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た‐ぜい【多勢】🔗🔉

た‐ぜい多勢】 (古くは清音)人数が多いこと。軍勢が多いこと。おおぜい。 ⇒多勢に無勢

○多勢に無勢たぜいにぶぜい🔗🔉

○多勢に無勢たぜいにぶぜい 小人数で多勢に向かって、とても敵しがたいこと。 ⇒た‐ぜい【多勢】 たせいぶ‐おんがく多声部音楽(→)多声音楽に同じ。 だ‐せき打席】 野球で、バッター‐ボックスのこと。また、打者としてそこに入ること。 ⇒だせき‐すう【打席数】 だ‐せき唾石】 唾液中のカルシウムが沈着して生じる結石。部位により、唾液腺内・管内・移行部結石に分ける。唾液流出障害や唾液腺・管の炎症を招く。 だせき‐すう打席数】 野球で、打者としてバッター‐ボックスに入った回数。アット‐バット。→打撃数 ⇒だ‐せき【打席】 だ‐せつ打設】 建設現場で、生なまコンクリートを流しこむこと。 た‐ぜり田芹】 ①(多く田に生ずるからいう)セリの異称。〈[季]春〉。更級日記「いくちたび水の―を摘みしかば」 ②(→)タガラシ1の異称。 た‐せん他薦】 他人が推薦すること。↔自薦 た‐せん多銭】 多くの金銭。また、金銭を多くもっていること。 た‐せん多選】 選挙で、同じ人が何回も続けて当選すること。 だ‐せん打線】 野球で、打者の顔ぶれのこと。「上位―」 だ‐せん兌銭】 両替の賃銭。両替の手数料。 だ‐せん唾腺(→)唾液腺に同じ。 ⇒だせん‐せんしょくたい【唾腺染色体】 だ‐せん攤銭】 銭で行う賭事。ぜにうち。 だせん‐せんしょくたい唾腺染色体(→)唾液腺染色体に同じ。 ⇒だ‐せん【唾腺】 だ‐そう惰走】 惰性で走りつづけること。 たぞうき‐ふぜん多臓器不全‥ザウ‥ 循環・呼吸・肝・消化・神経など全身臓器が同時に機能障害を起こした状態。止血・凝固能の障害で各所に血栓ができ、末梢循環不全となる。 たそう‐とう多層塔‥タフ (→)多重塔に同じ。 たぞえ田添‥ゾヘ 姓氏の一つ。 ⇒たぞえ‐てつじ【田添鉄二】 たぞえ‐てつじ田添鉄二‥ゾヘ‥ 社会主義者。熊本県生れ。シカゴ大に留学。「鎮西日報」「平民新聞」などで評論活動を行う。日本社会党1に参加、幸徳秋水の直接行動論に反対し、議会政策論を説いた。(1875〜1908) ⇒たぞえ【田添】 たそが・る黄昏る】 〔自下二〕 ⇒たそがれる(下一) たそがれ黄昏】 (古くは清音) ①「たそがれどき」の略。源氏物語夕顔「寄りてこそそれかとも見め―にほのぼの見つる花の夕顔」 ②比喩的に、物事が終りに近づき、衰えの見える頃。「人生の―」 ⇒たそがれ‐ぐさ【黄昏草】 ⇒たそがれ‐づき【黄昏月】 ⇒たそがれ‐どき【黄昏時】 ⇒たそがれ‐どり【黄昏鳥】 たそがれ‐ぐさ黄昏草】 ユウガオの異称。 ⇒たそがれ【黄昏】 たそがれ‐づき黄昏月】 たそがれ時にしばらく見える月、すなわち陰暦3〜4日頃の夕方の月。 ⇒たそがれ【黄昏】 たそがれ‐どき黄昏時】 夕方うす暗くなり「誰そ、彼は」と人の顔の見分け難くなった時分。夕方。夕暮。宇津保物語菊宴「夕暮の―はなかりけりかく立ち寄れどとふ人もなし」→かわたれどき⇒たそがれ【黄昏】 たそがれ‐どり黄昏鳥】 ホトトギスの異称。 ⇒たそがれ【黄昏】 たそが・れる黄昏れる】 〔自下一〕[文]たそが・る(下二) (「たそがれ」を動詞化したもの)夕方になる。 た‐そく多足】 ①足の数の多いこと。 ②たしまえ。おぎない。補足。