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おだ(おだをあげる)🔗⭐🔉
おだ
(「―をあげる」の形で)勝手な気炎をあげる、集まって談笑するの意。「一杯やって―をあげる」
おだ(方言)🔗⭐🔉
おだ
(茨城・千葉県で)稲掛け。おだかけ。その脚となる2本の立木を「おだあし」という。
お‐だ【小田】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だ【小田】ヲ‥
田た。小さな田。万葉集7「斎種ゆたね蒔く新墾あらきの―を求めむと」
おだ【織田】🔗⭐🔉
おだい【穏】オダヒ🔗⭐🔉
おだい【穏】オダヒ
落ち着いて安らかなさま。おだやかなさま。続日本紀25「心も安く―在りと」
お‐だい【御代】🔗⭐🔉
お‐だい【御代】
「代金」の丁寧な言い方。
お‐だい【御台】🔗⭐🔉
お‐だい【御台】
(御台盤の略)
①食膳。
②(女房詞)飯。ごはん。狂言、岡太夫「白飯はくはん山とは白い―の事」
⇒おだい‐がい【御台匙】
⇒おだい‐くご【御台供御】
⇒おだい‐ばん【御台盤】
⇒おだい‐びつ【御台櫃】
おだい‐か【穏】オダヒカ🔗⭐🔉
おだい‐か【穏】オダヒカ
「おだやか」の古形。三蔵法師伝承徳点「穏オタヰカに便りならざる処ところ有らば」→おだい(穏)
おだい‐がい【御台匙】‥ガヒ🔗⭐🔉
おだい‐がい【御台匙】‥ガヒ
炊いた飯を釜から取り出すしゃくし。めしじゃくし。いいがい。醒睡笑「なかなか、いひがい又は―禁戒よ」
⇒お‐だい【御台】
お‐だいかん【御代官】‥クワン🔗⭐🔉
お‐だいかん【御代官】‥クワン
代官の尊敬語。転じて、えらぶった振舞をする人をあざけっていう。
おだい‐くご【御台供御】🔗⭐🔉
おだい‐くご【御台供御】
天皇の御飯。
⇒お‐だい【御台】
お‐だいし【御大師】🔗⭐🔉
お‐だいし【御大師】
弘法大師の敬称。
おだい・し【穏し】オダヒシ🔗⭐🔉
おだい・し【穏し】オダヒシ
〔形シク〕
(オダヒ(穏)の形容詞化)おだやかである。平穏である。続日本紀31「―・しみたのもしみ思ほしつつ」
おだい‐づけ【御内付】🔗⭐🔉
おだい‐づけ【御内付】
内裏だいり風の付眉つけまゆ。
お‐だいば【御台場】🔗⭐🔉
お‐だいば【御台場】
江戸幕府築造の東京湾品川沖の砲台、品川台場のこと。→台場
おだい‐ばん【御台盤】🔗⭐🔉
おだい‐びつ【御台櫃】🔗⭐🔉
おだい‐びつ【御台櫃】
飯櫃めしびつのこと。
⇒お‐だい【御台】
お‐だいほう【御大方】‥ハウ🔗⭐🔉
お‐だいほう【御大方】‥ハウ
貴族の母の敬称。
お‐だいみょう【御大名】‥ミヤウ🔗⭐🔉
お‐だいみょう【御大名】‥ミヤウ
①「大名」の敬称。
②ぜいたくな人。世事にうとい者。「―暮し」「―で何も知らぬ」
お‐だいもく【御題目】🔗⭐🔉
お‐だいもく【御題目】
①法華経の題目を丁寧にいう語。
②口先で唱えるだけで実行できそうもない項目。「―を並べる」
おだ‐うらくさい【織田有楽斎】🔗⭐🔉
おだ‐うらくさい【織田有楽斎】
安土桃山・江戸初期の武将。織田信長の弟。名は長益。大坂冬の陣に豊臣方にくみしたが、のち堺・京都などに隠棲、茶人として知られた。(1547〜1621)
⇒おだ【織田】
お‐だえ【緒絶え】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だえ【緒絶え】ヲ‥
緒がきれること。万葉集16「真珠しらたまは―しにきと聞きし故に」
おだか【尾高】ヲ‥🔗⭐🔉
おだか【尾高】ヲ‥
姓氏の一つ。
⇒おだか‐ともお【尾高朝雄】
⇒おだか‐ひさただ【尾高尚忠】
おだ‐かずま【織田一磨】🔗⭐🔉
おだ‐かずま【織田一磨】
版画家。東京生れ。「方寸」同人となり、石版による創作版画を確立。代表作「東京風景」「大阪風景」。(1882〜1956)
⇒おだ【織田】
おだか‐ともお【尾高朝雄】ヲ‥ヲ🔗⭐🔉
おだか‐ともお【尾高朝雄】ヲ‥ヲ
法哲学者。ソウル生れ。京城大・東大教授。著「国家構造論」「法の窮極に在るもの」「自由論」など。(1899〜1956)
⇒おだか【尾高】
おだか‐ひさただ【尾高尚忠】ヲ‥🔗⭐🔉
おだか‐ひさただ【尾高尚忠】ヲ‥
指揮者・作曲家。東京生れ。ウィーンに留学、1942年日本交響楽団(現、NHK交響楽団)の常任指揮者。没後、日本の交響楽作品に与えられる作曲賞「尾高賞」が創設。(1911〜1951)
⇒おだか【尾高】
おだかり‐づき【小田刈月】ヲ‥🔗⭐🔉
おだかり‐づき【小田刈月】ヲ‥
(田の稲を刈り取る月の意)陰暦9月の異称。
お‐だき【雄滝】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だき【雄滝】ヲ‥
一対の滝で、大きな方のもの。↔雌滝
おだきゅう‐せん【小田急線】ヲ‥キフ‥🔗⭐🔉
おだきゅう‐せん【小田急線】ヲ‥キフ‥
大手私鉄の一つ。東京都と神奈川県内で営業。新宿・小田原間のほか、相模大野・片瀬江ノ島間の江ノ島線などがある。
おだぎり【小田切】ヲ‥🔗⭐🔉
おだぎり【小田切】ヲ‥
姓氏の一つ。
⇒おだぎり‐ひでお【小田切秀雄】
おだぎり‐ひでお【小田切秀雄】ヲ‥ヲ🔗⭐🔉
おだぎり‐ひでお【小田切秀雄】ヲ‥ヲ
