡辞書〉
⇒うるし【漆】
うるし‐ばん【漆判】
江戸時代、奈良晒ならざらしなど布類に押した製品検査所の漆の印。いつまでも消えないよう漆を使った。
⇒うるし【漆】
うるし‐ぶぎょう【油漆奉行】‥ギヤウ
江戸幕府の職名。灯油の支給、漆の収納、社寺の什器じゅうきのことをつかさどった。初めは別に油奉行があったが、1695年(元禄8)廃止ののち、その職務をも兼ねたので「油漆奉行」と書いた。
⇒うるし【漆】
うるし‐ぶろ【漆風呂】
(→)漆室うるしむろに同じ。
⇒うるし【漆】
うるし‐まけ【漆負け】
(→)「うるしかぶれ」に同じ。日葡辞書「ウルシマケヲスル」
⇒うるし【漆】
うるし‐むろ【漆室】
漆を塗った器物を乾燥させる室。うるしぶろ。
⇒うるし【漆】
うるし‐もめん【漆木綿】
丈夫な木綿の一種。漆判を押してあるところからの称か。黄表紙、孔子縞于時藍染こうしじまときにあいぞめ「あれもどこかの通人だそうな。木綿揃はまた格別意気だぞ。とかく―の事だ」
⇒うるし【漆】
うるし‐もん【漆紋】
漆で描いた定紋じょうもん。多くは麻布の帷子かたびらの紋付などに用いる。
⇒うるし【漆】
うるし‐ゆみ【漆弓】
漆塗の弓。塗弓。
⇒うるし【漆】
ウルストンクラフト【Mary Wollstonecraft】
イギリスの女性解放思想の先駆者。夫はW.ゴドウィン。著「女性の権利の擁護」など。(1759〜1797)
うるせ・し
〔形ク〕
(平安時代から鎌倉時代にかけて用いられた日常語の一つ。高知方言などにのこる)
①技能にすぐれている。巧者である。宇津保物語初秋「仁寿殿は―・き人にこそ有りけれ。…それにことに劣らぬ手など走り書きけり」
②知的にすぐれている。明敏である。利発である。愚管抄5「九条殿は―・くその時とりいだされずして」
③うるわしく立派である。宇治拾遺物語10「才かしこく心ばへも―・かりければ」
うるた・う【訴ふ】ウルタフ
〔他下二〕
(ウッタウの古形)申し出て解決や救いを求める。訴える。金剛波若経集験記平安初期点「来りて県尉に訴ウルタフ」
ヴルタヴァ【Vltava】
チェコ、ボヘミア中央部を南から北へ貫き、首都プラハの中央を流れる川。エルベ川の上流。長さ435キロメートル。上・中流にある人造湖の周辺は保養地。ドイツ語名モルダウ。
うるち【粳】
炊いた時、糯米もちごめのような粘りけをもたない、普通の米。うるごめ。うるしね。うるちまい。
ウルップ‐そう【得撫草】‥サウ
ゴマノハグサ科の多年草。有柄で厚い卵形の根出葉があり、夏に茎頂に花穂を出して紫色の唇形花を密につける。ウルップ島・カムチャツカ半島・アラスカまで寒地に分布。また高山植物の一つで、白馬岳などに生育。ハマレンゲ。
ウルップ‐とう【得撫島】‥タウ
ロシア、千島列島の中央にある島。択捉えとろふ水道(ロシア語名フリーズ海峡)をへだてて択捉島と相対する。火山島で、オットセイが夏の分娩期に群がる。面積1400平方キロメートル。
ウルドゥー‐ご【ウルドゥー語】
(Urdu ペルシア語で軍団・陣営の意)パキスタンの国語、インドのジャンム‐カシミール州の公用語。パキスタン・インドに住むイスラム教徒の間で主に使用。インド‐ヨーロッパ語族のインド‐アーリア語派に属する。アラビア文字を用いる。→ヒンドスターニー語
ウルトラ【ultra】
①「超」「過度」「極端」などの意。
②過激派。過激論者。
⇒ウルトラ‐シー
⇒ウルトラ‐ナショナリズム【ultranationalism】
⇒ウルトラ‐マラソン【ultra marathon】
⇒ウルトラ‐マリン【ultramarine】
⇒ウルトラ‐モンタニズム【ultramontanism】
ウルトラ‐シー
(和製語)体操競技の用語。最高難度Cを超える意で、もっとも難度の高い独創的な演技の称。現在はスーパーEが最高。
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐ナショナリズム【ultranationalism】
