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よ・る【寄る・凭る・頼る】🔗🔉

よ・る寄る・凭る・頼る】 〔自五〕 事物や現象が一方向や一点にいちじるしく近づき、また集まってあらわれる意。 ➊空間的に、ある地点に引きつけられる。 ①その方向ばかりに接近する。近づく。允恭紀「とこしへに君も会へやもいさな取り海の浜藻の―・る時々を」。竹取物語「かぐや姫のかたはらに―・るべくだにあらざりけり」。「そばへ―・る」 ②道の途中で訪れる。立ち寄る。万葉集19「さし―・らむ磯のさきざき漕ぎはてむとまりとまりに」。「帰りに―・る」 ③もたれかかる。古事記「やすみしし我が大君の朝戸にはい―・り立たし夕戸にはい―・り立たす」。「壁に―・る」 ④相撲などで、土俵際まで押して行く。今昔物語集23「成村いかりて起つままに、ただ―・りに―・りて取り合ひぬ」 ⑤片方にずれる。片隅の方へ行く。仁徳紀「末うら桑の木―・るましじき川の隈々くまぐま」。「額が右に―・っている」 ⑥集まる。万葉集18「波立てば奈呉の浦みに―・る貝の間なき恋にそ年はへにける」。「三人―・れば文殊の知恵」 ⑦積もり重なる。重なりふえる。平家物語4「入道も年こそ―・つて候へども子どもひき具してまゐり候べし」。「皺しわが―・る」 ⑧神霊・物の怪などが乗り移る。今昔物語集31「幾ばくもなくて病付きて日頃を経て遂に失せにけり。その女、―・りたるにやとぞ」 ⑨寄進される。寄付される。宇治拾遺物語8「かかる所に庄など―・りぬれば、別当なにくれなど出で来て、なかなかむつかしく」 ➋心理的に対象に引きつけられる。 ①気持がかたむく。万葉集4「打ち靡き心は君に―・りにしものを」 ②より添う。服従する。万葉集14「武蔵野の草はもろ向きかもかくも君がまにまに我は―・りにしを」 ③たよる。たよりにしてそこに定着する。古今和歌集雑体「沖つ波…伊勢の蜑も船流したるここちして―・らむ方なく悲しきに」。「―・るべき人もない」 ④考えが及ぶ。思いつく。金葉和歌集「逢ふまでは思ひも―・らず夏引のいとほしとだにいふと聞かばや」 ⇒寄ってたかって ⇒寄らば大樹の蔭 ⇒寄ると触ると ⇒寄る年波には勝てぬ

広辞苑 ページ 20379 での寄る単語。