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な‐おり【波折り】‥ヲリ🔗🔉

な‐おり波折り‥ヲリ 波が幾重にも折り重なること。古事記「潮瀬の―を見れば」

な‐ぐら【波座】🔗🔉

な‐ぐら波座】 (宮城・茨城・静岡・和歌山県などで)波のうねり。また、沖の高波。なぐろ。

なみ【波・浪・濤】🔗🔉

なみ波・浪・濤】 ①水面の高低運動。波浪はろう。万葉集3「沖つ―辺―立つとも」。「―が高い」 ②うしお。潮流。神武紀「奔き潮なみ有りて太はなはだ急はやきに会ひぬ」 ③年老いて皮膚に生ずるしわにたとえる。古今和歌集「年ごとに鏡のかげに見ゆる雪と―とをなげき」 ④波浪のように動いて凹凸・起伏を生ずるもの。また、その形。万葉集7「天の海に雲の―立ち」。「人の―にのまれる」「成績に―がある」「藤―」 ⑤紋所の名。波を種々に図案化したもの。 ⑥(比喩的に)騒ぎ。平治物語「海内―おさまつて」 ⑦消えやすいもの、はかないものにたとえていう語。謡曲、江口「疑ひあら磯の―と消えにし」 ⑧〔理〕(→)波動に同じ。 ⇒波に乗る ⇒波にも磯にもつかぬ心地 ⇒波を打つ

なみ‐あい【波間】‥アヒ🔗🔉

なみ‐あい波間‥アヒ (→)「なみま」に同じ。

なみ‐あと【波跡】🔗🔉

なみ‐あと波跡】 ①打ち寄せた波のひいたあと。 ②舟などが跡に残して行く波。航跡。

なみうち‐ぎわ【波打際】‥ギハ🔗🔉

なみうち‐ぎわ波打際‥ギハ 波の打ち寄せるところ。なぎさ。みぎわ。なみぎわ。

なみ‐う・つ【波打つ】🔗🔉

なみ‐う・つ波打つ】 〔自五〕 ①波が寄せて来る。波がたつ。大唐西域記長寛点「激はやき水清み流れて汨ながれて漂注ナミウツ」 ②波のようにうねる。「稲穂が―・つ」

なみ‐おと【波音】🔗🔉

なみ‐おと波音】 ①波が打ち寄せたり引いたり、また、うねっておこす音。 ②歌舞伎囃子の一つ。大太鼓を長撥で強い抑揚をつけて打つ。海や川に近い場面で、幕開き・幕切れ・人物の出入りなどに使う。

