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○寄らば大樹の蔭よらばたいじゅのかげ🔗⭐🔉
○寄らば大樹の蔭よらばたいじゅのかげ
頼る相手を選ぶならば、力のある者がよい。
⇒よ・る【寄る・凭る・頼る】
よらわ・るヨラハル
〔自下二〕
よれてまつわる。よれてからむ。狭衣物語1「紐どもの―・れたるを」
より【寄り】
①寄ること。集まること。集まりぐあい。「―が悪い」
②発疹や腫物が1カ所に固結すること。また、その固結したもの。「あせもの―」
③相撲で、四つに組んで相手を土俵ぎわに押すこと。
④(接尾語的に)…に近い方。…に寄ったところ。「海―の道」「右―の意見」
より【選り】
選択すること。よいものや好きなものを選ぶこと。よりどり。浮世風呂4「みんなおめへ、―だア、どれにしなさる」
より【縒り】
よること。よじること。また、よったもの。「―をかける」
⇒縒りを戻す
より
〔副〕
(多く形容詞・形容動詞の上に付けて)それまでの程度を越えて。いっそう。さらに。もっと。比較の意を表す格助詞「より」から転じた語。ヨーロッパ語の比較級の翻訳から生じたという。徳冨蘆花、みみずのたはこと「儂は自然が―好きだが」。「―多くの人」「―安全な場所」
より
〔助詞〕
(格助詞)
①動作の起点となる地点・時・事物・人物を表す。…から。万葉集9「白雲の箱―出でて常世辺にたなびきぬれば」。万葉集19「月立ちし日―招おきつつうち慕しのひ待てど来鳴かぬほととぎすかも」。源氏物語桐壺「はじめ―我はと思ひ上がり給へる御方々」。源氏物語須磨「君も御馬―おり給ひて」。天草本平家物語「他人の口―もれぬさきに」。歌舞伎、毛抜「若殿―遣はされた一通」
②(活用語の連体形に付いて)事が起こってすぐに後の事の続く意を表す。…するとすぐ。…するや否や。万葉集7「君に似る草と見し―我が標しめし野山の浅茅人な刈りそね」。源氏物語桐壺「命婦かしこに参までつきて門引き入るる―、けはひあはれなり」。徒然草「名を聞く―、やがて面影は推しはからるる心地するを」。浄瑠璃、心中重井筒「聞く―胸もさわさわと」
③動作の行われる経由地を表す。…から。…を(通って、通して)。万葉集15「沖辺―舟人のぼる呼び寄せていざ告げやらむ旅の宿りを」。源氏物語澪標「内は大殿油のほのかに物―通りて見ゆるを、もしもやとおぼしてやをら御几帳の綻―見給へば」。源氏物語玉鬘「前―行く水をば初瀬川といふなりけり」
④動作の手段・方法を表す。…で。万葉集13「つぎねふ山背道を他夫ひとづまの馬―行くに己夫おのづましかち―行けば」。徒然草「かち―まうでけり」
⑤比較の基準を表す。万葉集3「賢さかしみと物言ふ―は酒飲みて酔泣きするしまさりたるらし」。伊勢物語「その人、かたち―は心なむまさりたりける」。源氏物語橋姫「げに聞きし―もあはれに」。古文真宝抄「墨は…筆―も命が長い物ぞ」。浄瑠璃、薩摩歌「本の母の折檻―隣の人のあつかいがいたい」。「山―海が好きだ」
⑥範囲の限定を表す。古今和歌集雑「思ふ―ほかなる物は心なりけり」。源氏物語明石「もとの御位あらたまりて、かず―ほかの権大納言になり給ふ」。東海道中膝栗毛8「どうしても一〆かん―外は貸すめへから」。「あきらめる―ほかにない」
→から
より【度】
〔接尾〕
度数を数える語。たび。かえり。回。ど。伊勢物語大輔集「二―三―驚かすかな」
より‐あい【寄合】‥アヒ
①会合。集会。「今夜―がある」
②鎌倉後期、北条嫡流(得宗)家が少数の主だった一族や評定衆などを集めて行なった会議。
③室町時代、農民の自治的な会合。→惣そう。
④江戸幕府の旗本のうち、禄高3000石以上の非職の者。若年寄の支配に属し、寄合肝煎きもいりが監督。寄合組。→交代寄合→小普請。
⑤連歌・俳諧で、前句の中の詞ことばと縁のある詞。例えば、松に鶴、柳に燕。「―付づけ」
⇒よりあい‐いり【寄合入】
⇒よりあい‐がき【寄合書】
⇒よりあい‐きもいり【寄合肝煎】
⇒よりあい‐ぐみ【寄合組】
⇒よりあい‐こさく【寄合小作】
⇒よりあい‐しゅう【寄合衆】
⇒よりあい‐じょたい【寄合所帯】
⇒よりあい‐ぜい【寄合勢】
⇒よりあい‐だ【寄合田】
⇒よりあい‐だし【寄合出】
⇒よりあい‐どころ【寄合所】