文芸評論家。東京生れ。法大在学中から古典論や近代文学論を発表。荒正人らと「近代文学」を創刊、批評界をリードした。作「近代日本の作家たち」など。(1916〜2000)
⇒おだぎり【小田切】
お‐だく【汚濁】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だく【汚濁】ヲ‥
よごれにごること。おじょく。
お‐だけ【雄竹】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だけ【雄竹】ヲ‥
マダケなどのように壮大な竹をいう。
おだ‐さくのすけ【織田作之助】🔗⭐🔉
おだ‐さくのすけ【織田作之助】
小説家。大阪市生れ。大阪庶民の風俗を描いた「夫婦善哉めおとぜんざい」で認められ、戦後、私小説を否定して「可能性の文学」を唱道。作「土曜夫人」「世相」など。(1913〜1947)
織田作之助
撮影:林 忠彦
⇒おだ【織田】
⇒おだ【織田】
お‐だち【小太刀】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だち【小太刀】ヲ‥
短い太刀。こだち。万葉集9「懸き佩はきの―取り佩き」
おだて【煽て】🔗⭐🔉
おだて【煽て】
おだてること。そそのかし。「―に乗る」
⇒煽てと畚には乗るな
お‐だて【小楯】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だて【小楯】ヲ‥
[一]〔名〕
楯。小さな楯。古事記中「木幡こはたの道に会はししをとめ後手うしろでは―ろかも」
[二]〔枕〕
「やまと」にかかる。
お‐だて【苧経】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だて【苧経】ヲ‥
(麻糸を経糸たていとにして織ることから)茣蓙ござ。
○煽てと畚には乗るなおだてともっこにはのるな
(畚は土を運ぶ道具)おだてには乗るなという戒め。
⇒おだて【煽て】
○煽てと畚には乗るなおだてともっこにはのるな🔗⭐🔉
○煽てと畚には乗るなおだてともっこにはのるな
(畚は土を運ぶ道具)おだてには乗るなという戒め。
⇒おだて【煽て】
おだ・てる【煽てる】
〔他下一〕
①人の気持を乱すようにさわぐ。さわぎ立てる。歌舞伎、韓人漢文手管始「その様に―・てずと静かに歩いて下さんせいなア」
②人をほめて得意にならせる。何かをさせようとして煽動する。「そんなに―・てるなよ」「―・てて酒をおごらせる」
お‐たな【御店】
①奉公人や出入りの職人などがその商家を敬ってよぶ称。
②貸家。その家主に向かっていう。
⇒おたな‐もの【御店者】
おたな‐まき【御棚薪】
正月に庭にかざる薪。門松のまわりに添えることもある。節木せちぎ。
おたな‐もの【御店者】
商店の奉公人。
⇒お‐たな【御店】
お‐だに【小谷】ヲ‥
谷。小さな谷。古事記下「浅茅原―を過ぎて」
おだに【男谷】ヲ‥
姓氏の一つ。
⇒おだに‐せいいちろう【男谷精一郎】
おだに‐せいいちろう【男谷精一郎】ヲ‥ラウ
江戸後期の剣客。幕臣。名は信友。直心影流などの達人。講武所頭取兼剣術師範役。門下に島田虎之助・榊原鍵吉らが出た。後世、剣聖と呼ばれる。(1798〜1864)
⇒おだに【男谷】
おだに‐の‐かた【小谷の方】ヲ‥
織田信長の妹。名は市、また、お市の方。信長の命により近江小谷城主浅井長政に嫁し、3女をもうける。長女は淀君(秀吉の側室)、3女は江与の方(徳川秀忠の正室)。長政の滅亡後、柴田勝家に再嫁。羽柴秀吉に攻められ、勝家とともに自刃。(1547?〜1583)
おたね‐にんじん【御種人参】
朝鮮人参の別称。
お‐たの【御楽】
(江戸の女の語)「おたのしみ」の略。
おだの【小田野】ヲ‥
姓氏の一つ。
⇒おだの‐なおたけ【小田野直武】
おだの‐なおたけ【小田野直武】ヲ‥ナホ‥
江戸中期の洋風画家。秋田角館かくのだての人。平賀源内に洋風画を学び、江戸に出て活躍。「解体新書」の解剖図を描いた。(1749〜1780)
⇒おだの【小田野】
おだ‐のぶかつ【織田信雄】
安土桃山時代の武将。法名、常真。信長の次子。初め伊勢国司北畠氏のあとをつぐ。信長の没後、徳川家康の支援により小牧山に秀吉と対戦。のち転封を拒んで改易された。大坂の陣ではひそかに家康に通じ、のち大和などに5万石を与えられる。(1558〜1630)
⇒おだ【織田】
おだ‐のぶたか【織田信孝】
安土桃山時代の武将。信長の第3子。山崎の戦に秀吉とともに光秀を討ったが、のち柴田勝家と計り、信雄・秀吉を除こうとして成らず、自刃。(1558〜1583)
⇒おだ【織田】
おだ‐のぶただ【織田信忠】
安土時代の武将。信長の長子。左近衛権中将。京都本能寺の変に、二条城で自刃。(1557〜1582)
⇒おだ【織田】
おだ‐のぶなが【織田信長】
戦国・安土時代の武将。信秀の次子。今川義元を桶狭間おけはざまに破り、美濃斎藤氏を滅ぼし、天下統一を標榜、1568年(永禄11)足利義昭を擁して上洛したが、73年(天正1)義昭を追って幕府を滅ぼす。安土城を築き、諸国平定の歩を進めたが、京都本能寺で明智光秀に襲われて自刃。(1534〜1582)
→資料:安国寺恵瓊書簡
⇒おだ【織田】
おだ‐のぶひで【織田信秀】
室町後期の武将。尾張守護代織田氏の奉行人。信長の父。今川義元・斎藤氏と戦って武威を示した。(1510〜1551?)