なみ‐おぶね【波小舟】‥ヲ‥🔗🔉

なみ‐おぶね波小舟‥ヲ‥ 波にただよう小さい舟。

なみかけ‐ごろも【波掛け衣】🔗🔉

なみかけ‐ごろも波掛け衣】 波がかかってぬれている衣。新古今和歌集「須磨の海人あまの―」

なみ‐がしら【波頭】🔗🔉

なみ‐がしら波頭】 ①波の立ったさき。波の頂。はとう。 ②波の立った形の模様。蕨手わらびでに似たもの。

なみ‐がた【波形】🔗🔉

なみ‐がた波形】 波のような形。波の紋。

なみ‐ぎぬ【波衣】🔗🔉

なみ‐ぎぬ波衣】 大嘗会だいじょうえの時、天皇が沐浴する浴槽をおおう絹。

なみ‐きり【波切】🔗🔉

なみ‐きり波切(→)潮切しおきりに同じ。

なみ‐ぎわ【波際】‥ギハ🔗🔉

なみ‐ぎわ波際‥ギハ 波打際。

なみくも‐の【波雲の】🔗🔉

なみくも‐の波雲の】 〔枕〕 「うつくし」にかかる。

なみ‐ぐるま【波車】🔗🔉

なみ‐ぐるま波車】 川舟の異称。

なみ‐けい【波罫】🔗🔉

なみ‐けい波罫】 飾り罫の一つで、波形の罫線。ぶる罫。

なみ‐しぶき【波しぶき】🔗🔉

なみ‐しぶき波しぶき】 波がくだけ散って飛ぶ細かい水滴。「―が顔にかかる」

なみ‐せん【波銭・浪銭】🔗🔉

なみ‐せん波銭・浪銭】 江戸時代に鋳造された銭で、裏面に浪の紋のあるもの。寛永真鍮銭・精鉄銭および文久永宝。四文銭。

なみ‐だいもく【波題目】🔗🔉

なみ‐だいもく波題目】 日蓮が佐渡へ流されてゆく途上、海面に南無妙法蓮華経の題目を書き、難破を救ったという故事。

なみ‐と【波音】🔗🔉

なみ‐と波音】 波の音。なみおと。なみのと。万葉集8「天の川浮き津の―騒くなり」

○波に乗るなみにのる🔗🔉

○波に乗るなみにのる 周囲の動きや自分の勢いを利用して行動する。勢いに乗る。「景気の―」 ⇒なみ【波・浪・濤】

○波にも磯にもつかぬ心地なみにもいそにもつかぬここち🔗🔉

○波にも磯にもつかぬ心地なみにもいそにもつかぬここち 中途半端で落ち着かない気持。平家物語7「―ぞせられける」 ⇒なみ【波・浪・濤】 なみ‐の‐あや波の綾】 (さざ波が綾織物のようなことから)波でつくられる水面の模様。波紋。源氏物語胡蝶「―に文もんをまじへたる」 なみ‐の‐かよいじ波の通い路‥カヨヒヂ 波の上を通うみち。ふなじ。新古今和歌集神祇「さすがみなれぬ―」 なみ‐の‐しめ波の標】 波を、張り渡した標にたとえていう語。清輔集「河やしろ―ゆふ水の面は月の光も清く見えけり」 なみ‐の‐しわ波の皺】 ①水面の波紋。波の綾あや。貫之集「菊の花ひぢて流るる水にさへ―なき宿にぞありける」 ②年老いて皮膚にできるしわ。老の波。古今和歌集雑体「ながらへてなにはの浦に立つ波の―にやおぼほれむ」 なみ‐の‐せき波の関】 波のために往来が妨げられることを関にたとえていう語。堀河百首「―もる須磨の浦風」 なみ‐の‐せきもり波の関守】 波を関守に見立てた語。新後撰和歌集「月をぞ宿す―」 なみ‐の‐たより波の便り(→)「波の使つかいに同じ。 なみ‐の‐つかい波の使‥ツカヒ 寄せては返す波を使者にたとえていう語。波のたより。夫木和歌抄25「けふこそ見つれ―に」 なみ‐の‐つづみ波の鼓】 波の音を鼓にたとえていう語。また、波の調子に打つ鼓。謡曲、猩々「―どうど打ち」 なみ‐の‐て波の手】 波を自由にあやつる手だて。波を乗り切る手。源平盛衰記42「―風の手を作りて大なる波をばついくぐり」 なみ‐の‐と波の音】 波のおと。丹後風土記逸文「―聞こゆ」 なみ‐の‐はな波の花】 ①白波を花にたとえていう語。特に冬の日本海沿岸で、強風にあおられて岩場に砕け散る波が白い泡状になったもの。〈[季]冬〉。土佐日記「海荒げにて…―咲けり」 ②(女房詞)食塩。 なみのひら‐もの波平物】 平安末期〜近世、薩摩国谷山郷波平(現、鹿児島市上福元町)の刀工が製作した刀の総称。鍛冶として行安が著名。 なみ‐の‐ほ波の穂】 波がしら。なみほ。古事記「―より天の羅摩船かがみぶねに乗りて」 ⇒なみのほ‐の【波の穂の】 なみのほ‐の波の穂の】 〔枕〕 「甚振いたぶらし」にかかる。 ⇒なみ‐の‐ほ【波の穂】 なみ‐のり波乗り】 ①波に乗ること。「―船」 ②板などを使って波頭に乗るあそび。サーフィン。 なみ‐はずれ並外れ‥ハヅレ 普通でないこと。一般とは極端に変わっていること。日葡辞書「ナミハヅレノヒトヂャ」 なみ‐はず・れる並外れる‥ハヅレル 〔自下一〕 普通より際立って違う。「―・れて強い」 なみ‐はば並幅】 普通の幅。主として和服地などにいい、約36センチメートル幅。↔広幅↔半幅。 ⇒なみはば‐もの【並幅物】 なみはば‐もの並幅物】 並幅の反物。 ⇒なみ‐はば【並幅】 ナミビアNamibia】 アフリカ南西部の共和国。もとドイツ領南西アフリカ。国連の管轄下におかれていたが、南アフリカが実質支配。1990年独立。面積82万4000平方キロメートル。人口182万(2000)。首都ウィントフック。→アフリカ(図) なみ‐びきゃく並飛脚「早飛脚はやびきゃく参照。 なみ‐ひととおり並一通り‥トホリ (多く下に打消を伴う)世に多くあるさま。ごく普通のさま。「―の苦労ではない」 ナミブNamib】 (現地語で「何もない」の意)アフリカ大陸南西部沿岸にある砂漠。南北2000キロメートル、東西160キロメートルで、ダイヤモンドなどの地下資源に恵まれる。 なみふる‐ひれ浪振る領巾】 波を起こす呪力のある領巾。古事記「―、切浪比礼なみきるひれなみ‐ほ波穂】 波の高く立った所。なみがしら。波のほ。神代紀「秀起さきたつる―の上に八尋殿やひろどのを起てて」 なみ‐ま波間】 (空間的にも時間的にもいう)波と波との間。波のたたない間。源氏物語明石「浦風やいかに吹くらむ思ひやる袖うち濡らし―なき頃」。「―にただよう」 なみ‐まくら波枕】 ①波の上に寝ること。船中に旅泊すること。日を重ねる船路の旅。金葉和歌集「―いかにうきねを定むらむ」 ②枕元に波の音が聞こえること。新古今和歌集「泊瀬の川の―」 なみ‐まつ並松】 並び立っている松の樹。並木の松。 なみ‐もの並物】 並製の品物。上等でない品。 なみ‐やか並やか】 なみなみであるさま。普通であるさま。 なみ‐よけ波除け】 波をよけること。また、そのための施設。 なみ‐よ・る波寄る】 〔自四〕 ①波がうちよせる。 ②皺がよる。〈日葡辞書〉 なみ‐よ・る並み寄る】 〔自四〕 ならんで一方に寄る。源氏物語野分「御髪みぐしの―・りて」

