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くそ【糞・屎】🔗⭐🔉
く‐そ【苦楚】🔗⭐🔉
く‐そ【苦楚】
(「楚」は痛の意)辛苦。苦痛。
くそ🔗⭐🔉
くそ
〔代〕
親愛の気持をもって相手を指していう語。きみ。こそ。宇津保物語藤原君「おもしろきことのたまふ―たちかな」
く‐そう【九僧】🔗⭐🔉
く‐そう【九僧】
〔仏〕大法会における九種の役僧。すなわち、導師・呪願じゅがん師・唄ばい師・散華さんげ師・梵音師・錫杖しゃくじょう師・引頭いんず・堂達どうたつ・衲衆のうしゅの総称。
く‐そう【九想・九相】‥サウ🔗⭐🔉
く‐そう【九想・九相】‥サウ
〔仏〕人間の死骸が腐敗して白骨・土灰化するまでの九段階を観想すること。肉体への執着を断ずるために修する。きゅうそう。
く‐そう【口唱】‥サウ🔗⭐🔉
く‐そう【口唱】‥サウ
口に名号みょうごうを唱えること。栄華物語嶺月「南無阿弥陀仏と―、遥かに声うちあげたれば」
くそうず【臭水】クサウヅ🔗⭐🔉
くそうず【臭水】クサウヅ
(クサミズの音便)石油の古称。大和物語本草「是越後にある―なるべし。田沢の中にあり。土より出る油なり」
くそ‐おけ【糞桶】‥ヲケ🔗⭐🔉
くそ‐おけ【糞桶】‥ヲケ
糞尿を入れて運ぶ桶。こえたご。
くそ‐おちつき【糞落着き】🔗⭐🔉
くそ‐おちつき【糞落着き】
いやに落ち着きはらっていること。「―に落ち着いている」
くそ‐がえる【糞蛙】‥ガヘル🔗⭐🔉
くそ‐がえる【糞蛙】‥ガヘル
ツチガエルまたはヌマガエルの俗称。
くそ‐かずら【屎葛】‥カヅラ🔗⭐🔉
くそ‐かずら【屎葛】‥カヅラ
ヘクソカズラのこと。蔓つるの長く続くことから、「絶ゆることなく」に続けて用いる。万葉集16「かはらふぢに延ひおぼとれる―絶ゆることなく宮仕へせむ」
くそ‐だめ【糞溜め】🔗⭐🔉
くそ‐だめ【糞溜め】
糞尿を貯えておく溜め。こえだめ。
くそ‐たれ【糞垂れ】🔗⭐🔉
くそ‐たれ【糞垂れ】
人をののしっていう語。くそったれ。
くそ‐ぢから【糞力】🔗⭐🔉
くそ‐ぢから【糞力】
普通の常識では考えられないほどの強い力。ばかぢから。
くそ‐つぼ【糞壺】🔗⭐🔉
くそ‐つぼ【糞壺】
便所の下に埋めて糞尿を受け溜める壺。
くそ‐どきょう【糞度胸】🔗⭐🔉
くそ‐どきょう【糞度胸】
並みはずれてずぶとい度胸。
くそ‐とび【糞鴟】🔗⭐🔉
くそ‐とび【糞鴟】
〔動〕ノスリの俗称。〈倭名類聚鈔18〉
くそ‐ばえ【糞蠅】‥バヘ🔗⭐🔉
くそ‐ばえ【糞蠅】‥バヘ
キンバエの俗称。
くそ‐ふく🔗⭐🔉
くそ‐ふく
かわや。便所。
くそ‐ぶくろ【糞袋】🔗⭐🔉
くそ‐ぶくろ【糞袋】
①胃・腸の異名。くそわた。〈倭名類聚鈔(十巻本)2〉
②転じて、人体・人間のこと。
くそ‐ぶな【屎鮒】🔗⭐🔉
くそ‐ぶな【屎鮒】
小鮒。また、鮒をいやしめていう語(塵芥の集まる川にいるからという)。また、タナゴの異称。万葉集16「川くまの―食はめる痛き女奴めやつこ」
くそ‐ぶね【糞船】🔗⭐🔉
くそ‐ぶね【糞船】
糞尿を運搬する船。こえぶね。
くそ‐へ【糞戸・屎戸】🔗⭐🔉
くそ‐へ【糞戸・屎戸】
天つ罪の一つ。汚いものをまきちらすこと。祝詞、大祓詞「畔あ放ち・…・―、ここだくの罪を」
くそ‐ぼね【糞骨】🔗⭐🔉
くそ‐ぼね【糞骨】
無益な骨折り。
くそ‐まじめ【糞真面目】🔗⭐🔉
くそ‐まじめ【糞真面目】
まじめで融通が全くきかないさま。「冗談もわからない―な男」
くそ‐ま・る【糞放る】🔗⭐🔉
くそ‐ま・る【糞放る】
〔自四〕
大便をする。
くそ‐みそ【糞味噌】🔗⭐🔉
くそ‐みそ【糞味噌】
①「糞も味噌も一緒」に同じ。→糞(成句)。
②むちゃくちゃなさま。相手をやっつけたり悪く言ったりする場合に用いる俗語。みそくそ。「―にののしる」
くそ‐むし【糞虫】🔗⭐🔉
くそ‐むし【糞虫】
①成虫・幼虫が動物の糞を食うコガネムシ科の甲虫の一群。ダイコクコガネ・マグソコガネ・タマオシコガネ(スカラベ)の類。〈本草和名〉
②糞中にわく蛆うじ。〈日葡辞書〉
○糞も味噌も一緒くそもみそもいっしょ
清いものも汚れたものも同じに扱うこと。また、善悪・優劣の区別をつけないこと。めちゃくちゃであること。くそみそ。「味噌も糞も一緒」とも。
⇒くそ【糞・屎】
○糞も味噌も一緒くそもみそもいっしょ🔗⭐🔉
○糞も味噌も一緒くそもみそもいっしょ
清いものも汚れたものも同じに扱うこと。また、善悪・優劣の区別をつけないこと。めちゃくちゃであること。くそみそ。「味噌も糞も一緒」とも。