(→)超国家主義。
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐マラソン【ultra marathon】
フル‐マラソンよりも長い距離を走る競技の総称。100キロメートルが標準。
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐マリン【ultramarine】
群青ぐんじょう色。
Munsell color system: 7.5PB3.5/12
⇒ウルトラ【ultra】
ウルトラ‐マン
(和製語)1966年(昭和41)から放送された円谷プロ製作のテレビ番組の主人公。銀色の体をした巨人に変身し、怪獣などから地球を守る。スーパーマンになぞらえての命名。
ウルトラ‐モンタニズム【ultramontanism】
(「山の向う側の主義」の意)フランスから見てアルプスの向うに住むローマ教皇の至上権を主張する主義。教皇絶対主義。↔ガリカニズム
⇒ウルトラ【ultra】
ウルバヌス【Urbanus ラテン】
ローマ教皇の名。
①(2世)ドイツ皇帝ハインリヒ4世やフランス王フィリップ1世を破門するなど教皇権の伸長につとめた。第1次十字軍を組織。(在位1088〜1099)
②(6世)教皇庁に対するフランスの重圧を除去しようとしたため、対立教皇ができた。(在位1378〜1389)
③(8世)ガリレオを宗教裁判に付し、ジャンセニズムを否認。(在位1623〜1644)
ウルピアヌス【Domitius Ulpianus】
ローマの法学者。アレクサンデル=セウェルス帝の後見役。その法学説はローマ法大全を通じて後世に伝えられた。主著「告示註解」。(170頃〜228)
ウルフ【wolf】
狼。
ウルフ【Thomas Wolfe】
アメリカの小説家。膨大な自伝的作品を書き続け、早世。作「天使よ故郷を見よ」「時と河について」など。(1900〜1938)
ウルフ【Virginia Woolf】
イギリスの女性作家・評論家。意識の流れを重視し、フェミニズムの関心を取り込んだ小説や評論を残した。ブルームズベリー‐グループの中心人物の一人。入水自殺。小説「ダロウェー夫人」「灯台へ」など。(1882〜1941)
ウルブリヒト【Walter Ulbricht】
旧東ドイツの政治家。1919年共産党に入党。第二次大戦後、社会主義統一党を結成し書記長に就任。60年からは国家評議会議長を兼任し、党と国家を指導。(1893〜1973)
うるま
沖縄本島中部の市。2005年、石川市・具志川市など4市町が合併して発足。世界遺産に登録された勝連城かつれんぐすく跡がある。人口11万4千。
琉球王国のグスク
提供:NHK
うるま【宇流麻】
琉球の古名。また、鬱陵島ウルルンドのこととも台湾のことともいう。
うるま・せる【潤ませる】
〔他下一〕
涙を浮かべる。また、涙ぐんだ様子である。「声を―・せる」
うるみ【潤み】
①うるむこと。にごり。くもり。
②「うるみ色」の略。
⇒うるみ‐いろ【潤み色】
⇒うるみ‐しゅ【潤み朱】
⇒うるみ‐ぬり【潤塗】
⇒うるみ‐わん【潤み椀】
うるみ‐いろ【潤み色】
濁ってはっきりしない色。青黒い色。また、黒と赤との間の色。〈日葡辞書〉
⇒うるみ【潤み】
うるみ‐しゅ【潤み朱】
黒色を帯びた朱の漆塗。
⇒うるみ【潤み】
うるみ‐ぬり【潤塗】
漆塗の一種。黒漆に朱またはベンガラを混ぜるか、あるいは朱合漆しゅあいうるしに油煙と朱またはベンガラを混ぜて塗ったもの。
⇒うるみ【潤み】
うるみ‐わん【潤み椀】
潤み朱の椀。
⇒うるみ【潤み】
ウルム【Ulm】
ドイツ南部、バーデン‐ヴュルテンベルク州のドナウ川に沿う都市。ゴシック様式の大聖堂は、世界最高の大尖塔(161メートル)で有名。自動車・繊維工業が盛ん。人口11万6千(1999)。
うる・む【潤む】
〔自五〕
①(打たれ、またはつねられて)皮膚が青黒くなる。為忠百首「形見にと―・むばかりもつみしかな」