なみ‐の‐あや【波の綾】🔗🔉

なみ‐の‐あや波の綾】 (さざ波が綾織物のようなことから)波でつくられる水面の模様。波紋。源氏物語胡蝶「―に文もんをまじへたる」

なみ‐の‐かよいじ【波の通い路】‥カヨヒヂ🔗🔉

なみ‐の‐かよいじ波の通い路‥カヨヒヂ 波の上を通うみち。ふなじ。新古今和歌集神祇「さすがみなれぬ―」

なみ‐の‐しめ【波の標】🔗🔉

なみ‐の‐しめ波の標】 波を、張り渡した標にたとえていう語。清輔集「河やしろ―ゆふ水の面は月の光も清く見えけり」

なみ‐の‐しわ【波の皺】🔗🔉

なみ‐の‐しわ波の皺】 ①水面の波紋。波の綾あや。貫之集「菊の花ひぢて流るる水にさへ―なき宿にぞありける」 ②年老いて皮膚にできるしわ。老の波。古今和歌集雑体「ながらへてなにはの浦に立つ波の―にやおぼほれむ」

なみ‐の‐せき【波の関】🔗🔉

なみ‐の‐せき波の関】 波のために往来が妨げられることを関にたとえていう語。堀河百首「―もる須磨の浦風」

なみ‐の‐せきもり【波の関守】🔗🔉

なみ‐の‐せきもり波の関守】 波を関守に見立てた語。新後撰和歌集「月をぞ宿す―」

なみ‐の‐たより【波の便り】🔗🔉

なみ‐の‐たより波の便り(→)「波の使つかいに同じ。

なみ‐の‐つかい【波の使】‥ツカヒ🔗🔉

なみ‐の‐つかい波の使‥ツカヒ 寄せては返す波を使者にたとえていう語。波のたより。夫木和歌抄25「けふこそ見つれ―に」

なみ‐の‐つづみ【波の鼓】🔗🔉

なみ‐の‐つづみ波の鼓】 波の音を鼓にたとえていう語。また、波の調子に打つ鼓。謡曲、猩々「―どうど打ち」

なみ‐の‐て【波の手】🔗🔉

なみ‐の‐て波の手】 波を自由にあやつる手だて。波を乗り切る手。源平盛衰記42「―風の手を作りて大なる波をばついくぐり」

なみ‐の‐と【波の音】🔗🔉

なみ‐の‐と波の音】 波のおと。丹後風土記逸文「―聞こゆ」

なみ‐の‐はな【波の花】🔗🔉

なみ‐の‐はな波の花】 ①白波を花にたとえていう語。特に冬の日本海沿岸で、強風にあおられて岩場に砕け散る波が白い泡状になったもの。〈[季]冬〉。土佐日記「海荒げにて…―咲けり」 ②(女房詞)食塩。