⇒くそ【糞・屎】
くそ‐わた【糞腸】
(→)「くそぶくろ(糞袋)」に同じ。〈類聚名義抄〉
くそ‐わた【糞腸】🔗⭐🔉
くそ‐わた【糞腸】
(→)「くそぶくろ(糞袋)」に同じ。〈類聚名義抄〉
○糞を食らえくそをくらえ
①やけを起こしたり、相手の言動をののしりかえしたりして言う語。糞食らえ。
②くしゃみをした時、魂が飛び出すのをふせぐといって、まじないに唱えた言葉。誹風柳多留10「くしやみすりや―も道具なり」
⇒くそ【糞・屎】
○糞を食らえくそをくらえ🔗⭐🔉
○糞を食らえくそをくらえ
①やけを起こしたり、相手の言動をののしりかえしたりして言う語。糞食らえ。
②くしゃみをした時、魂が飛び出すのをふせぐといって、まじないに唱えた言葉。誹風柳多留10「くしやみすりや―も道具なり」
⇒くそ【糞・屎】
く‐そん【九尊】
胎蔵界曼荼羅まんだらの中台八葉院に配される九つの仏・菩薩。中央の大日如来(中尊)と四方の四仏と四隅の四菩薩との総称。
ぐ‐ぞん【愚存】
自分の考えの謙譲語。
くた【朽・腐・芥】
ごみ。くず。あくた。元真集「小揺ぎの渚に風の吹きしから―も残さず波もよせけり」
くだ
①くだくだしいこと。くどいこと。余計なこと。浄瑠璃、惟喬惟仁位諍「それは仰せが―ならめ」
②とりとめなく言う言葉。浄瑠璃、源平布引滝「―ももつれて目もちろちろ」
⇒くだを巻く
くだ【管・筟】
①円く細長く、中のうつろなもの。
②機はたの緯糸よこいとを巻いて、梭ひの内部に装着するもの。
③糸繰車の「つむ」にさして糸を巻きつける小さい軸。
④「管の笛」の略。万葉集2「吹き響なせる―の音も」
⇒管を用いて天を窺う
く‐たい【九体】
(「九体の阿弥陀」の略)(→)九品くほん仏に同じ。
⇒くたい‐じ【九体寺】
く‐たい【苦諦】
〔仏〕四諦したいの一つ。この世界の一切存在は苦であるという真理。
く‐たい【裙帯】
(クンタイのンを表記しない形)
①奈良時代、裾(裳)の腰部で結ぶ飾りの紐。
②女房装束のうち、裳の左右に飾りとして添えて垂らしたひも。平安時代の頃の呼び名。後世は引腰ひきごしという。
く‐たい【躯体】
①からだ。
②建造物の骨組など、全体を構造的に支える部分。
く‐だい【口代】
夫役ぶやくに服する代りに上納した田畑。
く‐だい【句題】
①詩歌で、古い漢詩の1句または三代集などの和歌の1句を題とするもの。
②俳句の題。
ぐ‐たい【具体】
①[孟子公孫丑]全体を具備すること。
②(concrete)個体が特殊な形態・性質をもつこと。
⇒ぐたい‐か【具体化】
⇒ぐたい‐がいねん【具体概念】
⇒ぐたい‐し【具体詩】
⇒ぐたい‐せい【具体性】
⇒ぐたい‐てき【具体的】
⇒ぐたいてき‐しんり【具体的真理】
⇒ぐたい‐びじゅつ‐きょうかい【具体美術協会】
ぐたい‐か【具体化】‥クワ
具体的にすること、また、なること。特に、計画などを実行にうつすこと。「長年の夢を―する」
⇒ぐ‐たい【具体】
ぐたい‐がいねん【具体概念】
①さまざまな属性によって形成されながら独立して存在する事物の概念。例えば、さまざまな属性をもつものとしての人間の概念。↔一般概念。
②直接に経験できる事物の概念。
③事物のあらゆる面、他物との関連を明らかにして事物を全面的にとらえる概念。↔抽象概念。
⇒ぐ‐たい【具体】
くたい‐じ【九体寺】
浄瑠璃寺の異称。
⇒く‐たい【九体】
ぐたい‐し【具体詩】
(konkrete Poesie ドイツ)文字を絵になるように配置したり、音韻の音楽的効果を重視したりした詩。1950年以降の叙情詩の一潮流。
⇒ぐ‐たい【具体】
ぐたい‐せい【具体性】
具体的である性質・傾向。具象性。↔抽象性。
⇒ぐ‐たい【具体】
ぐたい‐てき【具体的】
①形をそなえ、存在が感知できるさま。一般的という意味での抽象的に対し、実体的・個別的なさま。具象的。「―な例を示す」「―に説明する」
②事物を、あらゆる面から、他物との関連を含めて十分に研究してとらえることについていう語。
⇒ぐ‐たい【具体】
ぐたいてき‐しんり【具体的真理】
〔哲〕具体的諸条件のもとで始めて意味のある真理。一定の諸条件のもとで真であることも、条件が変われば誤りとなることがあるところから、真理は具体的なものであるとするヘーゲルの考え方に始まる語。
⇒ぐ‐たい【具体】
ぐたい‐びじゅつ‐きょうかい【具体美術協会】‥ケフクワイ