梅暦「みつぐといふ程ではないけれど、マア若旦那の―になる気」 ⇒たそく‐るい【多足類】 だ‐そく蛇足】 [戦国策斉策](蛇の絵を描く競争で、早く描きあげた者が足まで書きそえて負けになったという故事から)あっても益のない余計な物事。あっても無駄になるもの。蛇をえがいて足を添える。じゃそく。「―ながら申し上げます」 たそく‐るい多足類】 節足動物の一群。ムカデ・ヤスデ・エダヒゲムシ・コムカデの4綱の総称。体は細長い紐状で、多くの環節から成り、環節ごとに歩脚がある。 ⇒た‐そく【多足】 たそや‐あんどん誰哉行灯】 江戸の吉原で各妓楼の前に立てた木製、屋根形の屋外用照明。 誰哉行灯 た‐そん他村】 ほかの村。よその村。 たた ①父。三帖和讃「―の如くにそひたまひ、あまの如くにおはします」 ②母または主婦。特に、生魚の行商をする漁師の妻。好色一代男3「だいり・小嶋より出る―じやう」 ③自分を卑下していう語。おれ。(片言4) たた】 「たて」の古形。他の語に冠して複合語に用いる。古事記「―並めて伊那佐の山の木の間よも」 た‐た多多】 ①数の多いさま。たくさん。「不備な点は―ある」 ②(副詞的に)多ければ多いほど。多くなるに随って。 ⇒多多ますます弁ず ただ】 〔名・副〕 ①まっすぐ。まとも。古事記「尾張に―に向へる」 ②隔てるもののないこと。直接。古事記「をとめに―に逢はむとわがさける利目とめ」 ③すぐ。じき。源氏物語帚木「女、遠き旅寝は物怖ろしき心地すべきを。―その几帳のうしろに」 ④(変えたり加えたりしないで)そのまま。古今和歌集「恋しとは誰が名づけけむことならむ死ぬとぞ―に言ふべかりける」 ⑤あたかも。ちょうど。そっくり。源氏物語若紫「―絵にかきたる物の姫君のやうにしすゑられて」 ただ徒・常・只・唯】 ①何ともないこと。取りたてて言うこともないさま。宇津保物語嵯峨院「ときてやる衣の袖の色を見よ―の涙はかかるものかは」。「―の紙切れだ」 ②なんの意味もないさま。むなしいさま。更級日記「荻の葉のこたふるまでもふきよらで―にすぎぬる笛の音ぞうき」 ③特別な人・事・物でないこと。ふつう。なみ。源氏物語少女「博士の人々は四韻、―の人はおとどを始め奉りて絶句つくりて」。源氏物語梅枝「御心のゆくかぎり、草のも―のも女手もいみじう書きつくし給ふ」 ④《只》代金がいらないこと。無料。ロハ。狂言、薩摩守「―乗せる秀句をすへて進ぜう」。「入場料は―にする」 →ただならず→ただならぬ ⇒徒でさえ ⇒徒では済まない ⇒徒なるよりは ⇒只の鼠でない ⇒只ほど安い物はない ⇒只より高い物はない ただ唯・只】 [一]〔副〕 (「ただ(直)」と同源) ①それだけであって、ほかでない意を表す。多く「のみ」と対応して用いる。単に。万葉集11「あぢの住む渚沙すさの入江の荒磯松我を待つ子らは―一人のみ」。「―命令に従うのみ」 ②その事が主となっている意を表す。ひたすら。もっぱら。全く。源氏物語桐壺「―涙にひぢて明し暮させ給へば」。「―もう喜んでいる」 ③数量・程度などのわずかなこと。わずか。たった。万葉集17「―ひと目君に見せてば何をか思はむ」。「―一度の出会い」 [二]〔接続〕 ただし。しかし。今昔物語集15「今生に栄花を楽しむべき身にもあらず。―仏の道を願ひて…三業を調へむことは仏の教へには叶はず」。「僕は構わない。―彼がなんと言うか」 ◇現代では、ふつう平仮名で書く。 ただ多田】 姓氏の一つ。 ⇒ただ‐なんれい【多田南嶺】 ⇒ただ‐の‐まんじゅう【多田満仲】 だだ (幼児語。ダダアとも)父。また、母。→たた だ‐だ駄駄】 (ジダンダ(地団駄)の転という)子供があまえてわがままを言うこと。むずかること。すねること。