⇒おだ【織田】
おたは・うオタハフ
〔他四〕
(上代東国方言)未詳。「おだひ(穏)」と同源の語で静まる意とも、「おら(叫)ばふ」に同じで叫ぶ意などともいう。万葉集14「かのまづく人そ―・ふいざ寝しめとら」
お‐タバコ‐ぼん【御煙草盆】
少女の髪の結い方。左右の髪を双方から横に合わせ、頭頂で煙草盆の柄のように結び、その上にきれをかけたもの。明治初年頃から行われた。
御煙草盆
お‐たび【御旅】
御旅所の略。
⇒おたび‐しょ【御旅所】
おたび‐しょ【御旅所】
神社の祭礼に、神輿しんよが本宮から渡御して仮にとどまる所。おたびのみや。みこしやど。おたびどころ。〈[季]夏〉
⇒お‐たび【御旅】
お‐たふく【お多福】
①おたふく面。
②おたふく面に似た(醜い)顔の女。また、女性をののしっていう語。おかめ。
⇒おたふく‐あめ【お多福飴】
⇒おたふく‐かぜ【お多福風邪】
⇒おたふく‐まめ【お多福豆】
⇒おたふく‐めん【お多福面】
おたふく‐あめ【お多福飴】
細長くした飴の棒の中に、お多福面の形をしこみ、どこを切ってもこの模様が現れるようにしたもの。
⇒お‐たふく【お多福】
おたふく‐かぜ【お多福風邪】
流行性耳下腺じかせん炎の俗称。
⇒お‐たふく【お多福】
おたふく‐まめ【お多福豆】
ソラマメの一品種。実の大粒のもの。
⇒お‐たふく【お多福】
おたふく‐めん【お多福面】
丸顔で、額が高く、頬がふくれ、鼻の低い女の仮面。お福。おかめ。
お多福面
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒お‐たふく【お多福】
おだ‐ぶくろ【おだ袋】
海人あまの海草採取に使う袋。
お‐だぶつ【御陀仏】
(阿弥陀仏を唱えて往生する意)死ぬこと。転じて、物事がだめになること。東海道中膝栗毛3「この魚は―だぜ」。「計画が―になる」
お‐たま【御玉】
①玉子。鶏卵。
②(→)「おたまじゃくし」1の略。
⇒おたま‐じゃくし【御玉杓子】
お‐だま【苧玉】ヲ‥
(→)「おだまき」に同じ。
おたま‐が‐いけ【お玉が池】
江戸神田(現、東京都千代田区岩本町)の地名。江戸後期、梁川やながわ星巌の玉池吟社、伊東玄朴の種痘所、千葉周作の剣術道場玄武館があった。
お‐だまき【苧環】ヲ‥
①つむいだ麻糸を、中が空洞になるように円く巻きつけたもの。古今和歌集雑「いにしへのしづの―」
②紋所の名。わくに糸をうちちがえに巻きつけた形。
③枝も葉もない枯木。狭衣物語3「谷深くたつ―は」
④キンポウゲ科の観賞用多年草。高山に自生するミヤマオダマキが原種といわれる。高さ約20センチメートル。葉は白色を帯びた複葉。4〜5月ごろ枝頭に碧紫色または白色の五弁花を開く。花弁の下端は突起を出す。萼片も花弁状。いとくり。耬斗菜。
おだまき
⑤餡入りの求肥ぎゅうひ餅の上にそば粉で多くの筋をつけた菓子。
⑥苧環蒸の略。
⇒おだまき‐むし【苧環蒸・小田巻蒸】
おだまき‐むし【苧環蒸・小田巻蒸】ヲ‥
うどんの入った茶碗蒸し。鶏肉・三つ葉・蒲鉾・椎茸などの具を加え、卵汁をかけて蒸す。おだまき。
⇒お‐だまき【苧環】
おたま‐じゃくし【御玉杓子】
①形がまるくて柄のついた汁杓子。御多賀杓子。
②カエルの幼生。卵から孵化して間のないもので、鰓えらを持ち、水中で生活する。体は卵形。まだ四肢がなく、尾だけで泳ぐ。緑藻等の微小植物を主食とする。成体よりはるかに大形のものもある。蛙子。蝌蚪かと。〈[季]春〉
③(2に似ているところから)楽譜の音符記号の俗称。「―が読めない」
⇒お‐たま【御玉】
お‐たまや【御霊屋】
貴人の霊を祭っておく所。霊廟。みたまや。
お‐たまり【御溜り】
こらえること。下に打消の語を伴って、たまらない、がまんできない、の意となる。浮世風呂4「冷えるはといつたら―やアねへ」
⇒おたまり‐こぼし【御溜り小法師】
おたまり‐こぼし【御溜り小法師】
(「起き上がり小法師」をもじった語)(→)「おたまり」に同じ。多く「―があるものか」の形で使う。広津柳浪、河内屋「汝きさまなんぞに勝手な真似をされ、ふゝむ、―になるもんかい」
⇒お‐たまり【御溜り】
おだ‐みきお【織田幹雄】‥ヲ
陸上競技選手。広島県生れ。1928年アムステルダム‐オリンピックの三段跳びで日本人初の金メダルを獲得。31年三段跳び世界記録を樹立。(1905〜1998)
⇒おだ【織田】
お‐ため【御為】
(「ため」の尊敬語)主人・長上のために利をはかること。
⇒おため‐がお【御為顔】
⇒おため‐ごかし【御為倒し】
⇒おため‐しゃ【御為者】
⇒おため‐ずく【御為尽】
⇒おため‐すじ【御為筋】
お‐ため【御賜め】
(京阪・北陸などで)贈物のお返し。おうつり。
おため‐がお【御為顔】‥ガホ
いかにも主人の利益をはからうような顔つき。忠義ぶった様子。
⇒お‐ため【御為】
おため‐ごかし【御為倒し】
表面は相手のためになるように見せかけて、実は自分の利益をはかること。「―を言う」
⇒お‐ため【御為】
おため‐しゃ【御為者】
主人の利益をもっぱらにしてきびしく税を取り立てたりする、成り上がりの家臣。可笑記「世間いづれのお家にも、―と云ふ出来出頭人ありて」
⇒お‐ため【御為】
おため‐ずく【御為尽】‥ヅク
(→)「おためごかし」に同じ。
⇒お‐ため【御為】
おため‐すじ【御為筋】‥スヂ
利益になる客筋。
⇒お‐ため【御為】
おだ‐もり【小田守】ヲ‥
田の番人。
おだ‐やか【穏やか】
①取り立てた激しさが見られず、しずかなさま。やすらか。日葡辞書「カゼガヲダヤカニフク」。「―な日和」「政情は―だ」
②心が落ちついて安らかなさま。また、人柄が荒々しくなく、物腰が丁寧なさま。日本高僧伝要文抄建長点「身穏オタヤカなり」。「―な人柄」
③(多く打消の語を伴って)やり方や物言いが穏当であるさま。徒然草「兵つわものを用ゐん事―ならぬことなり」。「その言い方は―でない」
お‐だや・む【小弛む】ヲ‥
〔自四〕
(→)「おだゆむ」に同じ。
おだや‐もり【小田屋守】ヲ‥
田の中に設けた小屋にいて、田を守る番人。