前衛美術家の集団。1954年、吉原治良を中心に関西で結成。戦後美術の国際化に先鞭をつけた。72年、吉原の死により解散。グタイ‐グループ。
⇒ぐ‐たい【具体】
くた‐かけ
(クダカケとも)朝早く鳴く鶏をののしっていう語。後に、鶏の雅語と意識される。伊勢物語「―のまだきに鳴きてせなをやりつる」
⇒くたかけ‐どり【くたかけ鳥】
くたかけ‐どり【くたかけ鳥】
(→)「くたかけ」に同じ。
⇒くた‐かけ
くだ‐がゆ【管粥】
短い管を、1年の月の数または占おうとする穀物の数だけ作り、粥の煮えるところに入れて、粒の入り具合でその年の豊凶を占う神事。
くだ‐ぎつね【管狐】
①想像上の小さい狐。通力を具え、これを使う一種の祈祷師がいて、竹管の中に入れて運ぶという。
②〔動〕オコジョの別称。
くだ・く【砕く・摧く】
[一]〔他五〕
①打ちこわしてこなごなにする。叩きくずす。平家物語8「独鈷とっこをもつて脳なずきを突き―・き」。「岩石を―・く」
②こまかく分ける。狂言、見物左衛門「相撲は四十八手といへども―・けば八十八手にも百手にも取る」
③勢力を弱める。くじく。ひしぐ。神代紀上「―・き伏せて和順まつろはずといふことなし」。「野望を―・く」
④(「心を―・く」の形で)種々に思いわずらう。源氏物語須磨「人知れぬこころを―・き給ふ人ぞおほかりける」。「チームの連帯に心を―・く」
⑤(「身を―・く」の形で)あるかぎりの力をつくす。源氏物語若菜下「さすがに命も堪ふまじく、身を―・きておぼし惑ふを見奉れば」。「店の再建に身を―・く」
⑥むずかしい表現などをわかりやすくする。「―・いて説明する」
[二]〔自下二〕
⇒くだける(下一)
ぐ‐だくさん【具沢山】
汁物などに具がたくさん入っていること。
くた‐くた
①疲れたり弱ったりして力・張りの抜けたさま。古今著聞集10「法師は―と絶え入りて僅かに息ばかりかよひける」。「足が―だ」
②物の形が崩れたさま。「―のコート」
③弱火にかけた鍋の中で物が煮える音。また、そのさま。「豆を―煮る」
くだ‐くだ
①こなごな。ずたずた。平家物語11「大蛇を―に切り給ふ」
②言い方が明快さを欠き、しつこくて長たらしいさま。「―しゃべる」
ぐた‐ぐた
(→)「くたくた」に同じ。
くだくだ‐し・い
〔形〕[文]くだくだ・し(シク)
繁雑でわずらわしい。しつこい。くどい。源氏物語夕顔「―・しき事のみ多かり」。「―・い文章」
くだ‐くらげ【管水母】
クダクラゲ目のヒドロ虫類の総称。外洋性で海中に浮遊。一個体のように見えるが、群体。各個体は形や機能を異にし、浮袋・遊泳器官・栄養体・生殖体などの役割を分け持つ。刺胞の毒は強く、劇痛を生じさせる。カツオノエボシやカツオノカンムリなど種類が多い。
くだけ【砕け】
①くだけること。くだけたもの。かけら。万葉集2「雪の―しそこに散りけむ」
②わけ。事情。洒落本、御膳手打翁曾我「是には―がごぜいせう」
⇒くだけ‐まい【砕け米】
くだけ‐まい【砕け米】
籾もみ摺り、または精白の際に、粒がくだけた米。
⇒くだけ【砕け】
くだ・ける【砕ける・摧ける】
〔自下一〕[文]くだ・く(下二)
①打たれてこわれる。こなごなになる。金槐集「寄する波われて―・けて」。「当たって―・けろ」
②勢いなどが弱る。くじける。「意気込みが―・ける」
③思い乱れる。万葉集4「むらきもの心―・けて」
④打ち解ける。儀式ばらない。「―・けた態度」「―・けた文章」
ください【下さい】
(「くださる」の命令形「くだされ」の口語形)
①いただきたい、頂戴したいなど相手に事物を請い求める意を表す。「小遣いを―」「誠意のある返答を―」
②動詞の連用形または漢語に添えて、相手に懇願する意を表す。
㋐尊敬を表す接頭語「お」「御」の付いた動詞の連用形または漢語の下に付く。「新聞をお読み―」「あれを御覧―」「ごめん―」
㋑助詞「て」を伴うこともある。「本を買って(読んで)―」
くださ・る【下さる】
[一]〔他五〕
(下二段活用が近世以後四段活用化したもの)
①お与えになる。下賜なさる。狂言、墨塗「太郎冠者を御使にも―・らぬものを」。「陛下がお言葉を―・った」
②いただく。頂戴する。特に、飲食物をいただくの意で、「食う」「飲む」をへりくだって言うのにも使われる。狂言、唐相撲「お暇を―・らうずる」。東海道中膝栗毛5「ハイ酒は好きで、一升酒を―・ります」