②色や形があざやかでなくなる。
③しめりけを帯びる。「目が―・む」
④涙声になる。
ウルムチ【烏魯木斉】
(Ürümqi; Urumchi)中国新疆ウイグル自治区の区都。天山山脈の中部北麓にある要衝。1763年清が築城して迪化てきかと命名。1953年現名に改称。かつて隊商貿易の中心地、今は政治・経済・文化・交通の要地。人口175万3千(2000)。
うる‐め【潤目】
(→)ウルメイワシに同じ。また、その干物。
⇒うるめ‐いわし【潤目鰯】
うるめ‐いわし【潤目鰯】
ニシン科の海産の硬骨魚。マイワシに似るが、丸みを帯び、しりびれはきわめて小さく、腹縁に稜鱗がない。眼に厚い脂瞼があり潤んだように見える。南日本に多い。脂は少ないが干物として美味。
⇒うる‐め【潤目】
うる‐もち【粳餅】
糯米もちごめに粳うるちを混ぜてついた、つぶつぶのある餅。
うるりこ
細魚。〈倭名類聚鈔19〉
うるるこ
(→)「うるりこ」に同じ。〈日葡辞書〉
ウルルン‐ド【鬱陵島】
(Ullŭng-do)朝鮮半島の東岸から東方約140キロメートルにある火山島。慶尚北道に属する。漁業の根拠地。日本では時代により磯竹島・竹島・松島など異なった名称で呼んだ。
うるわし・い【麗しい・美しい・愛しい】ウルハシイ
〔形〕[文]うるは・し(シク)
(語中のハ行音がワ行音に変わった早い例。奈良時代には「宇流波志うるはし」であったものが、平安初期には「宇留和志うるわし」となった。事物が乱れたところなく完全にととのっている状態を表す)
①端正である。立派である。壮麗だ。古事記中「畳たたなづく青垣山ごもれる大和し―・し」。源氏物語桐壺「唐めいたる粧ひは―・しうこそありけめ」
②(色彩が)見事である。整っていて美しい。きれいである。宇津保物語楼上上「夕ばえしていといみじく色―・しう花やかにきよげにみえ給ふを」。類聚名義抄「妖、ウルハシ・カホヨシ」。「見め―・い」「―・い乙女」
③行儀がよい。礼儀正しい。きちんとしている。格式ばっている。源氏物語玉鬘「―・しくものし給ふ人にてあるべき事はたがへ給はず」。大鏡師尹「よろづに遊びならはせ給ひて―・しき御ありさまいと苦しくいかでかからでもあらばやと」
④(人の仲が)理想的にいっている。仲が良い。源氏物語若菜上「御仲―・しくて過ぐし給へ」。「―・い友情」
⑤(性格が)曲がっていない。几帳面だ。大鏡師輔「御心いと―・しくて世の政かしこくせさせ給ひつべかりしかば」。平家物語12「この大納言は―・しい人と聞え給へり。…さまざまにへつらひ給ひしかどもこの人はさもし給はず」
⑥(気分や表情が)はれやかである。浄瑠璃、国性爺合戦「叡慮殊に―・しく」。「御機嫌―・くいらっしゃる」
⑦愛すべきである。かわいい。いとしい。万葉集15「―・しとあがもふいもを山川を中に隔へなりて安けくもなし」
⑧正真正銘である。まちがいない。平家物語12「故左馬頭かみ義朝の―・しきかうべとて」
うるわし‐だ・つ【麗しだつ】ウルハシ‥
〔自四〕
まじめな様子をする。折目正しく振る舞う。源氏物語梅枝「うちかしこまりて、かたみに―・ち給へる」
うるわし‐み【愛しみ】ウルハシミ
(形容詞「うるはし」の語幹に接尾語「み」の付いたもの)親しみ愛すること。万葉集18「後ゆりも会はむと思へこそ今の現在まさかも―すれ」
うれ【末】
草の茎や木の幹の先端。うら。万葉集2「磐代の小松が―を又見けむかも」
うれ【売れ】
売れゆき。売れ口。「―がとまる」
うれ
〔代〕
(オレの転か)感動詞「いざ」「や」と共に用いることが多く、身分の低い者に呼びかける時に使う語。平家物語7「あつぱれ、をのれは日本一の剛の者に組んでうずよな、―とて」
ウレアーゼ【Urease ドイツ】
尿素を加水分解して二酸化炭素とアンモニアとにする酵素。多くの生体、特にナタマメに多量に含まれる。1926年サムナーがナタマメから抽出し、初めて精製結晶体とした酵素。
うれ‐あし【売れ足】
商品の売れて行く速さ。「―が速い」
うれい【憂い・愁い】ウレヒ
(→)「うれえ」に同じ。