お‐だゆ・む【小弛む】ヲ‥
〔自四〕
少しゆるやかになる。雨が小降りになる。おだやむ。浄瑠璃、曾我会稽山「さみだれのひとしきり―・みて」
お‐たらい【御盥】‥タラヒ
女の髪の結い方。笄こうがいに髻もとどりの毛を8字形にうちちがいに巻き、余った毛を周囲に巻きつけて輪にしたもの。形が盥に似る。幕末、娘盛りを過ぎた女性の髪型。おたらい結び。たらい巻き。
御盥
オダリスク【odalisque; odalisk】
①オスマン帝国後宮の女奴隷。
②1を主題とする絵画。
おたる【小樽】ヲ‥
北海道石狩湾に面する市。港湾都市として発展。観光拠点としても名高い。人口14万2千。
小樽の運河
撮影:新海良夫
⇒おたる‐しょうか‐だいがく【小樽商科大学】
お‐だるき【尾垂木】ヲ‥
社寺建築の軒先で、枡組から斜め下に突出している材。
おたる‐しょうか‐だいがく【小樽商科大学】ヲ‥シヤウクワ‥
国立大学法人の一つ。商科系単科大学。前身は1910年(明治43)創立の小樽高等商業学校。44年小樽経済専門学校と改称。49年新制大学。2004年法人化。小樽市。
⇒おたる【小樽】
おたる‐もち【御樽持】
(長崎県五島で)嫁迎えの一行に加わる男児のこと。→御茶持おちゃもち
お‐だれ【尾垂れ】ヲ‥
①軒先の棰たるきの木口を隠す板。鼻隠し。
②(関西で)家の庇ひさし。
オタワ【Ottawa】
カナダ南東部にある同国の首都。オタワ川の南岸に臨み、製材業が盛ん。人口113万2千(2003)。
⇒オタワ‐きょうてい【オタワ協定】
オタワ‐きょうてい【オタワ協定】‥ケフ‥
1932年オタワで開かれたイギリス帝国経済会議(イギリス・自治領諸国及びインドなどが参加)で、相互間の通商・通貨などに関して締結した通商協定。特恵関税制度が形成され、イギリス帝国経済ブロックが組織された。
⇒オタワ【Ottawa】
おだわら【小田原】ヲ‥ハラ
神奈川県南西部の市。古来箱根越え東麓の要駅。戦国時代は北条氏の本拠地として栄えた。もと大久保氏11万石の城下町。かまぼこなどの水産加工、木工業が盛ん。人口19万9千。
⇒おだわら‐じょう【小田原城】
⇒おだわら‐ぜめ【小田原攻め】
⇒おだわら‐ぢょうちん【小田原提灯】
⇒おだわら‐ひょうじょう【小田原評定】
⇒おだわら‐ぶき【小田原葺】
おだわら‐じょう【小田原城】ヲ‥ハラジヤウ
小田原市にあった城。大森氏が拠ったが、北条早雲がこれを奪い、以後5代にわたり北条氏の本城となった。北条氏滅亡後、大久保・稲葉氏らが入った。
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ぜめ【小田原攻め】ヲ‥ハラ‥
1590年(天正18)豊臣秀吉が小田原城を包囲し、北条氏政・氏直を降した戦い。氏政は自刃、氏直は紀伊国高野山に閉居。小田原征伐。→一夜城。
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ぢょうちん【小田原提灯】ヲ‥ハラヂヤウ‥
不用の時は折りたたんで腰にさし、用いる時には伸ばして拡げられるようにした細長い提灯。箱提灯を小形にした形で、天文(1532〜1555)年間、小田原の甚左衛門という者の創製という。
小田原提灯
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ひょうじょう【小田原評定】ヲ‥ハラヒヤウヂヤウ
(豊臣秀吉が小田原城を攻囲した時、小田原城中で北条氏直の腹心等の和戦の評定が長びいて決しなかったことから)長びいてなかなか決定しない相談。小田原談合。
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ぶき【小田原葺】ヲ‥ハラ‥
「こけらぶき」の異称。
⇒おだわら【小田原】
おたんこなす
人をののしる語。間抜け。とんま。おたんちん。
おたんちん
人をののしる語。間抜け。おたんこなす。
おち【落ち】
①おちること。落下。
②あるべきものがぬけること。もれること。特に、てぬかり。手落ち。おちど。「名簿に―がある」「自分の―を認める」
③落髪おちがみの略。日葡辞書「ヲチ、カミノヲチ」
④逃げ去ること。平家物語7「一門都―」
⑤物事の程度が低くなること。劣ること。魚や菜などの、粗悪なこと。
⑥おちぶれること。零落。
⑦ゆきつくところ。おちつくところ。「とんだ藪蛇やぶへびに終わるのが―だろう」
⑧魚が越冬準備のため浅い所から深場へ、また産卵のため上流から下流へ移動すること。「―鮎あゆ」。↔乗っ込み。
⑨落語などの、人を笑わせて終りを結ぶ部分。さげ。「話に―がつく」
⑩謡曲で、下行する節の一つ。数種の型がある。おとし。
⇒落ちが来る
⇒落ちを取る
おち【復・変若】ヲチ
①もとにかえること。万葉集17「鷹はしも…手放れも―もか易き」
②若がえること。万葉集20「ゆめ花散るないや―に咲け」
おち【蕓薹】ヲチ
アブラナの古名。〈倭名類聚鈔17〉
お‐ち【遠・彼方】ヲチ
(コチ・ソチの対。ヲトトシのヲトと同源か。一説に、海の意を表すワタの母音交替によってできたとする)
①遠い所。遠方。おちかた。源氏物語椎本「川より―に」↔こち。
②それより以前。遠い昔。拾遺和歌集雑賀「きのふより―をば知らず」
③それ以後。以外。万葉集15「この頃は恋ひつつもあらむ玉くしげ明けて―よりすべなかるべし」
お‐ち【洿池】ヲ‥
くぼんだ地に水がたまって、池のようになったもの。みずたまり。ためいけ。
お‐ち【御乳】
「おちのひと」の略。
おち【越智】ヲ‥
姓氏の一つ。
①中世、伊予の豪族。一族に河野・土居・得能氏などを分出、水軍を構成して海上に勢力を張る。
②中世、大和南部の豪族。応仁の乱前後、高市郡越智城を中心に力を伸ばす。
⇒おち‐えつじん【越智越人】
おち
〔接頭〕
(ウチの転という)強調を示す。史記抄「時を待てと口―あいて居つたまででは何時得べきぞ」
おち‐あい【落合い】‥アヒ
①一つ所で出合うこと。川と川とが合流する所。平家物語7「二つの河の―に」