よりあい‐いり【寄合入】‥アヒ‥
江戸時代、3000石以上の旗本が、病身または職に堪えないなどの理由で、寄合に入ること。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐がき【寄合書】‥アヒ‥
①一部の書籍を二人以上で分担して書写すること。また、その書籍。↔一筆書き。
②数人が合作して一つの書画をかくこと。また、その書画。寄せ書き。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐きもいり【寄合肝煎】‥アヒ‥
江戸幕府の職制の一つ。若年寄の支配。寄合4の各組を分掌・監督した。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐ぐみ【寄合組】‥アヒ‥
(→)寄合4に同じ。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐こさく【寄合小作】‥アヒ‥
他人の田畑を二人以上の者が共同で借りて耕作すること。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐しゅう【寄合衆】‥アヒ‥
寄合2に参加して、実質上幕政の最高の執政を評議した臨時の職。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐じょたい【寄合所帯】‥アヒ‥
①多くの所帯が1カ所に寄り合って住むこと。
②(比喩的に)集まるべき必然性のない雑多なものの寄り集まり。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐ぜい【寄合勢】‥アヒ‥
寄り合った軍勢。烏合の衆。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐だ【寄合田】‥アヒ‥
共同で田植をすること。また、共有の田。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐だし【寄合出】‥アヒ‥
種々の品物を持ち寄ってその席に出すこと。
⇒より‐あい【寄合】
よりあい‐どころ【寄合所】‥アヒ‥
寄り合う所。集会所。
⇒より‐あい【寄合】
より‐あ・う【寄り合う】‥アフ
〔自五〕
互いに寄る。寄り集まる。参集する。集合する。「―・って相談する」
より‐あつまり【寄り集り】
寄り集まること。寄り集まったもの。雑多な集まり。烏合の衆。「しろうとの―」
より‐あつま・る【寄り集まる】
〔自五〕
ここかしこから集まって来る。
より‐あわ・す【寄り合す】‥アハス
〔自他下二〕
寄り合う。寄り集まる。また、寄せ合わせる。栄華物語玉台「虫の声々―・せて鳴くもただならず聞ゆ」
より‐あわ・せる【縒り合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]よりあは・す(下二)
(糸を)よって1本にする。ひねりあわせる。
より‐い【寄居】‥ヰ
中世の城下町が、城主の衰滅のために農村に変わって一集落をなすもの。
より‐いと【撚糸・縒糸】
①糸をよること。
②よりをかけた糸。また、より合わせてつくった糸。片撚糸かたよりいとと諸撚糸もろよりいととがある。ねんし。
より・いる【寄り居る】‥ヰル
〔自上一〕
よりかかってすわる。寄りそっている。蜻蛉日記中「幼き人ひとり疲れたる顔にて―・ゐたれば」
より‐うど【寄人】
①平安時代以来の朝廷の諸官衙、鎌倉時代以来の幕府の諸機関におかれた職員の称。→召人めしうど2。
②平安時代以降、居住地の領主とは別の権門社寺に隷属して雑役を勤めた人。その権威を借りてしばしば本領主への年貢を拒否した。
より‐おや【寄親】
①主従関係などを仮の親子関係とみなして結んだとき、その主君の称。対する従者は寄子という。
㋐戦国時代には戦国大名が有力な武将を寄親とし、地侍級の下級家臣を寄子として軍事組織を編制した。
㋑近世には一般の雇用関係においても、奉公人を寄子とし、その身元引受人を寄親とした。太閤書簡天正7年「尚以て、退き口、主ぬし・―より先へ罷退まかりのき候事」
②近世の劇場で、鬘師かずらしの親方の称。