③(動詞の連用形に助詞「て」を伴ったもの、または、動詞の連用形に「お」を冠したものなどに付いて)動作の主体に対して敬意を表し、その動作によって恩恵をうけることを意味する語。狂言、餅酒「よろしう仰せあげられて―・りませ」。東海道中膝栗毛5「どふぞこれへお出―・りませ」。「先生が読んで―・る」「早速御承知―・ってありがとうございました」
[二]〔他下二〕
⇒くだされる(下一)
くだされ‐もの【下され物】
賜ったもの。いただいた物。頂戴物。
くださ・れる【下される】
〔他下一〕[文]くださ・る(下二)
(近世以降は四段活用「下さる」となり、「下される」は書簡などのやや格式ばった表現に用いられる)
①お与えになる。平家物語4「主上御感のあまりに、師子王といふ御剣を―・れけり」
②いただく。頂戴する。特に飲食物をいただくの意で、「食う」「飲む」をへりくだって言うのにも使われる。平家物語7「経正御硯―・れて」。浄瑠璃、堀川波鼓「拙者も深うは―・れぬが、ちと御酒を好む故、方々吟味致せども」
③(「―・れた」の形で)いいことをしてもらった。浄瑠璃、聖徳太子絵伝記「提灯…さし上ぐる鼻の先…やあ、―・れた、暗闇にしてよい気味せんと、ふつと吹き消し」
④(動詞の連用形に助詞「て」を伴ったもの、または、動詞の連用形に「お」を冠したものなどに付いて)動作の主体に対して敬意を表し、その動作によって恩恵をうけることを意味する語。狂言、靱猿「その様な無体な事は云はぬものぢやというて―・れい」。「命をお助け―・れた御礼として」
くだ‐さんご【管珊瑚】
八放サンゴ亜綱クダサンゴ目のサンゴ。縦に平行に並んだ暗赤色の細い管から成る骨格をもち、これらの管は水平板で連結され束状になる。管の先端からポリプが出る。サンゴ礁を作る動物の一つ。
くださん・す【下さんす】
〔他サ変〕
(本来は遊里語)クダサレマスの転とも、「下さる」に「んす」が付いてできた語ともいう。くださいます。多く江戸時代の女性が用いた。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「なんと合点して―・すか」
くだし【下し】
①くだすこと。
②「下し薬」の略。「―を掛ける」
⇒くだし‐ぐすり【下し薬】
⇒くだし‐ぶみ【下文】
くだし‐ぐすり【下し薬】
(→)下剤げざいに同じ。
⇒くだし【下し】
くだし‐ぶみ【下文】
「下くだす」の書出しで、上位者からその管轄下の役所や人民などに下した公文書。院庁・門院・法親王・摂関大臣家・蔵人所くろうどどころおよび鎌倉・室町幕府などの政所まんどころまたは検非違使けびいし庁・雑訴決断所などで出した。→官宣旨
⇒くだし【下し】
くだ‐しゅびき【管朱引】
書籍中の年号・官位・地名・人名などに
のしるしを朱でつけること。(和漢三才図会)
くた・す【腐す】
〔他四〕
①くさらせる。だめにする。万葉集10「春されば卯の花―・し」
②(名を)汚す。おとす。源氏物語絵合「業平が名をや―・すべき」
③けなす。くさす。
くだ・す【下す・降す】
〔他五〕
①高い所にあるものを一気に低い所に移す。肥前風土記「篠原の弟姫の子ぞさ一夜ひとゆも率寝てむ時しだや家に―・さむ」
②川上から川下へ一気に流す。拾遺和歌集恋「大井河―・す筏のみなれ棹」
③(雨などを)降らせる。拾遺和歌集雑秋「杣山にたつけぶりこそ神無月時雨を―・す雲となりけれ」
④価値・地位などを低くする。さげる。「位を―・す」
⑤都から他の地方へつかわす。源氏物語若菜上「これより―・し給ふ人ばかりにつけてなむ、一くだりにても尼君にさるべき折節の事も通ひける」。「使を各地へ―・す」
⑥(貴人から物を)賜る。下賜する。平家物語(延慶本)「今度は御衣おんぞを―・させ給ふ」
⑦最終的な意志をうちだす。命令・判決などを申し渡す。大鏡伊尹「辰の時に人々参れと宣旨―・させ給ふを」。「判決を―・す」「判断を―・す」「結論を―・す」
⑧打ち勝って自分に従わせる。降参させる。「朝に一塁を屠り夕に一城を―・す」。「大差で―・す」
⑨実際にその行為をする。「手を―・す」
⑩筆を紙上におろして書く。源氏物語梅枝「かかる御なかに、おもなく―・す筆の程、さりともとなむ思ひ給ふる」
⑪(動詞の連用形に付いて)物事を次へ進めて行く。源氏物語手習「髪は尼君のみけづり給ふを…ただすこしとき―・して」。「読み―・す」
⑫(「瀉す」とも書く)下痢を起こす。「腹を―・す」
⑬(隠語)紙幣入れや鞄などの中身だけ抜き取る。
◇一般には「下」を使うが、4・8では「降」を用いることも多い。
くだ‐ずみ【管炭】
茶道で、炉または風炉へ胴炭を置いた後に添える管のような細長い炭。