なみ‐の‐ほ【波の穂】🔗🔉

なみ‐の‐ほ波の穂】 波がしら。なみほ。古事記「―より天の羅摩船かがみぶねに乗りて」 ⇒なみのほ‐の【波の穂の】

なみのほ‐の【波の穂の】🔗🔉

なみのほ‐の波の穂の】 〔枕〕 「甚振いたぶらし」にかかる。 ⇒なみ‐の‐ほ【波の穂】

なみ‐のり【波乗り】🔗🔉

なみ‐のり波乗り】 ①波に乗ること。「―船」 ②板などを使って波頭に乗るあそび。サーフィン。

なみ‐ま【波間】🔗🔉

なみ‐ま波間】 (空間的にも時間的にもいう)波と波との間。波のたたない間。源氏物語明石「浦風やいかに吹くらむ思ひやる袖うち濡らし―なき頃」。「―にただよう」

なみ‐よけ【波除け】🔗🔉

なみ‐よけ波除け】 波をよけること。また、そのための施設。

なみ‐よ・る【波寄る】🔗🔉

なみ‐よ・る波寄る】 〔自四〕 ①波がうちよせる。 ②皺がよる。〈日葡辞書〉

○波を打つなみをうつ🔗🔉

○波を打つなみをうつ 波が立つように、次々に高くなったり低くなったりする。波打つ。 ⇒なみ【波・浪・濤】 なむ南無】 〔仏〕(梵語namas 帰命きみょう・敬礼きょうらいなどと訳す)三宝さんぼうに帰依・敬礼の意を表す語。南無や。那謨なも。納莫のうまく。「―三宝」 な・む並む】 [一]〔自四〕 ならぶ。つらなる。万葉集20「松の木の―・みたる見れば」 [二]〔他下二〕 ならばせる。つらねる。古事記「楯―・めて伊那佐の山の」 な・む嘗む・舐む】 〔他下二〕 ⇒なめる(下一) なむ 〔助動〕 (上代東国方言)「らむ」に同じ。万葉集14「鎌倉のみなのせ河にしほ満つなむか」。万葉集20「堅めてし妹が心は動揺あよくなめかも」 な‐む (完了の助動詞ヌの未然形ナに、推量の助動詞ムの付いた形)動詞の連用形に接続して未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。それらの意が動かす余地のないものだという強めをナが受け持つ。平安時代以後「なん」とも。 ①「ぬ」の付いた内容が、これから先に起こった場合を推量して述べる。…てしまうだろう。きっと…するだろう。万葉集3「来む世には虫に鳥にも吾はなりなむ」。万葉集5「竜田山御馬近づかば忘らしなむか」。源氏物語桐壺「はかなき心地に患ひて、まかでなむとし給ふを」 ②…することができよう。徒然草「かばかりになりては飛び下るとも下りなん」 ③(疑問を表す語と共に用いて)…してはどうか。…しないか。源氏物語桐壺「いかにすべきわざにかとも問ひ合すべき人だになきを、忍びては参り給ひなむや」 ④…の方がよい。…のが適当だ。源氏物語若紫「はや帰らせ給ひなむ」 なむ 〔助詞〕 ➊(係助詞)(「なも」の転。ナンとも)種々の語に付き、その語の内容を強める働きをする。和歌に用いられることは少なく、会話・散文に多い。 ①幾つかの中から取り立てて強調する。幾つかから選ぶために、強調したものについて述べる語は、それ以外への思いをこめて言い切りにならず、活用語の時は連体形となり、係結びの関係が生ずる。院政期に終止形・連体形の機能が同一化するのに伴い、連体形終止の独自性が失われ、係結びに乱れが生じた。古今和歌集「柿本人麿―歌の聖なりける」。伊勢物語「男京へ―まかるとて」 ②「…なむ」と後の述語を省略し、余情をこめた柔らかな物言いにする。源氏物語桐壺「かくかしこきおほせごとを光にて―、とて見給ふ」 ➋(終助詞)(「なも」の転。ナンとも。動詞などの未然形に接続)話しかける相手に、動作・作用の実現を誂え望む意を表す。…してほしい。古事記「青山に日が隠らばぬば玉の夜は出で―」。源氏物語夕顔「惟光とく参ら―とおぼす」 なむ‐あみだ南無阿弥陀】 「なむあみだぶつ」の略。 なむ‐あみだぶつ南無阿弥陀仏】 阿弥陀仏に帰命きみょうするの意。これを唱えるのを念仏といい、それによって極楽に往生できるという。六字の名号みょうごうなむおみ‐どうふ南無阿弥豆腐】 (禅僧が多く豆腐を食べることから、その念仏の声のナムオミドウと聞こえるのにかけたしゃれことば)豆腐の異称。 