⇒うれい‐ごと【憂い事】
⇒うれい‐さんじゅう【愁三重】
⇒うれい‐じょう【愁状】
⇒うれい‐の‐け【愁の毛】
⇒うれい‐ぶし【愁節・憂い節】
⇒うれい‐まげ【愁髷】
⇒うれい‐むすび【愁結び】
うれい‐ごと【憂い事】ウレヒ‥
①悲しい事柄。心配ごと。浄瑠璃、女殺油地獄「四郎三が―」
②歌舞伎で愁嘆の心持を演ずる場面。愁嘆場。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐さんじゅう【愁三重】ウレヒ‥ヂユウ
①義太夫節で、愁嘆の場の終りに哀愁を強調する節。また、三味線の手。
②下座音楽の一つ。三味線の独奏により、愁嘆の思い入れで主役が花道へ引っ込むときに用いる。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐じょう【愁状】ウレヒジヤウ
(→)「うれえぶみ」に同じ。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐の‐け【愁の毛】ウレヒ‥
鷹の額ひたいの毛の名。わずらう時に立てるからいう。狂言、政頼せいらい「―泪をとどむ」
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐ぶし【愁節・憂い節】ウレヒ‥
①筑前琵琶で、愁嘆の表現に用いる節。
②古浄瑠璃の山本角太夫(京都)が創始した愁嘆表現の節。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐まげ【愁髷】ウレヒ‥
服喪中の女子の髪型。つぶし島田が多かった。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれい‐むすび【愁結び】ウレヒ‥
喪中の人の食う握り飯。
⇒うれい【憂い・愁い】
うれ・う【憂ふ・愁ふ・患ふ】ウレフ
〔他下二・上二〕
(下二段活用が古い形。鎌倉時代以後上二段活用があらわれた)
⇒うれえる(下一)。仮名草子、伊曾保「ある人…蝉を殺さんとす。蝉―・いていはく」。「―・ひつつ岡にのぼれば花いばら」(蕪村)
うれえ【憂え・愁え】ウレヘ
①なげき訴えること。愁訴。竹取物語「かの―せしたくみをば」
②悲しみ。なげき。心配。宇津保物語祭使「身の―ある時」。方丈記「民の―、つひにむなしからざりければ」。「後顧の―なし」
③憂鬱で心が晴れないこと。なんとなくもの悲しく、ものうい感じ。「―をおびた顔」
④わずらい。病気。神代紀下「赤女久しく口の疾うれえあり」
⑤忌中。服喪。天武紀下「重服おやのうれえ」
◇心配や不安、憂鬱な気持の意で「憂」、情緒的なもの悲しさの意で「愁」を使うことが多い。
⇒うれえ‐がお【憂え顔】
⇒うれえ‐ぶみ【愁文】
⇒憂えを掃う玉箒
うれえ‐がお【憂え顔】ウレヘガホ
訴えたいことがあるような、心配ごとがあるような顔つき。源氏物語野分「―なる庭の露」
⇒うれえ【憂え・愁え】
うれえ‐ぶみ【愁文】ウレヘ‥
①訴状。嘆願書。請願書。宇津保物語貴宮「―を作りてふむばさみにはさみて」
②祈願の書。兼盛集「神にうれへ侍りける―にはしはべりける」
⇒うれえ【憂え・愁え】
うれ・える【憂える・愁える・患える】ウレヘル
〔他下一〕[文]うれ・ふ(下二)
(ウライフ(心のうちを言う意)の転)
①嘆きや不満を人に訴える。嘆願する。また、ぐちをこぼす。源氏物語藤裏葉「宿直所とのいどころゆづり給ひてむやと中将に―・へ給ふ」。源氏物語末摘花「人わろき事どもを―・へあへるを聞き給ふも」
②心をいため悲しむ。嘆く。日本霊異記下「圧されて死ぬと思ふが故に―・へ悲しぶ」。「教育の荒廃を―・える」
③心配する。心もとなく思う。土佐日記「浪のたつなることを―・へ言ひてよめる」。「前途を―・える」「国を―・える」
④《患》病む。わずらう。今昔物語集7「昔は身の病を―・へき、今は人の病を癒しぬ」
広辞苑 ページ 2013 での【○売物には花を飾れ】単語。