②人形浄瑠璃で、一段の結着がついた後に残っている、一齣のまとまった小事件のある語り場。あと。
⇒おちあい‐みょうと【落合い夫婦】
おちあい【落合】‥アヒ
姓氏の一つ。
⇒おちあい‐なおぶみ【落合直文】
おちあい‐なおぶみ【落合直文】‥アヒナホ‥
国文学者・歌人。萩之家と号。陸前(宮城県)生れ。1893年(明治26)浅香あさか社を興して和歌の改革に努め、国語教育に尽力。新体詩「孝女白菊の歌」、歌集「萩之家歌集」など。編「ことばの泉」。(1861〜1903)
⇒おちあい【落合】
おちあい‐みょうと【落合い夫婦】‥アヒメウト
できあい夫婦。野合やごうの夫婦。
⇒おち‐あい【落合い】
おちあい‐やき【落合焼】‥アヒ‥
伯耆ほうき国落合村(現、鳥取県南部町)で作られた陶器。同村の松浦助六が1793年(寛政5)に始めた。土瓶・徳利など主に日用雑器を焼成。
おち‐あ・う【落ち合う】‥アフ
〔自五〕
①約束をして、一つ所で出合う。川と川とが、合流する。「駅で―・う」
②相手になって勝負する。平家物語9「われと思はん平家のさぶらひどもは直実なおざねに―・へや」
③その場に来て加勢する。太平記29「道口七郎―・ひて」
④一時にこみあう。傾城買二筋道「客人が―・ひまして勝手がとりこみ」
⑤意見が一致する。人情本、春色梅美婦祢しゅんしょくうめみぶね「どうも話が―・はないはね」
おち‐あし【落ち足】
①戦いに負けて逃げてゆく足どり。また、逃げてゆく時。浄瑠璃、吉野忠信「四国八島の―に、海底に捨てられしを」
②川の水が引きはじめること。また、その時。平家物語9「水の―をや待つべき」
おち‐あな【落ち穴】
(→)「おとしあな」に同じ。
おち‐あぶ・る【落ちあぶる】
〔自下二〕
おちぶれる。源氏物語橋姫「行く末遠き人は、―・れてさすらへむこと」
おち‐あゆ【落鮎】
秋に、産卵のために下流に下るアユ。くだりあゆ。さびあゆ。しぶあゆ。〈[季]秋〉。万葉集の文反古「精進も―のしのび料理」
おち‐いたじき【落板敷】
一段低くなった板の間。
おち‐いり【落入】
歌舞伎で、絶命の演技。
おち‐い・る【陥る・落ち入る】
〔自五〕
①おちて入る。おちこむ。今昔物語集3「大地割けて地獄にもぞ―・る」
②くぼむ。へこむ。陥没する。源氏物語紅葉賀「目皮まかわいたく黒み―・りて」
③よくない状態にはまりこむ。「敵の術中に―・る」「危篤に―・る」「ジレンマに―・る」
④攻め落とされる。「城が―・る」
⑤息が絶える。平家物語11「手負ておいのただいま―・るに、一日経いちにちぎょうかいてとぶらへ」
おち・いる【落ち居る】‥ヰル
〔自上一〕
心が落ち着く。竹取物語「ここらの日頃思ひわび侍る心は、けふなむ―・ゐぬる」
おち‐うお【落魚】‥ウヲ
①産卵のため川を下る魚。
②水温低下のため、川の深みへ移動する魚。
③死んだ魚。
おち‐う・す【落ち失す】
〔自下二〕
戦いに敗れて逃げる。
おち‐うど【落人】
(オチビトの音便。古くはオチウトとも)戦いに負けて逃げて行く人。また、人目を避けて逃げて行く人。義経記4「左右なく―の入らせ給ひ候を」。「平家の―」
⇒おちうど‐でんせつ【落人伝説】
おちうど【落人】
歌舞伎舞踊。道行物。清元。本名題「道行旅路の花聟」。三升屋二三治作詞。初世清元栄次郎作曲。1833年(天保4)初演。忠臣蔵3段目に材をとり、お軽勘平の道行に鷺坂伴内が出て哀傷に滑稽を交える。
おちうど‐でんせつ【落人伝説】
落人にまつわる伝説。土地の自然物の由来を述べる鎧桜・休み石、先祖を落人とする平家谷伝説など。
⇒おち‐うど【落人】
おち‐うなぎ【落鰻】
秋の頃、産卵のため川を下るウナギ。〈[季]秋〉
おち‐えつじん【越智越人】ヲ‥ヱツ‥
江戸中期の俳人。北越の生れ。蕉門の十哲の一人。はなやかな作風を有し、尾張の蕉風を開拓。著「鵲尾冠」「庭竈にわかまど集」「不猫蛇ふみょうじゃ」「猪の早太」「猫の耳」など。(1656〜 )
⇒おち【越智】
おち‐えん【落縁】
座敷あるいは縁よりさらに一段低く作った縁。多くは雨戸の外の濡縁。おとしえん。〈日葡辞書〉
おち‐おち【条条】ヲチヲチ
箇条を一つ一つにわけていう場合の語。くだりくだり。かどかど。件々。神代紀下「―にして勅みことのりしたまふ」
おち‐おち
〔副〕
(多く下に打消の語を伴って)安心して。落ちついて。「夜も―眠れない」
おち‐がい【落買】‥ガヒ
(→)「おちゃない」に同じ。
おち‐かえ・る【復ち返る・変若ち返る】ヲチカヘル
〔自四〕
①もとにかえる。くりかえす。更級日記「山里のこの暁も―・る音も」
②若返る。万葉集11「朝露の消けやすきわが身老いぬとも又―・り君をし待たむ」
おち‐がかり【落ち掛り】
隅木などの斜めの材が水平の材に取り付く所。
おち‐かか・る【落ち掛かる】
〔自五〕
①落ちようとする。落ちそうになる。
②その上にまともに落ちる。源氏物語明石「おはしますに続きたる廊に、―・りぬ」。「壁のペンキが床に―・る」
お‐たび【御旅】
御旅所の略。
⇒おたび‐しょ【御旅所】
おたび‐しょ【御旅所】
神社の祭礼に、神輿しんよが本宮から渡御して仮にとどまる所。おたびのみや。みこしやど。おたびどころ。〈[季]夏〉
⇒お‐たび【御旅】
お‐たふく【お多福】
①おたふく面。
②おたふく面に似た(醜い)顔の女。また、女性をののしっていう語。おかめ。
⇒おたふく‐あめ【お多福飴】
⇒おたふく‐かぜ【お多福風邪】
⇒おたふく‐まめ【お多福豆】
⇒おたふく‐めん【お多福面】
おたふく‐あめ【お多福飴】
細長くした飴の棒の中に、お多福面の形をしこみ、どこを切ってもこの模様が現れるようにしたもの。
⇒お‐たふく【お多福】
おたふく‐かぜ【お多福風邪】
流行性耳下腺じかせん炎の俗称。
⇒お‐たふく【お多福】
おたふく‐まめ【お多福豆】
ソラマメの一品種。実の大粒のもの。
⇒お‐たふく【お多福】
おたふく‐めん【お多福面】
丸顔で、額が高く、頬がふくれ、鼻の低い女の仮面。お福。おかめ。
お多福面