なむ‐きみょう南無帰命‥ミヤウ 〔仏〕梵語namas(南無)とその漢訳語「帰命」を重ねた語。心から帰依するの意。謡曲、柏崎「―弥陀尊」 ⇒なむきみょう‐ちょうらい【南無帰命頂礼】 なむきみょう‐ちょうらい南無帰命頂礼‥ミヤウチヤウ‥ 三宝さんぼうに帰依して仏足を頭に戴いて礼拝する意を表す語。 ⇒なむ‐きみょう【南無帰命】 ナムサダン (朝鮮語namsadang)朝鮮の旅芸人の集団。李朝時代に起こり、現在も人形劇・綱渡り・仮面劇・皿回しなどを演ずる。男寺党。 なむ‐さん南無三】 〔感〕 南無三宝の略。 なむ‐さんぼう南無三宝】 [一]〔名〕 〔仏〕仏・法・僧の三宝に帰依すること。謡曲、邯鄲かんたん「げに何事も一睡の夢、――」 [二]〔感〕 驚いた時や失敗した時、また事の成功を祈る時に発する語。しまった。さあ大変だ。なむさん。狂言、入間川「―まんまとたらされた」 な‐むし菜虫】 大根・蕪など、菜の葉について食害する虫。〈[季]秋〉。「胡蝶にもならで秋ふる―哉」(芭蕉) なむ‐だち汝等】 〔代〕 二人称。おまえたち。おまえら。三蔵法師伝永久点「爾輩ナムタチ何人ぞ」  な‐むち】 〔代〕 (ナ(吾)にムチ(貴)の付いた語)なんじ。宇津保物語俊蔭「―らをさへ罪に当てむ」 なむ‐とうらいどうし南無当来導師‥タウ‥ダウ‥ 弥勒みろく菩薩に帰依することを表す語。 なむ‐なむ (京都府で)平凡なさま。「―する」(平凡に暮らす) ナムポ南浦】 (Namp‘o)朝鮮民主主義人民共和国西部の直轄市。後背に大同江一帯の農産地をもち、平壌の外港。製鉄・紡績など工業が発達。旧称、鎮南浦。人口73万1千(1993)。 なむ‐みょうほうれんげきょう南無妙法蓮華経‥メウホフ‥キヤウ 日蓮宗三大秘法の一つ。妙法蓮華経に帰依する意。これを唱えれば、真理に帰依して成仏するという。題目。本門の題目。七字の題目。御題目。 な‐むら魚群】 海中を遊泳する魚群。なぶら。なぐら。ふむら。おおね。 ナムル (朝鮮語namul)日本の和え物・浸し物に相当する朝鮮料理。 なめ】 ①ぬるぬるしているもの。古事記「葛の根を舂き、其の汁の―を取りて」 ②(→)常滑とこなめ2に同じ。 なめ】 ①なめること。 ②貴人に薬を進める時、まず嘗めて毒味すること。また、その役。 なめ白痢】 (「滑なめ」の意か)白痢びゃくり。〈倭名類聚鈔3なめ無礼】 (形容詞「なめし」の語幹) ①ぶれい。無作法。増鏡「―なりといふことにて」 ②生意気。洒落本、当世嘘の川「たとへあいら二人退いてもこれは退かれませぬ。ヲヲ―」 なめ縵面】 銭の裏の文字が無くてなめらかな面。↔形かた なめ‐いし滑石】 ①表面がなめらかな石。 ②大理石。 なめ‐うち (→)「辛皮からかわ流し」に同じ。東北地方でいう。 なめ‐がお無礼顔‥ガホ 人を馬鹿にした顔つき。人なめ顔。浮世草子、好色万金丹「文蔵は―にて、『皆様の粋が足りませぬ』」 なめ‐かた縵面形】 銭を投げて、裏が出るか表が出るかを言いあててする賭博。 なめがた行方】 茨城県南東部の市。霞ヶ浦と北浦の間に位置し、農業が盛ん。人口4万。 なめくじ蛞蝓ナメクヂ マイマイ目(柄眼へいがん類)の有肺類。陸生の巻貝だが、貝殻は全く退化。体長約6センチメートル、淡褐色で3条の暗褐色の帯がある。頭部に長短2対の触角があって、長い方の先端に眼がある。腹面全体の伸縮によって徐々に歩き、這った跡に粘液の筋を残す。塩をかけると体内の水分が出て縮む。暗湿所にすみ、草食性で野菜などを害する。雌雄同体。日本に広く分布。なめくじり。なめくじら。〈[季]夏〉。新撰字鏡8「蜒、奈女久地」 ⇒なめくじ‐うお【蛞蝓魚】 ⇒蛞蝓に塩 なめくじ‐うお蛞蝓魚ナメクヂウヲ ナメクジウオ目の頭索とうさく類。体長約5センチメートルで側扁、形は魚に似て透明。口は体の前端腹面に開いて周囲に口ひげをもつ。雌雄異体。暖海の砂底中にすみ、前端部を水中に出して微細な動植物などを食べ、夜間に活発に泳ぐ。 なめくじうお ⇒なめくじ【蛞蝓】