くだ‐そうじき【管掃除器】‥サウヂ‥
ボイラーの水管のスケール(湯垢)を取り除く器具。棒の先に掻取り装置をつけたものを回転または往復運動させる。チューブ‐クリーナー。
くだ‐たま【管玉】
竹管状の玉。普通は径0.5〜1センチメートル前後、長さ3〜4センチメートル前後で、多数連ねて装身具とする。古墳時代のものは多く緑色の碧玉で作る。
管玉
くだち【降ち】
(上代にはクタチ)
①末となること。日が傾くこと。夕ぐれ。祝詞、大祓詞「六月晦日、夕日の―の大祓に」
②夜などが次第に更ふけること。万葉集19「夜―にねざめてをれば…なく千鳥かも」
くだ・つ【降つ】
〔自四〕
(上代にはクタツ)
①盛りが過ぎて末になる。衰える。万葉集5「わが盛りいたく―・ちぬ」
②日が傾く。伊呂波字類抄「斜、クタツ、日―」
③夜が更ける。万葉集7「月読つくよみの光すくなき夜は―・ちつつ」
くだっ‐て【下って】
(「くだりて」の転)
①手紙などで、自分に関することをへりくだって言うとき、前置きにする語。「―私どもも大過なく過ごしております」
②後の世となって。「―江戸も終りの頃になると」
ぐたっ‐と
〔副〕
力の張りを失っているさま。ぐったり。「熱が高く―している」
くだ‐ながし【管流し】
筏流しのできないような谷川で、木材を1本ずつ流し送ること。川狩。
くたに
(クダニとも)〔植〕リンドウの異称。一説に、ボタンの異称。源氏物語少女「昔おぼゆる花たちばな・撫子・薔薇・―などやうの花」
くたに【九谷】
①石川県加賀市の地名。九谷焼の発祥地。
②九谷焼の略。
⇒くたに‐やき【九谷焼】
グダニスク【Gdańsk】
バルト海の南部、同名の湾に臨むポーランド第一の港湾都市。造船・化学工業が盛ん。第2次ポーランド分割(1793年)後ドイツに所属、第一次大戦後、国際連盟保護の下に自由市、第二次大戦後ポーランド領。1980年代の民主化運動に関わった「連帯」発祥の地。人口46万1千(2004)。ドイツ語名ダンチヒ。
グダニスク
撮影:小松義夫
くたに‐やき【九谷焼】
石川県加賀地方産の陶磁器の総称。江戸前期、明暦(1655〜1658)の頃に、加賀藩の支藩、大聖寺藩領の九谷郷(現、加賀市)に開窯。18世紀初期頃に途絶えたが、江戸後期、加賀・大聖寺両藩各地に、後に再興九谷と汎称される諸窯が興り、明治以降の製陶業の発展につながった。色絵装飾が特色。→古九谷
⇒くたに【九谷】
くだ‐の‐ふえ【小角・管の笛】
管状の小さい笛。戦場で大角はらのふえと共に用いた。くだぶえ。くだ。
くだ‐のれん【管暖簾】
適宜の長さに切った多くの細い竹やガラス管に糸を通して作った暖簾。
くだ‐ばしご【管梯子】
竹筒を縄に通して梯子としたもの。
くだ‐ばしら【管柱】
2階建以上の木造建築物で、1階ごとに継ぎ足した柱。↔通し柱
くだ‐ばり【管鍼】
⇒かんしん
くたばり‐ぞこない【くたばり損い】‥ゾコナヒ
「死にぞこない」をののしっていう語。くたばりはずれ。
くたばり‐はずれ‥ハヅレ
(→)「くたばりぞこない」に同じ。
くたば・る
〔自五〕
①体力が衰える。弱る。〈類聚名義抄〉
②「死ぬ」ことをののしっていう語。「―・ってしまえ」
くたび・る【草臥る】
〔自下二〕
⇒くたびれる(下一)
くたびれ【草臥】
くたびれること。疲れ。くたぶれ。
⇒くたびれ‐もうけ【草臥儲け】
⇒くたびれ‐やすめ【草臥休め】
くたびれ‐もうけ【草臥儲け】‥マウケ
疲れただけで何のかいもないこと。「骨折り損の―」
⇒くたびれ【草臥】
くたびれ‐やすめ【草臥休め】
疲れをなおすために休息すること。
⇒くたびれ【草臥】
くたび・れる【草臥れる】
〔自下一〕[文]くたび・る(下二)
(「草臥」は疲れて草に臥す意の当て字)
①くたくたに疲れる。疲労する。古今著聞集16「さまざまの勤めに身も―・れにけるにや」
②長く使って、みすぼらしくなる。「―・れた着物」
くだ‐ぶえ【小角】
⇒くだのふえ
くたぶ・れる【草臥れる】
〔自下一〕
クタビレルの転。
くだ‐まき【管巻】
①(鳴く声が糸車を繰る音に似ているからいう)クツワムシの異称。
②梭ひに入れる管に緯糸よこいとを巻きつけること。
くだまつ【下松】
山口県南東部、周防灘すおうなだに面する市。もと製塩地であったが、今は金属・化学工業を中心とした工業都市。人口5万4千。
くだ‐むし【管虫】
クツワムシの異称。
くた‐も【腐藻】
①くさった藻。
②海人あまの家。