「―を言う」 ⇒駄駄を捏ねる ダダdada フランス・Dada イギリス】 ダダイスム・ダダイストの略。 ただ‐あり徒有り】 特別な点のないさま。つくろい飾った点のないさま。なにげないさま。枕草子49「をかしき筋などたてたる事はなう―なるやうなるを」 ⇒ただあり‐の‐ひと【徒有りの人】 ただあり‐の‐ひと徒有りの人】 普通の、ありふれた人。凡人。竹斎「―を見るこそ仏なれ仏ももとは―」 ⇒ただ‐あり【徒有り】 タタールTatar】 ①⇒だったん(韃靼)。 ②⇒タタルスタン⇒タタール‐の‐くびき【タタールの軛】 タタール‐の‐くびきタタールの軛】 モンゴル軍に征服された中世ロシアの諸公国に対するキプチャク‐ハン国の間接支配のこと。13世紀から1480年まで約250年続く。 ⇒タタール【Tatar】 た‐たい多胎】 二人以上の子を同時にみごもること。→双胎⇒たたい‐にんしん【多胎妊娠】 ただ‐い直居‥ヰ 敷物なしで、直接板敷などの上にすわること。宇治拾遺物語9「―にゐるに、むしろ・たたみを取らせばやと思へども」 ただ‐い徒居‥ヰ 何もしないでいること。むだに暮らすこと。日本永代蔵4「暫時も―せずかせげども」 た‐だい多大】 すぐれて多いさま。沢山。「―の成果」 だ‐たいだ体】 口語文体の一つ。文末の指定表現に「だ」を用いることを基調としたもの。「である体」と比較すると、相手に語りかける感じが強い。だ調。 だ‐たい大体(→)「だいたい」に同じ。山水十百韻「念仏などがよからう事を、―からこりかたまりて」 だ‐たい堕胎】 胎児を自然の分娩期に先立って人為的に母体外に排出させること。こおろし。→人工妊娠中絶⇒だたい‐ざい【堕胎罪】 ただ‐いき唯行き】 ひたむきに行くさま。栄華物語月宴「網代車に乗せ奉りて、―にゐて奉れば」 だ‐だいこ大太鼓・鼉太鼓】 ①舞楽に用いる大型の太鼓。2本の桴ばちで打つ。革面の径は2メートル前後、枠の外側に火焔の装飾がある。左方・右方の舞楽で装飾・色彩などの違うものを用いる。火焔太鼓。 大太鼓 ⇒おおだいこ だたい‐ざい堕胎罪】 堕胎する、またはさせる罪。ただし母体保護法に基づく人工妊娠中絶は許されている。 ⇒だ‐たい【堕胎】 ダダイストdadaïste フランス】 ダダイスムを奉ずる人。 ダダイスムdadaïsme フランス】 (dadaはあえて無意味な語を選んだもの)第一次大戦中から戦後にかけて、チューリヒからベルリン・ケルン・パリと波及した芸術運動。既成の権威・道徳・習俗・芸術形式の一切を否定し、自発性と偶然性を尊重。意味のない音声詩・コラージュ・オブジェ・フォトモンタージュ・パフォーマンスなどを生み、20世紀芸術の源流となる。東京・ニューヨークにも伝播。略称、ダダ。 たたい‐にんしん多胎妊娠】 二人以上の胎児が、子宮内で発育している状態。排卵誘発剤の使用や体外受精により頻度は高まる。 ⇒た‐たい【多胎】 ただ‐いま只今・唯今】 ①今。現時。目下。源氏物語桐壺「―は幼き御程に、よろづ罪なくおぼしなして」。「―のところ」 ②いますぐ。すぐさま。源氏物語帚木「下屋しもやに湯におりて―参らむと侍り」。「―お持ちします」 ③ほんの少し前。たったいま。源氏物語末摘花「―おはするやうにて、うちたたき給ふ」。「―出掛けました」「―の結果」 ④(「只今帰りました」の略から)帰宅の際の挨拶語。 ただ‐いも唯芋】 (西日本で)里芋。 たたい‐もんだい多体問題】 3個以上の粒子が相互作用している系の物理的・化学的性質に関する諸問題。天体力学・物性論・素粒子論など広い分野にまたがる。さまざまな近似解法がある。 