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒お‐たふく【お多福】
おだ‐ぶくろ【おだ袋】
海人あまの海草採取に使う袋。
お‐だぶつ【御陀仏】
(阿弥陀仏を唱えて往生する意)死ぬこと。転じて、物事がだめになること。東海道中膝栗毛3「この魚は―だぜ」。「計画が―になる」
お‐たま【御玉】
①玉子。鶏卵。
②(→)「おたまじゃくし」1の略。
⇒おたま‐じゃくし【御玉杓子】
お‐だま【苧玉】ヲ‥
(→)「おだまき」に同じ。
おたま‐が‐いけ【お玉が池】
江戸神田(現、東京都千代田区岩本町)の地名。江戸後期、梁川やながわ星巌の玉池吟社、伊東玄朴の種痘所、千葉周作の剣術道場玄武館があった。
お‐だまき【苧環】ヲ‥
①つむいだ麻糸を、中が空洞になるように円く巻きつけたもの。古今和歌集雑「いにしへのしづの―」
②紋所の名。わくに糸をうちちがえに巻きつけた形。
③枝も葉もない枯木。狭衣物語3「谷深くたつ―は」
④キンポウゲ科の観賞用多年草。高山に自生するミヤマオダマキが原種といわれる。高さ約20センチメートル。葉は白色を帯びた複葉。4〜5月ごろ枝頭に碧紫色または白色の五弁花を開く。花弁の下端は突起を出す。萼片も花弁状。いとくり。耬斗菜。
おだまき
⑤餡入りの求肥ぎゅうひ餅の上にそば粉で多くの筋をつけた菓子。
⑥苧環蒸の略。
⇒おだまき‐むし【苧環蒸・小田巻蒸】
おだまき‐むし【苧環蒸・小田巻蒸】ヲ‥
うどんの入った茶碗蒸し。鶏肉・三つ葉・蒲鉾・椎茸などの具を加え、卵汁をかけて蒸す。おだまき。
⇒お‐だまき【苧環】
おたま‐じゃくし【御玉杓子】
①形がまるくて柄のついた汁杓子。御多賀杓子。
②カエルの幼生。卵から孵化して間のないもので、鰓えらを持ち、水中で生活する。体は卵形。まだ四肢がなく、尾だけで泳ぐ。緑藻等の微小植物を主食とする。成体よりはるかに大形のものもある。蛙子。蝌蚪かと。〈[季]春〉
③(2に似ているところから)楽譜の音符記号の俗称。「―が読めない」
⇒お‐たま【御玉】
お‐たまや【御霊屋】
貴人の霊を祭っておく所。霊廟。みたまや。
お‐たまり【御溜り】
こらえること。下に打消の語を伴って、たまらない、がまんできない、の意となる。浮世風呂4「冷えるはといつたら―やアねへ」
⇒おたまり‐こぼし【御溜り小法師】
おたまり‐こぼし【御溜り小法師】
(「起き上がり小法師」をもじった語)(→)「おたまり」に同じ。多く「―があるものか」の形で使う。広津柳浪、河内屋「汝きさまなんぞに勝手な真似をされ、ふゝむ、―になるもんかい」
⇒お‐たまり【御溜り】
おだ‐みきお【織田幹雄】‥ヲ
陸上競技選手。広島県生れ。1928年アムステルダム‐オリンピックの三段跳びで日本人初の金メダルを獲得。31年三段跳び世界記録を樹立。(1905〜1998)
⇒おだ【織田】
お‐ため【御為】
(「ため」の尊敬語)主人・長上のために利をはかること。
⇒おため‐がお【御為顔】
⇒おため‐ごかし【御為倒し】
⇒おため‐しゃ【御為者】
⇒おため‐ずく【御為尽】
⇒おため‐すじ【御為筋】
お‐ため【御賜め】
(京阪・北陸などで)贈物のお返し。おうつり。
おため‐がお【御為顔】‥ガホ
いかにも主人の利益をはからうような顔つき。忠義ぶった様子。
⇒お‐ため【御為】
おため‐ごかし【御為倒し】
表面は相手のためになるように見せかけて、実は自分の利益をはかること。「―を言う」
⇒お‐ため【御為】
おため‐しゃ【御為者】
主人の利益をもっぱらにしてきびしく税を取り立てたりする、成り上がりの家臣。可笑記「世間いづれのお家にも、―と云ふ出来出頭人ありて」
⇒お‐ため【御為】
おため‐ずく【御為尽】‥ヅク
(→)「おためごかし」に同じ。
⇒お‐ため【御為】
おため‐すじ【御為筋】‥スヂ
利益になる客筋。
⇒お‐ため【御為】
おだ‐もり【小田守】ヲ‥
田の番人。
おだ‐やか【穏やか】
①取り立てた激しさが見られず、しずかなさま。やすらか。日葡辞書「カゼガヲダヤカニフク」。「―な日和」「政情は―だ」
②心が落ちついて安らかなさま。また、人柄が荒々しくなく、物腰が丁寧なさま。日本高僧伝要文抄建長点「身穏オタヤカなり」。「―な人柄」
③(多く打消の語を伴って)やり方や物言いが穏当であるさま。徒然草「兵つわものを用ゐん事―ならぬことなり」。「その言い方は―でない」
お‐だや・む【小弛む】ヲ‥
〔自四〕
(→)「おだゆむ」に同じ。
おだや‐もり【小田屋守】ヲ‥
田の中に設けた小屋にいて、田を守る番人。
お‐だゆ・む【小弛む】ヲ‥
〔自四〕
少しゆるやかになる。雨が小降りになる。おだやむ。浄瑠璃、曾我会稽山「さみだれのひとしきり―・みて」
お‐たらい【御盥】‥タラヒ
女の髪の結い方。笄こうがいに髻もとどりの毛を8字形にうちちがいに巻き、余った毛を周囲に巻きつけて輪にしたもの。形が盥に似る。幕末、娘盛りを過ぎた女性の髪型。おたらい結び。たらい巻き。
御盥
オダリスク【odalisque; odalisk】
①オスマン帝国後宮の女奴隷。
②1を主題とする絵画。
おたる【小樽】ヲ‥
北海道石狩湾に面する市。港湾都市として発展。観光拠点としても名高い。人口14万2千。
小樽の運河
撮影:新海良夫
⇒おたる‐しょうか‐だいがく【小樽商科大学】
お‐だるき【尾垂木】ヲ‥
社寺建築の軒先で、枡組から斜め下に突出している材。
おたる‐しょうか‐だいがく【小樽商科大学】ヲ‥シヤウクワ‥
国立大学法人の一つ。商科系単科大学。前身は1910年(明治43)創立の小樽高等商業学校。44年小樽経済専門学校と改称。49年新制大学。2004年法人化。小樽市。
⇒おたる【小樽】
おたる‐もち【御樽持】
(長崎県五島で)嫁迎えの一行に加わる男児のこと。→御茶持おちゃもち
お‐だれ【尾垂れ】ヲ‥
①軒先の棰たるきの木口を隠す板。鼻隠し。
②(関西で)家の庇ひさし。
オタワ【Ottawa】
カナダ南東部にある同国の首都。オタワ川の南岸に臨み、製材業が盛ん。人口113万2千(2003)。