くだもの【果物・菓物】
(「木くの物」の意)
①草木の果実で食用となるもの。水菓子。生なり果物。遊仙窟(醍醐寺本)康永点「菓子クダモノの上ほとりに向ひ」。「食後の―」
②(女房詞)柑子こうじ。
③菓子。唐菓物からくだもの。古今著聞集18「御―を参らせられたりけるに、おこしごめをとらせ給ひて」
④酒の肴の総称。源氏物語竹河「浅香せんこうの折敷おしき二つばかりして、―・盃ばかりさし出で給へり」
⇒くだもの‐いそぎ【果物急ぎ】
⇒くだもの‐とけいそう【果物時計草】
くだ‐もの【管物】
キクの園芸品種で、花弁が管状をなすもの。太管・間管・細管などがある。→厚物→平物
くだもの‐いそぎ【果物急ぎ】
出された果物などにすぐ手を出したがること。源氏物語東屋「目とどめ給ふほどに、―にぞ見えける」
⇒くだもの【果物・菓物】
くだもの‐とけいそう【果物時計草】‥サウ
トケイソウ科の常緑多年草。果実はパッション‐フルーツと呼ばれ食用、特にジュースを作る。
⇒くだもの【果物・菓物】
くだ‐やり【管槍】
近世の槍の一種。柄に手頃の金属製の管を通し、柄の先のけら首に近い所にこれを留める鍔つばがある。左手でその管を握り、右手で柄をしごいて突く。浄瑠璃、堀川波鼓「いふも―人は武士」
管槍
くだら【百済】
(クダラは日本での称)
①古代朝鮮の国名。三国の一つ。4〜7世紀、朝鮮半島の南西部に拠った国。4世紀半ば馬韓の1国から勢力を拡大、371年漢山城に都した。後、泗沘しひ城(現、忠清南道扶余)に遷都。その王室は中国東北部から移った扶余ふよ族といわれる。高句麗・新羅に対抗するため倭・大和王朝と提携する一方、儒教・仏教を大和王朝に伝えた。唐・新羅しらぎの連合軍に破れ、660年31代で滅亡。ひゃくさい。はくさい。( 〜660)
②1などからの渡来人の居住した土地の名。
㋐奈良県北葛城郡広陵町の一地区。
㋑大阪市生野区鶴橋付近の地。百済王氏の氏寺があったという。
⇒くだら‐がく【百済楽】
⇒くだら‐がくし【百済楽師】
⇒くだら‐がわ【百済川】
⇒くだら‐かんのん【百済観音】
⇒くだら‐ごと【百済琴】
⇒くだら‐でら【百済寺】
⇒くだら‐の【百済野】
⇒くだら‐の‐おおい‐の‐みや【百済大井宮】
⇒くだら‐の‐みや【百済宮】
くだら‐がく【百済楽】
三韓楽さんかんがくの一つ。百済起源の楽舞。百済琴くだらごと(竪琴)の使用が特徴的。→三韓楽。
⇒くだら【百済】
くだら‐がくし【百済楽師】
律令制で、雅楽寮の職員。百済楽の教習をつかさどった。
⇒くだら【百済】
くだら‐がわ【百済川】‥ガハ
奈良盆地を流れる曾我川の古称。
⇒くだら【百済】
くだら‐かんのん【百済観音】‥クワンオン
法隆寺に伝来する長身の木彫彩色観世音菩薩立像。一木造りで、飛鳥時代の代表的彫刻。
⇒くだら【百済】
くだら‐ごと【百済琴】
(→)箜篌くごに同じ。〈倭名類聚鈔4〉
⇒くだら【百済】
くだら‐でら【百済寺】
大安寺だいあんじの通称。
⇒くだら【百済】
くだら‐ない【下らない】
(→)「くだらぬ」に同じ。「―話」
くだら‐ぬ【下らぬ】
(「読みが下らぬ」の略か)つまらない。価値がない。取るに足りない。浮世風呂3「いつまでも―趣向の毫ふでとりて」
くだら‐の【百済野】
百済2㋐一帯にあった野。
⇒くだら【百済】
くだら‐の‐おおい‐の‐みや【百済大井宮】‥オホヰ‥
敏達びだつ天皇の初めの皇居。伝承地には奈良県北葛城郡広陵町百済・大阪府河内長野市太井などの説がある。
⇒くだら【百済】
くだら‐の‐かわなり【百済河成】‥カハ‥
平安初期の画家。百済の渡来人の後裔で、姓は余あぐり。のち百済朝臣の姓を賜る。備中介・播磨介を歴任。武技にも長じたが、画技に優れ、山水・人物を描く迫真の技をたたえられた。今昔物語にある飛騨工ひだのたくみと技を競った逸事など著名であるが、確かな遺作は伝わらない。(782〜853)
くだら‐の‐みや【百済宮】
舒明天皇の皇居。今の奈良県北葛城郡広陵町百済の地という。
⇒くだら【百済】
くだり【下り・降り】
①くだること。おりること。また、その道や流れ。「天竜―」「―は楽だ」
②時刻が移って末となること。また、その時。宇治拾遺物語11「申さるの―になり候ひにたり」
③低くなること。劣って行くこと。
④都から地方へ行くこと。源氏物語空蝉「紀伊守、国に―などして」。「東あずま―」
⑤(内裏が北にあったところから)京都で、南に向かって行くこと。