は【波】🔗🔉

】 ①なみ・津波を数える語。「第1―到着」 ②㋐波斯ペルシアの略。 ㋑波蘭ポーランドの略。

は‐かん【波間】🔗🔉

は‐かん波間】 波の間。なみま。

は‐きゅう【波及】‥キフ🔗🔉

は‐きゅう波及‥キフ 余波が及ぶこと。だんだんと影響の及ぶこと。「財政投資の―効果」

は‐けい【波形】🔗🔉

は‐けい波形】 ①波のように起伏した形。なみがた。 ②〔理〕波動の伝わり方を示す図。1定点の物理量の時間的変化、あるいは一定時刻の物理量の空間的変化をグラフで示したもの。

は‐こう【波光】‥クワウ🔗🔉

は‐こう波光‥クワウ 波のきらめく色。

は‐こう【波高】‥カウ🔗🔉

は‐こう波高‥カウ 波の高さ。

は‐こん【波痕】🔗🔉

は‐こん波痕】 波のあと。

はし【波斯】🔗🔉

はし波斯】 ①中国におけるペルシアの古称。波斯国。 ②日本で、マレー半島地方の古称。

はし‐こく【波斯国】🔗🔉

はし‐こく波斯国⇒はし(波斯)1

はしのく【波斯匿】🔗🔉

はしのく波斯匿】 (梵語Prasenajit)釈尊と同時代の中インド、コーサラ国王。舎衛しゃえ城に都し仏教を保護した。プラセーナジット。

はじゅん【波旬】🔗🔉

はじゅん波旬】 〔仏〕(梵語pāpīyasの転訛。殺者・悪者と訳す)悪魔の名。

は‐じょう【波上】‥ジヤウ🔗🔉

は‐じょう波上‥ジヤウ (古くはハショウ)波の上。〈日葡辞書〉

は‐じょう【波状】‥ジヤウ🔗🔉

は‐じょう波状‥ジヤウ ①波の起伏する形。「―をなす」 ②波のように寄せては返すさま。 ⇒はじょう‐うん【波状雲】 ⇒はじょう‐こうげき【波状攻撃】 ⇒はじょう‐ねつ【波状熱】

