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たたき【叩き・敲き】🔗🔉

たたき叩き・敲き】 ①江戸時代の刑の一種。罪人の肩・背および尻を鞭打つもの。軽敲き(50打)と重敲き(100打)の2種があった。笞刑ちけい。 ②㋐魚または鳥獣の肉などを庖丁でたたいて作った料理。仁勢物語「汁菜は干菜蕪かぶらか穂蓼ほたでかも我が住む方の海人の―か」。「鰺あじの―」 ㋑節取りをしたカツオの表面を焙あぶり、厚めに切り薬味をのせて庖丁の腹でたたいて味がしみこみやすくした料理。土佐作り。 ③扇をたたいて拍子をとりながら唄い歩く乞食。また、その旋律を取り入れた浄瑠璃のふし。 ④(大阪方言)落語家または講釈師の前座を勤めるもの。 ⑤(多く「三和土」と書く)「敲き土」の略。夏目漱石、野分「沓脱から片足をタヽキへ卸して」 ⑥「敲き大工」の略。 ⑦将棋で、歩以外の駒の頭に歩を打つこと。 ⑧(隠語)強盗。 ⇒たたき‐あい【叩き合い】 ⇒たたき‐あげ【叩き上げ】 ⇒たたき‐あみ【叩き網】 ⇒たたき‐いし【叩き石】 ⇒たたき‐うり【叩き売り】 ⇒たたき‐がね【敲き鉦】 ⇒たたき‐ごえ【敲き声】 ⇒たたき‐ごぼう【叩き牛蒡】 ⇒たたき‐ごま【叩き独楽】 ⇒たたき‐だい【叩き台】 ⇒たたき‐だいく【敲き大工】 ⇒たたき‐つち【敲き土・叩き土】 ⇒たたき‐な【叩き菜】 ⇒たたき‐なっとう【敲き納豆】 ⇒たたき‐なます【叩き鱠】 ⇒たたき‐のみ【叩き鑿】 ⇒たたき‐ばなし【敲き放し】 ⇒たたき‐ばらい【敲き払い】 ⇒たたき‐わけ【敲き別け】

たたき‐がね【敲き鉦】🔗🔉

たたき‐がね敲き鉦】 仏具の一種。金銅こんどう製で、撞木しゅもくでたたき鳴らす鉦。ふせがね。鉦鼓しょうこ。 敲き鉦 撮影:関戸 勇 ⇒たたき【叩き・敲き】

たたき‐ごえ【敲き声】‥ゴヱ🔗🔉

たたき‐ごえ敲き声‥ゴヱ 戸などをたたくような音声。 ⇒たたき【叩き・敲き】

たたき‐だいく【敲き大工】🔗🔉

たたき‐だいく敲き大工】 釘をたたく程度の技量しかない、腕前のわるい大工。たたき。 ⇒たたき【叩き・敲き】

たたき‐つち【敲き土・叩き土】🔗🔉

たたき‐つち敲き土・叩き土】 石灰・赤土・砂利などに苦塩にがりをまぜ、水を加えて練り固め、土間などに塗って叩き固めること。また、そうして仕上げた土間。たたき。日本永代蔵6「久七に明暮―をさせて」 ⇒たたき【叩き・敲き】

たたき‐なっとう【敲き納豆】🔗🔉

たたき‐なっとう敲き納豆】 納豆を庖丁でたたいてこまかにしたもの。納豆汁などにする。 ⇒たたき【叩き・敲き】

たたき‐ばなし【敲き放し】🔗🔉

たたき‐ばなし敲き放し】 ①江戸時代の刑の一種。たたきの刑を行なって、そのまま放免すること。たたきばらい。 ②利用するだけ利用して、後は捨てて顧みないこと。 ⇒たたき【叩き・敲き】

たたき‐わけ【敲き別け】🔗🔉

たたき‐わけ敲き別け】 山わけ。折半。 ⇒たたき【叩き・敲き】

たた・く【叩く・敲く】🔗🔉

たた・く叩く・敲く】 〔他五〕 ①つづけて打つ。くり返して打つ。竹取物語「門を―・きて、くらもちの皇子みこおはしたりと告ぐ」。平家物語11「奥おきには平家ふなばたを―・いて感じたり」。「肩を―・く」 ②打ち合わせて音を出す。源氏物語夕顔「あなわかわかしとうち笑ひ給ひて手を―・き給へば」。「太鼓を―・く」 ③物をたたくような動作をする。物に強く当たる。神代紀「時に鶺鴒とつきとり有りて飛び来りて其の首尾かしらおを揺たたく」。千載和歌集「雪の下水岩―・くなり」 ④ぶつ。なぐる。狂言、河原新市「先づこれを一つ飲うで打つなりとも―・くなりともしやれ」。天草本伊曾保物語「犬は打つても―・いても口答もせず」。「尻を―・く」 ⑤打診する。質問する。「専門家の意見を―・く」 ⑥クイナが戸を叩くような音で鳴く。源氏物語澪標「おしなべて―・く水鶏に驚かば」 ⑦(あごを打ち合わせるの意から、軽蔑的に)しゃべる。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「何のつらの皮でがやがや頤おとがい―・く」。「へらず口を―・く」 ⑧(扇子で演台を叩くところから)講談などを演ずる。「一席―・いて来た」 ⑨値切る。「これ以上―・かれては、もうけにならない」 ⑩いためつける。攻撃する。非難する。「彼の意見は新聞で―・かれた」 ⑪(酒問屋仲間の隠語。手を叩くところから)売買を決する。洒落本、仕懸文庫「門前に―・かうとおもひやす…―・かうとは手を―・かうといふ事、これみな酒店の通言也」 ⑫(隠語)強盗をはたらく。 ⇒叩けば埃が出る ⇒叩けよさらば開かれん

[漢]敲🔗🔉

 字形 〔攵(攴)部10画/14画/5842・5A4A〕 〔音〕コウ〈カウ〉(漢) 〔訓〕たたく [意味] こつこつたたく。こぶしでノックする。「敲門・推敲」 ▷は異体字。

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