⑥その路線の起点(とくに東京)から地方へ向かって行く列車やバス。「―の列車ホーム」
⑦場末または遠隔の地方。拾玉集4「町―よろぼひ行きて世を見れば物の理ことわり皆知られけり」
⑧江戸時代、上方の産物で江戸その他の地方に送られたもの。多く品名に冠していう。くだりもの。無事志有意「もふ十軒店に―めらが出ているだろふ」
⑨(これより)以下。「―は上に准ぜよ」
⑩「下り腹」の略。
⇒くだり‐あめ【下り飴】
⇒くだり‐あゆ【下り鮎】
⇒くだり‐うなぎ【下り鰻】
⇒くだり‐えほん【下り絵本】
⇒くだり‐げぎょ【降懸魚】
⇒くだり‐ざか【下り坂】
⇒くだり‐さかずき【下り杯】
⇒くだり‐ざかや【下り酒屋】
⇒くだり‐ざけ【下り酒】
⇒くだり‐さつま【下り薩摩】
⇒くだり‐づき【降り月】
⇒くだり‐て【下り手】
⇒くだり‐ばら【下り腹・瀉腹】
⇒くだり‐ぶね【下り船】
⇒くだり‐まい【下り米】
⇒くだり‐むね【降り棟】
⇒くだり‐もろはく【下り諸白】
⇒くだり‐やくしゃ【下り役者】
⇒くだり‐やな【下り簗】
⇒くだり‐やみ【下り闇】
⇒くだり‐りゅう【降り竜】
くだり【件】
①文書における記述の一部分。章。条。「その―をもう一度読んで下さい」
②前文にあげた事柄。前の箇条。くだん。大和物語「上の―啓せさせけり」
くだり【行】
①上から下までの列。縦の線。万葉集14「風の音の遠き吾妹が着せし衣きぬ手本たもとの―まよひ来にけり」
②文章の一行。また、それを数える語。源氏物語梅枝「ただ三―ばかりに」。「三―半」
⇒くだり‐せば【行狭】
くだり【領・襲】
衣裳などのそろいを数える語。源氏物語橋姫「綿・絹・袈裟・衣など、すべてひと―のほどづつ」
ぐたり
(→)「ぐったり」に同じ。
くだり‐あめ【下り飴】
地黄煎じおうせんを加えた茶色の固い飴。くだり。→地黄煎。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐あゆ【下り鮎】
秋、産卵のため川をくだるあゆ。おちあゆ。〈[季]秋〉
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐うなぎ【下り鰻】
秋の頃、産卵のため海にくだるウナギ。おちウナギ。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐えほん【下り絵本】‥ヱ‥
上方で出版され、江戸へ送って発売された風俗絵本。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐げぎょ【降懸魚】
〔建〕破風はふの左右の低い位置にある懸魚。桁けたの端を隠すために取り付ける。桁隠し。↔本懸魚おもげぎょ。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐ざか【下り坂】
①下り道となる坂。
②物事の盛りが過ぎて衰えてゆくこと。「天気は―」
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐さかずき【下り杯】‥サカヅキ
安物の粗末なさかずき。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐ざかや【下り酒屋】
下り酒を売る酒屋。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐ざけ【下り酒】
上方から江戸へ送られて来た酒。上等とされた。くだりもろはく。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐さつま【下り薩摩】
(虎屋源太夫の上り薩摩に対していう)外記節げきぶしの通称。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐せば【行狭】
文章の行間の狭いこと。枕草子294「墨のいと黒う、薄く、―に裏表うらうえかきみだりたるを」
⇒くだり【行】
くだり‐づき【降り月】
陰暦十八夜頃から二十一、二夜にかけての、次第に欠けてゆく月。↔上り月。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐つ・く【下り着く】
〔自四〕
都から地方に到着する。十訓抄「未だ―・かぬ先に、将軍うたれにければ」
くだり‐て【下り手】
安くて粗末な物。好色五人女2「―のかたし目貫めぬき」