はじょう‐うん【波状雲】‥ジヤウ‥🔗🔉

はじょう‐うん波状雲‥ジヤウ‥ 波状1をなす雲。主に高積雲・巻積雲・層積雲などに生ずる。 波状雲 撮影:高橋健司 ⇒は‐じょう【波状】

はじょう‐こうげき【波状攻撃】‥ジヤウ‥🔗🔉

はじょう‐こうげき波状攻撃‥ジヤウ‥ 波が寄せるように繰り返し行う攻撃。 ⇒は‐じょう【波状】

はじょう‐ねつ【波状熱】‥ジヤウ‥🔗🔉

はじょう‐ねつ波状熱‥ジヤウ‥ ブルセラ菌による家畜の感染症。人に感染すると高熱と寛解を反復し、波状の熱型を示す。ブルセラ症。マルタ熱。バング熱。地中海熱。 ⇒は‐じょう【波状】

は‐しょく【波食・波蝕】🔗🔉

は‐しょく波食・波蝕】 波が陸地を浸食する作用。海食。 ⇒はしょく‐だい【波食台】 ⇒はしょく‐だいち【波食台地】

はしょく‐だい【波食台】🔗🔉

はしょく‐だい波食台(→)海食棚に同じ。 ⇒は‐しょく【波食・波蝕】

はしょく‐だいち【波食台地】🔗🔉

はしょく‐だいち波食台地(→)海食台地に同じ。 ⇒は‐しょく【波食・波蝕】

は‐しん【波心】🔗🔉

は‐しん波心】 波のまんなか。水心。

は‐すう【波数】🔗🔉

は‐すう波数】 波動における波長の逆数。すなわち単位の長さに含まれる波の数。単位はm−1またはcm−1

は‐せん【波線】🔗🔉

は‐せん波線】 波状の線。

は‐そく【波束】🔗🔉

は‐そく波束】 〔理〕(wave packet) ①ある瞬間の波形が媒質全体に拡がっていないで、一部分に限られた波。 ②量子力学で、空間の中に有限の拡がりをもつ波動関数。この波動関数が代表する粒子は、空間のその有限の部分でだけ存在の確率を有し、粒子のおおよその位置がこの部分の中にあることを示す。

はたの‐かんじ【波多野完治】‥クワンヂ🔗🔉

はたの‐かんじ波多野完治‥クワンヂ 児童・教育心理学者。東京生れ。東大卒。お茶の水女子大学長。児童心理・視聴覚教育・言語教育の分野で業績を残す。著「児童心性論」「文章心理学入門」など。(1905〜2001) ⇒はたの【波多野】

はたの‐せいいち【波多野精一】🔗🔉

はたの‐せいいち波多野精一】 哲学者。長野県生れ。東大でケーベルに学ぶ。早大・京大教授。宗教哲学の体系化に尽くした。著「西洋哲学史要」「宗教哲学」「時と永遠」など。(1877〜1950) ⇒はたの【波多野】

はたの‐りゅう【波多野流】‥リウ🔗🔉

はたの‐りゅう波多野流‥リウ 平家(平曲)の一流派。江戸初期の波多野検校孝一( 〜1651)が創始。京都を中心に伝承された。前田流に対する。 ⇒はたの【波多野】

は‐ちょう【波長】‥チヤウ🔗🔉

は‐ちょう波長‥チヤウ ①〔理〕(wave length)波動のすぐ隣り合った山と山と、または谷と谷との間のように、位相を等しくする2点間の距離。→波形。 ②(1が合わないと電波交信ができないことから)話をする際の互いの心の動き。「彼とは―が合わない」 ⇒はちょう‐けい【波長計】