だたいれい大戴礼⇒だいたいれい たた・う称ふタタフ 〔他下二〕 ⇒たたえる(下一) たた・う湛ふタタフ [一]〔自四〕 あふれるほど満ち満ちる。ふくれあがる。満潮になる。神代紀「時に伊奘冉尊いざなみのみこと、脹満れ太高たたえり」。新古今和歌集「海ならず―・へる水の底までに」 [二]〔他下二〕 ⇒たたえる(下一) ただ‐うど徒人・直人】 (タダビトの音便)普通の人。凡人。源氏物語桐壺「―にておほやけの御後見をするなむ、行く先も頼もしげなること」 たたえ湛えタタヘ 満潮。日葡辞書「アサ(朝)ダタエ」 たたえ‐ごと称辞タタヘ‥ 徳をほめたたえる言葉。讃辞。 たたえ‐な称号タタヘ‥ ①ほめたたえて呼ぶ名。 ②世間一般に通用する名。通称。 たた・える称えるタタヘル 〔他下一〕[文]たた・ふ(下二) ほめていう。称揚する。古事記「今より後は倭建御子やまとたけるのみこと―・ふべし」。「徳を―・える」「健闘を―・える」 たた・える湛えるタタヘル 〔他下一〕[文]たた・ふ(下二) (室町時代頃からヤ行に活用する例がみられる)いっぱいにする。満たす。あふれるほど持つ。宇津保物語俊蔭「月日を経るままに、ただ涙の海を―・へてゐたり」。日葡辞書「ミヅヲタタユル」。「満面に笑みを―・える」 ただ‐か直処・直香】 (タダは直接の意。カはアリカ(在処)のカか。また、カ(香)か)まさしくその人自身。また、そのありさま。万葉集4「吾が聞きにかけてな言ひそ刈薦かりこもの乱れておもふ君が―そ」 たたかい戦い・闘いタタカヒ ①たたかうこと。打ち合うこと。 ②戦争すること。いくさ。合戦。また、軍勢。 ③技芸などの優劣を争うこと。勝負。 ⇒たたかい‐の‐にわ【戦いの庭】 たたかい‐がまえ闘構えタタカヒガマヘ (→)「とうがまえ」に同じ。 たたかい‐の‐にわ戦いの庭タタカヒ‥ニハ 戦場。いくさのにわ。今昔物語集17「俄に―に一人の小さき僧出で来りて」 ⇒たたかい【戦い・闘い】 たたか・う戦う・闘うタタカフ 〔自他五〕 (タタ(叩)クに接尾語フの付いた語) ①叩きつづける。また、撃ち合って勝ちを争う。日本霊異記「斧を執りて父を殴たたかふ」 ②互いに兵を出して攻め合う。戦争する。平家物語10「一日―・ひ暮して夜に入りければ平家の舟は沖に浮ぶ」。「敵と―・う」 ③互いに力・技・知恵などを比べて優劣を争う。「決勝戦を―・う」 ④障害・困難などをのりこえようとする。「病気と―・う」 ◇武力を用いて争う場合やスポーツなど、広く一般には「戦」を用い、利害の対立する者が争ったり、障害や困難にうち勝とうと努めたりする場合は、多く「闘」を用いる。 ただ‐がお徒顔‥ガホ 化粧しないありのままのかお。すがお。浜松中納言物語4「つくろふ所なき御―のめづらしう」 ただ‐がし只貸し】 利息を取らずに貸すこと。〈日葡辞書〉 たたかわ・す戦わす・闘わすタタカハス 〔他五〕 双方が激しく競い合う。「議論を―・す」 たたき叩き・敲き】 ①江戸時代の刑の一種。罪人の肩・背および尻を鞭打つもの。軽敲き(50打)と重敲き(100打)の2種があった。笞刑ちけい。 ②㋐魚または鳥獣の肉などを庖丁でたたいて作った料理。仁勢物語「汁菜は干菜蕪かぶらか穂蓼ほたでかも我が住む方の海人の―か」。「鰺あじの―」 ㋑節取りをしたカツオの表面を焙あぶり、厚めに切り薬味をのせて庖丁の腹でたたいて味がしみこみやすくした料理。土佐作り。 ③扇をたたいて拍子をとりながら唄い歩く乞食。また、その旋律を取り入れた浄瑠璃のふし。 ④(大阪方言)落語家または講釈師の前座を勤めるもの。 ⑤(多く「三和土」と書く)「敲き土」の略。