⇒オタワ‐きょうてい【オタワ協定】
オタワ‐きょうてい【オタワ協定】‥ケフ‥
1932年オタワで開かれたイギリス帝国経済会議(イギリス・自治領諸国及びインドなどが参加)で、相互間の通商・通貨などに関して締結した通商協定。特恵関税制度が形成され、イギリス帝国経済ブロックが組織された。
⇒オタワ【Ottawa】
おだわら【小田原】ヲ‥ハラ
神奈川県南西部の市。古来箱根越え東麓の要駅。戦国時代は北条氏の本拠地として栄えた。もと大久保氏11万石の城下町。かまぼこなどの水産加工、木工業が盛ん。人口19万9千。
⇒おだわら‐じょう【小田原城】
⇒おだわら‐ぜめ【小田原攻め】
⇒おだわら‐ぢょうちん【小田原提灯】
⇒おだわら‐ひょうじょう【小田原評定】
⇒おだわら‐ぶき【小田原葺】
おだわら‐じょう【小田原城】ヲ‥ハラジヤウ
小田原市にあった城。大森氏が拠ったが、北条早雲がこれを奪い、以後5代にわたり北条氏の本城となった。北条氏滅亡後、大久保・稲葉氏らが入った。
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ぜめ【小田原攻め】ヲ‥ハラ‥
1590年(天正18)豊臣秀吉が小田原城を包囲し、北条氏政・氏直を降した戦い。氏政は自刃、氏直は紀伊国高野山に閉居。小田原征伐。→一夜城。
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ぢょうちん【小田原提灯】ヲ‥ハラヂヤウ‥
不用の時は折りたたんで腰にさし、用いる時には伸ばして拡げられるようにした細長い提灯。箱提灯を小形にした形で、天文(1532〜1555)年間、小田原の甚左衛門という者の創製という。
小田原提灯
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ひょうじょう【小田原評定】ヲ‥ハラヒヤウヂヤウ
(豊臣秀吉が小田原城を攻囲した時、小田原城中で北条氏直の腹心等の和戦の評定が長びいて決しなかったことから)長びいてなかなか決定しない相談。小田原談合。
⇒おだわら【小田原】
おだわら‐ぶき【小田原葺】ヲ‥ハラ‥
「こけらぶき」の異称。
⇒おだわら【小田原】
おたんこなす
人をののしる語。間抜け。とんま。おたんちん。
おたんちん
人をののしる語。間抜け。おたんこなす。
おち【落ち】
①おちること。落下。
②あるべきものがぬけること。もれること。特に、てぬかり。手落ち。おちど。「名簿に―がある」「自分の―を認める」
③落髪おちがみの略。日葡辞書「ヲチ、カミノヲチ」
④逃げ去ること。平家物語7「一門都―」
⑤物事の程度が低くなること。劣ること。魚や菜などの、粗悪なこと。
⑥おちぶれること。零落。
⑦ゆきつくところ。おちつくところ。「とんだ藪蛇やぶへびに終わるのが―だろう」
⑧魚が越冬準備のため浅い所から深場へ、また産卵のため上流から下流へ移動すること。「―鮎あゆ」。↔乗っ込み。
⑨落語などの、人を笑わせて終りを結ぶ部分。さげ。「話に―がつく」
⑩謡曲で、下行する節の一つ。数種の型がある。おとし。
⇒落ちが来る
⇒落ちを取る
おち【復・変若】ヲチ
①もとにかえること。万葉集17「鷹はしも…手放れも―もか易き」
②若がえること。万葉集20「ゆめ花散るないや―に咲け」
おち【蕓薹】ヲチ
アブラナの古名。〈倭名類聚鈔17〉
お‐ち【遠・彼方】ヲチ
(コチ・ソチの対。ヲトトシのヲトと同源か。一説に、海の意を表すワタの母音交替によってできたとする)
①遠い所。遠方。おちかた。源氏物語椎本「川より―に」↔こち。
②それより以前。遠い昔。拾遺和歌集雑賀「きのふより―をば知らず」
③それ以後。以外。万葉集15「この頃は恋ひつつもあらむ玉くしげ明けて―よりすべなかるべし」
お‐ち【洿池】ヲ‥
くぼんだ地に水がたまって、池のようになったもの。みずたまり。ためいけ。
お‐ち【御乳】
「おちのひと」の略。
おち【越智】ヲ‥
姓氏の一つ。
①中世、伊予の豪族。一族に河野・土居・得能氏などを分出、水軍を構成して海上に勢力を張る。
②中世、大和南部の豪族。応仁の乱前後、高市郡越智城を中心に力を伸ばす。
⇒おち‐えつじん【越智越人】
おち
〔接頭〕
(ウチの転という)強調を示す。史記抄「時を待てと口―あいて居つたまででは何時得べきぞ」
おち‐あい【落合い】‥アヒ
①一つ所で出合うこと。川と川とが合流する所。平家物語7「二つの河の―に」
②人形浄瑠璃で、一段の結着がついた後に残っている、一齣のまとまった小事件のある語り場。あと。
⇒おちあい‐みょうと【落合い夫婦】
おちあい【落合】‥アヒ
姓氏の一つ。
⇒おちあい‐なおぶみ【落合直文】
おちあい‐なおぶみ【落合直文】‥アヒナホ‥
国文学者・歌人。萩之家と号。陸前(宮城県)生れ。1893年(明治26)浅香あさか社を興して和歌の改革に努め、国語教育に尽力。新体詩「孝女白菊の歌」、歌集「萩之家歌集」など。編「ことばの泉」。(1861〜1903)
⇒おちあい【落合】
おちあい‐みょうと【落合い夫婦】‥アヒメウト
できあい夫婦。野合やごうの夫婦。
⇒おち‐あい【落合い】
おちあい‐やき【落合焼】‥アヒ‥
伯耆ほうき国落合村(現、鳥取県南部町)で作られた陶器。同村の松浦助六が1793年(寛政5)に始めた。土瓶・徳利など主に日用雑器を焼成。
おち‐あ・う【落ち合う】‥アフ
〔自五〕
①約束をして、一つ所で出合う。川と川とが、合流する。「駅で―・う」
②相手になって勝負する。平家物語9「われと思はん平家のさぶらひどもは直実なおざねに―・へや」
③その場に来て加勢する。太平記29「道口七郎―・ひて」
④一時にこみあう。傾城買二筋道「客人が―・ひまして勝手がとりこみ」
⑤意見が一致する。人情本、春色梅美婦祢しゅんしょくうめみぶね「どうも話が―・はないはね」
おち‐あし【落ち足】
①戦いに負けて逃げてゆく足どり。また、逃げてゆく時。浄瑠璃、吉野忠信「四国八島の―に、海底に捨てられしを」
②川の水が引きはじめること。また、その時。平家物語9「水の―をや待つべき」