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐は・つ【下り果つ】
〔自下二〕
①下り終わる。
②まったくおちぶれる。新撰六帖2「さても世に―・てたる身のほどは」
くだり‐ばら【下り腹・瀉腹】
便通の激しいこと。下痢。くだり。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐ぶね【下り船】
川上から来た船。特に、伏見から大坂へ下る舟。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐まい【下り米】
上方から江戸に輸送された米。くだりごめ。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐むね【降り棟】
屋根勾配に沿って軒先の方に作られる、棟状の飾りの総称。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐もろはく【下り諸白】
(→)「下り酒」に同じ。東海道中膝栗毛2「おやすみなさいまアし。―もおざりやアす」
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐やくしゃ【下り役者】
上方から江戸へ下って来た役者。元禄大平記「例年霜月一日を顔見世と定め、―地ばえの子供思ひ思ひに」
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐やな【下り簗】
下り鮎を捕らえるために設けた簗。〈[季]秋〉。新撰六帖3「みなと川ゆく瀬の水の―」↔上り簗。
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐やみ【下り闇】
陰暦で、月の下旬の闇夜。為尹ためただ千首「年もはや今はの末の―」
⇒くだり【下り・降り】
くだり‐ゆ・く【下り行く】
〔自五〕
①下って行く。
②世の中が末となる。古今著聞集1「世の―・くさまを示し給ふ」
くだり‐りゅう【降り竜】
天から地上にくだろうとする竜の絵。くだりりょう。
⇒くだり【下り・降り】
くだ・る【下る・降る】
〔自五〕
①場所・程度などが高い所から低い所へ一気に移る。大唐西域記長寛点「その雁飛翔してこの池の側に下クダリぬ」。平家物語灌頂「谷に―・りて水をむすび」。「山の頂上から―・る」
②川上から川下へ移動する。万葉集20「朝凪なぎに楫引きのぼり夕潮に棹さし―・り」。「舟で川を―・る」
③(雨などが)降る。平家物語(延慶本)「国土に雨―・り」
④(場所が)低くなる。低いところにある。源氏物語椎本「ひんがしの廂ひさしの―・りたるかたにやつれておはするに」
⑤都から地方へ行く。下向げこうする。万葉集17「あしひきの山坂越えてあまざかる鄙に―・り来」。「僻地に―・る」
⑥(内裏が北にある京都市中を)南に行く。さがる。
⑦下賜される。「酒肴料が―・る」
⑧申し渡される。源氏物語桐壺「里の殿は修理職すりしき・内匠寮たくみづかさに宣旨―・りて、二なう改め作らせ給ふ」。「命令が―・る」「判決が―・る」
⑨戦いに負けて敵に従う。降参する。徒然草「兵つき矢きはまりて、つひに敵に―・らず」。「敵の軍門に―・る」
⑩(素姓・身分・人柄などが)劣る。おちる。源氏物語絵合「この世のちぎりは竹の中に結びければ、―・れる人のこととこそは見ゆめれ」。「こちらはやや品が―・る」
⑪謙遜する。仁賢紀「謙恕くだりなだめ」。雨月物語3「大人の―・り給ふこと甚だし」
⑫時刻が移る。源氏物語藤裏葉「未ひつじ―・る程に南の寝殿に移りおはします」。源氏物語少女「日やうやう―・りて」
⑬時勢が移って末となる。後世となる。末世となる。時代が現代に近づく。「年代が―・る」
⑭(「瀉る」とも書く)大便がはげしく通ずる。下痢をする。「腹が―・る」
⑮ある一定の数量より少なくなる。下回る。(多く打消の語を伴う)「罹災者は一万名を―・らない」
◇一般には「下」を使うが、1・9では「降」を用いることも多い。
くだ・る【下る】
〔他下二〕
くださる。狂言、鞍馬参「ふくありのみを―・れて御ざる程に」




く‐そん【九尊】🔗⭐🔉
く‐そん【九尊】
胎蔵界曼荼羅まんだらの中台八葉院に配される九つの仏・菩薩。中央の大日如来(中尊)と四方の四仏と四隅の四菩薩との総称。
広辞苑に「くそ」で始まるの検索結果 1-33。