夏目漱石、野分「沓脱から片足をタヽキへ卸して」 ⑥「敲き大工」の略。 ⑦将棋で、歩以外の駒の頭に歩を打つこと。 ⑧(隠語)強盗。 ⇒たたき‐あい【叩き合い】 ⇒たたき‐あげ【叩き上げ】 ⇒たたき‐あみ【叩き網】 ⇒たたき‐いし【叩き石】 ⇒たたき‐うり【叩き売り】 ⇒たたき‐がね【敲き鉦】 ⇒たたき‐ごえ【敲き声】 ⇒たたき‐ごぼう【叩き牛蒡】 ⇒たたき‐ごま【叩き独楽】 ⇒たたき‐だい【叩き台】 ⇒たたき‐だいく【敲き大工】 ⇒たたき‐つち【敲き土・叩き土】 ⇒たたき‐な【叩き菜】 ⇒たたき‐なっとう【敲き納豆】 ⇒たたき‐なます【叩き鱠】 ⇒たたき‐のみ【叩き鑿】 ⇒たたき‐ばなし【敲き放し】 ⇒たたき‐ばらい【敲き払い】 ⇒たたき‐わけ【敲き別け】 たたき‐あい叩き合い‥アヒ たたきあうこと。うちあい。なぐりあい。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐あ・う叩き合う‥アフ 〔自五〕 ①互いに打ち合う。互いに叩く。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「あそこでは―・ひここではぶちあひをどりあひ」 ②互いにはげしく言い合う。 たたき‐あげ叩き上げ】 下積みの時代から鍛えられ、苦労を重ねて一人前になること。また、その人。「―の職人」 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐あ・げる叩き上げる】 〔他下一〕[文]たたきあ・ぐ(下二) ①たたいて作りあげる。 ②努力して技術や人格を作りあげる。苦労して一人前にする。「小僧から―・げて店を持つ」 ③財産を使い果たす。好色一代女3「三人ながら―・げさせて、跡は知らぬ小歌節」 たたき‐あみ叩き網】 刺網の一種。船舷ふなばたまたは水面を叩いて魚をおどし、半円形に張ったこの網にかかった魚を捕獲する。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐いし叩き石】 ①石器の一種。多くは食料などを石皿の上ですりつぶすために用いた、自然または磨製の丸い石。敲石たたきいし。 ②わらを叩いて柔らかにする台石。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐うり叩き売り】 ①大道商人などが、台などを叩きながら、大声でしだいに値を安く呼ばわり、客の気を引いて商品を売ること。「バナナの―」 ②大安売り。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐う・る叩き売る】 〔他五〕 安売りをする。投げ売りをする。「在庫品を―・って店をたたむ」 たたき‐おこ・す叩き起こす】 〔他五〕 ①戸をたたいて家で眠っている人を起こす。 ②眠っている人をむりに起こす。 たたき‐おと・す叩き落とす】 〔他五〕 ①たたいておとす。 ②人をある地位から無理に失脚させる。 たたき‐かえ・す叩き返す‥カヘス 〔他五〕 ①たたかれた仕返しに相手をたたく。 ②たたきつけるようにして返す。「こんな金はいらないと―・す」 たたき‐がね敲き鉦】 仏具の一種。金銅こんどう製で、撞木しゅもくでたたき鳴らす鉦。ふせがね。鉦鼓しょうこ。 敲き鉦 撮影:関戸 勇 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐き・る叩き切る】 〔他五〕 たたくように勢いよく切る。