より‐かかり【寄り掛り・倚り掛り・凭り掛り】
①よりかかること。また、他人に頼ること。
②ひじを懸けてよりかかる具。箱型で、蓋の上面に蒲団をのせたもの。病人・女性用。脇息きょうそくの一種。
③女性が身近におく箱。文具箱。〈日葡辞書〉
④和船で、船尾の高く反り上がっている部分を構成する船側の板。
より‐かか・る【寄り掛かる・倚り掛かる・凭り掛かる】
〔自五〕
①身体の支えとしてつかまる。もたせかける。もたれかかる。「壁に―・る」
②他のものに頼る。依存する。「親に―・った生活」
より‐かけ【縒掛け】
繭糸によりをかけ、密着させて1本の生糸とすること。
より‐か・ける【縒り掛ける】
〔他下一〕[文]よりか・く(下二)
縒ってかける。ひねりかける。古今和歌集春「あをやぎの糸―・くる春しもぞ乱れて花のほころびにける」
より‐き【寄木】
水辺に流れ寄った木。
よ‐りき【与力】
①加勢すること。また、その人。助力。助勢。今昔物語集25「―すべき由を勧む」
②(「寄騎」とも書く)室町時代、上級家臣に付属する下級武士。すなわち被官の士。戦国時代には、助勢のため侍大将・足軽大将に付属する武士。
③江戸時代、奉行・所司代・城代・大番頭・書院番頭などに付属し、同心を指揮して上官の事務を分掌・補佐した職。
より‐ぎ【寄り気】
たやすく心を寄せること。日葡辞書「ヨリギナヒト」
より‐きり【寄切り】
相撲の手の一つ。四つに組んだ体勢から前に進み、相手を土俵の外に出すもの。
より‐きん【縒り金・撚り金】
「きんし(金糸)1」参照。
より‐くじら【寄り鯨】‥クヂラ
負傷し、または死んで、岸に漂い寄った鯨。
より‐くず【選り屑】‥クヅ
よいものを選びとった残りの屑。よりがら。えりくず。
より・くる【寄り来る】
〔自カ変〕[文]より・く(カ変)
こちらへ寄って来る。寄せて来る。源氏物語夕顔「ひしひしと踏み鳴らしつつ、後より―・くる心地す」
より‐けり
(ヨル(因)の連用形に詠嘆の助動詞ケリの付いた語)「人に―だ」「物に―だ」「事と次第に―さ」などと用い、人・事・物・場合の如何により決まることで、一概には言えない意。
より‐こ【寄子】
「寄親よりおや1」参照。
より‐ごのみ【選り好み】
(→)「えりごのみ」に同じ。
より‐ざ【寄座】
炉辺の客席。竪座たてざ。
より‐しろ【依代・憑代】
神霊が招き寄せられて乗り移るもの。樹木・岩石・御幣・神籬ひもろぎなどの有体物で、これを神霊の代りとして祭る。かたしろ。
より‐す【寄洲・寄州】
風波などのために、岸に接して川の中に張り出した洲。海岸などに土砂が吹き寄せられて自然にできた洲。
より‐すが・る【寄り縋る】
〔自五〕
①寄り添ってすがる。すがりつく。
②力として頼む。
より‐すぐ・る【選りすぐる】
〔他五〕
(→)「えりすぐる」に同じ。
より‐ずもう【寄り相撲】‥ズマフ
勧進かんじん相撲などで、飛び入りも迎えて行うもの。
より‐そ・う【寄り添う】‥ソフ
〔自五〕
ぴったりとそばへ寄る。「―・って歩く」
より‐たおし【寄倒し】‥タフシ
相撲の手の一つ。四つに組んだ体勢から相手を土俵ぎわに追い詰め、相手がこらえるところを更に力を加えて倒すもの。
より‐たけ【寄り竹】
海岸などに流れ寄った竹。平家物語3「―を柱にして」
より‐だ・す【選り出す】
〔他五〕
よりわけて取り出す。えらび出す。「良いものを―・す」
より‐つき【寄付き】
①寄り付くこと。
②入ってすぐの部屋。
③庭園などに設ける簡略な休息所。茶会の待合。
④取引所で、前場ぜんばまたは後場ごばの最初の立会たちあい。通常は前場をいう。また、その際の値段。より。↔大引おおびけ。
⇒よりつき‐そうば【寄付相場】
⇒よりつき‐ねだん【寄付値段】
より‐づき【寄月】
閏月うるうづきの異称。〈日葡辞書〉
よりつき‐そうば【寄付相場】‥サウ‥
(→)寄付値段に同じ。
⇒より‐つき【寄付き】
よりつき‐ねだん【寄付値段】
「寄付き」4にできた値段。よりね。
⇒より‐つき【寄付き】
より‐つ・く【寄り付く】
〔自五〕
①そばへ寄る。「怒りっぽいので誰も―・かない」
②頼る。身を寄せる。今昔物語集2「父母ぶもありしかども皆死にて相知れる人もなし。されば―・く方なくて」
③とりすがる。また、心のよりどころとする。