はちょう‐けい【波長計】‥チヤウ‥🔗🔉

はちょう‐けい波長計‥チヤウ‥ 電磁波の波長を測定する装置。周波数計。 ⇒は‐ちょう【波長】

はてるま‐じま【波照間島】🔗🔉

はてるま‐じま波照間島】 沖縄県南西部、八重山諸島の島。石垣島の南西60キロメートル、隆起珊瑚礁から成る。サトウキビを産する。

はと【波戸・波止】🔗🔉

はと波戸・波止】 (「はと」は、中国語の馬頭・灞頭・埠頭などからか。一説に、ハテ(泊)の転)海中に細長く土石を突き出した構築物。波を防ぎ、また、荷物の揚卸しにも用いる。はとば。埠頭ふとう。防波堤。

は‐とう【波頭】🔗🔉

は‐とう波頭】 ①波の上。海上。 ②波がしら。

は‐とう【波濤】‥タウ🔗🔉

は‐とう波濤‥タウ 大波。高い波。「万里の―」

はと‐ば【波止場】🔗🔉

はと‐ば波止場】 港の波止はとのある場所。また広く、港。和英語林集成初版「ハトバ、埠頭」。「―の別れ」→はと⇒はとば‐わたし【波止場渡し】

はとば‐わたし【波止場渡し】🔗🔉

はとば‐わたし波止場渡し】 船舶の貨物を波止場で受け渡しすること。船貨を波止場で受け渡しする契約。 ⇒はと‐ば【波止場】

ははか【波波迦】🔗🔉

ははか波波迦】 ウワミズザクラの古名。古事記「天香具山の天の―」 ○幅が利くはばがきく その方面で勢力がある。肩身かたみが広い。はぶりがきく。 ⇒はば【幅・巾】

ハルシャ‐がわ【波斯革】‥ガハ🔗🔉

ハルシャ‐がわ波斯革‥ガハ オランダ人が桃山時代にペルシアから舶載したという染革。色は黒・黄・紅・緑・赭あかなど。多く巾着きんちゃくなどをつくる。ペルシア革。五色革。 ⇒ハルシャ【波斯】

ハルシャ‐ぎく【波斯菊・春車菊】🔗🔉

ハルシャ‐ぎく波斯菊・春車菊】 キク科の一年草。北アメリカ原産の観賞用植物。高さ50センチメートル以上。葉は羽状に裂け、裂片は狭長。よく分枝し、夏、細長い花柄にコスモスに似た頭状花を多くつける。周辺は鮮黄色、花心は濃赤褐色。園芸品種があり、花壇などに栽培。孔雀草。蛇の目草。 ハルシャギク 提供:OPO ⇒ハルシャ【波斯】

ペルシア【Persia・波斯】🔗🔉

ペルシアPersia・波斯】 (イラン南西部の古代地名パールサPārsaに由来)イランの旧称。アケメネス朝・ササン朝・サファヴィー朝・カージャール朝などを経て、1935年パフレヴィー朝が国号をイランと改めた。→イラン⇒ペルシア‐がわ【ペルシア革】 ⇒ペルシア‐ご【ペルシア語】 ⇒ペルシア‐せんそう【ペルシア戦争】 ⇒ペルシア‐ねこ【ペルシア猫】 ⇒ペルシア‐わん【ペルシア湾】

[漢]波🔗🔉

 字形  筆順 〔水(氵・氺)部5画/8画/教育/3940・4748〕 〔音〕(呉)(漢) 〔訓〕なみ [意味] ①水面に生ずるなみ。「波浪・波濤はとう・風波・防波堤・金波銀波」 ②なみのうねりのような動き(をするもの)。「第一波のストライキ」「波長・波動・音波・電波・脳波・寒波・周波数」 [解字] 形声。「水」+音符「皮」(=けもののかわ。表面をおおってうねうねと傾く)。水の表面に生じて傾きをもつ動きの意。「浪」は、澄んだしぶきをあげるなみ。 [下ツキ 一波・煙波・音波・寒波・金波・銀波・鯨波・検波・光波・周波・秋波・千波万波・短波・中波・長波・電波・脳波・風波・防波堤・余波 [難読] 波止場はとば・波斯ペルシャ・波蘭ポーランド

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