幸田露伴、雪たたき「損得勘定のみに賢い奴等、かたツぱしから―・るほかは無い」 たたき‐ごえ敲き声‥ゴヱ 戸などをたたくような音声。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐ごぼう叩き牛蒡‥バウ ゆでたゴボウを擂粉木すりこぎなどで叩き、酢や醤油などで味をつけたり煮たりしたもの。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐ごま叩き独楽】 独楽の一種。木または竹の端に木綿の細長いきれをつけ、これを鞭として打ちたたいて回す。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐こ・む叩き込む】 〔他五〕 ①たたいて入れる。 ②乱暴に入れる。ぶちこむ。「牢屋に―・む」 ③しっかりと教える。おぼえこませる。「芸をきびしく―・む」 たたき‐ころ・す叩き殺す】 〔他五〕 たたいてころす。ぶちころす。なぐりころす。 たたき‐だい叩き台】 これから批判・検討を加えて良い案としていくための、最初に出される案。「―にのせる」「―にする」 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐だいく敲き大工】 釘をたたく程度の技量しかない、腕前のわるい大工。たたき。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐だ・す叩き出す】 〔他五〕 ①たたきはじめる。 ②たたいて追い出す。また、乱暴に追い出す。「道楽息子を―・す」 ③金属をたたいて模様を浮き出させる。 たたき‐た・てる叩き立てる】 〔他下一〕[文]たたきた・つ(下二) しきりにたたく。はげしくたたく。 たたき‐つ・ける叩き付ける】 〔他下一〕[文]たたきつ・く(下二) ①強く投げつける。強くたたく。「相手を土俵に―・ける」 ②荒々しい態度で差し出す。「辞表を―・ける」 ③無理に押しつける。なだめすかして従わせる。浄瑠璃、曾根崎「私合点いたさぬを、老母をたらし―・け、あんまりななされ様」 たたき‐つち敲き土・叩き土】 石灰・赤土・砂利などに苦塩にがりをまぜ、水を加えて練り固め、土間などに塗って叩き固めること。また、そうして仕上げた土間。たたき。日本永代蔵6「久七に明暮―をさせて」 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたきっ‐ぱなし叩きっ放し(→)「たたきばなし」に同じ。 たたき‐つぶ・す叩き潰す】 〔他五〕 ①たたいてつぶす。「ハエを―・す」 ②完全に負かす。「台頭する勢力を―・す」 たたき‐な叩き菜】 正月の七草粥に入れる菜類のこと。→七草の囃はや⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐なお・す叩き直す‥ナホス 〔他五〕 たたいて、まっすぐにする。心などが曲がっているのをきたえなおす。「根性を―・す」 たたき‐なっとう敲き納豆】 納豆を庖丁でたたいてこまかにしたもの。納豆汁などにする。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐なます叩き鱠】 和え物の一種。生の魚介類の身を細かく叩いて鱠にしたもの。 ⇒たたき【叩き・敲き】 ただ‐ぎぬ徒衣】 染めたり練ったりしてない衣。宇津保物語貴宮「唐綾、―一つまぜず皆赤色」 たたき‐のみ叩き鑿】 玄能げんのうや木槌で柄頭えがしらをたたいて使う鑿。