④取引所で、立会たちあい初めの手合てあわせが成り立つ。
より‐づな【縒綱】
よりあわせた綱。
より‐づる【寄弦】
巫女みこなどが口寄せに際し、梓弓の弦を鳴らして神を降すこと。
より‐て【依りて・因りて・仍りて】
〔接続〕
それがために。それゆえに。よって。
より‐どうぐ【寄道具】‥ダウ‥
人を捕らえるのに用いた道具。十手じって・寄棒よりぼう・突棒つくぼう・刺股さすまた・袖搦そでがらみの類。捕り道具。
より‐どころ【拠・拠り所】
①たよりとするところ。寄りすがる所。源氏物語桐壺「事とあるときは、なほ―なく心細げなり」。「心の―」
②もとづく所。根拠。「何の―もない話」
より‐どり【選り取り】
よりとること。多数の物の中から好きなものを自由に選ぶこと。えりどり。
⇒よりどり‐みどり【選り取り見取り】
よりどり‐みどり【選り取り見取り】
好き勝手に選んで取ること。
⇒より‐どり【選り取り】
より‐と・る【選り取る】
〔他五〕
多くの中からえらびとる。えりとる。
よりに‐よって【選りに選って】
ほかに適当な選択が可能であるのによくない選択をして。こともあろうに。「―こんな男と結婚するとは」
より‐ぬき【選り抜き】
よりぬくこと。また、よりぬいたもの。よりぬいた優れたもの。えりぬき。
より‐ぬ・く【選り抜く】
〔他五〕
より出して抜きとる。特に、優れたものを選び出す。えりぬく。「―・いた品」
より‐ね【寄値】
(→)寄付値段に同じ。
より‐のこり【選り残り】
よったあとの残り。
より‐ば【寄羽】
鳥などが寄り合い、すり合わせる羽。為相百首「鵲かささぎの―にかかる天の川浪」
より‐ば【寄場】
①人の寄り集まる場所。
②江戸時代の米市の称。
より‐は・つ【寄り果つ】
〔自下二〕
きまりがつく。決着する。源氏物語帚木「いづかたに―・つともなく」
より‐びと【寄人】
①⇒よりうど。
②(→)「よりまし」に同じ。謡曲、葵上「―は今ぞ寄りくる」
より‐ふ・す【寄り臥す】
〔自五〕
物によりかかってふす。添いふす。源氏物語松風「尼君、物悲しげにて―・し給へる」
より‐ふね【寄り船】
遭難して海辺に吹き寄せられた船。また、座礁した船。船体とその積荷を含めていう。〈日葡辞書〉
より‐ぼう【寄棒】‥バウ
寄道具よりどうぐの一種。召し捕るべき者の刃物を払い落としたり叩き伏せたりするのに用いる棒。
よりまさ【頼政】
能。世阿弥作の修羅物。源三位げんざんみ頼政の最期、扇の芝の由来などを脚色する。
頼政
撮影:神田佳明(所蔵:堀安右衞門)
より‐まし【憑坐】
神霊が取り付く人間。特に、祈祷師が神霊を招き寄せて乗り移らせたり託宣を告げさせたりするためにともなう霊媒としての女性や童子。ものつき。よりびと。尸童。平家物語3「―明王みょうおうの縛ばくにかけて、霊あらはれたり」
より‐み【寄り身】
相撲で、四つに組んで自分の体を相手に密着させて前へ進むこと。
より‐みち【寄り道】
目的地に行く途中に他の所に立ち寄ること。また、その道。道寄り。
より‐め【寄り目】
瞳が鼻柱に近く寄っていること。また、その目。
より‐め【縒り目】
よりあわせた箇所。
より‐も【寄り藻】
波風などに吹き寄せられた藻。
より‐もどし【縒り戻し】
釣具の仕掛けの一種。道糸みちいとにかかる縒りの直しや、道糸と鉤素はりすの接続に使う細い金属環。猿環さるかん。
より‐もの【寄物】
波によって浜辺に打ち寄せられたもの。
より‐もの【選り物】
江戸時代に大坂で、堺や尼崎あたりから夕方売りにくる小魚。また、魚を売る人。昼網。えりもの。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「―こう―、車海老」
よ‐りゅう【余流】‥リウ
本流から分かれた流れ。支流。分流。
よりゅうど【寄人】ヨリウド
⇒よりうど
よ‐りょく【余力】
ある事を終えたのちになおあまっている力。ゆとり。「―を残す」
より‐より【度度】
〔副〕
時々。折々。三蔵法師伝承徳点「時ヨリヨリ聖慮を傷いたましむ」。ひとりごと「連歌などの事をもたがひにかたらひ侍事、―也」
より‐わ・ける【選り分ける】
〔他下一〕[文]よりわ・く(下二)
選んで区別する。えりわける。「種子を―・ける」

広辞苑 ページ 20370 での【○寄らば大樹の蔭】単語。