おち‐あな【落ち穴】
(→)「おとしあな」に同じ。
おち‐あぶ・る【落ちあぶる】
〔自下二〕
おちぶれる。源氏物語橋姫「行く末遠き人は、―・れてさすらへむこと」
おち‐あゆ【落鮎】
秋に、産卵のために下流に下るアユ。くだりあゆ。さびあゆ。しぶあゆ。〈[季]秋〉。万葉集の文反古「精進も―のしのび料理」
おち‐いたじき【落板敷】
一段低くなった板の間。
おち‐いり【落入】
歌舞伎で、絶命の演技。
おち‐い・る【陥る・落ち入る】
〔自五〕
①おちて入る。おちこむ。今昔物語集3「大地割けて地獄にもぞ―・る」
②くぼむ。へこむ。陥没する。源氏物語紅葉賀「目皮まかわいたく黒み―・りて」
③よくない状態にはまりこむ。「敵の術中に―・る」「危篤に―・る」「ジレンマに―・る」
④攻め落とされる。「城が―・る」
⑤息が絶える。平家物語11「手負ておいのただいま―・るに、一日経いちにちぎょうかいてとぶらへ」
おち・いる【落ち居る】‥ヰル
〔自上一〕
心が落ち着く。竹取物語「ここらの日頃思ひわび侍る心は、けふなむ―・ゐぬる」
おち‐うお【落魚】‥ウヲ
①産卵のため川を下る魚。
②水温低下のため、川の深みへ移動する魚。
③死んだ魚。
おち‐う・す【落ち失す】
〔自下二〕
戦いに敗れて逃げる。
おち‐うど【落人】
(オチビトの音便。古くはオチウトとも)戦いに負けて逃げて行く人。また、人目を避けて逃げて行く人。義経記4「左右なく―の入らせ給ひ候を」。「平家の―」
⇒おちうど‐でんせつ【落人伝説】
おちうど【落人】
歌舞伎舞踊。道行物。清元。本名題「道行旅路の花聟」。三升屋二三治作詞。初世清元栄次郎作曲。1833年(天保4)初演。忠臣蔵3段目に材をとり、お軽勘平の道行に鷺坂伴内が出て哀傷に滑稽を交える。
おちうど‐でんせつ【落人伝説】
落人にまつわる伝説。土地の自然物の由来を述べる鎧桜・休み石、先祖を落人とする平家谷伝説など。
⇒おち‐うど【落人】
おち‐うなぎ【落鰻】
秋の頃、産卵のため川を下るウナギ。〈[季]秋〉
おち‐えつじん【越智越人】ヲ‥ヱツ‥
江戸中期の俳人。北越の生れ。蕉門の十哲の一人。はなやかな作風を有し、尾張の蕉風を開拓。著「鵲尾冠」「庭竈にわかまど集」「不猫蛇ふみょうじゃ」「猪の早太」「猫の耳」など。(1656〜 )
⇒おち【越智】
おち‐えん【落縁】
座敷あるいは縁よりさらに一段低く作った縁。多くは雨戸の外の濡縁。おとしえん。〈日葡辞書〉
おち‐おち【条条】ヲチヲチ
箇条を一つ一つにわけていう場合の語。くだりくだり。かどかど。件々。神代紀下「―にして勅みことのりしたまふ」
おち‐おち
〔副〕
(多く下に打消の語を伴って)安心して。落ちついて。「夜も―眠れない」
おち‐がい【落買】‥ガヒ
(→)「おちゃない」に同じ。
おち‐かえ・る【復ち返る・変若ち返る】ヲチカヘル
〔自四〕
①もとにかえる。くりかえす。更級日記「山里のこの暁も―・る音も」
②若返る。万葉集11「朝露の消けやすきわが身老いぬとも又―・り君をし待たむ」
おち‐がかり【落ち掛り】
隅木などの斜めの材が水平の材に取り付く所。
おち‐かか・る【落ち掛かる】
〔自五〕
①落ちようとする。落ちそうになる。
②その上にまともに落ちる。源氏物語明石「おはしますに続きたる廊に、―・りぬ」。「壁のペンキが床に―・る」
おだ・てる【煽てる】🔗⭐🔉
おだ・てる【煽てる】
〔他下一〕
①人の気持を乱すようにさわぐ。さわぎ立てる。歌舞伎、韓人漢文手管始「その様に―・てずと静かに歩いて下さんせいなア」
②人をほめて得意にならせる。何かをさせようとして煽動する。「そんなに―・てるなよ」「―・てて酒をおごらせる」
お‐だに【小谷】ヲ‥🔗⭐🔉
お‐だに【小谷】ヲ‥
谷。小さな谷。古事記下「浅茅原―を過ぎて」
おだに【男谷】ヲ‥🔗⭐🔉
おだに【男谷】ヲ‥
姓氏の一つ。
⇒おだに‐せいいちろう【男谷精一郎】
おだに‐せいいちろう【男谷精一郎】ヲ‥ラウ🔗⭐🔉
おだに‐せいいちろう【男谷精一郎】ヲ‥ラウ
江戸後期の剣客。幕臣。名は信友。直心影流などの達人。講武所頭取兼剣術師範役。門下に島田虎之助・榊原鍵吉らが出た。後世、剣聖と呼ばれる。(1798〜1864)
⇒おだに【男谷】
おだに‐の‐かた【小谷の方】ヲ‥🔗⭐🔉
おだに‐の‐かた【小谷の方】ヲ‥
織田信長の妹。名は市、また、お市の方。信長の命により近江小谷城主浅井長政に嫁し、3女をもうける。長女は淀君(秀吉の側室)、3女は江与の方(徳川秀忠の正室)。長政の滅亡後、柴田勝家に再嫁。羽柴秀吉に攻められ、勝家とともに自刃。(1547?〜1583)
おだの【小田野】ヲ‥🔗⭐🔉
おだの【小田野】ヲ‥
姓氏の一つ。
⇒おだの‐なおたけ【小田野直武】
おだの‐なおたけ【小田野直武】ヲ‥ナホ‥🔗⭐🔉
おだの‐なおたけ【小田野直武】ヲ‥ナホ‥
江戸中期の洋風画家。秋田角館かくのだての人。平賀源内に洋風画を学び、江戸に出て活躍。「解体新書」の解剖図を描いた。(1749〜1780)
⇒おだの【小田野】
おだ‐のぶかつ【織田信雄】🔗⭐🔉
おだ‐のぶかつ【織田信雄】
安土桃山時代の武将。法名、常真。信長の次子。初め伊勢国司北畠氏のあとをつぐ。信長の没後、徳川家康の支援により小牧山に秀吉と対戦。のち転封を拒んで改易された。大坂の陣ではひそかに家康に通じ、のち大和などに5万石を与えられる。(1558〜1630)
⇒おだ【織田】
おだ‐のぶたか【織田信孝】🔗⭐🔉
おだ‐のぶたか【織田信孝】
安土桃山時代の武将。信長の第3子。山崎の戦に秀吉とともに光秀を討ったが、のち柴田勝家と計り、信雄・秀吉を除こうとして成らず、自刃。(1558〜1583)
⇒おだ【織田】
おだ‐のぶただ【織田信忠】🔗⭐🔉
おだ‐のぶただ【織田信忠】
安土時代の武将。信長の長子。左近衛権中将。京都本能寺の変に、二条城で自刃。(1557〜1582)
⇒おだ【織田】
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