→突き鑿⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐のめ・す叩きのめす】 〔他五〕 激しくたたいて相手が立ち上がれないようにする。また、心身に強い打撃を与える。うちのめす。「心ない一言に―・される」 たたき‐ばなし敲き放し】 ①江戸時代の刑の一種。たたきの刑を行なって、そのまま放免すること。たたきばらい。 ②利用するだけ利用して、後は捨てて顧みないこと。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐ばらい敲き払い‥バラヒ (→)「たたきばなし」1に同じ。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐ふ・せる叩き伏せる】 〔他下一〕[文]たたきふ・す(下二) ①たたいてうつぶせにさせる。たたいて倒す。 ②手痛い打撃を与えて屈服させる。圧伏する。 たたき‐わけ敲き別け】 山わけ。折半。 ⇒たたき【叩き・敲き】 たたき‐わ・る叩き割る】 〔他五〕 たたいて割る。うち破る。「窓ガラスを―・る」 たた・く叩く・敲く】 〔他五〕 ①つづけて打つ。くり返して打つ。竹取物語「門を―・きて、くらもちの皇子みこおはしたりと告ぐ」。平家物語11「奥おきには平家ふなばたを―・いて感じたり」。「肩を―・く」 ②打ち合わせて音を出す。源氏物語夕顔「あなわかわかしとうち笑ひ給ひて手を―・き給へば」。「太鼓を―・く」 ③物をたたくような動作をする。物に強く当たる。神代紀「時に鶺鴒とつきとり有りて飛び来りて其の首尾かしらおを揺たたく」。千載和歌集「雪の下水岩―・くなり」 ④ぶつ。なぐる。狂言、河原新市「先づこれを一つ飲うで打つなりとも―・くなりともしやれ」。天草本伊曾保物語「犬は打つても―・いても口答もせず」。「尻を―・く」 ⑤打診する。質問する。「専門家の意見を―・く」 ⑥クイナが戸を叩くような音で鳴く。源氏物語澪標「おしなべて―・く水鶏に驚かば」 ⑦(あごを打ち合わせるの意から、軽蔑的に)しゃべる。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「何のつらの皮でがやがや頤おとがい―・く」。「へらず口を―・く」 ⑧(扇子で演台を叩くところから)講談などを演ずる。「一席―・いて来た」 ⑨値切る。「これ以上―・かれては、もうけにならない」 ⑩いためつける。攻撃する。非難する。「彼の意見は新聞で―・かれた」 ⑪(酒問屋仲間の隠語。手を叩くところから)売買を決する。洒落本、仕懸文庫「門前に―・かうとおもひやす…―・かうとは手を―・かうといふ事、これみな酒店の通言也」 ⑫(隠語)強盗をはたらく。 ⇒叩けば埃が出る ⇒叩けよさらば開かれん ただ‐く只句】 連歌で、発句以外の普通の句をいう。筑波問答「この頃は―も発句のやうに心をわり、一かどあるやうにし侍れども」 だだくさ しまりのないさま。乱雑。鶉衣「庭は落葉に任せがちなる庵の―をいふ也けり」 ただ‐くち徒口】 口を動かさずにいること。黙っていること。天草本平家物語「ちつともそなたに―はおかせまいぞ」 たたく・る 〔他四〕 めちゃくちゃにする。こわす。浄瑠璃、傾城反魂香「袴の裾踏み―・つて睨み付け」 たたく・れる 〔自下一〕 くしゃくしゃになる。皺しわになる。一説に、破損する、また、ただれる。 たたけ】 タヌキの異称。〈華厳経音義私記〉

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